SPIと公務員試験の違いは?試験突破に向けて共通点や対策方法を解説!

このページのまとめ

  • SPIと公務員試験は受験科目と難易度、解答時間が異なる
  • 公務員試験の対策を中心に行い、SPIは差分を埋める学習方法がおすすめ
  • 受験する自治体を決めると、SPIと公務員の教養試験対策の比重がわかる

SPIと公務員試験の違いは?試験突破に向けて共通点や対策方法を解説!のイメージ

「SPIと公務員試験って何が違うの?」「試験対策の内容は同じ?」などと気になる就活生もいるでしょう。SPIと公務員試験では内容が違うため、それぞれの試験に応じた対策が欠かせません。

この記事では、SPIと公務員試験の違いや対策を進める際のポイントを解説しています。最後まで読めばそれぞれどのような対策が必要かを理解でき、選考突破に向けて対策を進められるはずです。

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目 次

SPIは就活生の能力や性格を確認するテスト

SPIとは、就活生の能力や性格を確認するテストです。就活では適性検査として、採用選考の一つに利用されています。

SPIは就活生の知的能力を測る「能力検査」と、考え方や性格を調べる「性格検査」の2種類で構成されている点が特徴です。点数を取得しないと選考に通過できないケースもあるため、対策が重要となります。

SPIがどのような内容かについては、「SPIの内容は?複数ある受検方法による違いを解説!」の記事で解説しているので参考にしてください。

公務員試験は教養や論文が求められるテスト

公務員試験では、筆記試験と面接試験の突破が必要です。自治体や各省庁ごとに異なる試験が実施されます。

公務員の筆記試験は、「教養試験」「論文試験」「専門試験」の3つに分類されます。ただし、すべての試験を必ず受けるわけではありません。たとえば、警察官の試験では専門試験を受けないケースが一般的です。どのような試験が出るのかについては、事前に確認しておくとよいでしょう。

SPIだけで受験できる公務員試験も増えている

最近の公務員試験は、SPIだけで受験できる試験も増えてきています。民間企業で使用されるSPIを導入し、公務員試験の対策をしていない学生も応募しやすい環境を作ろうとしているからです。

応募する人材が増えるほど、優秀な人材も集まりやすくなります。就活生にとっても、SPIを勉強しておけば公務員も民間企業も試験対策ができるのでメリットです。

ただし、自治体によっては、SPIと並行して公務員ならではの試験を導入している場合もあります。SPIと公務員試験の違いを理解してから、勉強を進めましょう。

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SPIと公務員試験の違い

SPIと公務員試験の具体的な違いは、「受験科目」「難易度」「解答時間」です。公務員と民間企業の併願を検討している就活生は、いずれの対策も欠かせません。

受験科目の違い

SPIと公務員の筆記試験は、受験科目・出題範囲が異なります。両者の受験科目は下記のとおりです。

SPI
言語分野、非言語分野、性格検査

公務員試験
数的処理、文章理解、社会科学、自然科学、人文科学
その他、専門択一試験、論文試験、専門記述試験など、公務員の種別によって異なる

難易度の違い

難易度については、公務員試験のほうが高い傾向にあります。職種にもよりますが、全体的な合格率は15%から40%程度といわれています。

一方で、SPIの選考突破率は企業によって異なります。60%程度の点数をとればよい企業もあれば、80%以上を求められるケースも。ただし、SPIは中学高校レベルの問題が出題されます。事前に対策を行っておけば、合格できる確率も高いでしょう。

SPIでどの程度点数を取ればよいかは、「SPIのボーダーラインはどのくらい?見極め方や高得点への対策も解説」の記事で詳しく解説しています。

解答時間の違い

SPIと公務員試験は、解答時間も異なります。

SPIの場合、言語・非言語分野の問題は、40~70分の制限時間で行われます。問題形式によって制限時間が変わるので、確認しておきましょう。性格検査の回答時間については、約30分ほどです。

公務員試験の場合、試験の種別や自治体の採用枠などによって異なりますが、一般的には2~3時間ほどで問題に解答します。

出題数は、SPIの場合70問近くあるため、各設問に対してかけられる時間は1分ほどと極めて短いです。公務員試験の場合、出題数は40〜50問ほどのため、1問あたり約3分で解答しなければなりません。

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SPIと公務員試験の共通点

SPIと公務員試験の共通点について解説します。どのような部分が似ているかを理解して、学習の進め方の参考にしてみてください。

「SPIの非言語分野」と「公務員試験の数的処理」

一つ目に挙げられるのが「SPIの非言語分野」と「公務員試験の数的処理」です。どちらも数学の問題が出題される点で共通しています。

各分野に関する出題範囲をまとめると下表のとおりです。

試験 SPIの非言語分野 公務員試験の数的処理
内容 推論
場合の数
確率
損益算など
数的推理
判断推理
資料解釈
空間把握

SPIの非言語分野は公務員試験の数的処理よりも出題範囲が広いため、その違いを押さえておくことが重要です。なお、難易度については、公務員試験のほうが高い傾向にあるため注意してください。

「SPIの言語分野」と「公務員試験の文章理解」

「SPIの言語分野」と「公務員試験の文章理解」に関しても内容は類似しています。

どちらも国語の問題であり、仕事に必要な文章作成能力や、自分の意思を伝えるコミュニケーション能力などを問う出題内容です。

試験 SPIの言語分野 公務員試験の文章理解
内容 二語関係
熟語
長文理解など
現代文
英文
古文

文章理解の現代文が、SPIの言語分野と類似しているため、公務員試験対策をすることでSPIの言語分野はある程度カバーできるでしょう。

SPIの言語分野がどのような問題・出題形式か知りたい場合は、「SPIの言語分野は事前対策でバッチリ!選考を突破できる勉強方法」をご覧ください。

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SPIが出される公務員の種別

公務員試験でもSPIを受検する場合があるので、確認しておきましょう。どのようなケースでSPIの受検が必要になるかを解説します。

市役所試験の全部または一部の採用枠

SPIが最も普及しているのが、市区町村役場の採用試験です。自治体によっては、従来の公務員試験(教養試験)を撤廃し、SPIに一本化しているケースもあります。

たとえば、東京都の町田市は一般知識や教養中心の筆記試験を廃止し、SPIを導入しました。ほかにも、従来の公務員試験で受験する枠と、SPIを筆記試験代わりにする枠を併用させる自治体もあるようです。

公務員と民間企業を併願する人は、志望する自治体がどのような選考過程を組んでいるか確認してみてください。

参照元
町田市
町田市職員採用試験情報

都道府県庁試験の全部または一部の採用枠

市町村だけでなく、都道府県庁の職員採用試験においても、市町村同様、SPIを導入していない都道府県もあれば、一部の採用枠をSPI試験に置き換えたり、従来の試験を撤廃してSPIに一本化したりするケースもあります。

従来の教養試験と選択できる自治体もある

自治体によっては、筆記試験を従来の教養試験とSPIを選択できる場合もあります。

たとえば、広島県福知山市の場合、一般事務職だけでなく土木技師や保育士などのすべての試験区分で、一般教養試験またはSPI3試験の選択制を採用しています。

なお、一般教養試験は出題数40題、試験時間は2時間となっており、SPI3試験は出題数70題、試験時間は1時間10分です。自身の得意な形式で選考を受けられるのは、就活生にとって大きなメリットといえるでしょう。

参照元
福知山市
令和4年度福知山市職員採用試験「前期試験」を実施します

国家公務員は教養・専門試験のみ

国家公務員の試験では、SPIは導入されていません。教養・専門試験のみの受検です。

公務員専願の人はSPIを勉強する必要がなく、教養と専門科目のみに集中すれば問題ありません。しかし、民間企業と併願で就活を行う場合は、SPIと別に国家公務員試験の対策が必要になるので気をつけましょう。

公務員の種別について詳しく知りたい方は「公務員の仕事内容とは?種類と職種別でご紹介!」をご覧ください。

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SPIと公務員試験対策を効率よく進める6つのポイント

公務員と民間企業を併願する場合、試験対策を効率よく進めることが対策のコツです。効率よく試験対策を行う方法について解説するので参考にしてください。

1.志望する自治体を決める

試験対策を行う前に、まずは志望する自治体や省庁を決めましょう。自治体などによって、筆記試験の内容が変わってくるためです。

たとえば、公務員試験にSPIを使用していない自治体の場合、公務員試験とSPI両方の対策が必要です。一方で、公務員試験にSPIを導入している自治体であれば、SPIの対策をメインにすればよいでしょう。

自治体に応じて対策内容が変わるため、まずはどの公務員を目指すのかを考えてみてください。

2.SPIと公務員試験の違いを理解する

SPIと公務員試験でどのように違いがあるのかも把握しておきましょう。重複する範囲もあれば、それぞれにしかない範囲もあるためです。両者に共通している範囲を勉強すれば、効率的に対策を進められるでしょう。

ただし、SPIも公務員試験も出題範囲が広く、それぞれ対策は必要です。共通している部分だけを勉強していても、点数は獲得できない点は気をつけてください。

3.公務員試験を中心に対策する

SPIと公務員試験の両方が必要な場合は、公務員試験を中心に対策しましょう。公務員試験のほうが難易度が高く、対策に時間がかかるためです。

また、数的処理や現代文(文章理解)などSPIと公務員試験で共通している問題もあるので、公務員試験対策を行えばSPIの問題は十分解けるようになるでしょう。

公務員試験の難易度については「公務員の難易度はどのくらい?試験別の合格率や対策のコツを解説」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

4.SPIは差分を埋めるように対策する

公務員と民間企業を併願する場合、SPIは公務員試験で出題されない部分を中心に対策しましょう。公務員試験のほうが難易度の高い傾向にあり、公務員試験の問題を解ければSPIの問題も十分に解けるためです。

ただし、同じ出題範囲でも、出題形式が違う点は気をつけましょう。公務員試験の対策だけ行うのではなく、SPIの対策も必要です。

SPIは参考書を1冊購入し、すべての問題を一通り解いておきましょう。時間に限りがある場合は、公務員試験で見慣れない問題に目を通しておくと、スムーズに解答できるはずです。

5.SPI枠で受験する際は面接対策を徹底する

公務員試験をSPIで受験する場合、面接対策に力を入れましょう。SPIの結果より面接の評価が採用に直結しやすい傾向にあるからです。

また、通常の採用枠とは別にSPI枠の採用枠を設けている自治体の場合、一般枠よりも採用者を絞る傾向にあります。また、SPI枠は一般枠に比べて応募しやすく、倍率が高くなりやすいでしょう。

SPIを通過できた場合、面接の結果で判断されます。筆記試験だけではなく、面接試験も合わせて対策を進めてください。

6.性格検査対策を実施する

SPIを受験する場合は、性格検査の対策を行いましょう。性格検査は公務員試験では出題されないため、別途対策が求められます。

性格検査は就活生の人柄や考え方を見る検査のため、それほど対策は必要ありません。出題された際に焦らないように、一度受けてみて雰囲気を掴んでおくとよいでしょう。

性格検査がどのようなものかについては、「性格検査とはどんなテスト?問題例や対策方法を解説!」も参考にしてください。

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公務員志望者におすすめのSPI勉強方法

公務員志望者がSPIを勉強する場合、まずは問題集を解くところから始めてください。SPIは問題の傾向があるので、問題集さえ解いておけば対応しやすくなります。ここでは、公務員志望者におすすめなSPIの勉強法を解説します。

問題集は1冊を繰り返し解く

問題集を解く場合は、1冊に集中して解きましょう。SPIは問題の傾向があり、出題パターンがある程度決まっています。対策を進めるには、自分の得意分野と苦手分野を認識するのが大切です。

問題集の種類を増やすと、得意な問題と苦手な問題がわからず、どこを対策していいのか困る場合もあります。まずは問題集1冊を繰り返し解き、自分の弱点を知りましょう。

苦手な問題の対策に力を入れる

SPIは得意な問題よりも、苦手な問題を対策するのがおすすめです。SPIは問題のパターンが多く、幅広く出題される傾向にあります。苦手分野が多いほど本番で解けなくなる可能性が高まるので、問題のパターンを覚えて、幅広く対策した方が点数を取りやすくなります。。

苦手な問題はできるだけなくし、解き方を覚えておくのがポイントです。得意な問題は本番でも解けるので、苦手なパターンを理解し、集中して勉強しましょう。

アプリを活用する

SPIの対策は、アプリでもできるので有効的に使いましょう。スマホアプリであれば、移動時間やすきま時間などでも勉強できるので便利です。

アプリはSPI全体の対策ができるものもあれば、言語分野や非言語分野など問題ごとにわかれている場合もあります。自分が対策したいものに応じて、適したアプリをダウンロードしましょう。

SPIの勉強方法については、「SPIの効率的な勉強法とは?時間がない人もできる対策方法をプロがご紹介」の記事でも解説しています。

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パターン別で解説!内定獲得のためにできること

公務員と民間企業を併願する際の試験対策を効率よく進めるコツを紹介しましたが、ここでは、パターン別でより詳しい対策を解説します。

自身の状況に当てはまる項目を参考に、学習の進め方を見直してみてください。

公務員だけを志望する専願の場合

公務員だけを志望している人であれば、基本的には従来通りの公務員試験対策を入念に行うことが重要です。

SPIの採用枠しかない自治体でない限り、敢えてSPIの採用枠に応募するメリットは低いでしょう。公務員試験の勉強は出題範囲が広く、十分な対策をするには相当な時間がかかります。

十分な準備をした状態で試験に臨める人のほうが少ないので、公務員を専願で目指す人は従来の試験方式で受験するのが得策です。

ただし、公務員試験においても面接の重要性が高まっているため、筆記試験が終わり次第、面接対策に時間をかけるとよいでしょう。

公務員試験の自己PR対策をしたい方は「公務員試験の自己PRはどう書く?10の例文や評価されるポイントを解説!」をご覧ください。

公務員が第一志望で民間企業も併願する場合

公務員が第一志望で民間企業を併願する場合も、従来の公務員試験勉強に励みましょう。ただし、民間企業ではSPIが出題される場合が多いので、合わせて対策してください。

SPIの対策は、1ヶ月程度あれば実施できます。問題集を解いたり、模擬テストを受けたりして準備しておきましょう。

民間企業優先で公務員にも興味がある場合

民間企業優先で公務員にも興味がある場合は、SPIだけを筆記試験に採用している自治体に絞るのがおすすめです。

試験の種別関係なく、その自治体の取り組みに感銘を受けた場合などであれば、適切な試験対策をとるべきでしょう。

効率的に学習を進めるのであれば、民間企業を優先している以上、従来の公務員試験対策はしないほうがベターです。SPI対策を入念に行い、試験に通過した際はその自治体に合わせた面接対策を徹底して行いましょう。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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