このページのまとめ
- 学業と就活を両立するには、大学3年次よりも前から志望企業を絞っておくのがおすすめ
- 企業を選ぶときは選択肢を広げたり、学校推薦を利用したりするとよい
- 書類作成や面接対策、身だしなみなど就活の基本を見直しておく
「理系就活はいつから始める?」「学部卒で就職か大学院進学か?」など理系就活についての悩みを抱えている就活生も多いでしょう。理系就活には、自由応募や学校推薦、技術系か事務系かなどさまざまな選択肢があります。
しかし、理系は文系と比べると就職先に困らないといわれていますが、難航する人もいるようです。
この記事では、よくある理由に加え、学業と就活を両立する方法、企業選びのポイントをご紹介します。
就活の効率の良い進め方について知りたい方は、「就活は何から始める?基本の進め方や効率良く終わらせるためのコツが分かる!」も参考にしてください。
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理系就活は進学か就職かを選ぶところからスタート
文部科学省によると、理系学生の進学率は約4割となっており、半分以上は学部卒業後に就職します。学部卒で就職するメリットは、院卒に比べ2年早く社会に出て、実務経験を積めるという点です。大学院で「特に研究したい分野がない」「研究職にあまり興味がない」という人は、学部卒で就職の道を選ぶ人が多いでしょう。
一方、学部卒で就職をするデメリットは、専門的な技術や知識を必要とする企業に就職するのが難しいことがある点です。なぜなら、研究職や技術職などは、より専門的に学び即戦力になる人材を求めていることが多いからです。
また、大学院に進学するメリットとして、専門的な知識や技術を活かした企業に就職できる点が挙げられます。学部よりも専門性の高いことを学べるため、「もっとこの分野について深く知りたい」「この分野について極めたい」という人におすすめです。
大学院に進学するメリットとして企業によって違いはありますが、院卒の基本給のほうが学部卒の人よりも高い傾向にあります。そのため、院卒で就職すると条件面で納得のいく企業の幅を広げられるでしょう。
しかし、大学院に進学すると学費がかかり、経済的な面でのデメリットがあるのも事実です。また、大学院へ進むと、学部卒生に比べて2年遅れて社会に出ることになります。社会経験において学部生よりも遅れを取ることは覚悟しておかなければなりません。
それぞれのメリットとデメリット、そして自分が何をしたいかなどをよく考え、今後の進路を決定しましょう。
参照元
文部科学省
学士課程修了者の進学率の推移
大卒後の進路はさまざまなものがあります。「大卒後の進路はどうすべき?7つの選択肢と後悔しない進路選びのコツを解説」を参考にしてください。
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理系就活のさまざまな進路
理系就活において選択可能な就職先をご紹介します。それぞれの特徴を知り、自分に合った就活方法を選んでください。
専門分野での理系就職
理系就職でまず思い浮かぶのが、専門分野で就職先を探す道でしょう。理系ならではの高い専門性を活かせる研究職や技術職などを選ぶ学生も多いようです。
自分の大学生活を費やした専門分野なら、自己分析や企業研究も比較的スムーズに進められ、自己PRや志望動機、面接などでも自分をアピールしやすいのがメリットといえます。
専門外の理系就職
専門外の理系就職をする人もいます。その理由としては、「研究したけど、興味の持てる分野ではなかった」「自分が行ってきた研究に基づく企業が少ない」など、やむを得ない事情があり、専門外の理系就職を決める人もいるでしょう。
しかし、専門外の理系就職は、決して珍しいことではありません。情報、機械、電気電子などを筆頭に、その分野の延長線上にある、違う領域に就職することも多々あります。
また、コロナ禍によってIT産業が急成長し、今もなお成長し続けています。理系学生はITとの関連が深いことから、たとえその分野を学んでいなくても、即戦力として求められることも少なくありません。
文系就職
もう一つの道として、文系就職が挙げられます。理系の教養や知識が直接的に活かされなくとも、一般的に文系学生の就職先として想定される企業からも、理数系の能力は幅広い業界や企業に歓迎される傾向にあります。たとえば、コンサルティングや金融関係、商社やマスコミ業界などは、理系学生でも狙える業界です。
しかし、文系の学生がライバルとなるため、専門外の分野に進むことを決めた理由を明確にし、他の文系就活生に負けないよう、徹底的に対策を行う必要があるでしょう。
自分に合った職種を知りたい人は「就活中に絶対知るべき職種の種類!自分に合った職業を見つける方法も解説」を参考にしてください。
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理系就活のスケジュール
就職活動の日程はその年によって変動があるため、常に最新の情報を確認しておく必要があります。下記は、一般的な就職活動のおおまかな流れなので参考にしてください。
・大学3年次4月~6月…企業、業界、職種研究及び自己分析
・大学3年次7月~2月…インターンシップ参加
・大学3年次3月…企業エントリー開始、説明会参加
・大学4年次6月…選考開始、順次内々定
・大学4年次10月…内定式
3月1日のエントリー開始に向けて、大学3年生になった時点で、どのような職種や企業で働いてみたいのかを調べておく必要があるでしょう。
3月1日から就職活動を始めるのでは、他の学生から遅れを取ってしまう可能性があります。特に、理系学生の就職先は早期選考を実施する企業もあるため、早めに興味のある分野を絞っておくと良いしょう。
25年卒のスケジュールについては「就活準備はいつから?2025卒や状況別のスケジュールとやることを解説」を参考にしてください。
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理系就活での応募の仕方
理系学生が就職活動をする際、企業への応募方法について解説します。それぞれのメリット・デメリットを確認し、応募方法を選択しましょう。
自由応募
理系以外の学生も行う、いわゆる一般的な方法が自由応募です。企業サイトや求人サイトで求人情報を検索し、幅広い業界や企業の中から自分に合った企業を探して応募できるのがメリットです。
ただし、文系学生のほとんどが自由応募を選択しているため、競争率が高くなるというデメリットもあります。
推薦応募
推薦応募とは、学校に集められた推薦求人の中から応募したい企業を探し、教授などからの推薦状を添えて応募するというものです。
学校から推薦される、という点で、比較的内定につながりやすいというのがメリットです。面接が免除されるケースもあり、就職活動の期間が短くなる可能性もあります。
ただし、応募できるのは学校とつながりを持つ企業に限られることが多いので、企業選びの視野が広げられないのがデメリットと言えるでしょう。
また、もし学校推薦で内定辞退をすると、ほかの志望者に迷惑がかかる可能性が高いことを踏まえて、よく考えたうえで利用してください。
学校推薦についてさらに詳しく知りたい人は「教授推薦とは?理系就活で利用する際のメリット・デメリットを解説」も参考にしてください。
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理系学生の就活がうまくいかない理由
ここでは、就活がうまくいかない理由をご紹介します。理系学生はその専門性の高さから、文系学生よりも企業からの需要があるといわれていますが、思うように進まないという人も存在します。悩んでいる人は、なぜ自分の就活がうまくいかないのか、当てはまる原因がないか確認してみてください。
学業が忙しく両立が難しい
理系学生は、専門性が高い研究や課題など、文系の学生に比べると、学業が多忙になる傾向があります。そのため、説明会に参加できない、面接の予定を組めないなど、就活との両立が難しいと感じている理系学生は多いようです。
また、大学院生は一日中研究室に滞在しなければならないことも多く、就活と両立したくてもできないと悩む学生も少なくないようです。
大学院生の就活については「修士1年生でも内定はもらえる?就活成功へのポイントや人気の就職先を紹介」の記事を参考にしてみてください。
研究内容を専門知識のない人に噛み砕いて説明できない
面接などでは研究内容(専攻・課題)などを伝えますが、専門知識のない人に対して説明をするのが難しいというケースも。
「専門用語を使わずに説明できない…」と悩んでいる場合は改善の余地がありますが、そもそも「専門知識のない人に噛み砕いた説明をする」という発想がない人もいるようです。
面接などで採用担当者に研究の内容を聞かれた場合、誰でも理解できるようにわかりやすく説明する必要があります。
日頃から人に自分の研究について簡潔に説明する練習をしておきましょう。今後働き始めても、相手に理解してもらえるように物事を説明するという力は必須です。
専門的知識や技術以外の能力が欠けている
理系学生の就活では、専門知識や技術のほか、コミュニケーション力が求められる場合もあります。エンジニアは、ただパソコンに向かってもくもくと作業をするイメージが強いかもしれません。しかし、実務ではクライアントとの交渉、プロジェクト進行などコミュニケーション力も必要になってきます。
同じレベルの技術や知識を持っている学生がいた場合、コミュニケーション能力に長けている学生を企業は選ぶでしょう。
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理系就活を成功させるコツ
ここでは、理系の就職活動をスムーズに進めるためのポイントをご紹介します。
早めに準備をする
理系の就職活動は、早ければ早いほど有利になります。理系学生は文系と比べて学業が忙しく、就活が開始・本格化する時期に多くの企業説明会に参加することができません。
理系学生は、大学1年次から時間のある時にインターンシップに参加したり、業界・企業研究をしたりして、本命となる企業を絞っておいた方がよいでしょう。特に大学4年次になると卒業論文も加わって手一杯になってしまう傾向にあります。
理系学生におすすめのインターンシップ先について知りたい人は「インターンは就活成功の鍵!理系学生にオススメの職種とは」を参考にしてください。
専門分野以外の企業にも応募する
企業に応募する際は、企業の幅を広げて応募することをおすすめします。も視野に入れることをおすすめします。理系の学生は、自分の専門分野が活かせる企業を選ぶことが多いため、文系の学生に比べるとエントリー数が少ない傾向にあります。
大学で学んだ専門知識や技術が活かせる企業のみに志望先を絞ると、選択肢が狭くなり、内定がもらえない、という可能性も否定できません。
そのため、自分の専門以外の業界や企業もエントリー数に含めるのが良いでしょう。ただし、先述したように、理系の就活スケジュールはタイトになりがちなため、選考の予定が被らないように注意が必要です。
書類作成のポイント
理系就活でも、文系就活と同じく書類作成は選考につなげるための重要なステップです。ここでは、以下の点に特に注意しましょう。
企業の求める人物像に合った内容か
志望動機や自己PR、ガクチカなどの選考書類には、企業の求める人物像にマッチした内容にしましょう。同系統の企業・職種・仕事内容でも、人材に求める能力・人柄は異なります。書類は、応募する企業ごとに内容を書き換えましょう。
企業に評価されるガクチカや自己PRのエピソードの書き方については、「学生時代頑張ったことは勉強でもOK?評価される伝え方を解説」の記事を参考にしてください。
正式名称などの表記に間違いがないか
社名や資格名などは正式名称を用います「(株)」という表記を見慣れているためつい使いがちですが、これは実は略式。「株式会社」が正しい表記です。後株なのか前株なのかにも注意してください。年月日の表記は、同じ書類内で和暦か西暦のどちらかに統一するのが基本です。
面接対策のポイント
面接は、人と人との「対話」です。企業から見極められていると思うと、過度に緊張してしまい表情がかたくなったり、話し方も単調になりがちです。
そのため、面接はお互いをよく知るための対話を行う場と考えるようにして、怖がらずに挑むことが重要です。面接は以下の点に注意し、模擬面接を繰り返し行いましょう。
面接での態度にも気を付ける
緊張すると顔が強張ったり、早口になったり声のトーンが低くなってしまったりする人もいるかもしれません。
これらは、ネガティブな印象となりやすいため、姿勢を正して口角を上げ、聞き取りやすいトーンと口調で対応することを心がけましょう。
可能であれば、模擬面接などの様子を録音したり動画に撮ってみることをおすすめします。そうすることで、客観的に自分の様子を確認できるため、新たな改善点が見つかるかもしれません。
回答を準備しておく
よくある質問に対しては、あらかじめ回答を準備しておきましょう。自己紹介や自己PRなどは時間制限を設けられることもあるので、1分用、2分用などいくつかパターンを作っておくのがおすすめです。
このときに気をつけておきたいのが、回答を丸暗記しないという点です。回答を丸暗記すると安心かもしれませんが、答える際に棒読みになってしまったり、一部を忘れてしまうと、その後が続かなかったりする場合があります。
「このような内容をこのような流れで話す」というある程度の回答を準備しておきましょう。面接の頻出については「よくある質問は対策しよう!面接で聞かれることとは?」の記事を参考にしてください。
また、理系就活では技術面接と呼ばれるものがあります。技術面接でのポイントについては「理系就活生必見!技術面接のよくある質問例や逆質問への対処法を紹介」を参考にしてください。
身だしなみを整える
理系・文系にかかわらず、就活やビジネスシーンでは、身だしなみを整えることもビジネスマナーです。面接前に、下記のポイントをチェックしましょう。
シワや汚れ、サイズ感をチェック
スーツさえ着ていれば大丈夫、と思っているのは危険です。サイズが合っていないスーツはだらしなく、シワやシミ、汚れなどがあると人に不快感を与えかねません。「ビジネスシーンで通用するか」という意識を持ち、細かな部分までチェックして臨みましょう。
髪はまとめる
ヘアスタイルも重要な身だしなみの一部です。耳やおでこにかかる髪はピンやゴムで止めるか、ワックス、ヘアスプレーなどを使ってまとめましょう。髪の長い人は必ずゴムで結んでください。ゴムやピンはシンプルなものを選びましょう。
男性の場合は、髪を短く切りヒゲをきれいに剃っておくようにしましょう。髪の毛がボサボサだと、だらしなく見え、清潔感に欠けます。身だしなみでマイナスな印象を与えないように気をつけましょう。
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理系就職をうまく切り抜けたいあなたへ
「理系就活はいつから始めればいい?」「理系就活は大変?」などさまざまな悩みを抱えている就活生も多くいるでしょう。理系就活は、できるだけ早い段階から、挑戦してみたい業界や企業を絞り就活に向けて準備をしておく必要があります。
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理系就活が難しいと感じたら「就活が難しいと感じるのはなぜ?悩んだときに実施したい対処法を解説!」を参考にしてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。