このページのまとめ
- 就活を1社に絞るのは、基本的にリスクが高い
- 1社のみで内定をもらった就活生はいるが、非常にレアケース
- 就活を1社に絞っていて内定をもらえなかったら、なるべく早く次の手を打つ
- 就職先を決めるうえで、複数の企業を受けておくと視野が広がる
就活では数十社の選考を受けるのが一般的ですが、就活生の中には「どうしてもこの会社以外では働きたくない」と思い、就活を1社に絞ることを考えている人もいるでしょう。
しかし、1社に絞るという選択には注意すべきポイントがあります。このコラムでは、就活生が内定をもらうために知っておくべき情報や、1社に絞ることで生じるデメリットについて解説しています。
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就活を1社に絞るのはリスクが高い
まず、就活で志望企業を1社に絞るうえでの懸念点を理解しておきましょう。1社に絞るリスクについて、以下にまとめました。
落ちたときの「滑り止め」がない
就活では、書類選考と一次面接、二次面接、最終面接など複数回の面接を経て、内定に至るというプロセスが一般的です。人気企業では、求人倍率が数千倍に上ることもあります。
どれだけ入念に準備を整えても、エントリーシートや面接で自分の長所をうまくアピールできなかったり、面接官との相性が合わなかったりしたら、選考に落ちてしまう可能性は十分にあります。
新卒の就活生が選考を受けられる期間は限られています。1社のみしか受けていないと、落ちたときにはもう取り返しがつかない、という状況になりかねません。
「落ちてから考える」では間に合わない可能性があることを頭に入れておきましょう。
試験や面接の経験を積めない
就活の試験や面接では、誰でも緊張を感じてしまうものです。志望企業を1社に絞っている場合は、なおさらプレッシャーがかかります。
そんな緊張感の中で萎縮しないためには、試験や面接に慣れておく必要がありますが、1社のみしか選考を受けないと、いきなり本番を迎えることになってしまいます。1社目の面接に臨む就活生と、10社目の面接に臨む就活生では、受け答えのスムーズさに違いが出るため、後者の通過率が高くなるのが普通です。
学校の就職支援制度を活用して面接の練習をすることも可能ですが、実際の面接の雰囲気を体感しておくことは大切です。そのために、あえて志望度が高くない企業の選考を受ける就活生もいます。
本命企業の選考を受ける前に経験を積めないことは、内定を目指すうえで不利に働くといえるでしょう。
業界理解が深められない
エントリーシートを書いたり、面接を受けたりするときに、企業の特徴や強みを理解しておくことは重要です。
そうした企業の独自性は、業界全体の動向や競合他社の取り組みについて知ることで、相対的に浮かび上がってくるものです。
複数の企業でインターンシップに参加したり、OB訪問・OG訪問をしたり、説明会や面接で気になることを質問をしたりする就活生は、そのぶん業界のことを広く、深く理解しています。
1社しか選考を受けないとなると、内定をもらえない可能性が高くなってしまうだけでなく、業界理解の面でも差が生まれてしまいます。
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1社しか受けていない就活生はいる?
就活生の中で、志望企業を1社に絞る人や、1社ずつ選考を受ける人は、全くいないわけではありません。中には1社で内定をもらった人も存在します。
しかし、そのような方法で就活を進める人はごく少数です。1社目で内定をもらうとなると、さらに数は少なくなります。
1社で内定をもらった人は、もともと企業とつながりがあって優先的に内定をもらえるチャンスがあったり、一般的な就活生とは違う選考フローで内定を得ていたりする場合もよくあります。
就活で1社しか受けていないというのは、とてもまれなケースであることは理解しておきましょう。
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どうしても1社に絞るなら
こうしたリスクや注意点を踏まえたうえで、どうしても就活を1社に絞るという人は、以下に挙げたポイントを留意しておきましょう。
企業研究をしっかりする
1社に絞る方法で内定をもらうためには、企業のことを徹底的に研究することが不可欠です。
1社しか受けていないことをアピールすれば、採用担当者に思いの強さを伝えられるはずです。しかし、「どうしてもこの企業で働きたい」という熱意だけでは、内定を出す決め手にはなりません。
自己分析を踏まえて、自分がなぜこの企業で働きたいのか、どのような形で企業に貢献できるのかを、しっかりと説明できるようにしておきましょう。
内定をもらって自分が働いている姿を想像したとき、抽象的なイメージを持っているだけでは不十分です。入社後はどんな部署に入って、どんな仕事に携わりたいのか、自分はどんな分野で企業に利益をもたらせるのか、どのようにスキルアップを図るのかなど、具体的なキャリアビジョンを描けるまで、深く企業研究を進めることが大切です。
試験や面接の対策をしておく
就活を1社に絞るということは、試験や面接のチャンスも1回しかないということです。練習を兼ねてほかの企業の選考を受けておく、という選択肢を取らないのであれば、別の方法で試験や面接の対策を考える必要があります。
就活支援の一環として、学校で面接の練習をしてくれる場合は、それを使って対策しましょう。
また、民間の就活支援サービスを利用するという方法もあります。場合によっては、過去のデータや傾向をもとに個別で対策を練ってくれることもあります。
OB訪問・OG訪問をする機会があれば、試験はどんな内容だったか、面接ではどんなことを聞かれたかをヒアリングしておきましょう。
理系なら推薦枠を使う
理系の学部に通っている就活生であれば、学校の推薦枠を使えるケースがあります。「学校推薦」「学科推薦」「教授推薦」「研究室推薦」などと呼ばれるもので、学校や教授のお墨つきを得て就活に臨めるため、1社のみでも自由応募よりは内定をもらえる確率が高くなるといえます。
ただし、推薦を使ったからといって、100%内定がもらえる保証はありません。推薦はあくまで学校側の基準で決められるもので、企業は就活生の人柄や将来性、専門性が自社とマッチしているかを判断する必要があるので、何らかの形で選考は行われるのが一般的です。
また、理系の推薦で就職できるのは、基本的に研究している専門分野に関する業種だけです。推薦枠を使って就活をするなら、事前にどんな企業を選べるのか調べておきましょう。
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もし内定をもらえなかったら
1社しか受けていないのに内定をもらえなかった場合は、早急に次の手段を考えなくてはいけません。
就活を1社に絞っていたということは、それだけ企業への思い入れが強かったということでしょう。しかし、内定をもらえずに落ち込んでいるばかりでは、次のチャンスも失ってしまいます。選考に落ちた原因を考え、新たな気持ちで自己分析や企業研究・業界研究をやり直すことが大切です。
就活を再開する時期が早ければ早いほど、選択肢は広がります。中には内定がもらえていない就活生に門戸を広げるために、卒業時期の直前まで募集を続けている企業もあるので、諦めずに就職先を探してみましょう。
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複数の企業を受けるメリット
就活で1社だけでなく、複数の企業を受けることには、たくさんのメリットがあります。
さまざまな企業に直接話を聞ける
学生のうちに、社会人と触れ合う機会はそう多くないでしょう。就活は、自分より先に社会に出た先輩たちの貴重な話が聞けるチャンスです。
面接や説明会、イベントを通じ、さまざまな企業で働く人の話を聞くことで、業界全体の動向や、外からは見えなかった企業の取り組み、働くうえで必要な心がまえなどについて詳しく知ることができます。
就活を1社に絞ると、そうした新たな知見を得る機会が減ることになります。
自分の視野を広げられる
就活をしている途中で志望先が変わった、という就活生はたくさんいます。
1社だけでなく、いろいろな企業の選考を受けていると、本当に自分に向いている仕事や、適性に沿う企業が新しく見つかるかもしれません。
就職先選びは、自分の将来を左右する大切な選択です。正しい判断を下すために、視野を広げる意味で複数の企業を受けることは、決して無駄にはならないでしょう。
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内定をもらうためには何社くらい受けるべき?
就活生がエントリーする企業数は、就活をする年度の景気の動向、文系・理系の違いなどによって差がありますが、平均30社ほどと言われています。
もちろん、ただ多くの企業にエントリーすれば良い訳ではありませんが、確実に内定を得るためには、就活を1社に絞るという方法はおすすめできません。
1社に絞ることを考えている人は、上記のようなデメリットを把握したうえで、いま一度就活のプランを考えてみましょう。
第一志望に落ちた時については「就活で第一志望に落ちたらどうする?気持ちの切り替え方を解説」も参考にしてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。