このページのまとめ
- 就活の適性検査は企業とのマッチ度や一般常識の程度を知るために実施する
- 就活で行われる適性検査にはSPIや玉手箱、GABなどがある
- 適性検査の対策は企業がどこを重視しているか想定して解くのがおすすめ
就活の適性検査は合格ラインも明確にないあまり、対策が中途半端になってしまうという人も多いのではないでしょうか。しかし、適性検査で合格の分かれ目としている企業も多く油断できない検査といえます。
このコラムでは、新卒就活における適性検査の評価実態を知るアドバイザーが、適性検査の特徴から受検する際の注意点、どんな対策をしていけばよいかをお伝えします。
- そもそも適性検査とは?
- 就活で適性検査を行う4つの目的
- 1.スクリーニングに掛ける
- 2.学生の素質が企業とマッチしているか
- 3.人並みの一般常識があるか
- 4.基礎的な学力があるか
- 就活で使われる適性検査の主要5つ
- 1.SPI
- 2.玉手箱
- 3.GAB
- 4.TG-WEB
- 5.CUBIC
- 能力検査の形式
- 一般能力テスト
- A式・B式テスト
- パワー・スピードテスト
- 客観・記述式
- 性格検査の形式
- 質問紙法
- 投影法
- 作業検査法
- 適性検査の評価実態を知るアドバイザーによる6つの対策コツ
- 1.応募先企業が検査のどこを重視するか想定する
- 2.就活解禁前から適性検査の対策を
- 3.1冊の過去問・問題集を2周はする
- 4.時間配分を意識して問題集を解く
- 5.性格検査の回答は一貫性を持たせる
- 6.性格検査は事前に自分の性格の深堀りをする
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そもそも適性検査とは?
適性検査とは企業が応募者との相性を測ったり、一般常識があるかを確認したりするときに活用されます。実際に9割にも及ぶ企業が実施しています。適性検査には「能力検査」と「性格検査」があり、どちらも問題量が多く、時間配分に注意する必要があり、事前の対策が必須です。
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就活で適性検査を行う4つの目的
就活で適性検査を行うのには、スクリーニングに掛けることや一般常識があるかを確認するなどの目的があります。具体的にどのような目的があるか、以下で確認してみましょう。
1.スクリーニングに掛ける
適性検査を用いるのは、応募者をふるい分けることが目的です。採用で応募者をふるい分けることをスクリーニングといいます。
選考では面接の前に適性検査を受け、一定以上の成績を残した学生だけが面接に進めるといった流れが一般的。そうすることで、企業側は応募した全員とは面接する必要がなくなり、効率良く人材を採用できます。
2.学生の素質が企業とマッチしているか
企業は、適性検査の結果によって学生の素質と自社とのマッチ度を知る目的があります。企業の方針や求める人物像と応募者がマッチしていると、入社後のミスマッチを防げて、今後の活躍が期待できるからです。
3.人並みの一般常識があるか
適性検査では、応募者に人並みの一般常識があるかを把握できます。会社で働くうえで、一般常識があることは大切な要素の一つです。一般常識には地頭の良さも含まれ、仕事の飲み込みの速さにも関係します。人並みの一般常識が備わっているか知るためにも、適性検査の受検を求める企業は多いようです。
4.基礎的な学力があるか
企業には、応募者にスキルを身につけるための基礎的な学力があるかを知る目的があります。社会人に成りたての新卒は、文書の作成や電話応対など入社後に覚えることはさまざまです。また、職種によって異なりますが、図形の作成したり数値から分析をしたりする仕事もあるため、仕事の成果が上げられる程度の基礎的な学力が求められます。
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就活で使われる適性検査の主要5つ
就活でよく活用される5つの適性検査を紹介します。事前の対策をするためにも、どのような検査があるのかチェックしておきましょう。
1.SPI
リクルートマネージメントソリューションズ社が開発した適性検査です。多くの企業で導入されている筆記試験であり、応募者の性質や仕事への適性を知るために行われます。
SPIは、能力検査と性格検査に分類されるのが特徴です。能力検査では、出題される問題を通じて働くうえで求められる基礎的な能力を測定します。得点の高さよりも、企業ごとに設定した能力の水準を満たしているかどうかが重視されるようです。
性格検査では、応募者の日常の行動や思考などの質問が重点的に出題されます。質問の形式は二択であることが多いようです。その選択結果から、応募者の人となりや向いている組織の傾向を診断します。
SPIの事前準備として挙げられるのは、パソコンによる受検にあらかじめ慣れておくことです。
出題内容を理解し処理する能力が問われるため、本番でしっかり自分の力を発揮できるように問題を解く感覚を身につけましょう。
2.玉手箱
日本エス・エイチ・エル社(SHL社)が提供しているWebテストです。四則演算や英語の試験、文章の趣旨を把握する問題など、国語・数学・英語の試験のような出題が特徴といえます。能力検査と性格検査で構成されているところは、上記のSPIとの共通点です。問題形式の組み合わせは、企業によって異なります。1問あたりの時間制限が短く設定されているため、スピーディーな処理能力が求められるでしょう。
玉手箱は自宅で受検する形式が多いため、電卓を上手く使いこなすのも対策の1つです。計数の問題をより迅速に処理できるよう電卓計算の練習を重ね、キーの位置を覚えておくことをおすすめします。問題集を解き、問題形式に慣れることも大切なポイントです。玉手箱の出題パターンは8種類。練習を重ねればパターンも把握しやすくなるといえます。
3.GAB
GABも、日本エス・エイチ・エル(SHL社)が提供している適性検査です。以前はマークシート形式がメインでしたが、Web版がリリースされた2012年以降はWebテストも普及してきました。
GABの特徴は、言語分野において長文の設問が多く見られる点です。CABのように図形の読み取りに加え、長文の読解能力も要求されます。漢字や文法の知識というより、CABと同様に論理的思考力が問われるテストです。
1問ずつ時間をかけて考えると解きやすい傾向にありますが、処理スピードも問われるため難易度が高いという声もあります。出題する企業はITや総合商社などさまざまです。
適性検査とはいえ難易度の高い傾向にあるGABは、問題形式も特徴的です。まずは問題に慣れるため、実際に問題集を解くことをおすすめします。
その際も問題を闇雲に解いていくのではなく、解答のスピードを上げることも念頭に置きましょう。
4.TG-WEB
ヒューマネージ社が提供している適性検査です。あまり馴染みのない出題が特徴で、言語・非言語・英語・性格診断で構成されています。言語の分野で出題されるのは、長文の読解や並べ替え、空欄補充などがメイン。抽象的かつ専門的な長文の設問が、TG-WEBの特徴です。計数においては難易度が高い傾向にあり、暗号や展開図に関する設問があります。
TG-WEBを実施する企業は、応募者が数万人規模で集まるような大企業・有名企業が多い傾向です。応募者が多い分絞り込みには有効的で、事前準備をしっかりと行っていないと選考突破は困難でしょう。TG-WEBは、暗記が意味をなさない設問が大半を占めており、解き方のコツをおさえたトレーニングを繰り返し行う必要があるでしょう。
5.CUBIC
AGP社が提供している適性検査です。CUBICには適性検査と基礎能力テストがあります。適性検査では性格を診断し、基礎能力テストでは中高レベルで英語・言語・論理・図形・数理の5科目の問題で学力を診断する流れです。
この検査は、ほかの適性検査と比べて「どちらでもない」という回答が用意されていないため、曖昧に答えられない仕組みになっているので注意しましょう。
また、CUBICは空欄があると結果が出せないシステムなので、1つの設問に時間をかけ過ぎずに解いていくことが大切です。
事前準備は、基礎能力テストに集中して行うのがベター。適性検査は性格を診断するため、対策しても自身の性格と離れてしまう可能性があるからです。CUBICの基礎能力テストは中高レベルの問題なので、復習しておかないと良い結果は出せません。対策本を用意して、忘れている分野や苦手な分野がないかチェックし、問題を解き慣れておきましょう。
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能力検査の形式
この項目では、適性検査の方法を紹介します。それぞれのテストがどのような観点から検査しているか把握しておきましょう。
一般能力テスト
語彙力や思考力が試されるテストで今まで身につけた学力が測られます。国語や算数などの科目に加え、時事問題が出題されることもあるようです。
A式・B式テスト
言語と図形に関する内容のテストです。図形を用いた空間把握ができるか、言語の文化的背景に引っ張られることなく正確な判断が下せるかという点に注目しています。
パワー・スピードテスト
思考力や読解力が問われるテストです。このテストは膨大な問題数を回答する必要があるため、時間制限までに的確に答える処理能力の高さも測られます。
客観・記述式
客観式はいくつかの回答の中で当てはまるものを選ぶ形式、記述式は自分の言葉で自分の考えを自由に回答できる形式です。
客観式では学生の持つ能力、記述式では文章力や思考力を測れます。
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性格検査の形式
ここでは、適性検査と一緒に行われることが多い性格検査の方法を紹介します。事前にどのような検査方法があるのか確認しておきましょう。
質問紙法
1つの設問に対し、「はい」か「いいえ」の二択で答える形式です。この回答内容により、企業は応募者の価値観や行動特性などを知ることができます。
投影法
1つの設問に対し、回答とリアクションで検査する形式です。この方法では、ただ回答するだけでは分からない応募者の人柄や人格を知ることができます。
作業検査法
同じ作業を決められた時間内で進め続ける形式です。長時間同じ作業をすることによって、その人自身の物事の進め方や適応力がどのようなものか判断しています。
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適性検査の評価実態を知るアドバイザーによる6つの対策コツ
最後に、適性検査の評価実態を知るアドバイザーから対策のコツをお伝えします。今後の対策時間をより有効活用していってください。
1.応募先企業が検査のどこを重視するか想定する
企業には、適性検査のなかでも能力検査を重視する企業、性格検査を重視する企業があります。IT、コンサルなどの職種、大手や人気の高い企業では通過するために能力検査の対策もある程度必要です。一方、接客・販売・営業などの対人系の職種では能力面は関係なく性格のスコアで基準に満たしているか、合格の判断をしている企業も見られます。
つい能力検査の対策に時間をかけ、性格検査は何気なく回答しているという人も多いかもしれませんが、性格検査も油断しないようにしましょう。また、企業が性格の中でもどんな部分のスコアを重視しているのかを想定したうえで解くというのも通過においては重要です。
2.就活解禁前から適性検査の対策を
適性検査の対策は就活解禁前から始めることをおすすめします。適性検査は面接の前に実施されるため、応募して間もなく試験実施が求められるでしょう。そのため、応募してから対策することは困難です。時間に余裕がある就活解禁前に対策を進めておきましょう。
3.1冊の過去問・問題集を2周はする
適性検査で学力を測る問題には、対策が必要です。SPIや玉手箱などそれぞれに沿った過去問や問題集があるため、就活が始まり忙しくなる前に購入し、学習しておきましょう。
また、時間があれば問題集は1冊を繰り返し解くことがおすすめです。SPI対策に向けて買った1冊があれば、SPIへの勉強はその1冊でおさめましょう。最低2周は問題を解くことで苦手分野をなくせるはずです。
4.時間配分を意識して問題集を解く
本番の検査では、制限時間が設けられており、1問に割ける時間はそれほど多くありません。問題を解くだけでなく、普段からスピードも意識して学習しておくと、より多くの問題を正確に回答することに繋がります。
5.性格検査の回答は一貫性を持たせる
性格検査では、回答に一貫性を持たせることが重要です。性格検査は100問以上の問題に回答する必要があります。回答ごとに企業の存在を意識してしまうと、検査結果の性格が本来の性格と大きく異なる恐れもあります。
さらに、適性検査の結果は1次面接から最終面接まで考慮されます。あまりに本来の自分とズレた回答だと、のちの面接に響く恐れがあるため注意しましょう。
6.性格検査は事前に自分の性格の深堀りをする
性格検査の前に、一度自分の性格を深堀りするのがおすすめです。自分の考え方の特徴や行動特性を振り返り、どんな性格か大まかに把握しておきましょう。性格検査では多くの問題に回答する必要があるため、問題の後半になると自身の性格よりも問題を解くことを意識してしまう人も多いはず。事前に自分の性格を可能な範囲で深堀りし、性格検査でスムーズに回答できるようにしておきましょう。
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本記事の執筆者
梶川沙綺(かじかわさき)
就職活動の軸は「20代の若いうちに圧倒的成長」を掲げ、新卒でレバレジーズ株式会社に入社。年間1000名以上の就活生の支援を行い、入社3年目で神戸支社の立ち上げに携わる。現在は本社でサービスの向上にも関わりながらキャリアコンサルタント国家資格取得に向けてスキルアップ奮闘中。
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