SPIの勉強法とは?内定獲得に近づくための対策を解説

このページのまとめ

  • SPIの勉強法のポイントは最新の問題集や教材で効率的に学習すること
  • SPIは繰り返し問題を解き、制限時間内に回答するスピードを意識した練習が必要
  • SPIは本番を想定した模試で環境に慣れることも大切

SPIの勉強法とは?内定獲得に近づくための対策を解説のイメージ

SPIの勉強法が分からず、「どこから手を付ければいいか分からない」「時間内に解ききれるか不安」と悩む就活生は少なくないでしょう。SPIは基礎能力検査や性格検査、英語や構造的把握力検査など出題範囲が広く、効率よく対策するにはポイントを押さえることが重要です。

この記事では、出題項目ごとの対策と全体に共通する勉強法、効率的に進める6つのステップを分かりやすくまとめています。

目 次

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多くの企業が採用するSPIとは

SPIは、就活で多くの企業が採用試験に導入している適性検査です。正式名称は「Synthetic Personality Inventory」で、現在は「SPI3」が主流となっています。

SPIの構成は、大きく分けて以下の2種類です。

・能力検査:言語(国語系)・非言語(数学・論理系)など、学力や思考力を測るテスト
・性格検査:アンケート形式で、人柄や職務適性を評価するテスト

さらに、受検形式は4パターンあります。

・テストセンター(専用会場のPCで受験)
・Webテスト(自宅PCから受験)
・ペーパーテスト(企業指定会場で紙に回答)
・インハウスCBT(企業のオフィスPCで受験)

SPIは就活で避けられない試験の一つ です。まずはどのようなテストかを理解し、効率良く対策を進めることが内定への第一歩になります。

SPIとは?今さら聞けない出題内容や対策のコツを就活のプロが解説!」でも、SPIについて詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

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SPIを勉強するために知っておきたい出題項目

SPI対策を始める前に、まずは出題される問題の傾向を知っておくことが大切です。SPIには複数の検査があり、それぞれ求められる力や出題形式が異なります。出題項目を理解しておけば、効率的に勉強を進められるでしょう。

基礎能力検査

SPIの基礎能力検査は「言語分野」と「非言語分野」に分かれており、どちらも就活生全員が対策すべき重要な項目です。

言語分野(国語系の問題)の出題内容:

・語彙力や文章読解力を測る問題が中心
・出題例:言葉の意味、文章の要旨把握、長文読解、並べ替え問題 など

ポイントは「文章を素早く理解し、正しい選択肢を選ぶ」こと。

非言語分野(数学・論理系の問題)の出題内容:

・数的処理や論理的思考を問う問題が中心
・出題例:損益算、確率、割合、表の読み取り、推論問題 など

特に数字に慣れていない人は時間がかかりやすいため、重点的に練習が必要です。

対策のポイント:

・言語分野:毎日少しずつ語彙を増やし、問題集でスピードを意識する
・非言語分野:公式や解き方のパターンを覚え、反復練習で解答スピードを上げる

SPIは「非言語で差がつく」といわれています。数学が苦手な就活生ほど、早めの対策が合格への近道です。

SPIの非言語問題とは?回答のコツや対策方法を解説」でも対策法を紹介しているため、あわせて参考にしてみてください。

英語検査

SPIには、能力検査の一部として英語検査が出題される場合があります。すべての企業で実施されるわけではなく、特に外資系企業や商社など、英語を使う機会が多い業界で導入されやすいのが特徴です。

英語検査では、主に以下の3つの力が測られます。

・語彙力(単語や熟語の意味理解)
・文法力(正しい文の構造を理解する力)
・読解力(英文を読み、内容を正しく把握する力)

回答形式は選択式で、TOEICに近い形式です。難易度はTOEICより低く、大学入試センター試験レベルとされています。英語が苦手な人も、基礎を押さえれば対応可能です。

対策ポイント:

・高校レベルの英文法を復習する
→ 時制・関係詞・比較など、頻出分野を押さえる

・基本単語を身につける
→ TOEIC単語帳や大学受験用単語帳で十分カバー可能

・短文読解の練習を積む
→ 問題集や過去問を活用して、素早く読んで答える練習をする

英語検査は出題企業が限られるため、志望企業で必要かどうかを確認したうえで対策を進めるのが効率的でしょう。

構造的把握力検査

SPIのオプション試験の一つに構造的把握力検査があります。文章や数式の背後にある共通点や関係性を見抜き、論理的に整理する力を測定するものです。

出題形式は2種類

・言語系:内容の異なる複数の文章を比較し、共通性や違いを仕分ける
・非言語系:計算や数式の構造を見比べ、パターンや規則性を整理する

構造的把握力検査は必須ではなく、導入するかどうかは企業によって異なります。特に以下のような思考力を重視する業界・大手企業で実施されやすい傾向です。

・コンサルティング業界
・総合商社
・広告代理店
・不動産業界

対策ポイント:

・問題集の演習を通じて、パターンを見抜く練習を重ねる
・国語・数学の知識というよりは、論理的思考力のトレーニングがカギ
・ほかのSPI試験と比べると情報が少ないため、最新の問題集や模試を活用すると安心

構造的把握力検査は一部の企業でしか出題されませんが、志望業界によっては対策が必須になります。早めに「受験が必要かどうか」を調べておきましょう。

性格検査

SPIの性格検査は、日常の行動や考え方に関する質問に答える形式で、約300問が出題されます。多くの企業が導入しており、能力検査と同じくらい重要視される場合も。

企業が性格検査で主にチェックしているポイントは、以下のとおりです。

・対人関係の築き方(協調性やリーダーシップなど)
・仕事への取り組み方(責任感・粘り強さ・主体性など)
・社風や文化との相性(企業に合う人材かどうか)

企業は点数で優劣をつけるのではなく、応募者の性格が自社にマッチするかを確認する目的で活用しています。

対策ポイント:

・嘘をつかず、一貫した回答を心掛ける
→ 矛盾が多いと不信感につながる可能性あり

・理想の人物像を演じ過ぎない
→ 「素直さ」が評価につながる

・志望企業の求める人物像を理解しておく
→ 企業の社風や価値観を事前に調べておくと安心

性格検査は「正解があるテスト」ではなく、自分の価値観や考え方を整理する機会でもあるため、素直に答えて企業とのマッチ度を確認しましょう。

適性検査の出題傾向や対策については、「就活の適性検査とは?検査の種類や特徴、受ける際のポイントをご紹介!」の記事もご覧ください。

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SPI全体に当てはまる勉強法のポイント

SPI対策を進める上で、出題分野ごとの勉強法だけでなく、SPI全体に共通するポイントを押さえておくことが重要です。効率良く学習を進めるための基本的な考え方を理解すれば、どの分野でもスムーズに対策を進められます。

問題の形式を把握しておくこと

限られた時間の中で効率良く解答するためには、問題の形式を事前に把握しておくことが重要です。どのような形式で問題が出題されるか把握しているかしていないかでは、本番で発揮できる力が大きく変わります。

最新の問題集や教材で勉強する

SPI対策を行うときは、最新の問題集やテキストを利用しましょう。SPIはバージョンアップを繰り返しており、現在はSPI3が最新です。古い問題集や教材では、出題形式は同じでも問題の内容や単元ごとの出題頻度が変わっている場合があります。

そのため、SPI対策を始める際は必ず最新の問題集や攻略本を使うことが効率的です。最新の教材は、過去のデータを統計して出題傾向を反映しており、効率良くスコアを伸ばせます。

勉強のポイント:

・「古い問題集では対策にならない可能性がある」と理解する
・最新の問題集で、出題傾向や形式に慣れる
・書籍だけでなく、Web模試やオンライン問題集も併用するとさらに効果的

SPIは最新の傾向に沿った対策をすることが合格の近道です。

解き方と時間感覚を身に付ける

繰り返し問題を解いて、解き方と時間感覚を身に付けましょう。SPIの能力検査は難易度が極端に高い問題は少なく、解き方を理解していれば正答できる問題が中心です。

しかし、特に非言語分野の問題では、公式を知っておかないと解けない問題があります。中学~高校生レベルの問題とはいえ、忘れていることもよくあるので、解き方を確認しておく必要があるでしょう。

また時間制限があるため「解き方は分かっているのに、制限時間内に終わらなかった」とならないよう、時間を意識した練習が大切といえます。

効率的な練習法:

・テスト形式で繰り返し解く
→ 本番と同じ制限時間で問題に挑戦する

・解き方をパターン化する
→ どの問題はどの公式・考え方で解くかを明確にする

・スピードアップを意識
→ 解答時間を計測し、徐々に制限時間内に解ききれるよう訓練

ポイントは量より質。ただ問題を解くのではなく、解き方を意識しながら時間内で正確に解く練習を繰り返すことが、SPI突破への近道です。

SPIの試験については「SPI対策をご紹介!出題内容やポイントを把握して適性検査を突破しよう」も参考にしてください。

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効率の良いSPI勉強法6STEP

SPIの正答率を上げる要素を満たしていくうえで、以下の6つの手順で勉強を進めると効率が良いでしょう。

1.志望企業の出題形式をまず確認する

SPIの勉強を始める前に、まず自分が受けるテストの形式を正確に把握することが重要です。「SPIだと思っていたら、実は異なるテスト形式だった」というケースも少なくありません。

確認しておきたいポイント:

・テストの種類
→SPI(能力検査+性格検査)か、それとも他社独自の適性検査か

・英語検査・構造的把握力検査の有無
→必要な場合は別途時間を確保して対策する

・使用可能な道具や持ち物
→電卓の可否、筆記用具の種類、受験環境(Web/テストセンター)など

志望企業ごとの出題形式を把握しておくことで、 効率的に対策を進められます。

2.問題集を1周する

SPI対策では、まず問題集を1冊通して解き、出題傾向を把握することが大切です。最初は分からない問題があっても、時間をかけずにざっと解説を読む程度で良いでしょう。

具体的な進め方:

・1冊に絞って繰り返す
→複数の問題集を並行せず、1冊に集中して学習することで効率的に理解できる

・スケジュールを立てる
→1日あたりのページ数や分野ごとに区切って計画
→余裕を持った計画にして、1周完了を目標にする

・毎日30分~1時間の学習を習慣化
→時間制限のあるSPIに慣れるため、少しずつでも毎日解くことが重要
→短時間でも継続することで、解き方や公式が定着しやすくなる

本選考が近くなるとほかの対策に気を取られ、SPI勉強を後回しにしがちです。しかし、素早く問題を解く力は、早めに習慣化することで身につくもの。まずは「1冊を1周する」ことを最優先に、毎日の学習習慣を作ることが合格への近道です。

3.苦手な分野は解説を見ながら何度も解く

問題集を1周してみて、「苦手」と感じる問題に絞って何度も解きましょう。解説を見ながら、解き方が頭にしっかり入るまで行うのがおすすめです。隙間時間をうまく利用して行うと良いでしょう。本を持ち歩きづらい場合は、アプリで対策を行うのも手です。

4.時間を計りながら素早く解く

苦手分野を繰り返し解いた後は、再度問題集や模擬テストで時間を計りながらスピードを意識して解くことが大切です。SPIはスピードと正答率が大事なので、スピードで解くことを習慣づけておくと良いでしょう。

5.解答に時間がかかる問題を解く

解答に時間がかかる問題は、何に時間がかかってしまうのか振り返りましょう。時間がかかってしまう要因が分かることで、効果的に対策を打ちやすくなります。この段階までくると、問題集だけでなく実際にテストを受検しながらスピードアップを図っていくのも良いでしょう。

6.模試で本番の雰囲気をつかむ

SPI本番で焦らずに解答するためには、模試を本番に近い環境で受けることが大切です。特にWebテストやインハウスCBTでは、一問ごとに制限時間があり、実際の緊張感とは異なる状況になるため、慣れておく必要があります。

効率的な模試の活用法:

・時間制限を意識する
本番と同じ制限時間で問題を解く
時間配分や解答スピードを確認する

・電卓操作に慣れる
WebテストやCBTでは電卓使用が前提の問題が出題される
当日使う電卓で模試を解き、操作に慣れておく

・本番と同じ環境を再現
集中できる机や椅子、周囲の環境をできるだけ本番に近づける

模試で「時間切れ」や「操作ミス」がないように、事前にシミュレーションしておきましょう。電卓操作や問題形式に慣れることで、本番でのミスを減らせます。本番環境に慣れることは、SPIで高得点を取るための最後のステップです。模試は単なる練習ではなく、実戦のシュミレーションとして活用しましょう。

SPIの勉強法については「SPI言語分野の出題範囲・対策方法を解説!効率的に高得点を狙うコツも」も参考にしてください。

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SPI分野別の解くコツ

ここでは、SPI分野別の解き方のコツをお伝えします。

言語分野

言語分野には、以下の対策が有効です。

二語の関係・語句の意味・用法はパターンを理解する

二語の関係・語句の意味・用法に関する問題は、頻出分野なので注力して勉強しましょう。できるだけ多くの問題に触れ、パターンを理解しておくことで、正答率をアップしやすくなります。

長文読解は読んで慣れておく

長文読解問題は、長文を読むことに慣れていない人にとっては読むだけで時間がかかってしまうでしょう。SPIは時間勝負なので、長文を読むだけで時間がかかってしまうのは不利です。長文読解を効率よく解けるようになるには、多くの長文を読み慣れておく必要があるでしょう。

非言語分野

「推論」と「確率」「図表の読み取り」は、非言語分野の頻出問題なので注力して勉強しましょう。
「推論」は、与えられた情報から推理して、正しい事柄を求める問題になります。「推論」は、情報を図式化して正しく整理することが大切です。頭の中でのイメージだけでなく、実際に図を書いて解くようにしましょう。

SPIの対策ももちろん大切ですが、就活にはほかにも大切な過程があります。「就活のやり方と流れを解説!準備から内定までのポイントと相談先も紹介」の記事を参考に、就活全般の準備ややり方も把握しておきましょう。

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性格検査の対策は必要か

性格適性検査とは、応募者の人となりを把握するための検査です。応募者が意欲的であるか、外向性はあるか、独自性があるかが分かるため、企業側は性格適性検査の結果を通して応募者が求めている人材としてふさわしいかを判断しています。

性格適性検査には、有効な対策方法はありません。自己分析をしっかりしておくと自分の特性について把握できるため、回答しやすくなります。企業のニーズに合わせようとした回答や、嘘をつくとその後の面接で気づかれてしまうので注意が必要です。

仮に選考が通ったとしても、企業とのミスマッチで入社後に苦労する可能性も。企業が求める人物像に近づけることは大事ですが、性格適性検査では正直に回答するのがベストです。どうしても気になるという場合は、日頃からの行動や考え方を見直してみましょう。

時間に余裕をもって効率的にSPI対策を行い、ほかの就活準備にも時間を使えるように心掛けることが大切です。

性格検査については「性格検査とは何か?就活で受ける理由と効果的な対策法を解説」も参考にしてください。

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SPIの勉強法を知りたいあなたへ

SPIは、就活で多くの企業が採用する重要な適性検査です。能力検査・性格検査・オプションの英語検査や構造的把握力検査など、多岐にわたる分野があり、それぞれに対策ポイントがあります。SPI全体に共通する勉強法としては、最新の教材を使い、時間制限を意識して繰り返し練習し、模試で本番環境に慣れることが重要です。

これらを実践することで、SPIの出題傾向に自信を持って対応できるようになります。早めに対策を始め、効率的に勉強時間を確保することが合格への近道です。

SPI対策だけでなく、就活全体を効率良く進めたい方は、キャリアチケットの就活サポートへご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーによる個別サポートや、SPIや適性検査、面接対策など総合的な支援が受けられます。

また、あなたに合った企業や業界の紹介を通じて、効率的に就活を進めることが可能です。SPI対策と合わせてプロのアドバイスを受けることで、内定獲得に近づけます。気になる方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

本記事の執筆者

梶川沙綺(かじかわさき)

新卒でレバレジーズ株式会社に入社。年間1000名以上の就活生の支援を行い、入社3年目で神戸支社の立ち上げに携わる。現在は本社でサービスの向上にも関わりながらキャリアコンサルタント国家資格取得に向けてスキルアップ奮闘中。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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