このページのまとめ
- 公務員の難易度が高いといわれるのは、試験範囲が広く倍率も高いから
- 難易度の高い公務員試験の勉強時間は、1,000時間以上必要といわれている
- 公務員の難易度が高いと感じたら、民間企業を併願して選択肢を増やすのもおすすめ
「公務員の難易度はどれくらい?」「倍率は高いの?」などと気になる就活生もいるでしょう。公務員は試験範囲が広く、倍率も高い点から、難易度が高いといわれています。試験ごとに難易度や倍率は変わるので、確認しておきましょう。
この記事では、公務員の難易度や合格率、試験突破のポイントを解説しています。最後まで読めば、自分の志望する公務員試験が、どのくらい難しいのかがわかるはずです。
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公務員試験の難易度の目安と合格率
公務員試験ごとに、難易度と合格率を確認しておきましょう。
国家公務員一般職の場合
国家公務員一般職の合格率は、次のようになっています。
申込者数 | 最終合格者数 | 合格率 | |
行政 | 20,720人 | 6,075人 | 29.3% |
デジタル・電気・電子 | 455人 | 164人 | 30.6% |
機械 | 199人 | 83人 | 41.7% |
土木 | 819人 | 312人 | 38.1% |
建築 | 136人 | 52人 | 38.2% |
物理 | 285人 | 155人 | 54.4% |
化学 | 443人 | 172人 | 38.8% |
農学 | 661人 | 285人 | 43.1% |
農業農村工学 | 149人 | 57人 | 38.3% |
林学 | 373人 | 202人 | 54.2% |
引用:人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況2024年度」
行政の合格率が一番低く29.3%、最も高い合格率は物理の54.4%でした。専門的な試験ほど受験者が少なく、倍率も低い傾向にあります。
参照元
人事院
国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)
国家公務員総合職の場合
国家公務員総合職の合格率は、次のとおりです。
申込者数 | 合格者数 | 倍率 | 合格率 | |
2024年度(春) | 13,599人 | 1,953人 | 7.0倍 | 14.3% |
2023年度 | 18,386人 | 2,450人 | 7.5倍 | 13.3% |
2022年度 | 18,295人 | 2,137人 | 8.6倍 | 11.6% |
引用:人事院「2023年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)教養区分の合格者発表」
人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」
国家公務員総合職は、国会職員や外務省職員などになるための試験です。筆記試験や面接試験だけではなく、各中央省庁の採用面接も突破しなければ合格できません。
倍率はもちろん、試験難易度も公務員のなかでトップクラスに難しいといえます。
参照元
人事院
国家公務員試験採用情報NAVI
地方上級公務員の場合
地方上級公務員の合格率は、次のとおりです。
申込者数 | 合格数 | 倍率 | 合格率 | |
2023年度 | 438,651人 | 84804人 | 5.2倍 | 19.3% |
2022年度 | 465,028人 | 79,926人 | 5.8倍 | 17.1% |
引用:総務省「地方公務員における働き方改革に関わる状況」
地方上級公務員の試験難易度は、地方中級公務員や地方初級公務員と比べて難しくなります。大学卒業程度の学力が必要なため、試験対策は十分に行うようにしましょう。
地方上級公務員については、「地方上級公務員とは?職種や仕事内容から試験の難易度まで解説」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
参照元
総務省
勤務条件・採用試験等
東京都の場合
例として、東京都の職員採用試験の合格率は、Ⅰ類A採用試験の場合、次のようになっています。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | 合格率 | |
事務 | 235人 | 107人 | 2.2倍 | 45.5% |
土木 | 52人 | 24人 | 2.2倍 | 46.1% |
建築 | 15人 | 9人 | 1.7倍 | 60.0% |
機械 | 17人 | 8人 | 2.1倍 | 47.0% |
電気 | 11人 | 4人 | 2.8倍 | 36.6% |
引用:東京都「令和6年度東京都職員1類A、1類B採用試験の実施状況について」
東京都の場合は、事務の受験者数が最も多く、倍率は試験区分によって多少異なりますが、概ね2倍前後から3倍弱となっています。都道府県ごとに試験難易度や合格率は変わってくるので、自分が志望する都道府県の状況を確認するようにしてください。
参照元
東京都職員採用
試験選考実施状況
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公務員試験の難易度が高いといわれる理由
公務員試験の難易度が高いといわれる背景には、試験範囲の広さや対策の難しさがあります。ここでは、難易度がなぜ高いといわれるのか、4つの理由を紹介するので参考にしてください。
試験範囲が広いから
公務員試験は試験範囲が広く、試験勉強を行うのに時間がかかります。公務員試験初級でも1,000時間以上、上級にもなると1,500時間程度が目安です。
たとえば、教養科目の場合、次のような試験範囲があります。
・文章理解
・数的処理
・社会科学
・自然科学
・人文化学
専門試験を受ける場合には、法律や経済など、受験科目に応じた専門的な知識が必要です。試験範囲が広く、対策に時間がかかる点から、公務員試験は難易度が高いといわれます。
公務員試験対策に必要な勉強や勉強時間については、「公務員試験合格に必要な勉強時間は?出題内容や試験対策のコツを解説」の記事で解説しているので参考にしてください。
採用人数が決まっているから
公務員はあらかじめ採用人数が決まっており、倍率も高いことから難易度が高いといわれます。試験や面接などの上位者から採用されるため、より上位を目指さなければ選考を通過できません。
前述した通り、2024年度の場合、国家公務員一般職の行政では合格率が29.3%でした。国家公務員総合職になると、合格率は13.3%になります。公務員を目指す人は多く、採用人数も限られていることから、公務員試験は難しいと言われるのです。
知識と人柄の両方が問われるから
公務員試験は筆記試験だけではなく、面接での人柄も問われます。近年、面接に力を入れて採用する自治体もあります。
筆記試験で上位の成績を獲得しても、面接で評価されなければ公務員試験に合格できません。知識と人柄が両方必要な点も、公務員試験が難しいと言われる理由です。
面接対策が難しいから
面接対策には答えがなく、対策が難しい点も挙げられます。答えの決まっている筆記試験とは違って明確な性格がないことから、対策に苦しむ就活生も多いでしょう。
また、公務員試験を中心に受験する就活生の中には、一般企業を受けていないため面接経験が少なく、場に慣れていない人も多く見られます。たとえ事前に聞かれそうな質問への答えを準備していても、面接の場では緊張のあまりうまく話せないことも少なくありません。
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難易度の高い公務員試験でも突破するためのポイント
公務員試験を突破するためには、スケジュールを立てて、計画的に勉強することが大切です。ここでは、公務員試験突破のポイントを解説します。
試験勉強を始める前にスケジュールを立てる
公務員試験の勉強を始める前に、スケジュールを立てておきましょう。公務員試験に必要な勉強時間は1,000時間といわれており、難易度の高い試験は1,500時間が勉強時間の目安とされています。
「現時点から1,000時間勉強するには、何日必要か?」を考え、勉強のスケジュールを立てるようにしましょう。たとえば、1日に3時間勉強すると仮定すると、約333日(約11か月)が必要です。余裕を持って対策を進めたい場合は、1年間を目安に準備を始めることをおすすめします。
問題集を使って勉強する
筆記試験の対策には、問題集や過去問を活用しましょう。実際に出題された問題に取り組むことで、出題傾向を把握できます。
特に問題集は繰り返し解くことが重要です。同じ問題を何度も解くことで、回答方法が身につくだけでなく、苦手分野を克服することができます。
出題されやすい問題から対策する
公務員試験は試験範囲が広いため、すべてを均等に対策するのは効率的ではありません。まずは、頻出の範囲を重点的に対策しましょう。
たとえば、教養科目では「文章理解」や「数的処理」が頻出です。一方、専門科目では憲法や経済系の問題がよく出題される傾向があります。これらの分野を優先的に対策することで、効率よく得点力を高めることができます。
公務員試験の内容については、「公務員の種類とは?主な職種や試験の難易度を一覧で分かりやすく解説」の記事を参考にしてください。
時間配分を意識して問題を解く
試験本番では限られた時間内に多くの問題を解く必要があります。そのため、日頃の勉強から時間を計って問題演習を行うことが非常に効果的です。
特に教養試験や数的処理では、速さと正確さが求められるため、時間配分を意識して練習を重ねましょう。模試や過去問を活用し、本番と同じ環境で解答練習をすることで、自分のペース配分の癖を把握し、改善することができます。
スキマ時間を使って勉強する
公務員試験の勉強時間を確保するには、移動時間や休憩時間といったスキマ時間を有効活用することがポイントです。たった10分、15分でも積み重ねれば、大きな差を生みます。
学業やアルバイト、サークル活動に加え、民間企業との併願で就職活動を進める方も多く、まとまった時間を確保するのが難しい日もあるでしょう。そんな時こそ、スキマ時間を使った効率的な学習が試験突破の鍵となります。
スマートフォンを使った問題演習や暗記カード、音声教材などを活用し、短時間でも集中して取り組む工夫をしましょう。
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就活を成功させるには民間企業との併願もポイント
就活を成功させるために、民間企業との併願も考えてみましょう。公務員試験は倍率が高く、試験も難しいことから、合格はそう簡単なことではありません。
公務員試験に落ちてしまっても、民間企業の内定を取得しておけば新卒として就職できます。また、就活を続けた結果、公務員が合わないと気づく可能性も。民間企業の就活を並行しておけば、進路変更もスムーズに行きます。公務員だけに絞るのではなく、民間企業へも視野を広げてみましょう。
納得のいく就活を行うためには、視野を広げてさまざまな業界や企業を見ることが大切です。公務員だけを志望することに不安がある場合は、民間企業も検討してみてください。
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公務員試験の難易度や倍率を知って就活が不安なあなたへ
公務員試験は難易度が高く、倍率も高い就職先です。前述したように、公務員試験の合格には1,000時間以上必要といわれており、早くから準備しておく必要があります。
公務員試験に合格できるか不安を感じる場合は、民間企業も視野に入れてみましょう。民間企業を併願しておくことで、試験の結果が振るわなかった場合や、公務員が自分に合わないと感じた場合でも、スムーズに進路を変更することができます。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。