「無い内定」で卒業後はどうなる?負のループに陥る原因と解決策

このページのまとめ

  • 「無い内定」とは「NNT」とも表現され、内定を得られていない状態のこと
  • 無い内定で卒業しても3年以内は新卒扱いで就活を継続できる
  • 無い内定の卒業後には4つの進路がある
  • 無い内定で卒業せず、就活を継続できる就職留年という選択肢もある
  • 負のループから抜け出して新たなスタートを切るためにはリフレッシュも大切

無い内定のまま卒業を迎えてしまうことに不安を抱えている人もいるのではないでしょうか?「無い内定」とは、Web上で使われる内定が得られていない状態を指す言葉。このコラムでは、無い内定に陥った原因と内定獲得を巻き返すための対策をご紹介しています。卒業後の選択肢の中から自分に合った進路を決めて、大きく一歩を踏み出しましょう。

 

就活には悩みがつきものです。就活の悩みの種類別の解消法について知りたい方は「就活がうまくいかないときはどうすればいい?就活中の悩みを乗り越える秘訣まとめ!」も参考にしてください。

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無い内定とは?

「無い内定」とは就職活動中に、どの企業からも内定を得られていない状態のこと。
「無い内定」は、「内々定」にかけたネットスラングで、頭文字をとって「NNT」とも表現されます。

就活のスケジュールは年度によって変わるものの、夏ごろには内々定を獲得する就活生が増え、10月に内定式が行われるのが一般的。
はじめは誰もが無い内定の状態から就活をスタートしますが、内定を獲得できないまま内定式の時期を迎える人も少なくありません。
卒業の時期になっても無い内定状態の場合は、既卒として就職活動を続けたり、就職留年をして再度新卒採用を目指したりすることになります。

では、なぜ無い内定になるのでしょうか。
このコラムでは、無い内定になってしまう原因について触れ、内定を目指すまでの選択肢や対策について解説していきます。

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無い内定で卒業した後はどうなる?主な4つの進路

卒業後に無い内定であった場合、以下のような進路を選ぶことになります。一つずつ、メリット・デメリットも含めて見ていきましょう。

1.既卒として就活する

卒業後も引き続き、既卒として就活を続ける人もいるでしょう。国が定める「青少年雇用機会確保指針」によると、卒業後3年以内は、「新卒」として就活を継続できるとされています。そのため、志望する企業の募集がある限り、就職を諦めないことが大切です。
とはいえ、既卒期間が長くなればなるほど就職は難しくなります。できる限り時間をかけずに就活を進めていきましょう。

2.フリーターや派遣社員になる

正社員として就職せずに、フリーターや派遣社員になるという道もあります。どちらも勤務時間や勤務日数など、自分の希望に叶いやすい働き方の実現が可能です。しかし、雇用や安定した収入を期待する人には、不向きとなることも。働いている場所が好きな職種・職場であれば、正社員登用制度の有無や正社員の募集があるかを確認してみるのも1つの手段となります。

3.起業する

フリーランスとして自由な働き方を求める人が近年よく見られるようになりました。自分の得意分野やスキルを活かすこともできますし、成功すれば多くの収入を得ることもあるでしょう。ですが、自分で裁量を担う分、成果を挙げなければ利益が生まれず、収入がないという状況に陥ることも。
起業を選択肢に入れる場合は、大きな覚悟と準備が必要となります。起業の道を選んだ人の中には、まず就職やアルバイトで働き、下積みを行う人もいるようです。社会のノウハウを勉強してから起業するケースも参考にしておくと良いでしょう。

4.大学院へ進む

大学院に進むことは、高い専門性を身につけられるという利点があります。理系であれば、企業側も大学院卒に期待する傾向があります。
しかし、進学は良いことばかりではなく、その分在学中には費用が掛かることも知っておきましょう。出願期間のチェックや研究室見学など、進学を決めてからはやることはたくさんあります。
大学院への進学は、「情熱を持って極めたい学びがある」という志望動機がないのであれば、やめておいたほうが良いでしょう。

参照元
厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所
「青少年雇用機会確保指針」のご案内」

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無い内定なら就職留年もアリ

就職留年は、大学を留年してさらに1年間在学期間を延長することです。
就職留年すれば、改めて志望する企業の研究や自己分析などの時間を設けられるうえ、翌年も「新卒」として就活を行えます。また、落ちてしまった企業へ再チャレンジできるのもポイントの一つです。

無い内定のままでいれば、「就職浪人」になってしまいます。就職浪人は既卒扱いとなるため、面接時に「内定が取れなかった人」というマイナスのイメージを与えてしまう恐れも。狙っている企業がある人や大手を希望する人は、「就職留年」を選ぶのも一つの手段としておすすめします。

就職留年を成功させるためのコツ

就職留年の間には、「長期インターンシップに参加する」「説得力のある『留年した理由』を用意する」といった取り組みが、成功へのカギとなります。

長期インターンシップに参加するメリットは、就業経験ができることに加え、給料が支払われること。そのため、留年分の学費の足しにすることが可能です。また、複数の企業でインターンシップ経験を積めれば、その分、それぞれの企業の業務や社内の雰囲気を知ることができます。インターンシップ期間に自分が業務に貢献できていたことや反省点など、さらに詳しく自己分析を行えるメリットも。企業から評価を得る材料となるため、長期インターンシップの参加はおすすめです。
ただし、長期インターンシップ中に労働しながらも無給という場合は、ブラック企業の可能性があります。違法な長期インターンシップに関わらないためにも、事前にしっかりと情報を集めてから参加をしましょう。

次に、面接の質問で聞かれる「留年した理由は?」という問いには、ポジティブな理由を用意することが大切です。「希望する企業から内定が取れませんでした」「納得できる就活ができませんでした」と正直に伝えるだけでは、面接官に「評価してもらえなかったんだな」というマイナスの印象を与えてしまいます。

「今までの就活において自分自身が納得できる業種や企業に出会えず、1年間の留年期間を設け、再チャレンジすることに決めました」「留年期間中に内定のない自分の反省点や課題を探り、インターンシップで経験を積むことで、働くイメージを明確にしていきました」など、留年期間をどう過ごし、前向きな動機を得られたことを伝えるのが大切。「就活成功のために取り組んだこと」「乗り越えた課題」を用意し、「しっかりと考えがあり、努力のできる人」という前向きな印象を与えましょう。

就職留年で得た1年間を無駄にすることはできません。自分自身を深堀りして、1日も早く就活をスタートさせることも大切です。

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無い内定に陥る4つの原因と対策ポイント

現状で無い内定となってしまったのはどうしてでしょうか?それには、以下のような4つの原因があるようです。自身に当てはまらないかを確認し、対策ポイントとともに見ていきましょう。

1.自己分析が足りない

実際の面接では、自己紹介や自己PR、長所・短所、学生時代に打ち込んだことなど自分自身に関する質問をされることも多いでしょう。その際、準備が足りておらず、回答がしどろもどろになってしまうと、その時点で評価が下がってしまいます。

【対策ポイント】

面接でよくある質問をあらかじめ想定して、的確な回答を事前に準備しておくことをおすすめします。しっかりと自己分析し、今まで頑張ったことや乗り越えたことをまとめておきましょう。その取り組みにより、自分のどんな点が強みとなって、就職したときにどう活かせる人となったかといった効果的なアピールを準備をしておくことが大切です。

2.企業研究が足りない

面接官は、どれだけ企業に関心を持っているか、就業意欲があるかなどを判断します。企業研究が足りていないと、明確な回答が不十分で、面接官には入職したい気持ちが伝わりにくくなってしまいます。

【対策ポイント】

企業のWebサイトや説明会でもらったパンフレットなどにしっかり目を通しておきましょう。
分からないことがあったときは、OB訪問や説明会などの場で質問しておくと、さらに理解を深められます。企業側から「なぜ他社ではなくこの会社を選んだのか」「理念やサービスについてどう思うか」「入社したら何をしたいか」など、企業や仕事内容に対する質問をされることがあるので、企業研究は重要です。企業研究はしっかり行うことで、会社を深く知れるとともに自身が働くイメージを明確にできます。

3.応募企業を絞り過ぎている

狭き門とされる大手企業ばかりを狙ったことが、無い内定の原因となった人もいるでしょう。大手企業は給与面や福利厚生面など、魅力的な部分が多いですがが、その反面志望する就活生も多く高倍率となります。優秀な学生でも難関とされるため、大手企業だけにエントリーすることはハイリスクであると心得ましょう。

【対策ポイント】

企業を選ぶ際、中小企業やベンチャー企業などにも視野を広げてみましょう。名前こそ有名ではなくとも、高い実績を挙げている会社はたくさんあります。大手企業とは違い、仕事を頑張った分昇進が早かったり、自由な社風で働きやすかったりと、メリットはさまざま。企業選びの視野を広げ、自分の可能性を広げてみましょう。

4.面接時のマナーや態度が悪い

たとえ完璧な回答を用意しても、態度やマナーが悪い場合には不採用になることも。面接官は、服装や身だしなみもしっかりとチェックしています。姿勢が悪かったり、服装が崩れていると、「だらしない」というイメージになり、評価は下がってしまうので注意が必要です。

【対策ポイント】

面接のマナーを確認するとともに、笑顔や話し方についても意識してみると良いでしょう。
緊張してうまく喋れない人の場合は、家族や友人などを相手に受け答えをする練習を繰り返すと良いでしょう。模擬面接を通して、今まで自分では気付けなかった部分を指摘してもらえることも。
面接は、志望企業と接触できる重要な場面となるので、十分な準備と入念な対策が必須となります。

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無い内定を卒業するためのキャリアアドバイザーのアドバイス

内定がゼロになってしまう理由としては、以下が考えられます。
1.動き出しの時期要因:一人で就活していると陥りやすいです。ほかの就活生の動きについていけてないケースがあります。
「4年生になってから始めればいいや」では遅いです。(毎年、4年生の6.7月ごろに「そろそろ始めたほうが良いかなと思って…」と相談しに来る人がいます。)コンサルやITなど、選考時期が早い業界(3年の冬には選考ピーク)を志望しているのに、3年生の夏に動き出せていないケースもあります。いずれも、選考時期に間に合ったとしても準備不足で落ちてしまうでしょう。

2.こだわり要因:特定の職種にこだわって就活をしていたり、条件へのこだわりが厳しかったりするなどです。
業界の例)コンサルなどでは、分析的に物事を考えたり、具体と抽象を往復したりする練習ができていない人は、内定をもらうのが難しい。
職種の例)デザイナー:そもそも新卒の募集が少ない。あったとしても、正社員ではない場合が多い。
条件の例)20代で年収1000万、年間125日以上休み、残業10時間以下、勤務地は23区が良い、営業はしたくない→ここまで条件がそろう会社はない

3.ミスマッチ要因
イメージ先行型:「食べるのが好きで、企画とかおもしろそうだから食品。でも営業は絶対にやりたくないです」のようなタイプ
自己分析不足型:「人と話すのが苦手。ノルマとかはプレッシャーです。でも文系なので営業志望」のようなタイプ

これらの要因に大して取り組める対策をご紹介します。参考にしてみてください。
・同年代や1つ上の代の就活のスケジュールにキャッチアップして情報収集をする
・強く志望する業界があれば、3年生の夏時点でその業界がどのようなスケジュールで採用を行っているのか知って準備する
・初めから視野を狭めず、幅広い業界や職種の働き方を知り、そこから自分にマッチした企業を探す
・自己分析を通じて「自分の得意なこと」「自分の苦手なこと(やりたくないこと)」を明確にする
・企業研究は「その会社が何をしているのか」だけではなく、「配属される職種」や「その職種は何をする仕事か」にも目を向ける

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無い内定のループを脱するには?

「無い内定」の状態が長く続くと、精神的に追い詰められ、余計にうまくいかないという負のループに陥ってしまうことがあります。そのようなときには無理をせず、気分転換をして心身を休めることも大切です。
改めて就活を頑張るためにも、以下を実践してみることをおすすめします。

リフレッシュして気持ちを切り替える

休息する間に、スーツ一式をクリーニングに出すのも良いでしょう。スーツや身だしなみを整えれば、リフレッシュした気持ちになることも。また、好きな音楽や映画などを楽しんだり、自然に触れたりと、プライベートな時間にしっかり癒されてから、改めて就活に挑むのもおすすめです。

就活エージェントを利用する

無い内定という状況が不安で、精神的に追い詰められてうまくいかないときは、就活エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
就活エージェントは、一人ひとりに担当のアドバイザーが付きます。企業の選定からES・面接対策、内定獲得まで、幅広く相談に対応。トータルサポートをしてくれるほか、客観的なアドバイスが受けらるので、効率よく無い内定を脱することができるでしょう。サービスは無料で受けられることが多いので、気軽に活用することが可能です。

無い内定から脱するためには気持ちを切り替えて、再び大きな一歩を踏み出すことが大切です。うつむかずに前を向いて進んでいきましょう。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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