このページのまとめ
- クレペリン検査は、簡単な計算作業により受検者の能力や性格の特徴を明らかにするもの
- クレペリン検査では消しゴムの使用はNGなので、練習で慣れておくと良い
- クレペリン検査の練習では「1分間の作業量」「正答率」「作業曲線」を意識すると良い
- クレペリン検査の練習にはWebサイトやアプリを活用するのがおすすめ
- クレペリン検査は、時間を計って計算問題を解く練習を繰り返すのが効果的
クレペリン検査は、企業が就活選考で導入する適性検査のひとつ。
単純な計算を繰り返すという独特な検査内容であるため、練習方法に悩む就活生もいるでしょう。
万全の対策をするには、まずは検査の内容や評価で見られるポイントを理解することが大切。このコラムでは、クレペリン検査の基本的な知識を踏まえたうえで、回答のコツや効果的な練習法を紹介します。
検査の特徴を掴み、企業のニーズに合った検査結果を目指しましょう。
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クレペリン検査とは?
クレペリン検査は、就職選考で企業が導入する適性検査のひとつ。正式名称は「内田クレペリン検査」ですが、「クレペリン検査」と呼ばれることが多いようです。日本で第一号の心理テストとされており、その高い信頼性から90年近くにわたり就職選考や教育・医療現場など、幅広いシーンで使用されています。検査は簡単な足し算を繰り返す内容であるため、言語や文化を越えてさまざまな人に対応可能です。
まずは、クレペリン検査の基本的な内容について理解しましょう。
クレペリン検査はどんな内容?
クレペリン検査は、簡単な計算作業により受検者の能力や性格の特徴を明らかにするものです。休憩5分を挟み、前半15分・後半15分で実施されます。単純な計算とはいえ、一定時間正確に問題を解き続けるためには、慣れや集中力が必要です。
以下に説明する検査内容や特徴、検査で気をつけることを把握して、効果的な対策をしましょう。
一桁の足し算を繰り返す
検査内容は、一列に並んだ1桁の数字の足し算を、1分ごとに行を変えながら行うというもの。
1行には116個の数字が並び、隣り合う数字を足し算した答えを各数字の間に書き込んでいきます。数字の合計が2桁になる場合、記入は下一桁の数字のみです。
検査では、1分ごとに次の行に進むよう指示するアナウンスが流れます。たとえ1行の計算がすべてできていなくても、次の行に移らなければなりません。
用紙と鉛筆を使用する
クレペリン検査では、用紙と鉛筆を使用して実施されます。
用紙に鉛筆で解答する「作業負荷」も検査基準のひとつになっているためです。この「作業負荷」で受検者の本質的な特性を浮かび上がらせるという評価方法は、クレペリン検査の大きな特徴といえるでしょう。
消しゴムの使用はNG
検査では消しゴムを使用することができません。間違えた場合は、上に斜線を引いて訂正します。
消しゴムを使用すると、作業量にむらが出てしまい、正確な検査結果が出なくなってしまうからです。また、時間も大幅にロスしてしまいます。
普段から消しゴムを使わずに作業をする練習をして、慣れておくと良いでしょう。
クレペリン検査で分かることは?
クレペリン検査では、作業能率から「能力面の特徴」を、作業をするときの癖から「性格・行動面の特徴」を判定します。
受検者が作業をするときの処理スピードや効率から分かる能力面の特徴は、企業での働きぶりや仕事の適性を見るうえでの判断材料に。また、作業量や誤答数から分かる性格・行動面の長所や短所は、企業との相性や入社後の企業内配置の参考とされます。
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企業がクレペリン検査で見る3つの特性
クレペリン検査では、3つの特性から受検者の能力や性格、行動面の特徴を判定します。
3つの特性とは「発動性」「可変性」「亢進性」のこと。いずれも、物事を進めるにあたって発生する特性で、これらの過度・不足具合から受検者の長所や短所、仕事への適性について判断されます。
この項目では、企業がクレペリン検査で見る特性について詳しく説明します。
1.発動性
「発動性」が示すのは、物事へのとりかかりやすさや環境への順応度合いです。
発動性が高い場合は、「チャレンジに前向き」であることや「新しい環境への適応能力が高い」といった面が長所として判定されます。一方で、「先走りしやすい」「軽はずみな言動をとりやすい」という短所から「気疲れしやすい」傾向があるとも見られるようです。
発動性が低い場合は、「芯がしっかりしている」「自主的で手堅い」というポジティプな面がある一方で、「我が強い」というネガティブな評価も。「選り好みをしがち」であるため、「内向的」になりやすい面もあると判断されます。
2.可変性
「可変性」は、物事を進行させるときの気分や行動の変化の大きさを表します。
可変性が高い場合、「機転の利いた判断ができる」「柔軟性がある」といった強みがある一方、「気が強く負けず嫌い」「感情的になりやすい」といった不安定な一面もあると判定されるようです。
可変性が低い場合の長所は、「粘り強い」「地道にコツコツと行動できる」など安定感があること。しかしその反面、「融通がきかない」「機転がきかない」といった頑固な面もあると判定されます。
3.亢進性
「亢進性」は、物事を進行させる勢いや強さの振れ幅を示します。
亢進性が高いと、「行動力がある」「強気で頑張りがきく」といったポジティブな面がある一方で、「むきになりやすい」「強引」という評価も。
また、亢進性が低い場合は、「穏やか」「温和」といった長所と「受動的」「持久性に乏しい」といった短所があると判定されます。
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クレペリン検査でチェックされる3つのポイント
クレペリン検査でチェックされるのは、作業量と正答率、回答者の作業曲線です。どのようなポイントがチェックされるのか、しっかりと理解しておく必要があります。判定基準となる3つのポイントを見ていきましょう。
1.1分間の作業量
クレペリン検査では、1分間の作業量をもとに性格や処理能力、行動面を診断します。
検査では、継続して1行の半分以上を解くのが理想。また、作業量の大きなムラは、評価を下げる要因となります。行の半分以上の作業を安定して行えるように意識すると良いでしょう。
2.正答率
正誤率も反映されるため、正確性も重要です。計算量が多ければ良いというわけではなく、どれくらい計算ミスがあるかという点も、クレペリン検査でチェックされるポイントのひとつ。
一定時間集中をして、簡単な計算問題を正確に回答する練習をしておきましょう。また、1行ごとの行間隔が狭いので、上下の行を一緒に計算してしまう、といったミスをしないように注意が必要です。
3.作業曲線
作業曲線がどのような形なのかという点も、クレペリン検査の重要なチェックポイントです。
作業曲線とは、各行の回答できた末端の数字を結び合わせたときに現れる曲線のこと。作業曲線には望ましいとされる形とされる定形曲線があります。定形曲線の特徴は以下のとおりです。
・1行あたりの作業量が60個以上ある
・前半の作業曲線がアルファベットのU字型を描く
・後半の作業量が前半の作業量を上回る
・後半の作業量は徐々に減少していく
クレペリン検査では、定型曲線と作業曲線とのズレ具合を見ながら、個々の特徴を探ります。
定形曲線からはずれていると、「精神面が不安定」「仕事にムラがある」といった判断をされるようです。一方、作業曲線が定形、かつ全体の作業量が多い場合は高度定形群と判定されます。
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クレペリン検査のコツとは?
クレペリン検査の回答には、その特性を押さえたコツが必要です。
この項目では、クレペリン検査を受けるときに欠かせないコツについて解説します。
精神を安定させる
クレペリン検査を受験するときは、健康状態に注意しましょう。
体調の良し悪しが顕著に現れてしまうのもクレペリン検査の特徴の一つ。健康状態が良好でなければ、いくら対策を講じていたとしても良い結果は期待できないでしょう。
日ごろから練習をして検査に慣れておくことで、焦らず検査を受けることができます。また、検査前日の睡眠管理も対策として重要です。
理想とされる定形曲線を意識する
回答する際は、理想とされる定形曲線を意識することが大切です。
クレペリン検査では、定形曲線を基準にして評価が行われます。序盤でのスピードが出づらい、後半で作業スピードが著しく落ちてしまうなど、自分の回答ペースや作業曲線の傾向をあらかじめ把握しておき、定形曲線を意識しながら作業を進めるようにしましょう。
飛ばしても気にせず進む
行を飛ばしてしまった場合も、そのまま計算を続けましょう。
1~2行程度であれば、行を飛ばして計算してしまっても結果には影響しないといわれています。また、そのようなミスを見越して予備の行も用意されているようです。飛ばしてしまった行に戻るようなことはせず、冷静にそのまま作業を進めましょう。
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クレペリン検査対策におすすめの練習方法
この項目では、おすすめの練習方法を紹介します。
クレペリン検査では、計算のスピードや問題への慣れ、集中力が大切。効果的な練習を繰り返し、高評価を目指しましょう。
Webサイトやアプリを活用する
効果的な練習法として、Webサイトやアプリを活用するのがおすすめです。
検査内容は簡単な足し算のみなので、高度な知識は必要ありません。しかし、1列の半分以上の回答し続けなければ評価が下がり、不採用につながることもあるようです。日ごろから計算の練習を繰り返し、計算スピードを向上させておきましょう。Webサイトであれば、実際の検査と同じ形式で練習できるため、問題に慣れることができます。また、すきま時間を活用できるアプリでの練習もおすすめです。
時間を計って計算問題を繰り返す
練習では、時間を計って問題を解くようにしましょう。
本番の検査は、1分ごとに行を移らなければいけません。普段から時間を計って、計算問題を解く練習を繰り返すことで、「1分」の感覚を掴むことができ、落ち着いて受検できるでしょう。
また、単純な計算問題とはいえ、一定時間ミスなく回答し続けることは想像以上に大変です。前半15分・後半15分、集中して検査に取り組めるようにトータルの時間も計って慣れておきましょう。
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