就職コンサルタント、『学歴フィルター』(小学館新書)著者の福島直樹です。皆さん、就活の準備は順調でしょうか? 「3月1日スタートに向けて、どの業界、企業を受けようか、いろいろ考えています」。このように、のんびり就活準備をする人がいる一方で、すでに内定を得た人もいます。そんなのんびりした就活生に向けて、インターンシップの重要性をお伝えします。
本記事の執筆者
福島 直樹(ふくしま・なおき)
就職コンサルタントとして就職・採用にかかわる執筆、講演活動を行う。また、企業の採用コンサルティングでは、戦略立案、選考実施なども担当。『就職ジャーナル』、『DODA』、東京商工会議所ウェブサイト、NHK、フジテレビ、FM東京、J-WAVE等の番組、CF出演。主な著作は『学歴フィルター』(小学館新書)など28冊。就活漫画『銀のアンカー』(集英社)では監修を担当。年間160回を超える講演を行う。
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20卒の就活はさらに早期化
「こんなに早く内定が出るものなんですか? 普通の日本企業なんですけど、びっくりしました」私が会った上記の私立大学生は、大学3年の夏に、とある企業のインターンシップに参加しました。そのあとに個人的に連絡があり、人事担当者と食事をしたそうです。ダイレクトに内定という言葉は出ませんでしたが、「ぜひ入社してほしい」という話をされたと言います。
“大学3年の夏・秋・冬のインターンシップが実質的な選考開始となっている”
…これは以前から指摘されていました。しかし、それは外資系やベンチャー企業に限られることで、日本の大手企業は3月1日スタートだ、というのが一般的な認識でした。
私がさまざまな企業や学生を見ていて思うことは、20卒の採用は一般の日本企業でも、動きが早いということ。2018年9月3日の経団連・中西会長の「就活ルール廃止発言」が話題になりましたが、その影響が出ているのかもしれません。
インターンシップで優秀な学生に目星をつけ、経連団の指定したスケジュールより早く内定を出す。これは日本の大手企業までもが前のめりになっている印象を受けます。
また、そういった動きはデータにも現れています。キャリタス就活の「1月1日時点の就活意識調査」によると、インターンシップの選考でなく「本選考を受けた」学生は29.3%、「内定を得た」学生は4.7%という驚くべき数字となっています。ともに前年より増えています。
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インターンは選考の場という意識を
以上からわかることは、就活はすでに始まっているということです。外資系やベンチャー以外の日本企業でも、インターンシップから選考が始まる。就活生このように認識すべきです。
「採用は3月1日スタートでなく、今年は2月1日から始めます。夏・秋・冬のインターンで出会った学生を、2月の特別セミナーに呼んで実質的な選考を始めます。このようにしなければ優秀な学生を確保できません」
私の知り合いの人事担当者はこう言います。ここからわかることは、就活生はのんきに「インターンは会社の魅力を教えてもらう場だ」という認識で参加していては危険ということです。
「仕事を理解する場でもあるが、自分をアピールする場でもある。特別セミナーに呼んでもらえるようにしよう」
ぜひこのように「選考されている」と考えて、インターンシップに参加してください。2月に参加できるインターンシップもあるので、今からでも遅くはありません。
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特別セミナーに呼ばれるための4つのコツ
ではどのように2月のインターンに臨めば良いのでしょうか? 具体的な方法を紹介します。①受付時の挨拶など、第一印象を良くする
自分から学校名、氏名(フルネーム)を笑顔で名乗りましょう。これは意外とできない就活生が多いものです。企業によってはデータとして記録している場合もあります。いくら頭脳明晰であったり、高偏差値の大学生でも、第一印象が著しく悪ければ相手にされません。②グループワークではほかの学生と仲良くする
2月の短期インターンでは、企業から課題が出されグループディスカッションをすることが多くなります。このときに「選考される」ことを意識しすぎて、ほかの学生を攻撃したり、足を引っ張る人がいます。完全に逆効果です。社会人は意地悪な人と一緒に働きたいとは思いません。大人らしく仲良く対応してください。③グループワークでは説得力のある発言を
企業によって違いはありますが、ワークの課題は「新規事業を提案せよ」など、ビジネスプランを話し合うタイプが多くなります。よって、事前に志望企業と競合他社がどんな新規事業を始めているか、調べておくとよいでしょう。企業買収という形で事業を行うことも多いので、それも含めてチェックしてください。志望企業のHPや、「企業名、新規事業」で検索すれば、情報を得られます。例えば、
「競合他社Aでは◯◯社を買収することで、◯◯の新規事業を昨年から始めたようです。よってそれとは別の切り口で、◯◯というようなアイデアはどうでしょうか?」
このような発言ができれば人事の記憶に残るでしょう。あなたが特別セミナーに呼ばれる可能性がグッと高まります。
④休憩時や終了後に社員と会話しよう
積極的に社員に質問すれば、意欲が伝わり、特別セミナーに呼ばれる可能性が高まります。そのためにも、事前に企業のHPを見たり、「業界地図」などを読んで業界の知識を得て、質問を5〜10個用意していきましょう。この4つの対策は、すべて簡単なものです。時間もさほどかかりません。しかし毎年たくさんの就活生を見ていて私が感じることは、実行する学生はごくわずかであるということ。私はそれが残念でなりません。ぜひ積極的に2月のインターンシップを有効活用してください。あなたの就活の成功を祈っております。
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