このページのまとめ
- 保険会社に就職するには、企業研究と金融に関する知識が必要
- 保険会社には、営業やマーケティング、IT戦略、事務などの職種がある
- 保険会社の就職活動では、志望動機と自己PRを充実させる必要がある
保険会社へ就職した就活生は多く、人気の就職先といえます。就職希望者が多いため、保険会社への就職活動では、自己分析や企業研究、金融知識の勉強を行いましょう。
この記事では、保険会社の仕事内容や業界の概要、就活での対策を解説しました。保険会社への就職を希望の方は、自分にあった保険会社の見つけ方も紹介したので参考にしてください。
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- 保険会社に就職したい就活生は多いのか?実態を解説
- 保険会社はやめとけ?実際に保険会社を志望する学生の実態
- 保険会社への就職は難しいといわれる理由
- 保険会社とは
- 保険は大きく分けて3種類ある
- 保険業界の構造
- 保険業界の4つの形態
- 保険会社の売上の立て方
- 販売の方法
- 保険会社の主な7つの業務内容
- 1.営業
- 2.資産運用
- 3.アクチュアリー・ファイナンス
- 4.マーケティング
- 5.契約関連
- 6.IT戦略
- 7.保険事務
- 保険会社に就職するには?内定獲得のためにできること
- 自己分析で保険会社に合った強みを探す
- 業界研究・企業研究を行う
- 資格を取得する
- 保険会社へ就職するための志望動機と自己PRの書き方
- 志望動機の書き方
- 自己PRの書き方
- 働きやすい保険会社を見分ける3つのポイント
- 1.有給取得率が高いか
- 2.平均勤続年数が長いか
- 3.平均年収が高いか
- 自分に合う保険会社に就職するための3つの対策
- 1.逆求人サイトを利用する
- 2.口コミサイトを見て企業の評判を調査する
- 3.就活エージェントで優良企業を紹介してもらう
- 自分に合った会社に就職したいあなたへ
保険会社に就職したい就活生は多いのか?実態を解説
「保険会社はやめとけ」など、保険業界への志望に対してネガティブな意見を聞いて、就活に不安を覚える就活生もいるでしょう。そもそも保険業界は、就職先として就活生に人気があるのか、まずは保険会社を志望する学生の実態から解説します。
保険会社はやめとけ?実際に保険会社を志望する学生の実態
実は保険会社を志望する就活生は多くみられます。厚生労働省が発表する「令和2年雇用動向調査結果の概況」によれば、2020年の金融業・保険業の入職者数は110.1千人(約11万人)でした。
その内67.6千人(約7万人)は転職入職者なので、42.5千人(約4万人)の就活生が金融業・保険業に就職したことになります。
参照元
厚生労働省
令和2年雇用動向調査結果の概要
保険会社への就職は難しいといわれる理由
保険会社への就職は難しいといわれています。保険会社は金融業界に属するため、安定した雇用形態や給与形態が確立されている企業が多いようです。将来的に不安が少ない保険会社は、就職希望者の多い仕事といえるでしょう。
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保険会社とは
総務省が定める日本基準産業分類では、保険会社も銀行や証券会社と同じく金融業界に属します。金融業界に属することから、お金の計算や統計学的知識が必要な場面が多く、理系社員が活躍できる場が多いとされています。
また、大手保険会社は海外進出に力を入れる企業も多く、英語ができる社員が重宝されます。総合職を目指す方は、英語を身につけるといいでしょう。
総合職については、「総合職とは?業務内容や一般職との違い、志望動機の書き方を例文付きで紹介」も参考にしてください。
保険は大きく分けて3種類ある
保険には大きく分けて、生命保険、損害保険、そのほかの保険の3種類があります。会社ごとに取り扱う保険が異なるので、どのような保険があるのか把握することも大事です。
第1分野:生命保険
第1分野の生命保険は、被保険者が死亡した際に家族に対して一定の保険金が支払われる保険です。生命保険の取り扱いでは、さまざまな病気の発生リスクや費用などの知識が求められます。
すでに加入者が多く、少子高齢化により市場規模が縮小していることから、新規契約が難しい点に注意が必要です。
生命保険を志望する方は、「生命保険会社の志望動機を作るにはどうする?ポイントや例文を解説!」で志望動機の作り方を紹介しているので参考jにしてください。
第2分野:損害保険
第2分野の損害保険は、偶然の事故の影響に応じて家や車などモノや損害を受けた相手に対して保険金が支払われる保険です。
損害保険の半数が自動車保険ですが、地震保険や火災保険、損害保険など日常生活の備えとしての商品も取り扱っています。
第3分野:そのほかの保険
第1分野や第2分野にも属さない保険商品を第3分野と呼びます。具体的には医療保険や介護保険、がん保険などが該当し、生命保険と異なり生存中に保険金が支払われるのが特徴です。
第3分野も生命保険と同様に病気に関する知識が求められます。
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保険業界の構造
保険業界の構造を理解していくために、形態やビジネスモデル、販売形態について詳しく解説します。
保険業界の4つの形態
保険業界は、保険会社以外に保険ショップ、銀行、保険代理店の形態に分かれます。
保険会社
保険会社は保険自体の管理や新しい保険商品の立案、売り出しを行っています。保険会社には株式会社と相互会社の2種類の組織形式がありますが、多くの保険会社が非営利法人の相互会社に分類されるでしょう。
相互会社は保険契約者を社員とみなし、相互救済を目指す会社のことです。資本は基金拠出者からの基金となり、会社の意思決定が社員総会で決められる特徴があります。
保険ショップ
保険ショップは、複数の保険会社の商品から一人ひとりに適した保険を提案する形態です。
大型ショッピングモールなどにあり、気軽に保険の相談ができることから、保険ショップは近年増加傾向にあります。
銀行
2000年以降、銀行でも保険商品の販売が認可されるようになったため、銀行の窓口でも保険契約が可能です。銀行によって取り扱う商品は異なりますが、生命保険を中心に多くの保険を販売しています。
銀行の業務内容については、「銀行の業務内容を知ってる?就活前に知りたい金融業界の知識」も参考にしてください。
保険代理店
保険代理店は、1社の保険会社と契約して、その会社が取り扱う保険商品を販売する形態です。基本的に1社専属となるため、ほかの会社の保険はできません。
ただし、保険ショップのような乗合代理店であれば、複数の保険会社の商品を組み合わせて販売することが可能です。
参照元
職業情報提供サイト(日本版O-NET)
代理店営業(保険会社)
保険会社の売上の立て方
保険会社が取り扱う商品は現物ではないため、売上の立て方が分かりにくい印象があります。ここで、どのように売上を上げているのか、保険会社のビジネスモデルをチェックしていきましょう。
資産運用収益
保険会社では、後述する保険料収入の一部を国債・地方債・社債などの安全性が高い資産に充て、運用して利益を出しています。
特に国債や地方債といった公債は長期的に安定しているため、確実に大きな利益を上げられることから、大きな投資額が充てられる傾向が見られます。
保険料収益
保険料収益とは、保険契約者が支払う保険料の一部から得られる売上のことです。利差益、費差益、死差益の3つの利源があります。
・費差益:予定事業費率で予想された事業費と実際の事業費の差
・死差益:予定死亡率で見込まれた支払額と実際の支払額の差
利差益は円安や円高、金融政策、金利政策などの影響を受けるので、絶対に利益が発生するとは限りません。費差益は、コストが予想どおりに発生した場合は損益が発生せず、経費を削減できた際に利益が発生します。
日本は治安や医療が比較的安定しているため、突然死亡率が大きく変わることがありません。
そのため、保険会社では予定死亡率を高めに設定してリスクに備えているので、保険料収益の中心は死差益となっています。
販売の方法
保険商品の販売方法は直接販売、間接販売、ネット販売の3種類に分けられます。
・間接販売:保険ショップや保険代理店、銀行などの販売店を介して商品を販売する形態
・ネット販売:保険料の見積もりから申し込みまで、全てインターネット上で完結できる販売形式
インターネットが普及する前は電話営業や訪問販売が主流でした。現在では、生命保険を含む保険商品は、お客様に合わせた販売方法がいくつも用意されています。
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保険会社の主な7つの業務内容
保険会社への就職を目指すうえで知っておきたい、主な業務内容を解説します。
1.営業
個人や法人に向けて自社の保険商品を販売する職種です。
保険は高額な上に内容も複雑なので簡単に売れる商品ではないものの、その分やりがいを感じられる仕事といえます。
2.資産運用
保険会社から預かった保険料を投資や融資に使い、利益を生み出す仕事です。
投資計画や財務状況の分析などを行う機会があるため、経済学や統計に詳しい学生は有利になる傾向があります。
3.アクチュアリー・ファイナンス
会社ごとに呼び方は異なりますが、保険商品の開発や評価、リスク管理を実施する部署のことです。
主に数学や金融工学、確率統計といった専門知識が社員に求められます。
4.マーケティング
保険商品の開発を目的とした市場調査や広告・宣伝を担当する仕事です。
顧客と直接関わる部署からニーズを聞いて、新商品の開発やブランディングを担います。
5.契約関連
加入申し込みをした顧客の審査や保険金の支払いを行う仕事です。契約時には、加入者や契約内容が妥当かどうかを適切に審査しなければなりません。
また、保険金の支払いの際は契約内容に則って適切な金額を支払う必要があります。
6.IT戦略
社内のシステム開発や運用を手掛ける仕事です。
スムーズに保険契約を締結させるシステムや顧客データを管理するシステムなど、多種多彩なシステムの開発・運用を担うことになります。
7.保険事務
保険事務とは、保険会社の営業やその他社員のサポートを行う事務職です。入金処理やデータ入力、ファイリングなどの幅広い事務作業を行います。
また、書類作成の正確さや作業スピードだけでなく、事故や病気にあった顧客への誠実さや責任感も求められるでしょう。保険募集人の資格取得が必要になるケースもあります。
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保険会社に就職するには?内定獲得のためにできること
保険会社に就職するために、やっておきたい3つのことを紹介します。
自己分析で保険会社に合った強みを探す
保険会社に就職するには、自己分析で保険会社が求める人物像に合う強みを見つけましょう。保険会社の社員には、以下のような人材を求める企業が多いです。
・責任感をもって挫けずにやり遂げる人
・誠実さをもって私利私欲を交えず人やものと関われる人
・柔軟性をもって臨機応変に対応する人
・行動力をもって自ら考えて行動できる人
保険会社は、病気や事故、家事、盗難などさまざまな事象に直面した顧客と関わります。特に生命保険では、生命に関わる事象を扱います。
誠実さや責任感はもちろん、顧客の立場に立って任務を成し遂げようとする使命感が求められるでしょう。
また、市場ニーズやテクノロジーの変化により、環境の変動が多い業種でもあります。柔軟性をもって臨機応変に対応する力や自ら考えて行動できる力も大切です。
過去の経験や成功体験を振り返り、自分の強みを見つけましょう。自分の強みが保険会社の求める人物像に当てはまる場合、具体的なエピソードを交えてアピールしてください。
強みの見つけ方については、「『強み』ってどうやって見つければ良いの?簡単にできる『強み』の発見法」も参考にしてください。
業界研究・企業研究を行う
まずは業界研究や企業研究を行い、保険業界について理解を深めていきましょう。
前述したように、保険会社には株式会社と相互会社があります。保険会社は営業のノルマは厳しいイメージがありますが、相互会社は株式会社と比べてノルマの基準が低い可能性もあります。
会社の特徴を深く理解できれば、自分に合った保険会社を見つけることができ、自己PRを作る際にも役立てることが可能です。
保険会社の一例として、「【企業研究】5分でわかる!IRから読み解く第一生命」では、生命保険会社で人気のある第一生命の概要を紹介しています。企業研究の参考にしてください。
資格を取得する
簿記やファイナンシャルプランナーなど、金融や保険に関する資格の取得を目指すのもおすすめです。保険会社の新卒採用では学部学科は不問とされていることが多く、入社時点で高度な知識を求められることはありません。
しかし、金融や経済の知識があれば、入社したあとにどんな仕事をしたいかを解像度高く話すことができるため、面接官の評価を上げるのに繋がる可能性があります。
保険会社に入れば、それらの知識がそのまま業務に役立つので、保険業界に完全にしぼりきっている方は就活中から資格を取得するのもおすすめです。
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保険会社へ就職するための志望動機と自己PRの書き方
保険会社へ内定するためには、志望動機や自己PR対策をしっかりしておくことが大事です。ここでは、保険会社へ内定するための志望動機と自己PRを書くポイントを解説します。
志望動機の書き方
志望動機は、なぜ保険業界なのか、なぜその職種なのか、なぜその企業なのかという点を深堀りして、入社の意思を強くアピールしていきましょう。
また、保険会社は人に対する保険、損害保険はモノへの保険であるため、応募先の企業や職種に合わせて志望理由を説明していく必要があります。
自己PRの書き方
自己PRは、企業が求める人物像に合う人材かをチェックされています。自分が志望企業に適切な人材であることをアピールしていきましょう。
保険会社が職種ごとに求める人物像は、以下の特徴が挙げられます。
・マーケティング:国内市場の縮小に対して主体的に新商品を考えられるような行動力のある人
就職先や職種によって、求める人材は異なります。志望する企業の研究を徹底的に行い、自分との相性を確認してください。
自己PRの作り方は、「就活を乗り切る自己PRの作り方!例文も合わせて解説」も参考にしてください。
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働きやすい保険会社を見分ける3つのポイント
働きやすい環境かどうかを判断するための3つのポイントをご紹介します。働きやすいかどうかは人による部分が大きいので、下記はあくまで参考である点をご了承ください。
1.有給取得率が高いか
優良企業かどうか確かめるために、有給取得率もチェックしたいポイントです。有給取得率が高ければ、プライベートの充実を尊重している企業と考えられます。
ちなみに厚生労働省の調査によれば、平均取得日数10日・有給取得率56%が一つの基準となっているので、これを大きく下回っていないかチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
令和2年就労条件総合調査の概況
2.平均勤続年数が長いか
優良企業では長く働きたいと思う人が多いため、必然的に離職率が低くなり、平均勤続年数も長くなります。
逆に離職率が高く、平均勤続年数が短い企業はブラックの可能性が高いです。ブラック企業の特徴については、「ブラック企業の特徴をつかんで徹底回避!」も参考にしてください。
3.平均年収が高いか
平均年収もチェックしましょう。平均年収が高い企業は、売上を積極的に社員へ還元していることを意味します。
業績が安定していれば、社員の給料や福利厚生に多少のコストをかけても経営状態に響くリスクが少ないので、給与やボーナスを高く設定できることが想定されます。OB・OG訪問ができる方は、ぜひ確認してみてください。
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自分に合う保険会社に就職するための3つの対策
就活では、自分にとって働きやすい職場を見つけることが大事です。
自身の職場となる保険会社選びに失敗しないためにも、以下3つの対策で応募先を探してみましょう。
1.逆求人サイトを利用する
求人サイトにあるスカウト機能を活用してみましょう。サイトに自分のプロフィールを登録しておくと、自分に興味を持った企業から面接のスカウトが届くことがあります。
スカウトメールを送る企業は自分のことをある程度評価しているので、相性のよい企業を見つけられる可能性が高まります。
逆求人サイトについては、「視野を広げるために逆求人サイトを利用|元地方就活生に聞く就活体験談【第3回】」の体験談も参考にしてください。
2.口コミサイトを見て企業の評判を調査する
口コミサイトでは、実際に働いている社員や離職者からの評判を見ることができます。社内の雰囲気や残業時間、有給の取りやすさなど、リアルな内情を把握することが可能です。
企業が公開する情報は表面的なものに過ぎないので、入社後にギャップが生じるケースは珍しくありません。少しでもギャップを埋められるように、口コミサイトから企業の評判をチェックしておきましょう。
ただし、口コミサイトは匿名性が高く、記載されている内容が必ずしも正解とは限りません。なかには元社員や部外者が悪意を持って書き込んだり、遊び半分で嘘を記載したりする場合も考えられます。
口コミサイトを利用する場合はすべての情報を鵜呑みにせず、参考程度にとどめておきましょう。
3.就活エージェントで優良企業を紹介してもらう
就活エージェントでは、面談を元に就活生一人ひとりに適した求人を紹介しています。また、エージェントによっては非公開求人を保有していることもあり、求人サイトや就活情報サイトでは見つからない求人情報を教えてもらえる可能性も。
また、担当者から選考対策の支援を受けられることもメリットです。そのほかにも、企業との面接の調整や面接後のフィードバックの共有まで行ってくれます。
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自分に合った会社に就職したいあなたへ
保険会社に就職するには、自己分析で保険会社に合った強みを探し、業界研究や企業研究を行いましょう。ファイナンシャルプランナー(FP)といった資格取得は、熱意のアピールに繋がります。
保険会社は、就活生から人気のある就職先の一つです。就職先によって取り扱っている保険商品や展開する事業、労働条件などが異なるので、応募先を探す時点で苦労する方は多いでしょう。
自分にあった企業に就職したい方には、就活支援サービス「キャリアチケット」がおすすめ。プロの就活アドバイザーが、就活生1人1人に合った会社を紹介でき、内定獲得のためのアドバイスを行います。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。