企業研究の目的とやり方は?簡単に情報をまとめられる方法を解説

このページのまとめ

  • 企業研究は、自分に合った企業を探し志望動機を練り上げるために行う
  • 企業研究では企業概要はもちろん、その企業の強みや業界での位置づけなどを調べる
  • 企業のWebサイトや採用ページを見る、インターンシップ参加するなどが代表的な方法

企業研究の目的とやり方は?簡単に情報をまとめられる方法を解説のイメージ

企業研究は就職活動の中でも非常に重要ですが、「なぜ必要なのか」「具体的にどう進めればよいのか」が分からない就活生も多いのではないでしょうか。企業研究をしないと、自分に合った会社を見つけたり、内定を獲得したりすることが難しくなる可能性があります。
この記事では、企業研究の目的や方法、研究内容の活かし方などを解説。企業研究をして自分に合う企業から内定をもらい、就活を成功させましょう。

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目 次

企業研究は応募先を決めるために行う

就活における企業研究は、数ある企業の中から自分に合った応募先を選ぶための大切なプロセスです。

企業研究をせず曖昧な理解のまま入社してしまうと、いざ働き始めてから「環境が自分に合わない」「思っていた仕事ができない」というギャップが生まれてしまいます。ギャップが大きければ大きいほどミスマッチとなり、退職につながるものです。早期退職を避けるためには、数多くの情報を集め、「どんな職場なのか」「どのような業務を担当できるのか」などを調べる必要があります。

志望動機の作成にも企業研究が役立つ

エントリーシート(ES)や面接では志望動機が必ず聞かれます。このとき、どの企業にも通用するような一般的な内容を答えてしまうと、「志望度が低い」と判断され、内定に結びつかない可能性が高くなります。

しかし、企業研究を行っていれば企業の特色や同業他社との差を理解できているので、志望動機や意欲に説得力をもたせることができます。たとえば、企業のビジョンや独自の取り組みに共感した経験を具体的に挙げることで、意欲や適性を強くアピールできます。
企業研究を通じて、「なぜこの企業で働きたいのか」という、その企業ならではの志望動機を作り上げましょう。

志望動機については「就活の志望動機例文18選!アピールのコツや評価される書き方も解説」もご覧ください。

企業研究から自分の将来やキャリアを明確にできる

企業研究を行うことで、企業の経営方針や身につくスキルが明らかになり、自分の将来やキャリアを具体的にイメージできます。結果的にその企業を受けなくても、企業研究を通してキャリアや目指すべき道が明らかになれば、それが就活の軸になり企業選びや志望理由の材料になるでしょう。

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企業研究で調べる8つの項目

企業研究は、企業の基本情報を調べるだけでは不十分です。社名や事業内容、概要といった基本情報は押さえたうえで、業界内での位置づけやその企業独自の強みなども深掘りしましょう。

1.企業概要

企業名や代表者氏名と役職、資本金、所在地、従業員数など、企業の基本情報は確実に押さえておくべきです。企業のWebサイトや採用パンフレットなどを見ると、それぞれの情報が記載されています。

また、その企業が発信しているプレスリリースや取り上げられたメディア情報も要チェックです。これらは、企業の最新の取り組みや方向性を知るための貴重な情報源です。

さらに、上場企業であれば公開されているIR(Investor Relations)情報も確認することをおすすめします。決算報告書や株主通信などを通じて、企業の財務状況や中長期的な戦略を把握できるからです。

2.事業内容

その企業がどのような事業を展開しているのか、事業内容を詳しく調べましょう。1つの事業に特化している企業もありますが、多くの企業は複数の分野で活動しています。

たとえば、製造業が小売やサービス業に進出しているケースなど、幅広い事業展開を行っていることがあります。自分が志望する事業だけでなく、ほかにどのような事業を展開しているかもあわせてリサーチしましょう。正社員として入社する場合、自分の希望する事業に配属されるとは限らず、会社の判断で異なる事業部門に配属される可能性が高いためです。

また、各事業がどのように関連しているかや、どの事業が企業全体の収益の柱となっているのかを確認しておくと、企業全体の理解が深まります。

3.企業の強み

その企業がどのような強みを持っているかを把握することは、企業研究において重要なポイントです。強みを理解することで、その企業が業界内でどのようなポジションにいるのか、他社と比べてどのような優位性を持つのかを明確にできます。

「どの層にファンがいるのか」「競合より優れている商品やサービスは何か」などを具体的に見つけましょう。そのためには、対象となる企業だけでなく、同じ業界の競合企業についての研究も必要です。

4.業界内での位置づけ

業界の中でその企業がどのような位置づけにあるのかを調べます。業界トップの売上を誇るのか、トップグループに属しているのか、中堅レベルなのかなどを把握することで、企業の強みや課題をより深く理解できます。

調査方法としては、インターネットや業界専門サイトで公開されているランキングを確認したり、業界紙や専門誌を活用したりするのがおすすめです。

5.社風

その企業の職場の雰囲気や年齢層、チームを尊重する文化か個人の裁量が大きいのかなど、社風についても調べることが大切です。自分に合わない社風の企業で長く働き続けるのは難しいため、事前にしっかり確認しておきましょう。

社風は、Webサイトやパンフレットだけではイメージしにくいものです。説明会やインターンシップに参加して、実際に働く社員と直接話すことで、より具体的なイメージを持てるようになります。可能であれば、OB訪問を通じてリアルな意見を聞くのもおすすめです。

6.業績

企業の業績を確認することで、その企業の成長性や安定性を判断できます。特に、売上高や利益率、業界内でのシェアなどは重要な指標です。

決算報告書やIR情報、または業界専門誌などを活用して業績の推移や最近のトレンドを把握しましょう。業績が良い企業はもちろん、業績が低迷している企業であっても、その背景や課題を深掘りすることで、より深い理解が得られます。

7.求める人物像

企業が求める人物像を把握すれば、選考において効果的な自己PRや志望動機を作成できます。

求める人物像は、採用ページやインターン募集要項などに記載されているのが一般的です。自分の強みや経験が、企業の求める人物像とどのように一致するのかを整理してみてください。

8.勤務条件

企業理念や業界内の立ち位置が自分に合っていたとしても、現実的に考えると、給与や休日、勤務時間、福利厚生といった条件面も重要な要素です。

基本的には企業の採用ページや就活サイトに記載されていますが、より正確でリアルな情報を得るには、説明会やOB訪問で実際に働く社員から話を聞くのがおすすめです。直接的なコミュニケーションを通じて、表には出てこない職場の雰囲気や実際の働き方について理解を深めることができます。

企業研究の方法などについては、「企業分析を行う方法とは?やり方とポイントを詳しく解説!!」もご一読ください。

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企業研究で役立つ情報を得る方法

企業研究で情報収集をする際は、会社説明会や企業のコーポレートサイトを参考にするのが一般的です。より「生きた情報」を知りたければ、OB訪問やインターンシップも行いましょう。

会社説明会

企業が合同や単独で行ったり、大学で開催されたりする説明会には積極的に参加しましょう。実際に働いている社員から、業務内容や1日の流れを説明してもらえます。

また、登壇していない社員に目を向けてみるのもおすすめです。社員同士の距離感や雑談から、社内の雰囲気をつかめるでしょう。

企業のWebサイト

企業のサイトでは企業情報や採用情報などが確認できます。企業がアピールしたい点や求める人物像なども分かるので、必ずチェックしましょう。

企業の採用サイト

企業サイトとは別に、採用に特化したページを持つ企業もあるようです。そこには「どんな人材を求めているか」という情報や先輩社員のインタビューも掲載されており、企業研究に役立ちます。
また、給与などの募集要項もまとめて掲載されているので、必ずチェックしてください。

就活サイトの企業ページ

就活サイトには、それぞれの企業が新卒採用向けに作成した専用ページがあります。ここには、企業の概要や募集要項、職場の雰囲気など、就活生が知りたい情報がわかりやすくまとまっています。

さらに、前年の内定者へのインタビュー記事や社員のメッセージが掲載されている場合もあり、企業研究に役立つ「生きた」情報を得られることも特徴です。就職活動を始めたら、まず複数の就活サイトに登録して情報収集を始めましょう。

OB訪問

説明会や企業サイトでは分からない、現場の「生の声」を直接聞ける貴重な機会です。一対一で話すことで、企業の実際の雰囲気や働き方について、より具体的な情報を得られます。

訪問前には、聞きたい質問をあらかじめ整理しておくことが大切です。また、服装や言葉遣いにも注意し、相手に失礼のないようマナーを守りましょう。

インターンシップ

会社説明会に近いものから実際の仕事を体験できるもの、インターンシップ生同士でグループワークを行うものなど、さまざまな種類が開催されています。

特に、会社説明会や業務体験タイプのものは集められる情報量が多く、企業研究の役に立ちます。Webサイトには載っていない情報も、社員に質問できるでしょう。

インターンシップについては「インターンシップ1dayの内容は?禁止になる?気をつけるポイントも解説」も参考にしてみてください。

業界地図や専門誌

いくつか出版されている業界地図や、そのほか企業情報の掲載された書籍なども参考になります。業界における位置づけや他社との違い、人事や採用担当者には聞きづらい情報なども載っており、複数社を比較するには便利でしょう。

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企業研究ノートの作り方

企業研究で得た情報は、1冊のノートにまとめましょう。複数のノートを作るよりも整理しやすく、あとから見返しやすくなります。

まず、研究したい対象企業をピックアップします。次に、その企業を志望度順に並べます。ここではあまり細かく決める必要はなく、第一志望群、第二志望群といったようにグルーピングするだけでも大丈夫です。

ノートに罫線を引き、一覧表を作ります。企業名のほか、事業内容や強みなど、各項目の欄を作りましょう。

各項目について調べ終わったら、自分の中の志望度を点数化します。10点満点のうち、どのくらい強く志望するのか、リサーチした内容から考えてください。

すべての企業でここまでの作業を終えたら、一覧表に記録した点数を見返し、「なぜこの点数をつけたのか」を改めて考えてみましょう。ほかの企業と比較しながら振り返ることで、自分の就活の軸や優先したい条件がより明確になるはずです。

就活の軸については「就活の軸とは?探し方のコツや具体的な方法を例文付きで解説」をご一読ください。

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企業研究ノートの活かし方

せっかく企業研究ノートを作っても、作りっぱなしでは意味がありません。きちんと就職活動で活かしましょう。

自己分析と重ね合わせる

就職活動において、企業研究と同じくらい大切なのが自己分析です。この2つをどちらも行うことで、自分の強みを企業のどんなところで、具体的にどう活かせるのかを話せるようになります。

ここに具体性がないと、エントリーシート(ES)や面接での話に説得力がなく、内定につながりません。それぞれの分析結果を見直し理解度を深め、どう自己アピールにつなげるか考えてみましょう。

自己分析については「自己分析とは?おすすめのやり方8選や実施時の注意点を紹介」をご覧ください。

就職活動の軸と照らし合わせる

誰しも、就職活動の軸を持っています。たとえば、「お客さまから直接感謝の言葉をいただける仕事がしたい」「食事を通じて健康を守る事業に貢献したい」などがあるでしょう。

企業研究をしたら、その自分の軸に企業が合っているかどうかを内容を振り返りながら考えます。合わない点があればピックアップし、理由も考えてみましょう。

エントリーシート(ES)へ活用する

企業研究ノートは、エントリーシート(ES)の記入において大いに役立ちます。特に、志望動機や自己PRを書く際に企業研究で得た情報を反映させることで、具体性のある内容に仕上がります。

たとえば、企業の強みやビジョンをノートで整理しておくと、それらを踏まえたうえで自分のスキルや経験との関連性をアピールすることが可能です。また、企業ごとに情報を分けて整理しておくと、複数の企業に応募する場合にも効率的に対応できます。

面接での質問に活用する

面接では、企業研究ノートを基に具体的な質問や回答を準備することで、面接官に強い印象を与えられます。企業の事業内容や理念に関する深い理解を示したり、独自の視点で質問をしたりすることで、ほかの就活生との差別化が可能です。

企業研究ノートに記録した内容を活用して、自分が企業にどのように貢献できるかを明確に伝える準備をしましょう。

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企業研究について悩むあなたへ

就職活動では企業研究が大切だとわかっていても、なかなか着手できなかったり、やってみたものの上手くいかなかったりすることはよくあります。

そのようなときは、就職エージェントのキャリアチケットをご利用ください。企業ノートの作り方や研究すべき企業の選び方、集めた情報の活かし方など何でもお答えします。「集めた情報を上手く志望動機に活かせない」など、あなたの悩みに寄り添い丁寧にアドバイスするので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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企業研究に関するよくある質問

Q.企業研究はいつごろまでにしておくべきですか?

A.企業研究は、エントリーシート(ES)の提出や面接準備を始める前に終わらせておくのが理想的です。

具体的には、大学3年生の夏ごろから本格的に調べ始め、秋ごろまでに基礎情報を押さえておくと良いでしょう。早めに取り組むことで、インターンシップやOB訪問の際に役立てられます。

Q.企業研究はどのくらいまで行えばいいですか?

A.企業研究は、「志望動機が明確になり、他社との違いを説明できる」レベルまで行うのが理想です。特に、事業内容や社風、強みなどを把握して、自分のキャリア目標との関連性を深掘りしましょう。
ただし、すべての情報を網羅する必要はなく、志望動機や面接で役立つ要点を中心に絞ると効率的です。

Q.企業研究をしないとどんなデメリットがありますか?

A.企業研究を怠ると、以下のようなデメリットがあります。

志望動機が浅くなり、面接官に熱意が伝わらない
入社後にミスマッチがわかり、後悔する可能性がある
他の候補者との差別化が難しくなり、選考通過率が低下する

選考の段階が進むにつれ、企業研究の重要性は増していきます。入念な企業研究は、成功のカギといえるでしょう。

Q.公表されていない情報を調べる方法はありますか?

A.公表されていない情報を調べる方法としては、以下の手段が考えられます。

OB・OG訪問を通じて、社内の雰囲気や働き方について具体的な話を聞く
インターンシップに参加し、実際の業務を体験する
SNSや口コミサイトを活用して、社員の声や評判を確認する

ただし、非公式な情報の信頼性には注意し、公表されている公式情報と照らし合わせて検討することが大切です。

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