このページのまとめ
- グループディスカッションは面接や書類選考ではみえない能力を評価するために行われる
- 就活におけるグループディスカッションは主に5種類ある
- 人事担当者は「積極性」「協調性」「論理性」「発想力」をチェックしている
- 事前の準備・対策は日常的に行い、くせづけるのがおすすめ
- グループディスカッションでは姿勢や動作、話し方に気をつけ好印象を与えよう
近年、多くの企業が選考に取り入れている「グループディスカッション」。一体どんなことをするのか、どんな準備が必要なのか、不安に感じている方も多いと思います。このコラムではグループディスカッションについて詳しく説明するとともに、皆さんが安心して試験に臨めるように大切なポイントも紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずはディスカッションについて知ろう
採用選考でよく取り入れられるグループディスカッションも「ディスカッション」のひとつの形式です。まずは、「ディスカッション」について基本的な知識を深めましょう。ディスカッションとは?
ディスカッション(discussion)は直訳すると、討論・議論という意味の言葉です。あるテーマについて、参加者たちが自由に意見や情報を出し合いながら、より良い結論へと導いていくことを指します。ディスカッションの目的
ディスカッションの参加者がお互いに情報の交換、共有をし、意見やアイデアを出し合うことで新しい発想が生み出され、よりクオリティの高い結論を出すことを目的として行われます。採用選考のグループディスカッションとは?
採用選考のグループディスカッションは、就活生たちが同じ立場のメンバーとコミュニケーションを取りながら進めていくため、面接や書類選考だけでは分からない学生の個性や能力をさまざまな観点から評価することができます。また、短時間に多くの学生を選考できるというメリットもあるため、多くの企業の採用試験に取り入れられるようになりました。ここでは、グループディスカッションの人数や時間、流れについて詳しく解説していきます。グループディスカッションの人数
企業によりまちまちですが、おおよそ10名程度の学生で実施されることが多いようです。グループディスカッションの所要時間
グループの構成人数により多少の差もありますが、大半の企業では30分前後で行われています。グループディスカッションの主な流れ
一般的なグループディスカッションは以下のような流れで進められます。流れを念頭に置いて本番に臨むと、気持ちに余裕が生まれるでしょう。1.担当者から説明を聞く
採用試験の担当者が、テーマや設定時間、ルールなどについて説明を行います。その際、大切なことはメモをとるようにしましょう。2.自己紹介
学校名や氏名などを伝え、簡単なあいさつを行う。企業によっては名札を使用しないケースもあるので、メンバーの名前と座席をメモしておくと、後に呼び掛けるときに間違えることを回避できて便利です。3.役割分担・タイムスケジュールの決定
ディスカッションがスムーズに進行するよう、メンバー内でリーダー、書記、発表者などの役割を割り振ります。また、このときにタイムスケジュールも決めましょう。4.ディスカッションを行う
テーマについて、全員がそれぞれの意見や考えを述べ、しっかりと話し合います。5.グループとしての意見をまとめる
グループ内で最終的な意見をまとめます。最後に発表をする必要がある場合は、発表者が指定時間内で発表できるように準備をしましょう。6.発表する
発表者がグループとしての導き出した結論、意見を発表します。▼関連記事
知っておこう!グループディスカッションの目的と役割
グループディスカッションの5つの形式と進め方
採用選考でのグループディスカッションの形式は、主に5パターンに分けられ、それぞれ進め方や評価のポイントも変わってきます。抽象的テーマ型
抽象的なテーマを議題として、学生が1つの結論を出すグループディスカッションです。軸を意識してディスカッションを進めよう
テーマが抽象的なため、誰でもすぐに意見を言いやすく結論がまとまらずに終わる、ということも頻発しがちになるのがこの形式です。まずはテーマに対して一定の条件や定義付けをしたうえで、1つの結論を目指して議論を進めていくと良いでしょう。重視されるのは過程と人柄
この形式では、結論よりも過程が重視される傾向にあります。グループディスカッションを進めていくなかで、円滑なコミュニケーションが取れているかなど、能力面よりも人柄面をチェックされることが多いようです。課題解決型
与えられた課題について、より良い解決策を見出すことを目的としたグループディスカッション形式です。簡単な資料が用意されている場合もあります。柔軟な発想力を大切にして議論を進めよう
まずは現状の問題点や原因を分析し、自由な発想で解決策を提案していきましょう。その後、実現の可能性が一番高いアイデアに絞り、詳細を議論していくようにしましょう。大切なのは行動力と思考体力
課題解決型のグループディスカッションは、メーカーや広告系の企業で多く取り入れられていることからもわかるように、問題解決のためのリサーチ能力や柔軟な発想力でアイデアを出し続ける思考体力が評価される傾向にあります。資料読み取り型
与えられた資料から問題点を見出し、最善と思われる解決策を導き出していく形式のグループディスカッションです。自由な発想で意見を出していく課題解決型とは異なり、意見の根拠は資料、または資料から読み解ける事実のみとなります。グループディスカッションの前に、個人で資料を読み込む時間が設定される場合もあります。発言は事実ベースを意識するこの形式では、事実や根拠を示すことを大前提として、議論を進めていくことが大切なポイントとなります。ただ闇雲にアイデアを出すのではなく、物事を構造的に捉え、データに基づいた意見を出すようにしましょう。
論理的思考がカギ
資料読み取り型のグループディスカッションは、人柄以上に論理的な思考能力や仮説構築力といった能力が重要視されるようです。ディベート型
賛成・反対の立場、または役割が与えられたうえで、テーマについてディスカッションする形式です。学生それぞれに異なる役割が与えられる場合は、自分の役割や状況が書かれた資料を渡されることがあります。冷静に議論を進めよう
この形式では、自分に与えられた立場からの論理を構築するとともに、相手側の論旨の欠点、攻撃点を考える必要があります。また、お互いに立場が決められた状態で議論をするため、ヒートアップしやすく言い争いになってしうこともしばしば。相手を説得するためのロジックや交渉で冷静な議論を成り立たせるように心がけましょう。大切なのは柔軟な対応力と説得力
ディベート型のグループディスカッションでは、与えられた立場に柔軟に対応できるか、そして、グループ内での意見をまとめ、相手側を説得できる強力な論陣を張れるかが評価の対象になります。穏やかに交渉する能力も評価されるポイントです。その他の特殊型
上記形式以外に多くはありませんが、「フェルミ推定型」や「ケーススタディ型」のグループディスカッションが行われるケースもあるようです。▼関連記事
グループディスカッションの概要と頻出テーマとは
グループディスカッションで見られるポイント
企業の人事担当者は、グループディスカッションでさまざまな観点から学生のことをみています。主にどんな点をチェックしているのかみていきましょう。積極性
与えられたテーマに対し、積極的に発言したり行動することができるか、という点がもっとも多くの人事担当者がみているポイントのようです。どの企業においても、仕事をするうえでは、まずは動く、発言するなどの積極性はとても大切なこととみなされているようです。協調性・コミュニケーション能力
自分の意見ばかりではなく他人の意見もしっかりと聞けるか、グループ全体の活動を活発にできるか、という点も重要な評価ポイントの1つです。そのほかにも、初めての相手ともしっかりと会話のキャッチボールができるか、全体の雰囲気を読むことができるかといった点もチェックされます。論理性
ものごとを構造的に考える力や自分の考えを簡潔に説明できる論理性も大切な評価ポイントです。また、発言内容について具体的な根拠を示し、理由をしっかりと説明できることも求められるようです。発想力
これまでの知識だけでなく、斬新な発想やアイデアに期待している企業が多く、グループディスカッションにおいても発想力は重要な評価ポイントのひとつとなります。事前準備・対策の3つのポイント
ここまで、グループディスカッションの流れや評価ポイントについて説明をしてきました。では、実際の採用選考でグループディスカッションを受ける前にはどんな準備や対策をしておくと良いのでしょうか。ポイントを3つにまとめました。1.ニュースをこまめにチェックする
グループディスカッションのテーマとしてよく扱われる時事問題のほか、業界に関係する話題や社会動向の多くは、ニュースをこまめにチェックすることで情報収集できます。日頃から知識や情報のアンテナをはるように心掛けましょう。また、情報を得るだけではなく、自分の言葉で説明できるように練習してみることもおすすめです。2.常に自分で考え意見を持つ
グループディスカッションでは自分なりの意見やアイデアが求められます。日常的に得たニュースや情報も知って終わりではなく、自分はどう思うか、賛成か反対か、など自分の意見を持つ習慣をつけましょう。ノートに意見やアイデアを書き出してみるのもおすすめです。3.相手の意見を聞く
就活のグループディスカッションで重要視されるコミュニーケーション能力や協調性は、選考本番のときだけ意識しても実行するのは難しいものです。日常会話においても、自分が話すだけではなく、意識的に相手の意見や話をしっかりと聞いたり、相手の立場を考えて行動したりするようにしてみましょう。▼関連記事
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