介護士の志望動機の書き方とは?手順や避けるべき内容を例文付きで解説

このページのまとめ

  • 介護士の志望動機では、熱意や人柄をアピールして施設に貢献できることを伝える
  • 介護士の志望動機が思いつかない人は、向いている人と自分の強みを照らし合わせてみる
  • 介護士の志望動機では、ありきたりな内容やネガティブな表現は避けよう

介護士の志望動機の書き方とは?手順や避けるべき内容を例文付きで解説のイメージ

「介護士の志望動機の書き方が分からない」「志望理由が思いつかない」と悩む就活生も多いでしょう。介護士の志望動機を作成する際は、求められる人材や自分の強みを理解することが大切です。

この記事では、介護士の志望動機の作成手順や避けたい内容を3つの例文付きで解説します。志望動機を書く前に知っておきたい業界知識や介護職に向いている人の傾向も紹介したので、介護士を目指す就活生は参考にしてください。

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目 次

介護業界の志望動機では人柄や熱意が重視されやすい

介護士は、看護師やリハビリ職員と連携しながら、高齢者や利用者の方の生活や気持ちを支える仕事です。そのため、経験やスキル以上に人柄や熱意、人間性などが重視されやすい傾向にあります。

慢性的な人手不足が問題視されている介護職ですが、どのような人でも雇い入れるわけではありません。「介護士になりたい」という明確な意欲や志を持ち、その熱意を施設側にアピールすることが大切です。

介護職や福祉業界において実際の職歴がほとんどない新卒採用の場合も、「介護士に向いているかどうか」というポテンシャルが重視されます。

したがって、志望動機を通して人柄や熱意をアピールすることにより、採用担当者に「一緒に働きたい」「この人だったら介護を任せられそう」と思ってもらうことが大切です。

ここでは、介護業界の詳細や向いている人の傾向を紹介します。

介護業界とは?志望動機を書く前に押さえておきたい業界知識を解説

介護業界とは、介護に特化して、高齢者や障がい者などに何らかのサービスを提供する業界です。提供するサービスによって複数のタイプに分類されますので、下記の主なサービスの種類を参考にしてみてください。

・居宅介護サービス
ホームヘルパーなどが利用者の自宅を訪れる「訪問サービス」、デイサービスとも呼ばれる「通所サービス」、ショートステイとも呼ばれる「短期入所サービス」があります。

・施設サービス
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、要介護高齢者の長期療養や医療サービスが提供される介護医療院などがあります。

・地域密着型介護サービス
利用者が住んでいる地域で、市町村指定の事業者による自宅訪問など定期的な援助を受けられるサービスのことです。

キャリアアップの際は、資格の有無が重要なポイントになるでしょう。年収を上げたり、昇進を目指したりする際は、介護にまつわる資格を取るのがおすすめです。介護の資格のなかでも「介護職員初任者研修」は、経験不足のカバーとして合否判断の際に役立つ可能性があります。

介護業界の今後の動向としては、高齢者が増え続けると予測されているため、業界全体の需要は高まっているといえます。

しかし、需要が高まる一方で深刻な人手不足が問題になっています。さらに、高齢者や利用者の増加による社会保障費の問題により、報酬額が減り続ける恐れも。介護給付金に頼らない、「介護予防サービス」に取り組むことが求められるでしょう。

介護業界についてより詳しく知りたい方は、「介護業界の現状と今後の動向について」を参考にしてください。

介護職に向いている人の傾向

介護職に向いている人は、以下のような傾向があります。

・誰とでも円滑にコミュニケーションがとれる人
・気配りや気遣いが得意な人
・忍耐力に長けている人
・傾聴力が高い人
・小さな変化にもよく気がつく人
・責任感を持って行動できる人
・日勤と夜勤の両立ができる人
・明るく元気に仕事ができる人

高齢者や利用者の対応だけでなく、施設スタッフと連携するためのコミュニケーション力も大切です。変化やトラブルに気がついた際は、報連相を怠らずに報告しなければなりません。

介護職では、土日や祝日だけでなく夜勤に入ることも多いため、最低限の体力は必要といえます。高齢者や利用者の命を預かっているため、責任感を持って仕事ができるかどうかも重要なポイントです。

すぐに感情的にならず、平常心を保っていられる忍耐力の高い人も、介護職に向いているでしょう。日々、想定外の出来事やスムーズに進まない事態も多々起こるのが介護の現場。どんな状況においても慌てず、冷静に対応できる忍耐力も必要になります。

介護士として就職するためには、自分の強みを照らし合わせて志望動機を作成することが重要です。就職活動では、自分の強みを数多くアピールするのではなく、志望する施設が求める人材に当てはまるように伝えるのがポイントです。介護施設が求める人材は、企業の求人情報やWebサイトで確認できます。

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介護士の志望動機の書き方は?5つの手順を紹介

ここでは、介護業界の志望動機を書くためのコツを5つまとめました。選考に通過するためにも、ポイントを押さえてから志望動機を作成しましょう。

1.介護職に向いているスキルと自分の強みを照らし合わせる

介護業界の志望動機を書くには、自分の強みを明確にしておくことが大切です。介護職を希望する理由が曖昧では、採用担当者に就職意欲が伝わりづらくなるので注意してください。

強みを書く場合は、「コミュニケーションを図るのが得意です」「傾聴力に自信があります」といった、介護業務に活かせる内容を選ぶのがおすすめです。

2.介護職に就きたい理由を具体的なエピソードや根拠を述べる

「どうして介護職に就きたいと思ったのか」「なぜ施設を志望したのか」という採用側の問いに対して、具体的な根拠を伝えることも重要です。これまでに自分が経験した実際のエピソードなどを盛り込んで、話の説得力をアップさせましょう。

エピソードは、大げさな内容や人よりも優れた内容である必要はありません。たとえば、「身体の不自由な祖父の介助をしてもらったときに、祖父に寄り添い親身に対応してくれた介護士さんの優しさに心を打たれた」のように、実際に起こった出来事を伝えることが大切です。

自分が介護業界に心惹かれた事柄を志望理由の裏づけとして書けば、より説得力が増すでしょう。

3.施設の特色に沿った内容にする

志望動機の内容は、応募先施設の理念や業務方針、特徴に沿った中身にしましょう。要介護度が高く、寝たきりの利用者が多い施設では、日々の生活介助スキルなどが求められます。

一方、自立度が高い高齢者や利用者が集まるデイケアでは、リハビリスタッフとの連携などが必要になるでしょう。施設ごとの特色や働き方が分かったうえで介護職を志望していることが伝われば、志の高さを理解してもらえます。

4.施設を選んだ理由を伝える

先に述べたように、介護施設にはさまざまな特徴があります。そのようななか、「どうしてこの施設を就職先に選んだのか」は、採用担当者にとっては気になる部分の一つです。応募前に施設の特色を入念にリサーチして、「ここで働きたいと思った理由」をまとめておきましょう。

5.これまでの経験で活かせる部分をアピールする

介護業界が初めてでも、今までに自分が経験してきたことが介護士の仕事でどのように活かせるかを伝えると、採用担当者に好印象を与えられます。

学校生活や仕事、ボランティアなどで培った経験から、介護職として適していると感じる具体例があれば、積極的に記入しましょう。

福祉業界を目指す人が知っておくべき志望動機のポイントは、「福祉業界の志望動機の例文は?わかりやすく伝える構成や必要な準備を解説」の記事を参考にしてください。

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介護士の志望動機で避けるべき4つの内容

志望動機を書く際に避けるべき内容をご紹介します。下記をチェックして、採用担当者にマイナスの印象を与えないように意識しましょう。

1.誰にでも書けそうなありきたりな内容

志望動機は、自身の実体験を交え、あなただけのオリジナルの内容にするのが理想です。特に、多くの人が応募する企業の場合、ほかの応募者と似たような内容だと、採用担当者の目に留まりにくいでしょう。

信憑性が高く説得力のある志望動機にするためには、自己分析を入念し行うことが効果的です。自己分析を深掘りする方法「自分史」と「モチベーショングラフ」の作成の仕方については
自分史は就活の面接に役立つ!思い出せない時の書き出すやり方や見本も解説」と「自己分析に役立つモチベーショングラフとは?作成のコツや活用方法を解説」の記事を参考にしてみてください。

2.給与や待遇など業務内容に関係ない内容

志望動機の中で、福利厚生や給料について言及するのは避けるべきです。採用担当者に「福利厚生や給料が高ければどこでも良いのでは」という印象を与えてしまうからです。エントリーシートや履歴書に勤務条件についての希望を書く欄があった場合は、「貴社の規定に従う」旨を記載するのが良いでしょう。

3.ネガティブな内容

コミュニケーション力や体力に自信がないなど、介護職に必須である要素についてネガティブな発言をするのは控えましょう。採用担当者が内定をためらう恐れがある内容は、避けたほうが無難です。

また、短所を聞かれたときも、長所への言い換えをするなど工夫して伝えましょう。企業に伝わる志望動機の書き方のコツは、「自己PRと志望動機の違いは?作成のポイントや例文を紹介」も参考にしてください。

4.学びたい精神を前面に押し出した内容

介護職を目指す場合、学びたい精神を前面に押し出す志望動機は避けましょう。介護職は介護を必要とする人の命を預かっている職種なので、信頼できる人材を採用する傾向にあるからです。

たとえば、「経験は浅いですが、今後の自己成長のために学んでいきたいです」といった内容は、採用するにあたって頼りない印象をもたれやすいでしょう。

しかし、新卒の場合は、多くの就活生が介護職の経験がない状態です。未経験であることをカバーできるよう、自己分析で介護職と相性の良い長所を見つけ、志望動機でアピールすることが大切です。

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介護士の志望動機の例文をパターン別に3つ紹介

ここでは、介護職における志望動機の例文をきっかけのパターン別にご紹介します。下記の例文を参考にして、自分にしか書けない志望動機を作成しましょう。

例文1:家族の在宅介護を経験した

私が介護職を志望したのは、祖父の在宅介護を経験したのがきっかけです。

祖父が寝たきりになったとき、ケアマネジャーさんや訪問介護士さんが日常生活を支えてくださいました。その存在の有難みを実感し、今度は私が介護で人の助けになりたいと考えております。

貴施設が掲げる「ご利用者さまにとって居心地の良い家になる」という理念に共感を持ち、私もその一助を担えたらと志望いたしました。

持ち前の体力を活かして積極的に業務をこなし現場に貢献したいです。

例文2:人と接することが好き

昔から人と接するのが好きだったことが、介護職を志望したきっかけです。

アルバイトでは、3年間接客業に携わっていました。お客さまのニーズを満たすことにやりがいを見出すなかで、さらに人の役に立ちたいという思いが強くなり、介護職の仕事に興味が湧きました。

「利用者さまのQOLを幸福で満たす」という貴施設の理念は私の目指すところです。地域との交流イベントやレジャーが頻繁に開催されている点にも魅力を感じ、志望いたしました。

接客業での経験を活かし、利用者さまにとって気持ちの良い会話や環境の提供に尽力したいと考えております。

例文3:介護ボランティアを経験した

介護職を志望したきっかけは、大学3年生のときに参加したデイサービスのボランティアです。

デイサービスでお話の傾聴や介助の手伝いを通して高齢者や利用者の方々と密に接するうちに、人の力になれる介護職に就きたいと思うようになりました。

貴施設のデイサービスでは、レクリエーションやリハビリに多職種が関わり連携を図っているとお聞きしました。私もその一員として、より充実したサービス提供に携わりたく志望いたしました。

ボランティアを経験した後、介護職員初任者研修を取得しております。身につけた介護スキルを活かし、即戦力になれるよう努める所存です。

例文4:大学で福祉を学んでいる学生

私はもともと、子どものころから「誰かの力になる仕事がしたい」という思いを持っており、高校時代は、周りから「面倒見が良い」ことで有名でした。大学は、福祉学科のある大学を選びました。

高齢者の方と触れ合う時間を大切にし、常に利用者目線を忘れないという御社の理念に強く惹かれ、志望させていただきました。

介護サービス制度や介護法についてさらに学び、利用者から慕われる介護士として経験を積みたいと思っております。また、ゆくゆくはケアマネジャーの資格を取得し、キャリアアップして御社に貢献したいと考えております。

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介護士の志望動機を面接で伝える際のポイント

最後に、介護士の志望動機を面接で伝える際のポイントを紹介します。

履歴書と同じ内容を自分の言葉で伝える

介護士の面接で志望動機をアピールする際は、履歴書やエントリーシートと一貫した内容を自分の言葉で伝えましょう。履歴書と違う内容をアピールすると、説得力に欠けてしまいます。

たとえば、履歴書に「施設の雰囲気が良かったから」と記載してあるにも関わらず、面接で「通いやすくて長く続けられると思ったから」と伝えると、矛盾が生じます。

面接は、緊張して履歴書やエントリーシートに書いてある内容を忘れてしまうこともあるでしょう。模擬面接や動画撮影といった面接対策のほかに、コピーした応募書類を読み返すことも大切です。

履歴書やエントリーシートに記載した内容は、読み返しやすいようにコピーしたり、写真を撮ったりして控えを用意しましょう。

丁寧な対応や言葉遣いを意識する

介護士の採用面接では、安心して仕事を任せてもらえるよう、丁寧な対応や言葉づかいを意識しましょう。介護職は、高齢者や障がい者などの生活に支援が必要な人にサービスを提供する職種です。

また、態度や言葉遣いとともに、ハキハキと受け答えすることで、明るく前向きな印象を持ってもらいやすいです。うつむき加減でボソボソとした話し方をすると、「頼りなさそう」や「この人に本当に介護職を任せられるのか」といったネガティブな印象を与えてしまいがちです。

介護士の面接で志望動機を伝える際は、採用担当者や利用者に安心感を与えられる雰囲気を意識しましょう。

基本的な面接マナーを守る

面接では、基本的なマナーを守りましょう。受け答えの内容がどんなに良くても、身だしなみに清潔感がなかったり、面接時間に遅れるなど、社会人として基本的なマナーが身についていないと、マイナス評価につながりやすいです。

面接の練習は、当日と同じ流れで、身だしなみマナーを守った服装で行うのが望ましいです。したがって、入室時~退室時までの面接当日の流れを必ず確認しておきましょう。

身だしなみを含めた面接時のマナーについては、「面接の流れとマナーを解説!事前に対策をして面接官に好印象を与えよう」の記事を参考にしてください。

入室時のマナーについてさらに詳しく知りたい人は「面接対策は万全?就活に必要不可欠な準備とマナー」の記事を参考にしてください。

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介護士の志望動機を作成する際は、介護職に向いているスキルと自分の強みを照らし合わせ、その施設を選んだ理由を伝えましょう。これまでの経験で活かせる部分をアピールできると、説得力のある内容に仕上がります。

しかし、「上手に志望理由を伝えられるか不安」「魅力的な志望動機に仕上がっていないのではないか」と悩む就活生も多いようです。そのような方には、就活エージェントの「キャリアチケット」がおすすめです。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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