このページのまとめ
- 内定と内々定の決定的な違いは、法律上の労働契約が結ばれているか否か
- 内々定は法的拘束力がないものの、内定と同様に企業による不当な取り消しは制限される
- 正式な内定が出るまでは就活継続も視野に、慎重に進路を選択することが重要

就活において、内々定を獲得したものの「正式な内定ではないから不安」「取り消されるリスクはない?」と心配している人もいるでしょう。実は、内定と内々定には法的な拘束力や取り消しリスクに違いがあります。
この記事では、内定と内々定の意味の違いやそれぞれの取り消しリスク、辞退の可否についてまとめました。内々定から正式な内定までの期間にやるべきことも紹介するので、ぜひご覧ください。
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- 「内定」と「内々定」の意味の違い
- 内定とは労働契約が成立した状態
- 内々定とは採用内定の約束の段階
- 「内定」と「内々定」の取り消しリスクの違い
- 内定取り消しの確率は低い
- 内々定でも一方的な取り消しは起こりにくい
- 「内定」と「内々定」の辞退の可否に関する違い
- 内定は入社2週間前なら原則として可能
- 内々定は法的制約がないため可能
- 内々定から正式な内定までの期間にやるべきこと
- 労働条件を確認する
- 期限内に承諾か辞退を回答する
- 正式な内定までの期間を把握する
- 納得いくまで就活を継続する
- 内々定獲得後「本当にこの企業で良い?」と不安な人へ
- 内定と内々定の違いに関するQ&A
- Q.内定と内々定が出る時期の違いは?
- Q.内々定はとりあえず承諾すべき?
「内定」と「内々定」の意味の違い

新卒の就活では、内定の前に内々定が出されるのが一般的です。ひと言でいえば、内定は「法律上の契約」であり、内々定は「内定の約束」という違いがあります。内定と内々定の主な違いは、以下の表のとおりです。
| 内定 | 内々定 | |
|---|---|---|
| 定義 | 労働契約の成立 | 内定を出すという約束 |
| 主な時期 | 10月1日以降 | 8月ごろまで |
| 法的拘束力 | あり | 原則としてなし |
| 一般的な通知手段 | 書類が交付される | 口頭/メール/電話/書類など |
ここでは、内定と内々定の違いについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
内定とは労働契約が成立した状態
内定とは、企業と学生の間で「始期付解約権留保付労働契約」が成立した状態です。具体的には、企業からの「採用内定通知」に対し、学生が「内定承諾書」を提出した時点で、卒業後の入社を前提とした法的な契約が成立します。
政府の要請にもとづき、正式な内定通知が行われるのは、原則として卒業年次の10月1日以降です。この契約が成立すると、企業側は正当な理由なく一方的に内定を取り消すことができません。
就活における内定の意味を詳しく確認したい人は、「就活における内定とは?獲得から入社までの流れや採用との違いを解説」の記事もご覧ください。
内々定とは採用内定の約束の段階
内々定とは、正式に内定を出す前に「企業が指定する日に内定を出します」と約束した段階です。企業は原則として10月1日までは正式な内定を出せませんが、優秀な人材を早期に確保するために夏ごろまでに内々定を出します。
内々定はあくまで「将来的に内定を出す約束」という位置づけであり、労働契約が成立しているとはみなされません。そのため、内定とは異なり法的拘束力は原則としてないのが実情です。
「内々定とは?内定との違いや取り消しになるケースを解説」の記事では、就活における内々定について詳しく解説しています。内々定について詳しく理解するため、ぜひご一読ください。
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「内定」と「内々定」の取り消しリスクの違い
内定と内々定は、どちらも取り消しのリスクがゼロではありません。しかし、法的な保護には違いがあります。
ここでは、内定と内々定の取り消しについて違いをまとめました。「内定や内々定が取り消されたらどうしよう」と不安な人は、参考にしてみてください。
内定取り消しの確率は低い
内定が取り消される確率は非常に低いといえます。内定は「労働契約」が成立している状態のため、取り消しは実質的な「解雇」と同等に扱われるからです。
厚生労働省の「令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します」によると、2025年3月に卒業した人のうち、内定が取り消されたのは34人でした。数十万人が新卒での就職を目指して就活するなかで、内定取り消しになる人は極めて稀といえるでしょう。
| 卒業年月 | 内定取り消しの合計人数 |
|---|---|
| 2023年3月 | 42人 |
| 2024年3月 | 47人 |
| 2025年3月 | 34人 |
引用:厚生労働省「令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します(p.6)」
企業が内定を一方的に取り消すためには、学生の留年や犯罪、経営破綻寸前の深刻な業績悪化など、「客観的に合理的で社会通念上相当な理由」が必要です。「もっと優秀な学生が見つかった」といった理由での取り消しは法律で禁じられており、学生の権利は手厚く守られています。
参照元
厚生労働省
令和7年3月新卒者内定取消しの状況等を公表します
内々定でも一方的な取り消しは起こりにくい
内々定は、原則として法的な拘束力がないため、内定と比較すれば取り消しのリスクは若干高いといわざるを得ません。しかし、企業による一方的な内々定の取り消しは、次のような理由で起こりにくいと考えられます。
・企業が社会的信用を失うリスクがあるから
・コストを掛けて確保した人材を失いたくないから
・損害賠償の対象となり得るから
内々定を得た学生は、「正式な内定前だから」といって取り消しを過度に心配する必要はありません。内々定の取り消しについては、「内々定の取り消しが不安?主な理由とリスクを抑える方法を解説」の記事を確認しておきましょう。
内定や内々定が取り消しになるケース
内定や内々定の取り消しが認められる主な理由は、以下のとおりです。
・単位不足による留年
・犯罪や不祥事
・SNSへの不適切な投稿
・選考での虚偽申告
・企業の倒産や著しい業績悪化
企業側の問題だけでなく、学生側のトラブルにより内定や内々定が取り消されてしまうこともあります。内定や内々定が出たからといって、社会人としてのモラルやマナーに欠けた行為を行うのは避けましょう。
「内定取り消しは違法?正当な7つの理由ともしものときの対処法を解説」では、内定取り消しの理由を紹介しています。対処法も紹介しているので、万が一の事態に備えて読んでみてください。
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「内定」と「内々定」の辞退の可否に関する違い
基本的に、内定と内々定はどちらも辞退可能ですが、法的な制約は異なります。ここでは、内定と内々定の辞退における違いをまとめました。
内定は入社2週間前なら原則として可能
内定辞退は、法律上「入社日の2週間前」までであれば原則として認められます。民法第627条第1項において、期間の定めのない雇用契約は解約の申し入れから2週間で終了すると定められているためです。
たとえ、内定承諾書を提出していても民法が適用されているため、学生からの内定辞退は原則として制限されません。
参照元
e-Gov 法令検索
民法
内々定は法的制約がないため可能
内々定は法的な制約がないため、原則として自由に辞退可能です。しかし、企業は内々定の段階から学生を受け入れる準備を始めることがあります。なるべく企業側に迷惑を掛けないよう、早めに辞退の連絡を入れることが重要です。
内々定の辞退については、「内々定は辞退できる!期限や正しい伝え方を解説」の記事で解説しています。期限やマナーも紹介しているので、ぜひご参照ください。
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内々定から正式な内定までの期間にやるべきこと
内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)」によると、約9割の学生が卒業年度の6月までに最初の内々定を受けています。

引用:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)(p.4)」
正式な内定が10月の場合、内々定獲得から数ヶ月間猶予があるのが一般的。この期間をどう過ごすかで、入社後の満足度が変わる可能性があります。ここでは、内々定が出たあと、正式な内定の前にやっておくべきことをまとめました。
参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査
労働条件を確認する
内々定が出たら、まずは具体的な労働条件を詳細に確認しましょう。次の項目について、募集要項と実際の条件に相違がないかチェックすることが大切です。
・初任給
・勤務地
・休日休暇
・残業の有無
・福利厚生 など
労働条件通知書がまだ交付されていない場合は、不明点を人事担当者に確認してみてください。内定承諾後に「思っていた条件と違う」と気づく事態を防ぐため、納得できるまで情報を整理しましょう。
期限内に承諾か辞退を回答する
内々定が出た際、企業から返答の期限を提示されることが一般的。その期限内に「承諾」か「辞退」の意思を企業側に伝えましょう。
他社の選考状況により回答を待ってほしい場合は、正直に事情を話し、期限の延長を相談することも可能です。内々定の保留については、「内々定を保留する方法は?承諾しないリスクや回答時の例文も紹介」の記事でご確認ください。
正式な内定までの期間を把握する
内々定が出たら、正式な内定までのスケジュールを把握しておきましょう。原則として10月1日が正式な内定の解禁日です。企業によっては、正式な内定前に懇親会や課題、事前研修などが実施されることも少なくありません。
また、提出が必要な書類の締め切り日も確認が必須です。全体の流れを把握しておけば、スムーズに入社準備を進められるでしょう。
納得いくまで就活を継続する
内々定をもらった企業に納得がいかなかったり、ほかに選考が進んでいる企業があったりする場合は、就活を続けても構いません。先述したように、内々定は内定を約束した段階であり、法的な拘束力がないからです。
納得のいかない企業に入社すると、ミスマッチによる短期離職につながりかねません。「本当にこの企業でいいのか?」「ほかにもっと自分に合う環境があるのではないか?」と少しでも迷いがあるなら、就活を続けてみましょう。
後悔しないように、自分に合う企業を最後まで探し抜くことが重要です。
もう一度就活をする場合は、あらためて流れを確認しておきましょう。「就活とは?基本的な流れやスケジュールとあわせて成功のポイントを解説」の記事では、基本的な就活の流れと内定獲得後の対応を紹介しているので、ぜひご参照ください。
内々定の段階で就活をやめるリスク
内々定をもらったら、就活をやめても問題ありません。しかし、内々定の段階で就活をやめることには以下のようなリスクもあります。
・内定取り消しのリスクがゼロではない
・比較対象の企業がなくなる
先述したように、内々定は内定と違い法的拘束力がないため、取り消しの可能性を否定できません。景気の急激な悪化や企業の経営不振などが起きた際、内々定は内定よりも取り消しのハードルが低いとされています。
また、一社に絞り込んだ後に「やはり自分には合わない」と感じても、その時点で他社の選考がすべて終了していれば、やり直しが効きません。リスクを分散し、納得感を高めるためにも、慎重な判断が必要です。
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内々定獲得後「本当にこの企業で良い?」と不安な人へ
せっかく内々定を獲得したものの、「本当にこの企業に決めて後悔しない?」「ほかにも自分に合う仕事があるのでは?」と不安を感じている人もいるでしょう。もし就活や将来について悩んでいるなら、就職エージェントでプロに相談してみるのも一つの手です。
キャリアチケット就職エージェントでは、就活のプロがマンツーマンでキャリアの相談に対応。就活を続ける場合は、強みや適性を深く分析したうえで、本当にあなたに合った企業を厳選して紹介します。
客観的な視点を取り入れて内々定先と比較検討すれば、心から「ここだ」と思える企業を見つけられるでしょう。後悔のない選択をするために、まずは悩みや不安をお聞かせください。
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内定と内々定の違いに関するQ&A
ここでは、内定や内々定にまつわる就活生の疑問にQ&A形式で回答します。内定や内々定について気になる点がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
Q.内定と内々定が出る時期の違いは?
A.内々定は10月より前、正式な内定は10月1日以降に出されるのが一般的です。たとえば、6月ごろに最終面接を通過して内々定を得た場合、正式な労働契約が成立する10月までは、内々定の状態が続きます。
「内定時期はいつごろ?早期に内定が出る業界や早めにもらうコツを解説」の記事では、内定の時期について解説しているので、あわせてご覧ください。
Q.内々定はとりあえず承諾すべき?
A.迷いがある場合は安易に承諾せず、回答期間内に慎重に検討しましょう。一般的に、企業側は承諾を得た時点で入社準備を進めます。企業側に迷惑を掛けないためにも、安易な承諾は避けるのが無難です。
どうしても期間内に決断できない場合は、理由を添えて内定保留をお願いしてみてください。
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