無い内定で卒業したあとの進路は?負のループに陥る原因と解決策を解説

このページのまとめ

  • 無い内定で卒業しても既卒として就活したり大学院へ進んだりと進路は複数ある
  • 無い内定のまま卒業したとしても3年以内であれば新卒扱いで就活できる
  • 無い内定の状態を抜け出すためには原因にあった解決策を見つけることが大切

無い内定で卒業したあとの進路は?負のループに陥る原因と解決策を解説のイメージ

無い内定のまま卒業を迎えてしまったらどうしようと不安を抱えている就活生もいるでしょう。この記事では、無い内定に陥る原因や対策と、卒業後の進路について解説します。

無い内定のまま卒業しても、就職できないわけではありません。無い内定に不安を抱えているときは、第三者に相談することも大切です。この記事を参考に、内定獲得を巻き返せるよう対策を進めていきましょう。

内定獲得のコツを相談する

   
目 次

無い内定とは?

「無い内定」とは就職活動中に、どの企業からも内定を得られていない状態のこと。
「無い内定」は、「内々定」にかけたネットスラングで、頭文字をとって「NNT」とも表現されます。

就活のスケジュールは年度によって変わるものの、夏ごろには内々定を獲得する就活生が増え、10月に内定式が行われるのが一般的。はじめは誰もが無い内定の状態から就活をスタートしますが、内定を獲得できないまま内定式の時期を迎える人も少なくありません。

卒業の時期になっても無い内定状態の場合は、既卒として就職活動を続けたり、就職留年をして再度新卒採用を目指したりすることになります。

では、なぜ無い内定になるのでしょうか。この記事では、無い内定になってしまう原因について触れ、内定を目指すまでの選択肢や対策について解説していきます。

内定に関しては、「就活における内定とは?獲得から入社までの流れや採用との違いを解説」の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてください。

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定で卒業したあとはどうなる?主な6つの進路

卒業後に無い内定であった場合、以下のような進路を選ぶことになります。一つずつ、メリット・デメリットも含めて見ていきましょう。

1.既卒として就活する

卒業後も引き続き、既卒として就活を続ける人もいるでしょう。国が定める「青少年雇用機会確保指針」によると、卒業後3年以内は、「新卒」として就活を継続できるとされています。そのため、志望する企業の募集がある限り、就職を諦めないことが大切です。

とはいえ、既卒期間が長くなればなるほど就職は難しくなります。できる限り時間をかけずに就活を進めていきましょう。

参照元
厚生労働省
「青少年雇用機会確保指針」が改正されました

2.フリーターや派遣社員になる

正社員として就職せずに、フリーターや派遣社員になるという道もあります。どちらも勤務時間や勤務日数など、自分の希望に叶いやすい働き方の実現が可能です。

しかし、雇用や安定した収入を期待する人には、不向きとなることも。働いている場所が好きな職種・職場であれば、正社員登用制度の有無や正社員の募集があるかを確認してみるのも1つの手段となります。

3.起業する

フリーランスとして自由な働き方を求める人が近年よく見られるようになりました。自分の得意分野やスキルを活かすこともできますし、成功すれば多くの収入を得ることもあるでしょう。しかし、自分で裁量を担う分、成果を挙げなければ利益が生まれず、収入がないという状況に陥ることもあります。

起業を選択肢に入れる場合は、大きな覚悟と準備が必要です。起業の道を選んだ人の中には、まず就職やアルバイトで働き、下積みを行う人も。社会のノウハウを勉強してから起業するケースも参考にしておくと良いでしょう。

4.大学院へ進む

大学院に進むことは、高い専門性を身につけられるという利点があります。理系であれば、企業側も大学院卒に期待する傾向があります。

しかし、進学は良いことばかりではなく、その分在学中には費用が掛かることも知っておきましょう。出願期間のチェックや研究室見学など、進学を決めてからはやることはたくさんあります。

大学院への進学は、「情熱を持って極めたい学びがある」という志望動機がないのであれば、やめておいたほうが良いでしょう。

5.留学する

無い内定で卒業したあとの選択肢の一つが、海外への留学です。語学力を高めるほか、異文化の中で生活しながら視野を広げ、専門分野をさらに深掘りできる可能性があります。留学で培った経験は、その後の就職活動でも大きなアピール材料になるでしょう。

英語力を身につけた状態でビジネスや国際関係を学び直すことで、外資系企業やグローバル展開を進める企業での活躍のチャンスが広がる可能性があります。

ただし、留学の種類によってはその後の就職活動に影響が出ることも。たとえば、海外の大学を卒業すれば「日本の新卒枠」での応募が可能となる一方で、語学学校のみを修了した場合は、既卒者として扱われることが一般的です。留学期間や学びの内容によって評価が異なるため、目的やキャリアプランを明確にしたうえで選択しましょう。

6.就職留年する

就職留年は、大学を留年してさらに1年間在学期間を延長することです。

就職留年すれば、改めて志望する企業の研究や自己分析などの時間を設けられるうえ、翌年も「新卒」として就活を行えます。また、落ちてしまった企業へ再チャレンジできるのもポイントの一つです。

無い内定のままだと、「就職浪人」になってしまいます。就職浪人は既卒扱いとなるため、面接時に「内定が取れなかった人」というマイナスのイメージを与えてしまう恐れも。狙っている企業がある人や大手を希望する人は、「就職留年」を選ぶのも一つの手段です。

就活に失敗してしまう原因やその後の行動について詳しく知りたい方は「就活に失敗したらどうなるの?考えられる原因と未来を解説」もあわせてご参照ください。

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定から就職留年を成功させるためのコツ

就職留年の間には、長期インターンシップに参加したり、留年の理由をポジティブに伝えたりといった対策をしましょう。選考のための入念な準備が、内々定から就職留年を成功に導くカギとなります。

長期インターンシップに参加する

長期インターンシップに参加するメリットは、就業経験ができることに加え、給料が支払われること。そのため、留年分の学費の足しにすることが可能です。また、複数の企業でインターンシップ経験を積めれば、その分、それぞれの企業の業務や社内の雰囲気を知ることができます。インターンシップ期間に自分が業務に貢献できていたことや反省点など、さらに詳しく自己分析を行えるメリットも。企業から評価を得る材料となるため、長期インターンシップの参加はおすすめです。

ただし、長期インターンシップ中に労働しながらも無給という場合は、ブラック企業の可能性があります。違法な長期インターンシップに関わらないためにも、事前にしっかりと情報を集めてから参加しましょう。

就職留年した理由をポジティブに伝える

面接で留年した理由を聞かれた場合は、ポジティブな理由を回答することが大切です。「希望する企業から内定が取れませんでした」「納得できる就活ができませんでした」と正直に伝えるだけでは、面接官に「評価してもらえなかったんだな」というマイナスの印象を与えてしまいます。

「今までの就活において自分自身が納得できる業種や企業に出会えず、1年間の留年期間を設け、再チャレンジすることに決めました」「留年期間中に内定のない自分の反省点や課題を探り、インターンシップで経験を積むことで、働くイメージを明確にしていきました」など、留年期間の過ごし方や前向きな動機を得られたことを伝えるのが大切です。「就活成功のために取り組んだこと」「乗り越えた課題」を用意し、「しっかりと考えがあり、努力のできる人」という前向きな印象を与えましょう。

就職留年で得た1年間を無駄にすることはできません。自分自身を深堀りして、1日も早く就活をスタートさせることも大切です。

留年したあとの就活事情について知りたい方は「就活は留年すると厳しい?成功させるためのコツや内定後の対応も解説」もあわせてチェックしてみてください。

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定に陥る8つの原因と対策ポイント

現状で無い内定となってしまったのはどうしてでしょうか?それには、以下のような8つの原因があるようです。自身に当てはまらないかを確認し、対策ポイントとともに見ていきましょう。

1.就活の目的を考えていない

「とりあえず就活を始めてみた」「みんなが動き出しているから自分もやらなきゃ」という感覚だけで、明確な目的を考えずに就活を進めてしまうのは、無い内定の原因になります。

自分自身でも「なぜこの会社を志望しているのか」が曖昧なままでは、エントリーの段階から熱意や主体性が伝わらず、選考でつまずいてしまうことが多くなるでしょう。

特に、就活そのものが目的になってしまっている場合は要注意。本来のゴールは入社後にどのような働き方をして、自分がどのように成長していきたいかという未来のビジョンです。入社後のビジョンが描けていないと、仮に内定を得られてもミスマッチによって早期離職につながるおそれもあります。

【対策ポイント】

まずは、「なぜ自分は働きたいのか」「働くことで何を実現したいのか」をじっくり考えてみましょう。たとえば、「人の役に立ちたい」「新しい価値を生み出す仕事がしたい」などの抽象的な動機でも問題ありません。そこから自分の経験や価値観を照らし合わせ、どのような職場環境や職種が自分に合っているか掘り下げていくことが大切です。

就活は他人と比べるものではなく、自分自身と向き合わなければなりません。「内定」という結果を焦る前に、まずは「自分が納得できる働き方」について考ることが先決です。その軸を持って企業選びや面接に臨むことで、結果にもつながりやすくなるでしょう。

就活とは?いつから何をすればよい?基本の流れと8つのやるべきことを解説」の記事で、就活のやり方を解説しています。参考にし、自分の希望を洗い出していきましょう。

2.自己分析が足りない

面接では「あなたの強みは何ですか?」「これまでに力を入れた経験は?」といったことを高確率で聞かれます。自己分析が不十分なまま臨むと、言葉に詰まったり、具体性のない回答になったりしがちです。そのような場合、採用担当者に「この人は自分を理解できていない=入社後も活躍が難しそう」という印象を与えてしまいます。

また、自分の価値観や強み、将来像などがあやふやなままだと、企業選びの軸も定まりません。そのような状態では選考で説得力のある志望動機を伝えられず、熱意のない印象を与えてしまうでしょう。「なぜその企業なのか」が伝えられなければ選考で評価されず、無い内定につながる原因となってしまいます。

【対策ポイント】

面接でよくある質問をあらかじめ想定して、的確な回答を事前に準備しておくのがおすすめです。しっかりと自己分析し、今まで頑張ったことや乗り越えたことをまとめておきましょう。その取り組みにより、自分のどんな点が強みとなって、就職したときにどう活かせる人となったかといった効果的なアピールを準備しておくことが大切です。

3.企業研究が足りない

面接官は、どれだけ企業に関心を持っているか、就業意欲があるかなどを判断します。エントリーシートや面接で「なぜこの企業を志望したのか」「他社ではなく当社を選んだ理由は何か」と問われた際、表面的な情報しか語れないと、志望度が低いと判断されてしまうでしょう。

企業への関心や理解が不十分な状態では、面接官に「本当にうちで働きたいのか?」という疑問を抱かせ、結果的に選考を通過しにくくなります。さらに、企業の理念や業務内容を把握していないまま選考に進むと、的外れな志望動機を述べてしまったり、自分のやりたいことと企業の方向性が噛み合わなかったりすることも少なくありません。

【対策ポイント】

まずは、企業の公式サイトをしっかりと読み込み、事業内容や沿革、企業理念などを理解することが大切です。説明会やインターンで得られる情報も積極的に活用しましょう。特に、実際に働いている社員の声や具体的な業務内容に目を向けることで、自分との接点が見つかりやすくなります。

分からないことがあったときは、OB訪問や説明会などの場で質問しておくと、さらに理解を深められるでしょう。企業側から「なぜ他社ではなくこの会社を選んだのか」「理念やサービスについてどう思うか」「入社したら何をしたいか」など、企業や仕事内容に対する質問をされることがあるので、企業研究は重要です。企業研究をしっかり行うことで、会社を深く知れるとともに自身が働くイメージを明確にできます。

4.応募企業を絞り過ぎている

狭き門とされる大手企業ばかりを狙ったことが、無い内定の原因となった人もいるでしょう。大手企業は給与面や福利厚生面など、魅力的な部分が多いですが、その反面志望する就活生も多く高倍率となります。優秀な学生でも難関とされるため、大手企業だけにエントリーすることはハイリスクであると心得ましょう。

【対策ポイント】

内定獲得の可能性を高めるためには、企業の知名度や規模にとらわれず、広い視野を持つことが大切です。中小企業やベンチャー企業の中には、専門性が高く成長性に優れた企業が数多く存在しています。こうした企業は、若手に責任ある仕事を任せる文化が根付いているところも多く、実力次第で早期にキャリアアップを目指すことも可能です。

また、求人情報をチェックする際は、待遇や勤務地など表面的な条件だけでなく、企業の理念や業務内容、自分の価値観との相性にも注目してみましょう。少しでも興味を持てる企業には積極的に応募し、選考の中で理解を深める姿勢も重要です。

最初から選択肢を限定するのではなく、さまざまな企業と出会いながら、自分に合った場所を見つけていく柔軟さを持つことで、就職活動の成果にもつながります。

5.応募書類が印象に残りにくい

企業にエントリーしたあと、最初の関門となるのが書類選考です。履歴書やエントリーシートに記載されている内容が曖昧だったり、他の応募者と似たような表現ばかりだったりすると、採用担当者の目に留まらず、選考を通過しにくくなるでしょう。企業側は、膨大な数の応募書類に目を通しているため、個性が伝わりづらい内容や、伝え方に工夫がない書類は埋もれてしまいがちです。

また、志望動機や自己PRがどの会社にも言えるような内容であったり、誤字脱字が多かったりすると、「この人は本気でうちの会社に入りたいのか?」と疑問を持たれてしまうでしょう。書類選考に何度も落ちてしまう人は、自分の応募書類が「読み手にどのように映っているか」を見直す必要があります。

【対策ポイント】

まずは、書類の基本を見直しましょう。「応募先企業ごとに内容をしっかり書き分けているか」「誤字脱字がないか」「話の構成が分かりやすいか」など、基本的なチェックポイントを一つひとつ丁寧に確認することが大切です。

また、客観的な視点からのアドバイスをもらうこともおすすめ。大学のキャリアセンターを活用したり、社会人の先輩や家族に添削してもらったりすることで、自分では気づけなかった改善点が見つかることもあります。内容に説得力を持たせるためには、自分の経験や実績を具体的に書き、企業とのマッチ度が伝わるように工夫しましょう。

6.Webテストの対策がおろそかになっている

「なかなか一次選考を突破できない」「書類や面接の手応えはあったのに落ちた」という場合、Webテストの出来が原因の可能性も。特に人気企業や大手企業では、Webテストで大半の応募者をふるいにかけているため、ここで対策を怠ると面接まで進めなくなります。

就職活動において、Webテストは多くの企業が導入している選考ステップの一つです。しかし、書類作成や面接対策に比べて後回しにされがちで、十分な準備をしないまま受験してしまう人も少なくありません。Webテストは企業によって内容が異なり、受験者の基礎学力や論理的思考力を測る重要な判断材料となっています。

【対策ポイント】

まずは、自分が受ける企業がどの種類のWebテストを採用しているのかを調べておきましょう。たとえば、「SPI」や「玉手箱」など、企業によって出題形式や内容に違いがあります。それぞれに合った対策をしなければ、思わぬ失点につながってしまう恐れがあるでしょう。

対策としては、市販の問題集を活用するのが効果的です。問題のパターンに慣れることで解答スピードが上がり、本番でも落ち着いて取り組めるようになります。また、模擬試験が付属している参考書を使えば、実際の試験形式に近い形で練習できるため、本番に強くなるでしょう。

7.面接時のマナーや態度が悪い

たとえ面接で完璧な回答を用意しても、態度やマナーが悪い場合には不採用になることも。面接官は、応募者の人柄や社会性を見るため、言葉だけでなく全体の印象を細かくチェックしています。たとえば、服装や身だしなみなど。姿勢が悪かったり、服装が崩れていると、「だらしない」というイメージになり、評価は下がってしまうので注意が必要です。

【対策ポイント】

まずは基本的な面接マナーを再確認するところから始めましょう。入室時のノックの回数や正しいお辞儀の仕方、着席のタイミングなど、細かいルールも含めて身につけておくことが大切です。

そのうえで、話し方や表情も意識してみましょう。緊張すると無表情になったり、早口になってしまいがちです。明るい声でハキハキと話すことで、好印象を与えられます。家族や友人に模擬面接をお願いしたり、実際の受け答えを動画に撮ってチェックしたりすると、自分のクセや改善点に気づきやすくなるでしょう。

自分では完璧だと思っていても、客観的に見るとマナーが崩れていることは少なくありません。就職活動中は、自分自身の振る舞いを定期的に見直し、改善していくことが重要です。面接はただ質問に答えるだけでなく、「社会人としてふさわしいか」を判断される場所でもあるという意識を持ちましょう。

8.グループワーク・ディスカッションに慣れていない

グループワークやディスカッションに慣れていないまま本番に臨んでしまうと、自分の意見がうまく伝えられなかったり、チーム内での立ち位置を見失ったりすることがあります。特に、初対面の学生たちと限られた時間の中で成果を出す場面では、柔軟性と協調性が強く問われるでしょう。

グループでの議論では、発言内容の正確さや鋭さだけでなく、「話を聞く姿勢」や「議論の流れを整理する力」なども重視されます。ただ積極的に話すだけでなく、相手の意見を尊重しながら建設的な議論をリードできるかが重要です。

【対策ポイント】

グループディスカッションで力を発揮するためには、まずは実践形式の練習を重ねることが効果的です。大学の就職支援センターや民間の就活セミナーなどで模擬ディスカッションに参加し、進行役やまとめ役、発言補助など複数の役割を経験してみてください。それぞれの役割ごとに求められるスキルが異なるため、さまざまな立場を体験することで、自分に合ったスタイルも見えてくるでしょう。

議論を進める際は、「誰が・何を・どこで・いつ・なぜ・どうやって」の5W1Hに沿って話の軸を整理すると、話し合いがブレにくくなります。また、全体の意見をまとめる際には安易に多数決に頼らず、それぞれの意見の根拠をすり合わせて納得のいく結論を導く姿勢も評価されやすいポイントです。

グループワークでは結論そのもの以上に、「どう関わったか」「どのような役割を果たしたか」というプロセスが重視されます。経験を積むことで緊張も和らぎ、自信を持って臨めるようになりますので、早い段階から場慣れをしておくことが大切です。

就活で全滅する原因とは?やるべき対策とその後の選択肢を解説」の記事でも、就活でなかなか受からない原因と対策について紹介しているため、あわせてご覧ください。

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定に陥りやすい要注意な行動

就職活動が思うように進まないと、不安や焦りから行動が空回りしてしまうことがあります。内定を得られていない状況が長引くと、冷静な判断ができなくなり、逆効果となるような選択をしてしまいがちです。ここでは、内定が出にくくなる行動パターンとその回避法について紹介します。

手あたり次第応募する

「とにかく数をこなせば、どこか受かるはず」と手当たり次第に応募するのは、内定を遠ざける原因になりかねません。エントリー先が多過ぎると、1社ごとの企業研究や志望動機の深掘りに時間をかけることが難しくなり、結果的に中途半端な準備で選考に臨むことになります。

そのような状態では、面接で説得力のある受け答えができず、企業側から「本当に志望しているのか?」と疑問を持たれてしまうでしょう。また、やみくもに応募した結果、志望度の高い企業の選考時期と重なり、チャンスを逃してしまう可能性もあります。

応募の前には「自分がどんな環境で働きたいのか」「どのような業務にやりがいを感じるのか」といった軸を再確認し、そのうえで企業を選んでいくことが大切です。応募数よりも、1社1社と真剣に向き合う姿勢が結果に繋がります。

1人で悩んで解決策が見つからない

「誰にも相談できない」「どうすれば良いかわからない」と1人だけで抱え込んでしまうと、解決策を見つけにくくなるでしょう。周囲の友人が次々と内定を獲得していく姿を見ると、自分の状況が余計に悪く思えてしまい、気持ちが塞ぎ込みがちです。

しかし、就活は一人で戦う必要はありません。自分の視点だけだと選択肢が狭まり、状況を打開できなくなることがあります。身近な人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理され、新しい発見につながることがあるでしょう。

家族や友人、大学のキャリアセンターなど、客観的な視点を持った人の意見を取り入れることで、自分自身の強みや課題に気付きやすくなります。

行動を起こさなくなる

内定がとれないことが続くと、就活そのものに対する意欲を失ってしまい、行動を起こさなくなってしまうこともあるでしょう。しかし、動かない限り状況は何も変わりません。行動しないままでいると時間だけが過ぎ、ますます不利な立場に追い込まれてしまう可能性もあります。

まずは小さなことでも良いので、再び動き出すことが大切です。たとえば、自己分析の見直しや、過去の選考の振り返り、模擬面接の練習など、できることから手をつけていきましょう。

また、内定がないからといって、自分の価値が否定されているわけではありません。企業との相性やタイミングの問題も関係しています。選考はあくまで「対話の場」なので、過度に萎縮せず、自信を持って臨みましょう。

気持ちを立て直すうえでも、「内定がないのは、自分に合う企業をじっくり探している証拠」と前向きに捉え、粘り強く行動を続けることが最終的な成功へと繋がっていきます。

無い内定で悩んでいる方は、「就活悩みあるある12選|よくある悩み・失敗談から学ぶ対処法もご紹介!」の記事もあわせて参考にしてください。今抱えている悩みの解決策が見つかるかもしれません。

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定を卒業するためのキャリアアドバイザーのアドバイス

内定がゼロになってしまう理由としては、以下が考えられます。

1.動き出しの時期要因:一人で就活していると陥りやすいです。ほかの就活生の動きについていけてないケースがあります。

「4年生になってから始めればいいや」では遅いです。(毎年、4年生の6.7月ごろに「そろそろ始めたほうが良いかなと思って…」と相談しに来る人がいます。)コンサルやITなど、選考時期が早い業界(3年の冬には選考ピーク)を志望しているのに、3年生の夏に動き出せていないケースもあります。いずれも、選考時期に間に合ったとしても準備不足で落ちてしまうでしょう。

2.こだわり要因:特定の職種にこだわって就活をしていたり、条件へのこだわりが厳しかったりするなどです。

業界の例)コンサルなどでは、分析的に物事を考えたり、具体と抽象を往復したりする練習ができていない人は、内定をもらうのが難しい。

職種の例)デザイナー:そもそも新卒の募集が少ない。あったとしても、正社員ではない場合が多い。

条件の例)20代で年収1000万、年間125日以上休み、残業10時間以下、勤務地は23区が良い、営業はしたくない→ここまで条件がそろう会社はない

3.ミスマッチ要因
イメージ先行型:「食べるのが好きで、企画とかおもしろそうだから食品。でも営業は絶対にやりたくないです」のようなタイプ

自己分析不足型:「人と話すのが苦手。ノルマとかはプレッシャーです。でも文系なので営業志望」のようなタイプ

これらの要因に対して取り組める対策をご紹介します。参考にしてみてください。

・同年代や1つ上の代の就活のスケジュールにキャッチアップして情報収集をする
・強く志望する業界があれば、3年生の夏時点でその業界がどのようなスケジュールで採用を行っているのか知って準備する
・初めから視野を狭めず、幅広い業界や職種の働き方を知り、そこから自分にマッチした企業を探す
・自己分析を通じて「自分の得意なこと」「自分の苦手なこと(やりたくないこと)」を明確にする
・企業研究は「その会社が何をしているのか」だけではなく、「配属される職種」や「その職種は何をする仕事か」にも目を向ける

内定獲得のコツを相談する

   

無い内定のループを脱するには?

「無い内定」の状態が長く続くと、精神的に追い詰められ、余計にうまくいかないという負のループに陥ってしまうことがあります。そのようなときには無理をせず、気分転換をして心身を休めることも大切です。

改めて就活を頑張るためにも、以下を実践してみることをおすすめします。

リフレッシュして気持ちを切り替える

休息する間に、スーツ一式をクリーニングに出すのも良いでしょう。スーツや身だしなみを整えれば、リフレッシュした気持ちになることも。また、好きな音楽や映画などを楽しんだり、自然に触れたりと、プライベートな時間にしっかり癒されてから、改めて就活に挑むのもおすすめです。

内定した就活生にアドバイスをもらう

内定を獲得した就活生にアドバイスを求めることは、無い内定のループから抜け出すための有効な手段です。就職に成功した経験のある人から教えてもらえる戦略は、価値のある情報となります。

内定をもらった人は、企業の求める人材像にうまくアプローチできたということです。どんなポイントを押さえて選考に臨んだのかを知ることで、改善のヒントが得られるでしょう。

就活エージェントを利用する

無い内定という状況が不安で、精神的に追い詰められてうまくいかないときは、就活エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

就活エージェントは、一人ひとりに担当のアドバイザーが付きます。企業の選定からES・面接対策、内定獲得まで、幅広く相談に対応。トータルサポートをしてくれるほか、客観的なアドバイスが受けられるので、効率良く無い内定を脱することができるでしょう。サービスは無料で受けられることが多いので、気軽に活用することが可能です。

無い内定から脱するためには気持ちを切り替えて、再び大きな一歩を踏み出すことが大切です。うつむかずに前を向いて進んでいきましょう。

就活には悩みがつきものです。就活の悩みの種類別の解消法について知りたい方は「就活がうまくいかないときはどうすればいい?就活中の悩みを乗り越える秘訣まとめ!」も参考にしてください。

内定獲得のコツを相談する

   

本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

キャリアチケットについて

キャリアチケットは、就活生の最高のキャリアスタートを支援するサービスです。