このページのまとめ
- 正当な理由のない内定取り消しは違法であり、滅多に起こることではない
- 内定取り消しが正当な理由とされるのは、「単位不足による卒業不可」「経歴詐称」など
- 不当な内定取り消しに遭ったら、証拠を揃えて専門機関に相談する
「内定が突然取り消されたらどうしよう…」と不安を感じる就活生は少なくありません。就職先が決まってうれしい反面、予期せぬトラブルを想像してしまうと手放しで喜べないものです。
この記事では、内定取り消しが起こり得る具体的なケースや、万が一の事態に直面した際の対処法を解説します。不安解消のために、内定取り消しに関する正しい知識を身につけておきましょう。
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- 正当な理由のない内定取り消しは違法
- 企業が内定を出した時点で労働契約は成立している
- 内定取り消しは「解雇」と同等に扱われる
- 新卒採用における内定取り消しは滅多にない
- 内定取り消しになるケースは?5つの正当な理由
- 1.卒業単位が不足して大学を卒業できない
- 2.履歴書や面接の内容に嘘が発覚した
- 3.犯罪行為やSNSでの不適切な言動が発覚する
- 4.業務遂行が困難なほど健康状態が悪化する
- 5.整理解雇の要件を満たすほど経営が悪化した
- 内定取り消しが違法となる可能性が高い事例
- 1.身元保証人がいないことを理由とする
- 2.学生結婚など業務に無関係なことを理由とする
- 3.健康診断での健康数値の異常のみを理由とする
- 4.企業の主観的・抽象的な判断で正当な理由がない
- 違法な内定取り消しは企業側もリスクを負う
- 泣き寝入りする前に!内定取り消しされたときの対処法
- 1.書面やメールで具体的な取消理由の開示を求める
- 2.内定通知書ややり取りの履歴など証拠を残す
- 3.提示された条件や補償内容を確認する
- 4.同意するか撤回を求めるか意思表明をする
- 5.専門機関に相談する
- 6.損害賠償の請求や内定取り消しの撤回を求める
- 内定取り消し後に逆転内定を掴む方法
- 秋・冬採用や通年採用を狙う
- 内定取り消しの事実をポジティブに語る
- 就職エージェントを活用する
- 内定取り消しに遭うのが怖いと感じている方へ
- 内定取り消しに関するQ&A
- 企業が内定取り消しを行う予兆はありますか?
- 入社に必要な書類が間に合わないと内定取り消しになる?
- 承諾期限の延長を依頼すると内定を取り消される?
- 学生側からの内定取り消しはいつまで可能?
- 内定承諾書の提出期限延長を申し出たら内定取り消しになった…
正当な理由のない内定取り消しは違法
内定取り消しを過度に恐れる必要はありません。法律の観点から見ると、正当な理由がない内定取り消しは違法と判断される可能性が極めて高いからです。まずは、なぜ違法とされる可能性が高いのか、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
企業が内定を出した時点で労働契約は成立している
企業が内定通知を出した時点で、法律的には「始期付解約権留保付労働契約」という労働契約が成立します。これは、「実際に働き始める時期(始期)が決まっており、やむを得ない事情がある場合のみ解雇する権利(解約権)が企業に留保された契約」という意味です。
つまり、内定通知を受け取った段階で、あなたはすでにその企業で将来働く労働者としての地位を手にしていることになります。企業側が「まだ入社前だから」という軽い理由で、一度結んだ契約を自由に白紙に戻すことは法的に認められません。
内定取り消しは「解雇」と同等に扱われる
内定取り消しは、法律上「解雇」と同等の扱いを受けます。「労働契約法第十六条」では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。
もし企業が正当な理由なく内定を取り消せば、「解雇権の濫用」とみなされ、その取り消しが無効になるだけでなく、不法行為や債務不履行として損害賠償を請求されるリスクを負いかねません。
そのため、「なんとなく社風に合わなそうだから」「もっと優秀な学生が見つかったから」といった企業側の身勝手な理由で、簡単に内定が取り消されることはないでしょう。
内定の意味を確認したい場合は、「【新卒】内定とは?内々定・採用との違いや獲得から入社までの流れを解説」の記事を参考にしてみてください。
参照元
e-Gov法令検索
労働契約法
「内々定」の取り消しは原則として違法ではない
法律上、「内々定」の取り消しは、「内定」と比べると企業側の自由度が高いとされています。一般的に、内々定は労働契約が成立する前の「内定の予約」のような段階であり、まだ雇用関係が成立していないためです。
内定に比べると法的な保護は限定的なので、内々定を得たあとも油断せず、気を引き締めて残りの大学生活を送りましょう。
なお、内々定であっても自由に取り消せるわけではありません。企業が採用を確約するような言動をとり、学生側がそれを信じて他社の選考を辞退するなど準備を進めていた場合などは、取り消しの理由に妥当性がなければ、期待権の侵害として損害賠償の対象(違法)となる可能性があります。
就活では、内定が出たあとも「承諾すべき?」「辞退を伝えにくい」などと悩むことがあります。就活でよくある悩みと解消法については、「就活でよくある悩み20選!不安を溜め込まないための心構えや解消法を紹介」の記事をご参照ください。
新卒採用における内定取り消しは滅多にない
現実的な実態として、新卒採用における内定取り消しが発生する確率は極めて低いといえます。厚生労働省の「令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します」によると、2025年3月に卒業した人のうち、内定取り消しになった人は全国でわずか34人でした。その内、大学生等(大学生や短期大学生、専修学校生など)に限定すると15人にとどまっています。
| 卒業年月 | 内定取り消しの合計人数 | 大学生等の人数 |
|---|---|---|
| 2023年3月 | 42人 | 18人 |
| 2024年3月 | 47人 | 31人 |
| 2025年3月 | 34人 | 15人 |
参照:厚生労働省「令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します(p.6)」
2023~2025年の3年間では、内定取り消しの合計人数は30~50人程度で推移していました。毎年、何十万人が就活を行うなかで、内定取り消しは極めて限定的なケースといえます。統計的にみれば、内定後の予期せぬ取り消しを過度に恐れる必要はないでしょう。
参照元
厚生労働省
令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します
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内定取り消しになるケースは?5つの正当な理由
正当な理由がある場合、企業による内定取り消しは必ずしも違法ではありません。ただし、内定を承諾した時点で労働契約は成立しているとみなされるため、内定取り消しが有効と認められるには、以下の基準を満たす必要があります。
・内定当時に確認できず、また知ることが期待できなかった事実に基づくものであること
・その理由による取り消しが、客観的に合理的であり社会通念上相当であること
つまり、企業が予見できなかった重大な問題が発覚し、誰が見ても「これでは雇用を継続できない」と判断されるような極めて限定的な場合に限り、内定取り消しが認められます。
ここでは、内定取り消しが認められる5つの理由をまとめました。

1.卒業単位が不足して大学を卒業できない
大学を卒業できないことは、内定取り消しの正当な理由として認められます。新卒採用では基本的に、「△年△月に大学を卒業して入社できること」が前提条件となっているためです。
単位不足で留年が確定したり、卒業が9月に延期になったりした場合、入社時期に企業が求める学歴要件を満たせなくなります。これは採用の前提条件が崩れることを意味し、学生側の責任(契約不履行)として内定取り消しが有効と判断される可能性が高いでしょう。
企業によっては例外的に「秋入社への変更」を認めてくれたり、翌年の採用で一部選考を免除してくれたりなどの配慮をしてくれるケースもあります。しかし、基本的には自己責任の世界なので、卒業できるよう全力を尽くしましょう。
2.履歴書や面接の内容に嘘が発覚した
選考時に提出した書類や面接での発言に、採否を左右するような重大な虚偽があった場合、内定取り消しの正当な理由になります。これは、経歴詐称が企業との信頼関係を根本から破壊する行為と判断されるためです。
たとえば、以下のような虚偽は、内定取り消しに直結する可能性があります。
| 虚偽の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 出身大学や学部・学科の詐称 | 別の大学名や存在しない学部を記載するなど |
| 取得していない資格の虚偽記載 | 実際は500点なのに「TOEIC 850点」と申告するなど |
| 著しい経歴の改ざん | 留年や浪人の事実を隠蔽して提出するなど |
「自己PRの多少の誇張」程度であれば取り消しにまで至ることは稀ですが、上記の表にあるような経歴詐称は別問題です。仮に上記のような嘘が入社後にバレた場合、懲戒解雇になるケースも珍しくありません。
3.犯罪行為やSNSでの不適切な言動が発覚する
内定期間中に犯罪に関与したり、社会的に不適切な言動を行ったりした場合も、内定が取り消される要因になり得ます。企業のブランドイメージを著しく傷つける行為は、社員としての適格性を欠くと判断されるからです。
昨今では、SNSでの投稿が炎上し、それが企業に特定されて問題視されるケースも増えています。以下に、内定取り消しにつながりやすい素行不良の例をまとめました。
・SNSにアルバイト先の裏側の不適切な動画を投稿して炎上
・他者への誹謗中傷や機密情報の漏洩、公序良俗に反する投稿
・飲酒運転や窃盗、傷害事件などによる逮捕
・内定者懇親会での過度な迷惑行為、重大なハラスメント
特に、SNSでの発信は自身の意図しないところで情報が拡散されるリスクを常に念頭に置き、細心の注意を払うことが重要です。
4.業務遂行が困難なほど健康状態が悪化する
怪我や病気によって、入社後に予定されていた業務の遂行が不可能になった場合、内定が取り消されることがあります。企業は労働力を提供してもらう対価として給与を支払うため、その提供が物理的に困難な場合には、契約の目的が果たせないと判断されるためです。
ただし、一時的な病気や企業側による業務内容の調整・合理的配慮によって就業が可能なケースであれば、直ちに取り消しが認められるわけではありません。医師の診断に基づき、回復の見込みがなく、長期にわたって働くことが極めて困難であると客観的に証明される必要があります。
5.整理解雇の要件を満たすほど経営が悪化した
内定が取り消されるのは、学生側の落ち度ではなく、経営悪化によるケースも少なくありません。急激な業績悪化によって倒産の危機に瀕している場合など、どうしても雇用が維持できない状況がこれに該当します。
この場合、採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」として扱われるため、企業は「整理解雇の4要件」という厳しい基準を満たさなければなりません。単に「少し利益が減ったから」といった理由で内定を取り消すことは、解雇権の濫用とみなされ、法的に認められない可能性が高いでしょう。
整理解雇の4要件
- 人員削減の必要性がある
- 内定取り消しを避けるための努力を尽くした
- 対象者の選定基準が合理的である
- 手続きの妥当性(説明や協議が尽くされている)がある
参照:厚生労働省「知って役立つ労働法-働くときに必要な基礎知識-(p.54)」
現実的には今後の生活を立て直すために、まずは速やかに気持ちを切り替えて次のアクションを起こすことが重要です。
内定が取り消されたあとに考えられる選択肢は、「無い内定とは?就活に苦戦する原因と内定ゲットのコツを解説」の記事で解説しているので参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
基本的な労働法制度・社会保険などについてお調べの方へ
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内定取り消しが違法となる可能性が高い事例
個人のプライベートな事情や企業側の努力で解決できる手続き上の遅れなどが理由の場合、内定取り消しは原則として違法です。自分に非がないケースで不当な扱いを受けないよう、どのような事例が違法にあたるのかを知っておきましょう。
以下で、内定取り消しが違法となる可能性が高い事例を4つ解説します。
1.身元保証人がいないことを理由とする
身元保証人がいないことを理由とした内定取り消しは、公序良俗や解雇権濫用の観点から違法にあたる可能性があります。なぜなら、「親族がいない」などの事情は、内定者本人の責任や業務遂行能力とは直接関係がないため、「客観的に合理的な理由」とは認められにくいからです。
企業側には保証人代行サービスの利用を案内したり、緊急連絡先の確保のみで入社を認めたりするなど、個別の事情に応じた柔軟な対応が求められます。
「身元保証人は誰に頼めばいい?入社時に必要な理由や困ったときの対処法」の記事では、身元保証人がいない場合の対処法を解説しているので、不安な人はご一読ください。
2.学生結婚など業務に無関係なことを理由とする
私生活における個人的な決断を理由にした内定取り消しは、プライバシーの侵害や差別に該当し、違法と判断される可能性が高いといえます。結婚や妊娠、あるいは特定の宗教や思想は、業務遂行能力とは本来切り離して考えられるべき事柄だからです。
採用内定は法的にも労働契約が成立したものとみなされるため、取り消しには解雇と同等の厳格な正当性が求められます。したがって、内定期間中の学生結婚に対して「仕事に集中できないだろう」「すぐに辞めるのではないか」といった企業の主観的な憶測のみで内定を反故にすることは認められません。
個人の自由や権利を会社の理屈で制限することは、人権侵害になり得る行為といえます。
3.健康診断での健康数値の異常のみを理由とする
入社前の健康診断で、たとえば「血圧が少し高い」「肝機能の数値が基準値を超えている」といった異常が見つかっただけで内定を取り消すことも違法です。
過去に、健康診断でHIV感染が発覚したことを理由に内定を取り消された学生が提訴し、裁判所が「通常の業務を遂行するうえで何ら支障がない」として、企業側の内定取り消しを不当(違法)と判断した判例があります。
このように、医学的に業務が不可能だと証明されない限り、健康数値の異常のみを理由にした内定取り消しは認められません。
4.企業の主観的・抽象的な判断で正当な理由がない
「なんとなく雰囲気が合わない」「社風に馴染めなさそうだ」といった主観的な印象による内定取り消しは、法的効力をもちません。内定の時点で一度評価を確定させている以上、そのあとに発覚した重大な欠格事由がない限り、企業側の一方的な事情による心変わりは通用しないでしょう。
正当と認められにくい理由
- 当初の期待よりもスキルが低そうだと感じた
- もっと優秀な学生から応募があった
- 印象が以前と変わった
一度成立した労働契約を解消するには、誰が見ても納得できる明確な根拠が必要です。企業側の身勝手な都合や曖昧な基準によって、内定者の法的地位が脅かされることはあってはなりません。
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違法な内定取り消しは企業側もリスクを負う
万が一、企業が違法な内定取り消しを行った場合、その企業は相当のペナルティやリスクを負うことになります。
まず挙げられるのが、「損害賠償責任」です。就活の再開費用や精神的苦痛、将来得られたはずの利益などに対して、企業は金銭的な賠償を求められる可能性があります。
次に、「社会的信用の失墜」です。現代はSNSの普及により、企業の不適切な対応は瞬時に拡散されます。会社のブランドイメージが崩壊すれば、今後の採用だけでなく、日々のビジネスにも大打撃となるでしょう。
さらに、労働基準監督署からの指導や、厚生労働省による企業名の公表といった行政処分を受ける可能性もあります。このように、法律を無視した理不尽な内定取り消しは企業側にとってデメリットが大きいため、そう簡単に踏み切れるものではないのが実情です。
そのため、多くの企業は違法な内定取り消しを避けますが、なかにはこれらのリスクを無視した対応を行う「ブラック企業」も存在します。ブラック企業の見分け方について解説している「ブラック企業の見分け方は?危険な会社とホワイト企業を見極めるコツを紹介」の記事も、あわせてご覧ください。
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泣き寝入りする前に!内定取り消しされたときの対処法
法律で守られていても、不誠実な企業から突然の内定取り消し通告を受ける可能性はゼロではありません。その際は、パニックにならずに冷静に行動することが、自分を守るための武器になります。以下のステップに従って、毅然とした態度で対処しましょう。
1.書面やメールで具体的な取消理由の開示を求める
内定取り消しを告げられたら、まずはその理由を客観的な証拠として残すために書面での開示を求めてください。口頭だけの説明では、あとから内容を覆されたり、言った言わないのトラブルに発展したりするリスクがあるからです。
企業側には、「労働基準法第二十二条」において解雇の理由を証明する書類を交付する義務があるため、まずは冷静に請求することが大切です。メールや郵送で「内定取り消しの理由を具体的に記した文書(内定取り消し通知書など)をいただけますか」と誠実に、かつ明確に依頼しましょう。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
2.内定通知書ややり取りの履歴など証拠を残す
企業とやり取りしたすべての記録は、法的手段や交渉を行う際の重要な証拠になります。不当な内定取り消しを争うためには、前提として「内定(労働契約)が成立していた事実」を客観的に証明する必要があるため、以下の資料を整理して保管しておきましょう。
・内定通知書や採用内定承諾書(コピーも含む)
・内定後の研修案内や入社準備に関するメール
・内定取り消しを告げられた際の通話録音やメールの本文
内定通知書や採用内定承諾書がメールで届いた場合は、PDFだけでなく、送信元や日時が分かるメール本文(スレッド全体)をそのまま保存しておきましょう。これらは、自分自身の法的な立場を強くするための重要な武器です。
3.提示された条件や補償内容を確認する
企業が内定取り消しを行う際、お詫びとして金銭的な補償や他グループ企業の紹介などを提示してくるケースがあります。これらの条件を鵜呑みにせず、自分にとって妥当な内容かどうかを慎重に見極める必要があります。
提示された条件にその場で即答するのはおすすめできません。一度「承諾」の意思を示してしまうと、「内定取り消しに合意した(契約の合意解約)」とみなされ、あとから不当性を訴えることが困難になるリスクがあるからです。
まずは「一度持ち帰って検討します」と伝え、家族や信頼できる大人に相談する時間を確保しましょう。納得のいかない条件であれば、安易に署名や回答をせず、自分の権利を守るための姿勢を保つことが重要です。
4.同意するか撤回を求めるか意思表明をする
提示された理由や条件を十分に検討したうえで、自分が今後どうしたいのかを企業へ明確に伝える必要があります。単に返答するだけでなく、「不当性を訴え、解決金を含めた法的責任を追及したいのか」あるいは「条件を整えて他社への切り替えを優先するのか」という自身の方向性を確定させましょう。
自分の意志を固めてから伝えることで、企業側との交渉をスムーズに進められます。もし入社を強く希望する場合は「内定取り消しの撤回」を求め、納得したうえで他社へ目を向ける場合は「条件面の最終合意」へと進むことになるでしょう。
今後の方向性が明確になれば、弁護士への相談や就活の再開といった、そのあとの具体的なアクションを迅速に開始できます。
5.専門機関に相談する
自分1人で企業と対峙するのは精神的にも大きな負担となるため、労働問題の専門家へ相談することをおすすめします。客観的なアドバイスを受けることで、現状が法的に見てどうなのか、今後どのような対策をとるべきかといった明確な指針を得られるでしょう。
相談先の主な例を以下にまとめました。
| 総合労働相談コーナー | 各都道府県の労働局にあり、無料で労働問題全般の相談ができる |
|---|---|
| 労働基準監督署 | 残業代未払いや休憩なし、36協定違反など「労働基準法違反」の疑いがある場合に、企業への是正指導を行っている |
| 弁護士 | 法的な交渉や損害賠償請求を直接代行してもらえる |
専門機関へ相談するべきか迷ったり、いきなり連絡するのはハードルが高いと感じたりする場合は、大学のキャリアセンターに相談するのもおすすめです。キャリアセンターは、大学生にとって身近な相談相手であり、必要に応じて外部の適切な窓口を案内してくれるでしょう。
6.損害賠償の請求や内定取り消しの撤回を求める
内定取り消しに正当な理由がないと判断される場合、企業に対して慰謝料や損害賠償を請求できる可能性があります。内定を信じて引越し準備を進めていた場合や他社の内定を辞退していた場合などは、具体的な損害が発生しているとみなされるためです。
ただし、訴訟には時間とコストがかかるだけでなく、復職後の職場環境なども考慮する必要があります。まずは労働問題に強い弁護士へ相談し、得られる利益と負担を天秤にかけて判断しましょう。
和解金の相場
内定取り消しのトラブルが裁判外での話し合いで解決する場合、解決金が支払われることが一般的です。この金額は、企業の対応の悪質さ、内定者の精神的苦痛、および発生した実損害の大きさによって変動します。
主な目安としては、以下の範囲に収まるケースが多いようです。
和解金の目安
- 賃金の数ヶ月分(3〜6ヶ月程度)
- 数十万~100万円前後の慰謝料
ただし、これらはあくまで一般的な相場です。たとえば、すでに他社の内定を辞退していたり、職を辞していたりする場合など、「次の就職先が決まるまでの無収入期間」が長引くと予想される事案では、より高額になることもあります。
個別の状況によって金額は大きく増減するため、具体的な算定は専門家への相談が不可欠です。
内定が取り消されたあと、就活を再開せざるを得ない場合もあるでしょう。その場合は、「就活とは?基本的な流れやスケジュールとあわせて成功のポイントを解説」の記事を参考に、改めて就活の流れやスケジュールを確認してみてください。
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内定取り消し後に逆転内定を掴む方法
もしも不運に見舞われ、内定が白紙になってしまったとしても、あなたのキャリアがそこで終わるわけではありません。時期に応じた適切な戦略を立てれば、そこから「逆転内定」を勝ち取ることは十分に可能です。
以下で、内定取り消しに遭ったあと、前を向いて再スタートを切るためのアプローチ方法を紹介します。
秋・冬採用や通年採用を狙う
世の中には、秋採用(9〜11月)や冬採用(12〜2月)、そして時期を問わずに応募を受け付ける「通年採用」を実施している企業が数多く存在します。内定取り消し後の就職活動では、これらの採用枠を狙うのが効果的です。
こうした企業のなかには、「内定辞退による急な欠員埋め」や「事業拡大に伴う即戦力の募集」などを行っているケースも少なくありません。そのため、思わぬ優良企業に出会える可能性も十分にあり、「時期が遅いから」と諦める必要はありません。
通年採用を実施している企業の特徴は、「通年採用をしているのはどんな企業?特徴や内定獲得のコツを解説」の記事で解説しています。
内定取り消しの事実をポジティブに語る
内定取り消し後に就活を再開する場合、面接で「なぜこの時期に就職活動をしているのですか?」と質問される可能性があります。その際は、ネガティブな印象を与えないよう工夫が必要です。事実を隠すのではなく、その経験から学んだことや成長した点を前向きに伝えましょう。
内定取り消しの理由が企業側の都合である場合は、その事実を客観的に説明し、自分に非がないことを明確にします。また、内定取り消しを経験したことで、企業選びの視点が変わったり、自分の価値観が明確になったりした場合は、それらの気づきを積極的にアピールしてください。
面接での回答例
なぜこの時期に就職活動をしているのですか?
以前、内定をいただいた企業があったのですが、経営悪化により内定取り消しとなりました。しかし、この経験を通じて企業の安定性を見極める重要性を学びました。
また、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢の大切さを実感し、現在はより慎重かつ積極的に就職活動に臨んでいます。御社の堅実な経営方針と成長性に魅力を感じており、長期的に貢献したいと考えております。
就職エージェントを活用する
限られた時間のなかで効率良く内定獲得を目指すには、就職エージェントを活用するのがおすすめです。エージェントでは、プロのアドバイザーがあなたの状況に応じて、新卒採用を継続している非公開求人をスピーディーに紹介してくれます。
面接対策や履歴書の添削、企業側への推薦などをトータルでサポートしてもらえるため、1人で就活を行うよりも精神的な負担を減らしながら、効率的に内定獲得に近づけるでしょう。
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内定取り消しへの不安を抱えている方は決して少なくありません。しかし、実際に内定取り消しに遭遇するケースは極めて稀です。あなたが大学をしっかり卒業し、嘘をつかずに誠実に過ごしていれば、過度に怯える必要はないでしょう。
また、実際に取り消しに遭った場合の対処法を事前に知っておくことで、万が一のことが起こっても冷静に対応できます。専門機関に相談した結果、「改めて就活をやり直したい」「卒業までに納得いく企業から内定が欲しい」と判断した場合は、キャリアチケット就職エージェントをご利用ください。
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内定取り消しに関するQ&A
最後に、就活生からよく寄せられる内定取り消しに関する疑問に一問一答形式でお答えします。
企業が内定取り消しを行う予兆はありますか?
内定取り消しが行われる前には、以下のような予兆がみられることがあります。 ・内定者懇親会が突然中止になる ・事前研修が予告なく中止される ・自分にだけ入社に向けた案内が来ない ・経営不振に関するニュースが流れる ただし、これらのサインが必ずしも内定取り消しに直結するわけではありません。社内スケジュールの変更や連絡ミスなどの可能性もあります。もし、不安を感じたら採用担当者に状況を確認してみましょう。
入社に必要な書類が間に合わないと内定取り消しになる?
単なる提出遅れだけで直ちに内定が取り消されることは、法的には考えにくいです。しかし、留年して卒業証明書が提出できない場合は、採用の前提条件を満たさないため、正当な理由として取り消される可能性があるでしょう。 年金手帳や住民票などの書類であれば、事前に遅れる理由と提出日を誠実に伝えれば、厳重注意で済むことが一般的です。ただし、期限を守る姿勢は社会人としての信頼に直結するため、遅れる場合は早急に対応し、誠実な謝罪を伝えましょう。
承諾期限の延長を依頼すると内定を取り消される?
原則として、承諾期限の延長を相談しただけで内定を取り消されることはありません。企業の採用計画の都合で延長を断られる可能性はありますが、誠実に理由を話し回答期限を明確に伝えれば、多くの企業は柔軟に対応してくれるでしょう。 ただし、あまりに長い延長や不誠実な態度はマイナスな印象を与えかねません。内定承諾期間の延長については、「内定承諾期間は延長できる?依頼時のマナーや電話・メールの例文を紹介」をご確認ください。
学生側からの内定取り消しはいつまで可能?
学生側からの内定取り消し(辞退)は、民法第627条第1項の規定に基づき、入社日の「2週間前」までであれば可能です。 企業側からの取り消しには厳しい制限がありますが、労働者側からの辞退の自由は法律で守られています。ただし、直前の辞退は企業側に多大な迷惑を掛けるため、辞退を決意した時点で1日でも早く、誠実にお詫びの連絡を入れるのが社会人としてのマナーです。 内定辞退を伝える際のマナーについて詳しくは、「内定辞退はいつまでできる?伝える際のマナーやタイミング別の例文を紹介」の記事をご覧ください。
参照元
e-Gov法令検索
民法
内定承諾書の提出期限延長を申し出たら内定取り消しになった…
内定承諾書の提出期限延長を申し出ただけで内定取り消しにすることは、原則として違法です。 前述したように、企業が内定を出した時点で労働契約は成立します。そのため、内定の取り消しは法律上「解雇」と同等に扱われ、客観的に合理的で社会通念上相当な理由がなければ認められないのが基本です。 ただし、企業側にも採用計画があります。1ヶ月などの長期間の延長は、計画に与える影響が大きいため、断られる可能性があることは覚悟しておきましょう。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。