1次面接で落ち続けるのはなぜ? 選考通過できない就活生の特徴

「福島さん、5社連続で1次面接で落ちてしまいました。私の自己PRやガクチカ、志望動機は何がダメなんでしょうか?」

私は以前、このような学生の相談に乗ったことがあります。さて、この方が1次面接で落ち続けてしまったのはなぜでしょうか?
 

本記事の執筆者

福島 直樹(ふくしま・なおき)
就職コンサルタントとして就職・採用にかかわる執筆、講演活動を行う。また、企業の採用コンサルティングでは、戦略立案、選考実施なども担当。『就職ジャーナル』、『DODA』、東京商工会議所ウェブサイト、NHK、フジテレビ、FM東京、J-WAVE等の番組、CF出演。主な著作は『学歴フィルター』(小学館新書)など28冊。就活漫画『銀のアンカー』(集英社)では監修を担当。年間160回を超える講演を行う。
 

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準備のポイントがずれていた就活生

私が学生から相談を受けて最初に疑ったのは、「果たして本当に自己PRなどの発言内容が問題なのだろうか?」ということ。発言内容ではない部分に問題があるにもかかわらず、それに気づかず落ち続ける学生を、私はこれまで何人も見てきたからです。

では「発言内容ではない部分」とは、どこなのでしょうか?

それを理解してもらうためにも、まず複数回行われる面接で面接官はどのような点をチェックしているかを説明します。

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1次面接で見ているポイントとは?

面接の回数や個人面接、集団面接の組み合わせ方には、企業によって違いがあります。しかし一般的な面接の傾向は次のように説明できます。
 
1次面接 集団面接が多く、話し方などから受ける印象や態度が重要。 主に人柄を見られている。
2次面接 個人面接が多く、何を話すかといった発言内容が重要。主に能力を判断される。
3次面接 役員面接が多く、総合的に判断される最終確認の場。主に意欲を見られている。

 
ここから分かるとおり、先述した「発言内容ではない部分」とは印象や態度、つまり「どう話すか?」という部分を指します。

具体的に言うと、印象や態度から性格や人間性、コミュニケーション能力のレベル、ストレス耐性の有無などを見ているということです。

1次面接は集団面接が多く時間も短いことから、自己PRなど話の内容を深掘りするのは難しくなります。必然的に「発言内容ではない部分」=印象や態度に対する比重が高まっていくことになります。

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そもそも集団面接を行うのはなぜか

ところで、なぜ企業は集団面接を行うのでしょうか? 中途採用では集団面接というものは滅多に存在しません。新卒採用特有の仕組みです。

人気企業ではエントリーしたすべての学生の面接を行うことは、時間的にも労力的にも不可能です。そこでESによる書類選考やWebテストで学生をふるいにかけます。ここで落ちた学生は面接を受けることすらできません。するとどんな気持ちになるでしょうか?

「面接が受けられないなんてこんな会社は大嫌いだ。もうこの会社の商品は買わないぞ」

このような気持ちになる人がいるかもしれません。こういった人をできるだけ減らすために、可能な限り書類を通して面接を受け入れる企業も少なからずいます。

そして、ESだけではわからない人柄などをチェックしたいと考える企業も多いため、1次面接では集団面接が採用されるのです。

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1次面接に落ちる人と受かる人の違い



では冒頭に紹介した1次面接に通らない学生は何が問題だったのでしょうか? 模擬面接をやってみて私はびっくりしました。

彼は自己PRやガクチカ、志望動機を完全に丸暗記して朗読していたのです。しかも無表情でロボットのようでした。これでは人間性や人柄の魅力が伝わらず、逆にコミュニケーション能力が低いとみなされてしまいます。丸暗記はまさに無駄な努力です。

1次面接で落ち続ける人は次のような傾向があります。
 
<1次面接で落ち続ける人の傾向>
・丸暗記して朗読している人
・表情の変化が全くなく、人柄のイメージがわかない人
・自信がなさそうで、ストレス耐性が低そうな人
・極端に暗く、声も小さく発言内容が伝わってこない人
・コミュニケーション能力が非常に低い人
・挨拶やマナーを理解しておらず横柄で偉そうな態度の人
・著しく服装や髪型が乱れている人
 
逆に1次面接を通過する人は次のような傾向があります。
 
<1次面接を通過する人の傾向>
・明るく元気よく発言する人
・コミュニケーション能力が高い人
・笑顔を交えて話す人(作り笑いでもよい)
・笑顔が苦手でも、表情を変化させる人
・お辞儀などマナーの基本を知っている人
・アイコンタクトを取る人
 

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面接以外の態度も見られている

ここまでは主に面接についてアドバイスしました。

ところであなたはご存知でしょうか? 実は人事は面接以外も見ています。これは人事にとっては常識ですが、意外と学生は知りません。

「面接のときはすごく印象がいいのに、受付や控え室での態度が悪い学生がいます。このような二面性がある人は信用できないので落とします」

このように考える人事がほとんどです。では面接の場ではないところで、どのように振る舞えばよいのでしょうか? 押さえておきたいポイントは次のとおりです。
 
・受付などでは自分から挨拶する
・控え室では足を組まない、大声で会話しない、スマホをいじらない
・企業からの電話は、明るくハキハキ対応する

では、いい印象を与えるためにどのような対策を立てればいいのでしょうか?  

オススメの面接対策としては、学校のキャリアセンター、友人、親などに模擬面接をしてもらい、アドバイスをもらうこと。そして、自分の模擬面接の様子を動画撮影し、客観視することを習慣にするのが良いでしょう。
 
また、面接以外の場で印象をよくするために、学校のキャリアセンターに相談に行って次のように聞いてみてください。

「私の印象や態度はいかがでしょうか? 何か改善点はありますか?」
 
1次面接で落ち続ければ、当然気持ちは沈みます。しかしそこから浮上することができれば内定は得られます。そして、大きな充実感と自信がつくはずです。ぜひ就活を楽しむぐらいの気持ちで頑張ってほしい。私はそう思います。

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