このページのまとめ
- 「構造的把握力」はSPI3のオプションで、テストセンターでのみ出題される
- 構造的把握力を採用している企業は、志望者が多く難関な企業が多い
- 問題の形式は「文章問題の仕分け」と「文の仕分け」の2パターン
- 日頃から文章を読み、読解力を養っておくことが大切
- 対策として、問題集を繰り返し解き、スピードアップを狙う
SPIの科目の1種である「構造的把握力」についてご存知でしょうか。科目名を聞いただけでは、問題の内容をイメージできない人も多いでしょう。
このコラムでは構造的把握力検査の特徴や内容をご紹介。対策を始める前に概要を知っておくと、事前準備がはかどります。ぜひ参考にしてみてください。
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構造的把握力検査はテストセンターでしか出題されない
はじめに、構造的把握力検査の特徴についてチェックしていきましょう。
出題されるのはテストセンターでのみ
先にも少し触れていますが、「構造的把握能力検査」はSPI3の検査項目の一種です。SPIの最新バージョンであるSPI3から導入されたオプションなため、比較的新しい項目と言えます。
この検査の特徴は、テストセンターでのみ出題されるということ。テストセンターとは、適性検査のために用意されている会場にて、会場内のパソコンを使って受検する形式を指します。
自宅で行うWebテストや、企業の会場で実施される筆記試験には含まれていません。
どんな企業が出題する?
言語、非言語の能力検査は必須項目ですが、構造的把握力まで採用している企業はわりと少なめです。とは言え、対策を後回しにすると後々に響きます。
構造的把握力検査を課す会社は、外資系コンサルや総合商社といった人気が高く難関と呼ばれる企業に多いです。準備不足で志望企業を諦めることがないように、事前に練習問題に取り組んでおきましょう。
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構造的把握力検査の内容とは?
次に、検査の内容について紹介します。言葉の印象から数学の空間問題などをイメージする人も多いようですが、「構造的把握力検査」は文章を読み解いて構造を認識する問題です。文章の構造を理解し要点をつかめるか否か、つまり「物事の本質を捉える能力」を試されています。
また、検査に設けられた時間は約20分です。テストセンターでは1問ごとの制限時間もあるため、一つの問題を解くために必要な時間を把握しておきましょう。
問題の形式は「文章問題の仕分け」と「文の仕分け」の以下の2パターンに分けられます。
・文章問題の仕分け→短文が示され、構造が似ている4つの文章を選別する
・文の仕分け→内容の異なる複数の文章を指定に沿ってグルーピングする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文章問題の仕分け
文章問題の仕分けでは、和や差、割合や比較などといった計算を問う文章を扱います。ここでは、計算をして出した答えが同じになる文章を選ぶわけではありません。
文章構造が似ているもの、つまり、答えを出すためのプロセスや計算式が同じものを選びます。
例えば1つ目の文章が「Aさんは○歳、Bさんは○歳、年齢差は?」で、2つ目の文章が「A店舗の売上は○円、B店舗の売上は○円、その差は?」だった場合、「差」を求める文章なので2つは構造が一致しています。
ところが2つ目の文章が「A店舗とB店舗の売上合計はいくらか」という内容だった場合、「和」を求める問題なため一致しません。
このように、求められている答えの種類や、過程が類似しているもの同士を選択していくのが、「文章問題の仕分け」パターンです。
文の仕分け
文の仕分けは、提示されたいくつかの文章をグルーピングする問題です。例えば、下記のような文章があったとします。
(1)空が青くて気分が良い
(2)食事が美味しくて幸せ
(3)気温が下がり湖が凍った
(4)凍った湖で滑った
構造はすべて「原因と結果」を示した文章ですが、「結果の種類」によって2つのグループに分けると考えてみましょう。
すると、(1)と(2)は感情、(3)と(4)は出来事であることが見えてきます。このように、いくつかの文章を指定されたグループに分けて考えるのが「文の仕分け」です。
こちらで挙げた例は、あくまでも検査の概要を分かりやすく解説するためのものです。実際の問題はもっと内容が盛り込まれており、上記のように単純な文章ではありませんので、対策本などで確認しておきましょう。
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問題を解くためのポイント
ここからは、それぞれの問題形式ごと解くためのポイントを解説していきます。
文章問題の仕分けのポイント
文章問題の仕分けでは、起承転結をきちんと読み解き、文章の中にある「合わせて」「合計」「その差は」「何%」などの言葉を整理することが大切です。
その上で、「和」「差」「割合」「比率」など求められている答えの種類や、示されている数値・与えられている条件の類似性などを見極めましょう。
文の仕分けのポイント
文の仕分けでは、「〇〇するため、△△した」「□□したら、☓☓になった」などのような、2つの文章を結びつけた短文が多いです。2つの事柄の「因果関係」「状況」「結果」「前提」「行動」「感情」「目的」などに注目し、類似性を導き出しましょう。
特に「因果関係」は文章構造を浮き彫りにする大切な部分です。前後の文章のどちらが「原因」でどちらが「結果」なのか、関係性に着目してください。
また、接続詞の種類を見極めるのも有用です。「しかし」「けれど」などは逆説として用い、「そして」「さらに」などは順接として用います。使われている接続詞を確認し、選択肢の中に類似するものがあるかどうかチェックしましょう。
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構造的把握力検査の対策方法
最後に、構造的把握力検査の対策方法をお伝えします。まずは日頃から文章に親しみ、文の構造やテーマを見極める力を向上させてておくことをおすすめします。
文章を読むことが日常化していると、速読技術も身についていきます。構造的把握力に限らず、適性検査では読解力を問われる問題は多いです。普段から文章を読む習慣をつけましょう。
このとき、ただ読むだけでなく起承転結や構成に着目し、文の要点をつかむことを意識すると効果があります。
問題そのものに慣れるには、問題集を繰り返し問くことが有用です。1問ごとにかかる時間を把握し、スピードアップを心がけましょう。
ここまで、SPI検査における構造的把握力の問題について紹介してきました。
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構造的把握力検査については「回答時間が短いテストセンターで結果を出す方法とは?」も参考にしてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。