ほかの就活生と差をつけろ!1歩先行く業界企業研究のコツ

自己分析で「自分は何ができるのか」「何に興味があるのか」が分かってきたら、次は業界や企業の研究です。ざっと企業のホームページを見たり、就活サイトの情報を集めたりするだけで終わりになってしまってはもったいない!他の就活生より1歩先を行く業界企業研究のコツをお伝えします。

この記事の執筆者

松岡 澄江(まつおか・すみえ)
キャリアコンサルタント。株式会社キャリアポート代表取締役。のべ2000人以上の就活生の相談や就活実践講座、キャリアデザイン講座などを実施しながら就活を支援してきた。就活生から働くひとまで、キャリアカウンセリングや授業・研修を通して自分らしい人生のためのキャリアを考える機会を提供している。著書『自分らしい人生のための働き方・生き方』(セルバ出版)。

 

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業界団体を調べセミナーに行こう!

世の中にはいろんな業界団体があります。もっとも大きな団体は経済団体連合会(経団連)です。就活ルールについてのニュースで聞いたことがある人も多いですよね。大手企業の経営者が集まった、日本経済について影響力のある団体です。

ほかにも、国内にはいろんな業界団体があります。たとえば、旅行業界の会社が集まる「一般社団法人日本旅行業協会」、物流業界なら「一般社団法人日本物流団体連合会」、お菓子メーカーや商社が集まる「全日本菓子協会」、アパレル業界の「一般社団法人アパレル・ファッション産業協会」などなど…。
こういった団体は、「業界セミナー」や「インターンシップ合同説明会」などを主催しています。業界動向を知ることができ、さらに加盟企業の説明会も実施されるので知識が広がります。
気になるキーワード(例えば「旅行」)と「業界団体」と入力して検索すればヒットしますので、ぜひ調べて参加してみてください。

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業界団体の会員社リストをチェックし「学生が知らない会社」を見つけよう

業界団体を調べる際に合わせてみてもらいたいのが、団体に加盟している会員社リストです。一般的に知られているような知名度のある会社だけではなく、その業界の中小企業も調べることができます。

たとえば「旅行会社に就職したい」と思っている場合、テレビCMなどで見聞きする大手企業しか思い浮かばないかもしれません。しかし、業界団体の会員リストにはたくさんの会社が並びます。中には大手メーカーの関連会社の名前もあり、こういった大手関連企業は、一般消費者を対象にした旅行代理業ではなく、インハウスと呼ばれる、グループ会社の社員の出張や海外渡航を中心にした旅行代理業務を行っています。
このように、業界団体の会員リストから、「学生が知らない会社」を調べることができるのです。会員リストにはホームページへのリンクがあるので、企業のホームページから採用情報を確認してみましょう。

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業界紙(誌)を調べてみよう。特に1月号をチェック!

世の中には業界紙(誌)と呼ばれる、ある特定の業界向けの新聞や雑誌があります。国立国会図書館のWebサイトで、業界に特化した新聞や雑誌を調べることができます。また、国立国会図書館に行けば閲覧も可能です。
 
業界紙(誌)を読むことで、業界の深い情報に触れることができます。そして少し意識してもらいたいのが1月号(新年号)です。一般の新聞や雑誌もそうですが、年始に発行される号には業界のトップインタビューが掲載されることが多いのです。業界トップ企業の経営者が「業界の未来をどう見据えているのか」自社の方向性など、その人が語っている記事を読むことで業界企業の理解をさらに深めることができます。
国立国会図書館には行けない、大学や近くの図書館にないということであれば、新年号だけバックナンバーを購入してみるのもいいかもしれません。志望する業界が決まっているなら、業界研究に大いに役に立ちます。
 
情報は待っているだけでは受け取れません。企業の説明会に参加して聞いたことは、一緒に参加した就活生も同じ情報を持っているので何の差別化もできません。業界団体や業界紙(誌)を研究して、人とは違う情報を手に入れて深く研究してみましょう。

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先輩の内定先から企業を調べよう

志望する業界も企業も漠然としている、やりたいことが見えていないという人は、まずは手はじめに同じ大学・学部の先輩が内定した企業から調べてみるのも1つです。大学のキャリアセンターには、先輩が就職・内定した企業の履歴があります。また、大学によっては先輩が内定先の選考について記録を残してくれている場合もあります。

都内のある大学では、「就職報告書」として就職した企業の選考時期や選考内容を詳しく記載した書類を掲示していました。キャリアセンターでは後輩が1枚1枚真剣に眺めている姿が印象的でした。もちろんネット上にもそういった選考内容がわかる掲示板もありますが、同じ大学の先輩達の生の声を参考にすると、ありがたみが違います。まずは大学のキャリアセンターに足を運んで先輩の情報を調べてみましょう。
 
ネット上の情報を活用するなら、就活サイトで大学名を検索キーワードにして調べてみましょう。採用実績校として一覧で結果が表示されます。もちろんいろいろな業界、さまざまな企業が検索結果に上がると思いますが、そこから一つずつ興味が持てそうな企業をピックアップしていくことで、意外な出会いがあるかもしれません。同じ大学の学生が就職しているというだけで親近感もわくと思います。少し時間はかかるでしょうが、コツコツ粘り強く調べていくことがこれから始まる就活に役立つはずです。
 
業界企業研究を十分に行わないまま、なんとなく就活がスタートする学生も多くいます。しかし、相手をよく調べもせずに、就職させてくださいというのは少々虫が良すぎる話です。研究が浅ければ、志望動機も浅いものになり熱意も伝わりません。

また、ほかの就活生と同じ情報ソース(企業のホームページ・企業説明会)では差別化も難しくなるでしょう。人とは違う視点での研究を深め、就活に向けてしっかり準備していってください。

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