テーマパーク業界の現状と今後の動向は?将来性や就職活動のポイントを解説

このページのまとめ

  • テーマパーク業界の市場規模はコロナ禍を経て、現在は回復傾向にある
  • インバウンド需要の高まりなどにより、今後も右肩上がりの業績が予想される
  • テーマパーク業界に就職するためには、志望理由を明確にして選考対策する必要がある

テーマパーク業界の現状と今後の動向は?将来性や就職活動のポイントを解説のイメージ

テーマパークを訪れたことがある人のなかには、「テーマパーク業界で働きたい」と憧れや熱意を抱いている就活生も多いでしょう。テーマパーク業界は、新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けたものの、その後の市場は回復傾向にある状況です。

この記事では、テーマパーク業界の現状や課題から、就活事情まで解説します。最後まで読めば、テーマパーク業界の将来性を理解し、納得のいく業界・企業選びができるでしょう。

本記事の執筆者

清水群(しみず・ぐん)

株式会社スマイルガーディアン代表取締役。テーマパークコンサルタント株式会社オリエンタルランド、株式会社ユー・エス・ジェイという日本の2大テーマパークをそれぞれ運営している企業で10年間、接客や機械メンテナンス、部品設計、安全管理、各部署の業務改善などを担当。中小企業診断士を取得後に独立、テーマパークや遊園地のコンサルテーションだけでなく、大阪市トップランナー事業コーディネータとして中小企業のハンズオン支援などを実施している。

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目 次

テーマパーク業界の構造と収益源

テーマパーク業界の業態は、大きく以下の3つに分類されます。

・年間の集客が1,000万人以上の大型テーマパーク
・年間の集客が数十万人から100万人規模の遊園地
・宿泊施設やアウトレットモールなどに併設している遊園地

テーマパークや遊園地の運営会社のなかには、主としてほかの事業を行っている企業も少なくありません。なかでも、年間の集客が数十万人から100万人規模の遊園地には、電鉄会社もしくは関連する子会社がサブ事業として運営している遊園地が多くあります。

テーマパークや遊園地の主な収益源は、下記のとおりです。

・入場料
・アトラクションの乗り物券
・グッズ販売
・飲食

ほかには、ロッカー代や駐車場代などの細かい売上が加算されます。各テーマパーク・遊園地によって比率は異なりますが、入場料や乗り物券などの利用料金だけで売上の5割以上を占めるケースが多いようです。

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」をもとに、業界全体を見ても、2024年2月の遊園地・テーマパーク業界の売上高が約648億円、内訳は「入場料金・施設利用料金収入」が約336億円、「食堂・売店(直営のもの)」が約311億円でした。

就活で欠かせない業界研究のポイントを詳しく知りたい方は、「業界分析とは?目的や正しい方法を解説!」を参考にしてください。

参照元
経済産業省
特定サービス産業動態統計調査 調査の結果 統計表一覧

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統計データから見るテーマパーク業界の現状

テーマパーク業界は、2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだものの、現在は回復傾向にあるといえるでしょう。以下で、統計データをもとにテーマパーク業界の現状を解説します。

市場規模の推移とコロナ禍の影響

多くの人が集まるテーマパークや遊園地は、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けました。実際に、新型コロナウイルスの影響は、統計データの数字にも大きく現れています。

経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によると、2019年に約7,184億円だった売上高が、2020年になると約2,638億円まで急落しました。新型コロナウイルス感染拡大防止のために営業自粛を余儀なくされ、入場者数も同様に、2019年の7,946万人から2020年は3,138万人に減少しています。

その後、2022年にはコロナ禍の制限緩和などにより売上高が6,000億円まで回復し、2023年には売上高が過去最大の8,441億円、入場者数も7,238万人とコロナ前の水準まで戻りました。

【遊園地・テーマパークの売上高と入場者数の推移】のイメージ

出所:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査 調査の結果 統計表一覧 長期データ

また、テーマパーク業界を振り返ると、2000年代始めには、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」と「東京ディズニーシー」のオープンを機に市場規模を大きく拡大しています。

そして、2012年以降は、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」や「よみうりランド」のV字回復を背景に、年々市場を拡大してきたのが分かります。現在も、コロナ禍を経て、以前のような右肩上がりの状態が戻ってきているといえるでしょう。

参照元
経済産業省
特定サービス産業動態統計調査 調査の結果 統計表一覧 長期データ

テーマパーク業界の約8割が黒字企業

株式会社東京商工リサーチの調査によると、国内の主なテーマパーク・遊園地の運営会社のうち、2022年には79.6%が前年度から増収しています。一方で、減収した企業は12.6%という結果でした。

また、2022年には、テーマパーク業界の約8割の企業が黒字を計上しています。新型コロナウイルスの影響を受け、2020年は6割強、2021年は約5割の企業が赤字を計上していたところから、現在は以前の水準まで回復しているといえるでしょう。

【増収・減収企業の構成比(2017年)】のイメージ

出所:株式会社東京商工リサーチ「コロナ禍から業績が急回復「遊園地・テーマパーク運営企業の業績動向」調査

黒字企業は、入場者数の増加に加えて、直営の食堂や売店などの利用者数も増えています。年によってやや収益に波があるものの、テーマパーク業界は安定的に収益を生み出せるビジネスモデルが確立されているといえるでしょう。

参照元
株式会社東京商工リサーチ
コロナ禍から業績が急回復「遊園地・テーマパーク運営企業の業績動向」調査

値上がり続けるテーマパークの入場料

黒字企業が増えた背景には、入場料の値上げや変動価格制の導入など、客単価を上げる施策による効果も考えられます。

株式会社帝国データバンクの「2023年「主要レジャー施設(テーマパーク)」価格調査(1p)」によると、2022年から2023年の4月にかけて、入場料を値上げした遊園地は36.8%に上りました。テーマパークも26.9%が値上げを実施し、コロナ禍以降、レジャー施設全体で値上げの動きが活発化しています。

また、最近では、変動価格制(ダイナミックプライシング)を導入する企業も少なくありません。変動価格制とは、土日祝日や長期休暇期間など、需要動向に合わせて価格を変動させるシステムのことです。

なお、変動価格制は、料金の値上げによる利益の最大化だけではなく、来場者の分散を期待する狙いもあるといえます。

業界研究を効率よく進める方法を知りたい方は、「業界研究、おすすめの方法は?これから就活を始める人へ」を参考にしてください。

参照元
株式会社帝国データバンク
2023年「主要レジャー施設(テーマパーク)」価格調査

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テーマパーク業界の課題

コロナ禍以降も回復の兆しを見せるテーマパーク業界ですが、少子高齢化による市場規模の縮小や運営コストの上昇といった課題も抱えています。

以下で、テーマパーク業界が抱える課題を解説するので、将来性を判断する際の参考にしてください。

少子高齢化による市場規模縮小の懸念

テーマパーク業界における課題の一つが、少子高齢化による市場規模縮小です。テーマパークや遊園地の多くは、ファミリー層をメインターゲットとしているものの、国内では少子高齢化が進み、ターゲット層の人口が減少しています。

また、少子高齢化の影響は、入場者数の減少だけではありません。実際に、テーマパークや遊園地で働く人手不足に悩む運営会社も多くあります。

少子高齢化による需要の減少は、増加する外国人観光客でカバーできるかもしれません。しかし、たとえ外国人観光客による需要が増えても、人手不足の課題は残ったままです。そのため、より一層、業務の自動化や効率化を図る必要があるでしょう。

エネルギー価格高騰による運営コストの上昇

テーマパーク業界が抱える課題として、エネルギー価格の高騰による運営コストの上昇が挙げられます。実際に、エネルギー価格の高騰は、入場料の値上げ要因の一つです。

株式会社帝国データバンクの「2023年春休みシーズン「テーマパーク」価格調査(2p)」によると、2023年に入場料を値上げした企業の7割が、エネルギー価格の上昇を値上げ理由に挙げました。

特に、規模が大きいテーマパークや遊園地では、ジェットコースターなどの遊具を稼働するため、電気代の上昇は運営コストを大きく押し上げています。そのため、多くの企業が値上げに踏み切っているのが現状です。

しかし、入場料の値上げは、テーマパークの利用回数を減らしたり、施設内での食事を節約したりするなど、集客に一定の影響を及ぼす可能性があります。そのため、エネルギー価格の高騰による運営コストの上昇をどれだけ吸収できるか、企業は今後も運営努力を続けなければなりません。

参照元
株式会社帝国データバンク
2023年春休みシーズン「テーマパーク」価格調査

大型テーマパークと地方遊園地の二極化

テーマパーク業界が抱える課題として、大型テーマパークと地方遊園地の二極化が挙げられます。大型テーマパークのなかには、新アトラクションの増設など、積極的に設備投資して売上を伸ばしている運営会社も少なくありません。

一方で、売上規模が10億円程度の地方の遊園地にとって、数億円を必要とするアトラクションの新設は、決して簡単ではありません。そのため、地方の遊園地などは、こうした経済的な制約のなかで、いかにリピーターを獲得するかが課題だといえるでしょう。

関心のある業界の理解を深めるためには、業界研究セミナーへの参加がおすすめです。業界研究セミナーに参加するメリットを知りたい方は、「業界研究セミナーとは?気になる内容と参加するメリットを解説!」を参考にしてください。

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テーマパーク業界の今後の動向

娯楽やレジャーが多様化するなか、テーマパーク業界が成長し続けるためには、インバウンド需要の波にうまく乗り、リアルな体験ができる強みを活かしていくといった意識が大切です。

以下で、テーマパーク業界の今後の動向を解説するので、参考にしてください。

インバウンド需要の高まりに期待

訪日外国人の増加は、テーマパーク業界にとって大きな機会になります。インバウンドとは、外国人が日本へ旅行に訪れることを意味する、旅行業界や観光業界などでよく使われる言葉です。

日本政府観光局(JNTO)の「国籍/月別 訪日外客数(2003年〜2024年)(2,6p)」によると、2023年の年間の訪日外客(※)数は、推定で約2,506万人に上ります。2019年の約3,188万人からは21.4%減少しているものの、コロナ禍前の8割まで回復しています。

※訪日外客=外国人正規入国者から日本に永住する外国人を除き、これに、日本を経由して第三国へ向かう一時上陸客を加えた外国人旅行者のこと

また、2023年12月の単月の訪日外客数は約273万人で、2019年12月を8.2%上回っており、今後もますますインバウンド需要は高まっていくでしょう。

参照元
日本政府観光局(JNTO)
訪日外客統計

テーマパーク業界以外の娯楽がライバル

最近では、娯楽やレジャーが多様化しています。テーマパーク業界にとって、大型ショッピングモールやモバイル・スマホゲームなどの娯楽は、すべてライバルだといえるでしょう。

以前から、テーマパーク業界でも、VR・ARをはじめとする最新技術を導入するケースが増えてきています。しかし、今では、ゲームセンターや自宅などでも気軽にVRを体験できるようになっているため、テーマパーク業界ならではの体験を提供できるよう、工夫が必要です。

リアルな「人」がいる強みを活かす

テーマパークや遊園地ならではの、リアルな「人」がいる強みを活かせると、ほかの娯楽との差別化につながります。

テーマパークや遊園地は、ゲームなどと同じく、非日常的な世界観を提供する娯楽です。しかし、テーマパークには、ゲームとは異なり現実空間で働く「人」がいます。そのため、エンターテインメント要素が大きいショーやライブ感を重視したイベントの開催が可能です。

今後も、「人がいるからこそ提供できる娯楽」の質を向上させていくことで、テーマパークの可能性はますます広がります。そのためにも、人材の確保・教育を強化していく必要があるでしょう。

志望先の業界を絞る際の注意点を知りたい方は、「就活生が知っておくべき業界を紹介!絞り方のコツや方法も解説」を参考にしてください。

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テーマパーク業界の就活事情

テーマパーク業界は、大手企業を中心に就活生からの人気が高く、効果的に対策しなければ選考を通過するのは難しいでしょう。テーマパーク業界への就職を目指すのであれば、まず仕事内容や求める人物像をよく理解する必要があります。

以下で、テーマパーク業界の就活事情をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

テーマパーク業界の仕事のやりがい

テーマパーク業界で働く魅力は、ゲストの笑顔につながる仕事ができることです。具体的には、下記のようなやりがいを感じられるでしょう。

・ゲストの思い出づくりに関われる
・ゲストの反応をダイレクトに感じられる
・非日常的な環境でワクワクした気持ちで仕事ができる
・ゲストや仲間とのつながりを感じられる

テーマパーク業界の仕事内容は職種によって異なりますが、ゲストというエンドユーザーのために仕事をする点は同じです。なかには、ゲストとの距離が近い仕事も多くあります。自分の働き次第で、ゲストの喜ぶ反応を見たり、つながりを感じられたりする点も、やりがいにつながるはずです。

また、テーマパークや遊園地といった非日常空間で仕事をするのは、ゲストだけはなく、働く従業員にとっても魅力的に感じられるでしょう。

テーマパーク業界が求める人物像

テーマパーク業界が求める人物像として、下記のような特徴が挙げられます。

・ホスピタリティがある
・コミュニケーション能力がある
・自主的に行動できる
・臨機応変に行動できる
・チームワークを大切にする

テーマパーク業界では、職種に限らず、「ゲストをもてなす」といったホスピタリティの精神が必要とされるでしょう。実際に、テーマパーク業界の仕事のなかには、テーマパークに訪れるゲストを楽しませたり、直接接したりする仕事もあります。

ゲストに喜んでもらうために何ができるかを考えられるような自主性や、トラブルが起きたときでも臨機応変に行動できる対応力なども、求められる資質だといえるでしょう。

テーマパーク業界が求めている人物像を把握するためには、テーマパークを訪れた際に、働いている従業員の方に声をかけてみるのもおすすめです。たとえば、乗り物の場所やおすすめのレストランや売店などを質問してみてください。

その際に、従業員がどのような言葉遣いをしているか、身振り手振りはどうかなど、ほかのサービス業と比較してどのような違いがあるのかを見つけられると、求める人物像をイメージしやすくなるでしょう。

テーマパーク業界に就職するためにやるべきこと

テーマパーク業界に就職するためには、自己分析と業界・企業研究を徹底する必要があります。

就職活動の業界選びで多いのが、「好きだから」といった理由です。志望先を決めるにあたって、「好き」という気持ちももちろん大切ですが、テーマパーク業界は、好きな人しか志望しないといえるでしょう。

そのため、まずは自己分析をして、「なぜテーマパークが好きなのか」「なぜテーマパーク業界に関心があるのか」を言語化することが大切です。また、業界の全体像を掴んだら、それぞれの企業について深掘りしてください。

企業の情報は、WebサイトやIR情報などから得られますが、可能であれば、OB・OG訪問やインターンシップへの参加もおすすめです。実際に働く社員と話す機会があれば、テーマパーク業界で就職するための経験談やアドバイスをもらえるかもしれません。

自分の興味や関心を明確にしたうえで、業界やそれぞれの企業の特徴を深掘りしていくと、自分に合った就職先を見つけやすいでしょう。

OB・OG訪問の具体的な方法を知りたい方は、「OB訪問ってどうやるの?アポ取りから進め方まで徹底解説!」の記事を参考にしてください。

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テーマパーク業界の主な職種と仕事内容

テーマパーク業界には、幅広い視点でマネジメント業務にあたる総合職から、一つの分野に特化した業務を担う専門職があります。テーマパーク業界の主な職種を下表にまとめました。

総合職 マーケティング
マネジメント
人事
経理 など
専門職 技術部門 アトラクションの設計
アトラクションの保守
商品デザイナー
インテリアデザイナー
ITエンジニア など
企画部門 アトラクションの企画
イベント企画
イベント演出 など
接客部門 テーマパーク運営
テーマパークスタッフ など

テーマパーク業界と聞いてイメージしやすいのが、テーマパークで実際に働くスタッフの姿ではないでしょうか。テーマパーク業界には、さまざまな職種があり、運営のためにはどれも欠かせない仕事です。

テーマパーク業界を志望する際は、あらかじめどのような仕事をしたいのか明確にしておきましょう。テーマパーク業界に限らず、志望する業界の主な職種を理解しておくと、仕事内容を理解し、適性を判断するのに役立ちます。

就活中に知っておくとよい職種の種類は、「就活中に絶対知るべき職種の種類!自分に合った職業を見つける方法も解説」を参考にしてください。

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テーマパーク業界の志望動機に盛り込むべき4つのこと

テーマパーク業界の志望動機では、テーマパークを訪れた原体験や、仕事を通して実現したいことを盛り込みましょう。

以下で、テーマパーク業界の志望動機に盛り込むべきことを4つ解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.テーマパークを訪れた原体験

テーマパーク業界の志望動機では、テーマパークを訪れたことがあれば、原体験を伝えましょう。思い出深い出来事や訪れた感想などを伝えると、志望動機に独自性を持たせられるほか、採用担当者の印象に残りやすくなります。

テーマパークを訪れた原体験が、志望するきっかけになったケースも少なくないでしょう。しかし、「テーマパークが好き」「訪れたことがある」と述べるだけでは不十分です。テーマパークを訪れた原体験を通して、具体的にどのような影響を受けたのか伝えられると、効果的なアピールにつながるでしょう。

なお、面接においても、テーマパークを訪れた感想や改善点を聞かれるケースがあります。改善点を聞かれたときは、どのような点で不便に感じたかなどを伝えるようにしてください。

2.テーマパーク業界の仕事を通して実現したいこと

テーマパークの志望動機では、志望する職種や仕事内容を示したうえで、「入社後に実現したいことは何か」を伝えましょう。入社後の夢や目標を伝えられなければ、採用担当者に、「ほかの業界でもよさそう」「すぐに辞めてしまいそう」といった印象を与えかねません。

テーマパークの志望動機では、ゲスト側の視点ではなく、働く側としてビジネスの視点から、「なぜテーマパーク業界で働きたいのか」を明確にする必要があります。

熱意や意欲をアピールするためにも、仕事を通して実現したいことを明確にできると効果的です。夢や目標を持って仕事に取り組む姿勢が伝われば、高評価にもつながるでしょう。

3.志望する企業でなければならない理由

志望動機では、「なぜ志望する企業でなければならないのか」も伝える必要があります。日本全国には多くのテーマパークや遊園地があり、表現している世界観やテーマは企業によってさまざまです。

志望する企業の特徴を押さえられていない志望動機の場合、採用担当者は「ほかの企業でもよさそう」「企業分析ができていない」と感じるでしょう。

さまざまなテーマパークがあるなかで、志望先の企業でなければならない理由を説明するためには、業界・企業研究が欠かせません。同業他社となる企業のテーマパークや遊園地を多面的に比較しましょう。ほかの企業にはない魅力を伝えられると、志望動機の差別化につながるはずです。

4.自分の人柄や価値観

テーマパーク業界の志望動機では、エピソードを伝える際に、自分の人柄や価値観が伝わるよう意識してください。

テーマパーク業界では、企業や職種によって、ゲストとの距離が近い仕事からキャリアをスタートさせるケースもあります。そのため、場合によっては、どれほど優秀かどうかよりも人柄を重視する企業も少なくありません。

自分をよく見せようと偽る必要はないので、自分の人柄について、「どのような価値観を持っているか」「周囲からどう思われているか」などが伝わるとよいでしょう。

なお、自分の人柄や価値観を把握するためには、自己分析に加えて他己分析をするのもおすすめです。他己分析の具体的なやり方は、「他己分析とは?有意義かつ効率的なやり方のポイントや質問例30選を紹介」を参考にしてください。

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テーマパーク業界の志望動機例文

以下で、テーマパーク業界の志望動機例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

例文1.総合職

私が貴社を志望する理由は、顧客の潜在的なニーズを汲み取り、顧客の想像を超えるサービスを提案したいと考えているからです。

私は、幼い頃から両親に連れられて、よくテーマパークを訪れていました。幼い頃は、純粋に「楽しい」といった喜びを感じていましたが、高校生になって久しぶりにテーマパークを訪れた際には、老若男女を問わず平等にエンターテインメントを感じられる空間にとても感動しました。また、大学時代には文化祭実行委員会として、文化祭に出展するサークルを取りまとめる役割を担いました。私はこの経験から、人々に笑顔や感動を与えられるエンターテインメントの裏には、さまざまな人の行動や努力があることを強く実感しました。

貴社は「人々に夢や感動、やすらぎを提供する」といった理念を掲げており、それを実現するための事業を幅広く展開しています。入社後は、既存の発想に縛られず、顧客のニーズに応えるために最大限にできることは何かを考えながら、「人に貢献する」という目標を達成するため努力していきたいと考えています。

例文2.専門職(企画部門)

私が貴社を志望した理由は、自分のアイデアを形にして、多くの人を笑顔にしたいと考えているからです。
私は大学時代に、授業の一環として、児童養護施設でイベントを企画したり、車椅子で生活する子どもをサポートするボランティアに参加したりしました。私が子どもたちと企画したイベントを通して感じたのは、「ワクワクする気持ちに、人は幸せを感じる」ということです。イベントの準備を楽しむ人や当日に今までで1番の笑顔を見せる人、イベントの思い出話を楽しむ人など、幸せの表現方法はさまざまですが、一つの場をきっかけに笑顔が広がった光景は忘れられません。私はこの経験を通して、必要とする人に、ワクワクする気持ちを何度でも味わえる空間を提供し続けたいと強く感じました。

貴社は、次々と新しいキャラクターを生み出したり、季節ごとにイベントを企画したりして、顧客の期待に応え続けています。貴社に入社後は、多くの人を笑顔にするための画期的なアイデアを形にできるよう、チャレンジし続けたいと考えています。

志望動機の効果的な伝え方は、「就活の志望理由にもう困らない!基本的な作り方や伝え方を例文つきで解説」の記事をご覧ください。

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テーマパーク業界への就職を目指しているあなたへ

ワクワクした気持ちや憧れを抱いて、「テーマパーク業界に就職したい」と就活に臨んでいる人も多いでしょう。

テーマパーク業界は今後も成長が期待できる業界の一つです。テーマパーク業界への就職を目指すのであれば、業界・企業研究を徹底したうえで、「なぜ志望先の企業でなければならないのか」といった志望理由を明確にしておく必要があります。

就活を進めるなかで、「テーマパーク業界に就職できるか不安」「志望動機を差別化できなくて困っている」といった悩みがある場合は、就活エージェントへの相談がおすすめです。

就活エージェントのキャリアチケットでは、テーマパーク業界への就職を実現するために、自己分析や業界・企業研究から面接対策まで、幅広いサポートを行っています。テーマパーク業界に就職できるか不安な方は、ぜひ気軽に利用してみてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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