就職留年は単位が足りてる人も可能|後悔しない就活のポイントを解説

このページのまとめ

  • 就職留年の方法には、卒業延期制度の利用や休学、ゼミの先生に依頼することなどがある
  • 就職留年を成功させるポイントには、留年原因の振り返り、自己分析、就活の軸の確立、気になる企業への即エントリーなどがある
  • 業界によって留年が不利かどうかは異なり、金融やインフラ業界ではやや不利な一方で、IT系や公務員などでは留年に寛容な傾向がある


 

「希望の企業から内定がもらえなかった…」「就職留年で、もう1年卒業を引き伸ばしたい」と考えてる人もいるかもしれません。4年生の後半にもなると、就職留年をしようとしても単位の調整が難しくなるケースも。

この記事では、単位が足りている状態でも就職留年できる方法を紹介します。また、就職留年のメリット、デメリットや就活を成功に導く方法などもあわせて紹介するので参考にしてください。

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目 次

単位が足りてる人が就職留年をする方法3つ

就職留年を考え始めたタイミングが早ければ、単位の調整は難しくありません。しかし4年生の後半にもなると「すでに卒業に必要な単位が取得できている」「単位を取得できる見込みがある」という方もいるでしょう。

単位が足りていても就職留年できる可能性はあります。次の3つの方法を試してみてください。

1. 卒業延期制度を利用する

単位が足りている状態での就職留年は、在学している大学に「卒業延期制度」があれば可能です。

最近では企業から内定がもらえなかった生徒への救済措置として、留年を認め在学させる制度を取り入れる大学が増えてきています。

なかには、留年を認めるだけでなく、授業料を減額したり履歴書の書き方や面接指導などの就職サポートを行ったりする大学も。

まずは、通っている大学で「卒業延期制度」が利用できないか確認しましょう。

2. 休学する

単位が足りていても、休学をすれば就職留年できる場合もあります。一般的な休学の手続きは「休学届を提出→大学から休学許可が出る→休学」という流れです。

ただし、卒業に必要な単位が取れている場合は、その時点で卒業確定になることもあります。単位は足りているが卒論を提出する前であれば、卒論を出す前に休学届を提出すれば就職留年が可能です。

休学期間の学費や申請手続き、条件などは大学によってさまざまであるため、在学している大学の休学制度について、しっかり把握しておきましょう。

3. ゼミの先生に依頼する

卒業単位が取得見込みの人は、ゼミの先生に依頼する方法もあります。

ゼミに積極的に参加し先生と良い関係性を築いているなら、正直に理由を話してみましょう。状況に理解を示し、単位を調整してくれるかもしれません。

ただし「ゼミでの研究をより深めたい」「就職をより慎重に進めたい」など説得力のある理由を伝える必要もあるでしょう。

ゼミに入っていないことが就活にどのような影響があるのか知りたい方は、「就活でゼミに関する嘘を吐くのは避けるべき!入ってないときの回答例」も参考にしてください。

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就活を成功に導く就職留年のポイント6つ

「就活の成功」を目指すために、就職留年を選ぶ人がほとんどでしょう。目的と計画性をもって過ごさなければ、単に1年伸ばしただけで結果は何も変わりません。

ここでは、就活を成功させるために、就職留年中の過ごし方についてポイントを6つ紹介します。

1.就職留年になった原因を振り返る

就職留年中の最初のポイントは、内定が取れなかった理由・対処法を洗い出すことです。

次にあげる原因の中に、当てはまる項目はありませんか。

・就活のスタートが遅かった
・どの会社に応募すればよいかわからない
・一流企業ばかり応募していた
・面接がうまく行かなかった

内定が取れなかった原因に心当たりがあれば改善した上で、1年間の就活に再チャレンジしましょう。

2.自己分析をやり直す

内定が取れない原因が明らかになったら「自己分析」を行いましょう。もうすでにやっているという人ももう一度やり直してみてください。自己分析が十分でないために、企業選びや面接がうまくいかなかったのかもしれません。

自己分析とは自分の長所・短所・今までの経験などを分析し、自分の「強み」や「価値観」を見出すことです。「強み」や「価値観」を客観的に把握することで、面接での自己PRがより具体的で説得力のあるものになります。

また「価値観」が明確になると、自分なりの基準を持って企業選びができるようになります。具体的な自己分析のやり方は、「自己分析のやり方は?簡単に行える方法をご紹介」も参考にしてください。

3.就活の軸を定める

自己分析をもとに自分の「強み」や「価値観」がわかったら、就活の軸を定めましょう。就活の軸とは「どんな企業で働きたいか」「どんな働き方をしたいか」という判断基準のことです。

たとえば、次のような「就活の軸」があります。

・人と人を繋ぐ仕事がしたい
・直接感謝をされる仕事がしたい
・自己成長が実感できる仕事がしたい
・大学で学んだスキルを活かしたい
・社会貢献に関わる仕事がしたい

就活の軸が明確だと、就活の際にどの企業にエントリーするか即断できるようになります。また、最近の面接では「就活の軸」を質問されることも増えているようです。どんな判断基準で応募する企業を選んでいるか明確に答えられるようにしておきましょう。

自分なりの就活の軸があれば、効率的に就活を進められます。企業選びの軸の具体的な作成方法や、面接時の回答例は次の記事を参考にしてください。

就活の軸についてさらに詳しく知りたい方は、「就活の軸とは?成功に導く考え方と伝え方」も参考にしてください。

4.気になった企業には即エントリーする

自分の「強み」をもとに説得力のある自己PRを作り「就活の軸」が定まれば、すぐにエントリーを始めましょう。

内定の決まらない学生の多くに、そもそもエントリー数が少ない傾向があります。内定も出ないうちから「会社の雰囲気」「入社してからの生活」などを心配しても仕方ありません。

どうしても気になることがあれば書類選考を通過し、面接まで進んだ際に質問すればよいことです。

5.留年理由の回答を用意しておく

面接まで進めたら就職留年の理由を聞かれることもあるため、説得力のある回答を用意しておきましょう。

とはいえ書類選考は通っているわけですから、説得力のある理由を示れば心配する必要はありません。具体的には次のようなポイントを含めれば、納得してもらいやすいでしょう。

・留年をした理由を正直に話す
・留年中に学んだこと、チャレンジしたことを話す
・入社後の展望を話す

留年の理由を聞かれた時の例文については、「留年して就職は厳しい?不利になりやすい理由や就活する際のポイントを解説」も参考にしてください。

6.希望する業種へのアピールになる資格を取得する

就職留年中は希望する業種へのアピールになる経験を積んだり、資格取得を目指したりするとよいでしょう。

たとえば、商社への就職を希望しているなら「英語」や「簿記」の資格や知識がアピールになります。商社の現場では海外との取引があるため、TOEIC800点以上を取得していれば好印象です。また簿記の資格があれば、財務知識の基礎があるという証明になり即戦力と考えてもらえるでしょう。

1年間でTOEICや日商簿記の資格取得は難しいと感じるかもしれません。しかし「資格取得に向けて、毎日◯時間勉強しています」など具体的な取り組みを伝えれば、前向きな姿勢を評価してもらうことも可能です。

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就職留年する方へのキャリアアドバイザーのアドバイス

就職留年の目的を、「もう一度就活の時間に充てるため」だけにするのではなく、もう1年就活をしたからこそ自分を見つめ直したり、多くの社会人と会う機会を作ったり、インターンシップに参加し早期から就業体験を積んだりするなど、「自身の成長」を目的として行動してみましょう。そのために、なぜ一度目の就活がうまくいかなかったのかをしっかりと振り返り、次に活かすための学びを得ておくことをおすすめします。

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就職留年が不利になる可能性のある業界・ならない業界

希望する業界によっては「留年」そのものが不利になることもあれば「新卒であること」をそれほど重要視しない業界もあります。自分の希望する業界がどちらに当たるのかを知れば、進路の決定に役立つでしょう。

留年が不利になる可能性がある業界|金融・インフラ

金融業界(とくに銀行)や電気・水道・ガスなどの業界は、新卒一括採用で人材を確保している傾向があります。金融・インフラなど大手企業になればなるほど終身雇用制が根強く残っており「新卒からのストレートな出世コース」が重視される印象です。

参照元
生きがい研究所
幸せな終身雇用型企業ランキング

人材確保に困らない業界であるほど「大学を留年したこと」が、内定獲得の障害になることが多いでしょう。

ただし、他の就活生と差別化できる「コミュニケーション能力」や「業界に役立つ資格・スキル」があればその限りではありません。

留年に寛容な可能性のある業界|IT系・公務員

留年したことが、それほど障害にならないのはIT業界や公務員です。

IT業界は実力主義の傾向が強く、既卒・新卒に関わらず「あなたが今何ができるか」が最も問われます。また、ベンチャーなど比較的新しい業界は独自の発想や技術を展開する特質から、ストレートに卒業した経歴よりチャレンジ精神をアピールできる経験を好む印象です。

たとえば就職留年中にインターンシップでの経験を積んでおけば、面接の際の会話も弾み面接で好印象を残せるかもしれません。

また、公務員は必要条件(年齢制限や学歴など)を満たし、ペーパー試験と面接で合格すれば就職が可能です。

そもそも、公務員を目指す人は、大学卒業後の1年間を試験勉強に費やす人も少なくありません。就職留年をしたという事実が、合否に関わることはほとんどないでしょう。公務員への就職方法を知りたい方は、「公務員になりたい!就職方法と必要な資格とは」も参考にしてください。

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就職留年をするメリット

「卒業して既卒として就活をする」「とりあえず内定をもらった会社に就職する」などの道があるなか、就職留年にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは「就職浪人」や「とりあえずの就職」と比較して、就職留年にはどのようなメリットがあるのかを解説します。

新卒枠が使える

就職留年をすれば「新卒一括採用の枠」を使って就職活動を続けられます。新卒一括採用とは、日本独自の採用方法で、新卒の学生を毎年同じ期間に一括して採用することです。新卒生を一括に採用することで、企業側も採用や教育を効率よく行うことができます。

「新卒カード」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。「新卒」の特権を使えば、次のような面で就活を優位に進められるという意味です。

・大手企業に入社できるチャンスがある
・インターンシップを受けられる
・スキルや知識がそれほど必要ない
・入社後に丁寧な研修がある

企業側としても新卒を一括採用することで、足並みを揃えて効率よく育成できます。新卒枠であれば、業界の知識やスキルがゼロでも内定を勝ち取れる可能性があるのです。

効率よく就活を進められる

就職留年をすれば、就活経験は2年目。前年度の経験をもとに、効率良く就活を進められるでしょう。選考スケジュールに間に合わず受けられなかった企業にも、余裕を持ってエントリーできます。

面接も重ねているため緊張も少なく、ありがちな質問や返答の予備知識を蓄え、落ち着いて面接を受けられるのではないでしょうか。

ほとんどの新卒生が就活1年目のため、就活の進め方や面接には不慣れです。知識や経験面で優位に立てる就活留年生は、スタートダッシュで差をつけることができます。

就活にじっくり時間を使える

就職留年をすれば、じっくり就活に専念できるでしょう。ほとんどの就活生は、学業と同時進行で就活を行うしかないのが現状ですが、就職留年中であれば授業や試験もそれほど多くありません。

就活生が忙しくて手が回りにくい次のようなことも、就活留年中なら可能です。

・インターンシップに参加する
・就職情報を小まめにチェックする
・OB・OG訪問を行う
・希望の業界に役立つ資格の勉強をする

就職留年をして「ただ就活期間を引き伸ばしただけ」にならないよう、豊富な時間を有意義に使いたいましょう。

インターンシップに参加するメリットを知りたい方は、「インターンシップ参加のメリットと企業の選び方」も参考にしてください。

友人に会社の実情を聞ける

就職留年をすれば、社会人になった友人に会社の実情を聞けるため、次のような点でメリットとなるでしょう。

・会社の実情を聞き、志望する会社を選ぶ手がかりにする
・実務内容を聞き、具体的な志望理由を考える
・自分を会社に紹介してもらう

友人から会社の雰囲気や研修の内容などを聞いておけば、入社後に「こんなはずじゃなかった」という失敗も避けられます。しかも実務内容に即した志望理由を答えられると「わかってるな」と評価され面接でポジティブな印象を与えられるでしょう。

また最近ではリファラル(社員紹介)採用を行う会社も増えています。友人にスキルや志望動機をアピールすれば、企業に紹介してもらえるかもしれません。

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就職留年「やめとけ」といわれる理由

就職留年には「新卒カード」の特権はあるものの、いくつかのデメリットがあるのも事実です。

ここでは就職留年が「やめとけ」といわれる理由を解説します。就職留年のメリットとデメリットを比較して、自分なりの進路を決める判断材料にしてください。

追加の学費がかかる

留年は在学期間を伸ばすことであり、当然ながら追加の学費がかかります。

単位を調整して留年した場合は、1年分満額の学費が追加されるのが通常です。休学や卒業延期制度が利用できれば学費が減額される場合もありますが、前もって大学の制度を確認しておきましょう。

実家から学費の負担をしてもらっている人は、納得してもらえるよう説得する必要があります。経済的な負担が厳しい人にとって「就職留年」はハードルの高い選択肢です。

劣等感を抱きやすい

就職留年をすれば、さまざまな場面で劣等感を感じやすくなります。大学の同期はひと足先に社会人になり、1つ年下の学生たちと横並びで就職活動をしなければなりません。

情報共有したり相談したりする相手がいないと、落ち込んでしまう人もいるでしょう。周りの目が気になったり、落ち込みやすい人には「就職留年」は厳しい選択肢になります。

他の人と比較せず自分なりの価値基準を持って、就活を続けるメンタルケアが大切です。就活のストレスを感じた時の対処法については、「就活ストレスがやばいときはどうする?限界になる理由や対処法を解説」も参考にしてください。

大学留年だと就職が不利になる場合がある

就職での面接の際「大学留年の理由を質問される」という認識を持たなければなりません。理由によっては企業側の理解を得られず、不利になることもあります。

就職留年をしたという事実が就活の足を引っ張らないよう、説得力のある理由を用意しておきましょう。「なんのために留年を選んだのか」を分析し、期間中に取り組んだことを洗い出しておくことが重要です。

会社側が納得できる就職留年の理由を示せれば、逆にプラスの印象を与えることもできます。

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就職留年をしたあとに自己流で就活をするのが不安なあなたへ

なかなか内定が決まらず就職留年を選んでも、やり方が間違っていれば同じことの繰り返しです。

「企業選びの軸を定めてエントリーし、自分の強みをアピールする」これが王道の就活方法ですが、自己流では難しいと感じるかもしれません。

そんなときは、客観的な角度からアドバイスを行っている就活エージェント「キャリアチケット」を活用してください。

キャリアチケットはあなたの悩みや不安をお聞きし、マンツーマンで就職活動のアドバイスや求人紹介を行っています。就職留年に関して不安や疑問がある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

プロのアドバイザーと一緒に悩みや不安をクリアにし、新たな気持ちで就活に再チャレンジしましょう。

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就職留年に関するよくある質問

就職留年について、よくある質問をまとめました。

Q. 就職留年を選ぶ学生の割合はどのくらいですか

A.読売新聞が独自に行った調査によると、2013年5月段階で卒業学年に在籍していた学生のうち、約6人に1人が2014年春に卒業しなかったそうです。

参照元
日刊ゲンダイDIGITAL
「卒業せず」10万人突破も…“就職留年は逆効果”と採用側

5人に1人以上の学生が就職留年を決めたという計算になります。以降も就職留年を選択する学生は増加傾向にあるということです。現在はさらに多くの学生が就職留年を選択肢に入れることが予想できます。

Q. 就職留年するかどうか、いつ頃決めたらいいですか

A.多くの学生が年明け1月から、非正規雇用で働くことや就職留年をすることを意識しはじめる傾向です。

6月ごろから3年生の就職活動が本格化し始めます。大学側も4年生のサポートになかなか手が回らなくなり、セミナーも3年生を対象にしたものが増えはじめるのも要因の1つでしょう。

参照元
PR TIMES
就活継続中の4年生の約2割が「非正規就職または就職留年」を意識 年明けから意識し始める学生が増加 21卒学生アンケート

Q.就職留年と就職浪人はどちらが就活に有利ですか

A.「新卒枠」が使える分、就職留年の方が就職浪人よりも有利といえるでしょう。とはいえ、就職浪人(既卒)としての就活は「即戦力」を身につけておけば有利に働くこともあります。たとえば資格取得や業界に関係するアルバイトで経験を積むなどしておけば、企業へのアピールにつながるでしょう。

一方で、説得力のある理由を示さなければ「就職留年」でも不利になるかもしれません。

ただし就職留年・就職浪人のどちらを選んでも「新卒よりは不利」であると認識しておく必要があります。

就職浪人について知りたい方は、「就職浪人とは?”知っておくべき就活の選択肢について」も参考にしてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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