会社選びのポイントは?後悔しない企業の見つけ方と面接の例文紹介

このページのまとめ

  • 会社選びのポイントは、企業が入社意欲やマッチ度を測る指標としている
  • 会社選びのポイントを明確にすると、就活の効率化や入社後のミスマッチ防止につながる
  • 自己分析で価値観や経験を言語化すると、会社選びのポイントが見つかる

会社選びのポイントは?後悔しない企業の見つけ方と面接の例文紹介のイメージ

「会社選びのポイントは何を基準にすればよいのか」「面接で聞かれたらどう答えるべきか」と悩んでいる就活生も多いでしょう。就活をスムーズに進めるためには、明確な自分軸の確立が重要です。

この記事では、会社選びのポイントを見つける6つのステップや面接での答え方、具体的な例文を解説します。さらに、陥りがちな注意点やNG例、迷った時の対処法も紹介するので、自信を持って就活に臨むための参考にしてください。

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目 次

会社選びのポイントを明確にする5つのメリット

会社選びのポイントを明確にすると、就活が効率よく進んだり志望動機が明確になり効果的なアピールができたりするメリットがあります。就活が思うように進んでいない人は、ぜひ参考にしてみてください。

1.効率良く就活が進められる

会社選びのポイントが明確になれば、就職活動や選考が効率良く進められます。就職活動では、自分の興味関心や将来のキャリアビジョンなどをもとに、数多くの企業から自身に合う1社を見つけ出さなければいけません。

大学受験の際も、まず自分は何に興味があるのか、何をやりたいのか考え、学部・学科を選ぶところからスタートした方が多いはずです。つまり、条件を設定すれば選択肢は自然と絞り込まれるため、会社選びのポイントが決まると就職活動をスムーズに進められるのです。

2.希望する企業が見えてくる

会社選びのポイントを明確にすると、自分のキャリア目標や価値観に基づいて最適な企業を見つけられるようになります。

・会社選びの優先順位
・重要視したいポイント
・妥協できるポイント

会社選びのポイントを整理すると、仕事に対する価値観や将来のビジョンがよりクリアになり、希望する企業像がはっきりと見えてくるでしょう。

3.志望動機が明確になる

会社選びのポイントを明確にすると、志望動機が明確になります。「なんとなく良さそう」「名前を聞いたことがある」といったあいまいな判断基準では志望動機として根拠がなく、企業に好印象を持ってもらえません。

自分の判断基準で企業を選別できないと、志望動機に熱意を込めるのは難しく、応募書類の作成や面接時も説得力が欠けてしまうでしょう。

会社選びのポイントに沿ってエントリーすれば、明確な志望動機を書けるようになります。
企業の採用担当者は、競合他社ではなく自社を志望する理由を知りたいと思っています。会社選びのポイントをはっきりさせれば、その企業を志望する理由に一貫性が生まれ、担当者に好印象を与えられるでしょう

志望動機を書く具体的な方法を知りたい方は、「入社したい理由を明確に!評価される志望動機の作り方」をご覧ください。

4.面接で聞かれた際に答えられる

面接では「弊社を選んだ理由は何ですか?」という質問が、1次面接の序盤で聞かれる傾向です。面接で会社選びのポイントを質問する理由は以下の3つが考えられます。

・入社意欲があるか確認したいから
・自社にマッチする人材か確認したいから
・長期間にわたって活躍してくれるか確認したいから

会社選びのポイントは、言い換えると就職活動における軸です。応募書類や面接の回答に一貫性を持たせるためにも、会社選びのポイントは明確にしておきましょう。

5.早期退職を防げる

会社選びのポイントが明確になっていると就職先とのミスマッチを防げるため、早期退職を防げるメリットもあります。

ついやりがちなのが「なんとなく良さそう」という気持ちでエントリーすること。仮に内定を獲得して働き始めたとしても、「何か違う」などの理由で早期退職してしまう人が多い傾向にあります。

会社選びのポイントを明確にすると、自分なりの優先順位がはっきりするため、入社後の理想と現実のギャップを防げるでしょう。

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会社選びのポイントになる主な10項目

会社選びのポイントはさまざま項目に分類でき、どれも企業の一員として働くためには把握しておくとよい内容です。ここでは、会社選びのポイントになる主な項目を10個解説します。

1.事業内容

会社選びのポイントで要となるのが事業内容です。企業が社会に対してどのような価値を提供し、どのような市場(業界)で活動しているのか知り、自分の興味や関心が重なるかを判断する必要があります。

事業内容を調べるポイントは、以下のとおりです。

・どのような製品やサービスを提供しているのか
・主な顧客は誰か
・業界内での立ち位置や競合との違いはあるか
・今後の事業の方向性はどうなのか

企業のWebサイトやIR情報だけでなく、ニュース記事なども参考にして、自分の価値に合う事業内容を提示している会社を選びましょう。

2.仕事内容

仕事内容がマッチするかどうかは、入社後のやりがいに直結するポイントです。仕事内容でチェックしたい項目には、以下のようなものがあります。

・自分の長所や経験、スキルを活かせる仕事か
・働き方はチームワークか個人プレーか
・業務内容は幅広いか
・自分のやりたいことが実現できるか
・仕事の成果がすぐに分かる仕組みがあるか
・成功と失敗を目に見える形で判断する仕組みはあるか
・会社のビジョンを実現するためのシステムはあるか
・実績次第で責任ある仕事を任されるか

一般的に、どのような企業でも入社後すぐに希望通りの仕事ができるとは限りません。社会で活躍するための知識やスキルを習得する意味でも、教育・研修制度が整っているかを確認することが重要です。

3.社風

社風とは、従業員が感じる企業の雰囲気や文化、価値観のことです。自身の価値観と社風が合えば働きやすいと感じやすく、成果を出せる確率も高まるでしょう。
社風を調べる際のポイントは以下のとおりです。

・企業理念に共感できるか
・社員の年齢層や雰囲気はどうか
・企業風土が自分の性格に合うか
・企業説明会や面接の雰囲気に違和感がないか
・OB、OG訪問をして話が合うか

社風が合う企業を選べば、入社後も安心感を持って仕事に取り組めるでしょう。

4.成長性

向上心の強い人や、やりがいを持って働きたい場合は、企業の成長性に注目してみてください。企業が成長すれば新しい事業やプロジェクトが生まれ、仕事の規模も大きくなる可能性があります。

規模が大きくなればポストも豊富になるため、若いうちから責任ある仕事や役割が増える機会も期待できるでしょう。成長性のある企業を調べるための項目は、以下のとおりです。

・業界全体の動向はどうか
・企業独自の強みや革新的な技術を持っているか
・新規事業の立ち上げや展開に前向きかどうか
・社員の成長を応援する環境か

ただし、過去や現在のデータだけで将来の成長性を完全には予測できません。日本企業に期待される役割をグローバルな視点で考え、成長性があると判断できる企業を選びましょう。

5.安定性

長期的なキャリアを考えて働くためには、安定性があり、将来の展望が望める企業を選ぶことが大切です。安定性は、大きな企業規模だけを意味するわけではありません。
安定性のある企業を確認するためのポイントは、以下のとおりです。

・創業年数が長く財務基盤がしっかりしているか
・業界や企業が発展途上にあり、業績が伸びているか
・革新的な技術があり、業界をリードしているか
・ロボット化、AI化できない業務で安定した需要が望める

社会情勢やビジネス動向の変化が激しい現代において、現在の状況から未来の安定性の保証を確実に予想できるわけではありません。安定性を重視しつつ、「自分が事業を発展させる」という意気込みを持ちましょう。

6.社会貢献度

社会貢献度の高い仕事や公共性の高い業務は、やる気や誇り、責任を持って働ける傾向にあります。自分のしている仕事が、誰かの役に立つと分かると、仕事への幸福度も高まりモチベーションも上がるでしょう。

企業がどのように社会に貢献しているかは、一社ごとに異なります。

・環境問題への取り組みをする企業
・途上国の発展に貢献する企業
・社会のインフラを支える企業
・地域社会に貢献する企業

社会貢献度の高い仕事は、会社組織に限らず、NPO法人などで活動しても実現できるでしょう。企業のWebサイトにあるCSR(企業の社会的責任)報告書やサステナビリティに関する情報などを確認するのもおすすめです

7.福利厚生・待遇

給与や賞与、各種手当といった福利厚生や待遇は、働くうえで重要なポイントとなります。福利厚生・待遇を調べる際のポイントは、以下のとおりです。

・ほかの企業と比べて給与水準はどうか
・どのような手当が支給されているか
・年間休日数は多いか/有給休暇が取得しやすいか
・退職金制度や確定拠出年金制度はあるか

「ライフワークバランス」「働き方改革」など、近年では社員のプライベートを尊重し、独自の休暇制度や休暇制度などを設ける企業も増えています。

安定して長く働くには待遇面のチェックも重要です。ただし、「希望通りの待遇でないからダメ」のように厳しく考えず、あくまでも自分がやりたいことを優先させましょう。

8.働き方・働く環境

働き方や働く環境は、仕事のパフォーマンスや心と体の健康に大きく関わってきます。
働き方・働く環境を調べる際は、以下の項目をチェックしてみましょう。

・フレックスタイム制度や裁量労働制の導入状況はどうか
・リモートワークは可能か
・チームワークを重視するか、個人の裁量が大きいか
・残業時間や休日出勤が多いか

近年は、多様な働き方を支援する企業が増えています。企業説明会やインターンシップなどを通じて実際の働く環境や社員の雰囲気を肌で感じられると、ミスマッチの予防につながるでしょう。

9.研修制度

研修制度が充実しているかどうかで、入社後の成長やスキルアップへの期待度が大きく変わります。特に、新入社員にあたる就活生にとっては、研修が今後の社会人としての基盤になるため重要です。

また、充実した研修制度を考えている企業は、長期的に社員の成長を支援しているといえます。企業の研修制度で把握しておきたいポイントは、以下のとおりです。

・新入社員研修の内容や期間はどうか
・配属後のOJT(On-the-Job Training)はどのように行われるか
・専門知識やスキルを習得する研修プログラム(Off-JT)はあるか
・資格取得支援制度があるか
・先輩社員からのサポート体制が整っているか

研修制度が整っている企業であれば、未経験の分野でも安心して挑戦できるほか、着実にキャリアを築ける可能性が高いでしょう。

10.評価制度

評価制度は、自分の仕事内容が企業の基準で評価され、給与や昇進・昇格に反映される制度です。
企業の評価制度は、主に「実力主義」と「年功序列」に大別されます。それぞれメリットとデメリットがあるので、自分の価値観がどちらにあっているのかを見極めましょう。

実力主義

実力主義とは、年齢や勤続年数にかかわらず、個人の能力や成果を重視する制度です。若手でも成果次第で昇進や報酬アップのチャンスがありますが、成果が出なければ評価されにくい側面もあります。

年功序列

年功序列とは、勤続年数や年齢に応じて評価される制度です。安定した昇給や昇進が見込める反面、成果がすぐに反映されにくい傾向があります。

企業の選び方に悩んでいる方は、「失敗しない企業の選び方10選!あなたに合う企業選びのポイントを解説」も参考にしてください。

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会社選びのポイントを決める6つの方法

ここでは、会社選びのポイントを決める際に役立つ考え方や進め方を6つ紹介します。ひとつずつ進めることで、自分に合う会社を見つけるヒントになるでしょう。

1.自己分析で自分の軸を明確にする

会社選びのポイントを決める際に必ず行いたいのが自己分析です。自己分析を通じて、自分の思考の癖や大切にしたい価値観など、就職活動を進める際のぶれない軸を明確にしましょう。

何ができるか?スキル・強み・経験を考える

自己分析は、自分のできることを客観的に洗い出すことから始めましょう。ほかの人よりも得意だったり、豊富な経験を積んできたりしている分野などにあたります。「何ができるか」を明確にすると、企業に対してアピールする際の根拠になるでしょう。また、自分はどの分野で貢献できるのかを考えるうえでの基盤にもなります。

自分が現在持っているスキル・強み・経験のカードが明確になれば、強みを活かせる企業を選ぶのが得策になるケースも少なくありません。過去の成功体験や、人から褒められたことなどを具体的なエピソードとともに書き出し、自分の武器となる強みをリストアップしてみてください。

何をしたいか?興味・関心・目標を考える

自分がやりたいことを起点に企業を探すアプローチです。これは、将来の目標から逆算して現在の行動を決める考え方に似ています。仕事を通じて純粋に興味を持てることや、将来達成したい目標、理想の自分像などを具体化してみましょう。

・どのような人になりたいのか
・どのような仕事をしたいのか
・どのような働き方が自分にとって理想的なのか
・何年後にどのような役割を担っていたいか

「何ができるか」が現在から未来を考えるアプローチだとすれば、「何をしたいか」は未来から現在を考えるアプローチだといえます。自分が本当にやりたいことをベースにして就職先を選べると、入社後も意欲的に理想を追求し続けられるでしょう。

特に、向上心が強い人や、目標を掲げてそれをクリアする喜びを感じるタイプの人は、自分がやりたいことを起点に会社選びのポイントを探してみてください。

何が譲れないか?価値観・条件を考える

自己分析をするうえでは、「これだけはどうしても譲れない」という価値観や条件の明確化も大切です。これは、自分らしく長期的に働き続けるための重要な基盤となります。

・ライフステージが変わっても、柔軟な働き方で仕事を続けたい
・愛着のある地元を離れずに働きたい
・幅広い業務をこなすゼネラリストよりも、分野を極めるスペシャリストになりたい

働くうえで譲れない条件が明確になれば、それが会社選びのポイントとなります。ただし、譲れない条件が、「絶対に定時で帰れる」といった待遇や勤務条件に関するものだけに偏らないように気をつけましょう。

労働条件も大切ですが、それ以上に「なぜその条件が重要なのか」という根底にある価値観を探るのが自己分析の本質です。

自己分析の方法を詳しく知りたい方は、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」を参考にしてください。

2.業界研究・企業研究で視野を広げて選択肢を絞る

会社選びのポイントを明確にするには、業界研究と企業研究も欠かせません。業界研究は世の中にある多様な業界を幅広くリサーチして、自身の可能性や視野を広げるために行うものです。

学生の間は主にアルバイトでしか働く経験をしていないため、業界に対する知識は限定的にならざるを得ません。実際、自分のやりたいことが、今まで興味のなかった業界で実現できる場合もあります。

業界を幅広くリサーチしたうえで絞り込み、自己分析で分かった自身の特性や強みをもとに企業研究を進めましょう。なお、企業研究をする際は、各企業で比較したいチェック項目を用意するのがおすすめです。「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事もご覧ください。

3.インターンシップでリアルな仕事・社風を体感する

インターンシップを通じた実務経験によって、仕事における価値観を言語化できる場合もあります。

インターンシップは志望業界や企業が決まっていなくても参加できるため、積極的に参加しましょう。インターンシップは、実際に働いてみて企業の雰囲気や仕事内容、働く人々との相性を肌で感じ取れる貴重な機会です。

相性が良ければ同じ業界を中心に企業研究や選考を進め、悪ければほかの業界を視野に入れられます。実体験に基づいて会社選びのポイントを見直せば、より納得感のある基準になるでしょう。

4.OB・OG訪問で現場の生の声を聞く

OB・OG訪問では、先輩に話を聞き、企業について理解を深めるのも効果的です。

・実際に働いた感想/理想と現実にどのような違いがあるか
・具体的な仕事内容
・やりがいを感じる瞬間/今後のキャリア展望
・先輩の会社選びのポイント
・就活の進め方で後悔していること

実際に働く先輩から聞ける話は、企業のWebサイトや説明会だけで得られる内容ではありません。リアルな声を聞きながら具体的な働き方をイメージできるため、会社選びのポイントを決める際の参考になるでしょう。

また、自身の考える会社選びのポイントをOB・OGに話してみると、新たな気づきを得られる可能性もあります。

5.職種研究で適性や将来のキャリアパスを考える

会社選びのポイントは、業界研究や企業研究だけでなく、職種研究を通じた自分の適性を探す努力も必要です。

世の中にはさまざまな職種があり、思いも寄らないところに自身の適性や興味関心があるかもしれません。自分の適性に合った職種に就くと、日々仕事のやりがいを感じられるほか、自己成長やキャリアの発展にもつながる可能性が高まります。

6.会社説明会で企業からの情報を得る

会社説明会は、採用担当者や現場の社員から、仕事内容に関する詳しい説明を聞ける場です。企業のWebサイトだけでは掴みきれない雰囲気や特徴を知れるだけではなく、質疑応答でより踏み込んだ情報を収集できます。

また、企業に関する詳細な情報を得られるだけでなく、事前に抱いていた印象を確かめる良い機会にもなるため、複数企業の説明会に参加し、それぞれで得た情報を比較・検討します。得た情報を整理し、各社の違いを明確にしながら、会社選びのポイントを明確にしましょう。

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会社選びで陥りがちな3つの落とし穴

会社選びで陥りがちな3つの落とし穴を解説します。会社選びの際にやりがちな注意点を踏まえ、自身の判断基準を揺るがないものにしましょう。

1.一方的な情報源に偏っている

会社選びをする際、特定の情報源だけを頼りにするのは避けたほうが無難です。

インターネットであらゆる物事が簡単に調べられるようになったものの、情報の正確性や客観性には、今まで以上に気を配る必要があります。企業に関する情報を収集する際は、必ず複数媒体を活用しましょう。

・企業の公式サイト
・ニュース記事
・プレスリリース
・従業員の声
・各種口コミサイトやSNS
・会社説明会の内容
・OB・OG訪問で聞いた話

一方的な情報源に偏ると、情報の正確性を担保できません。「ある側面で見たときはプラスだったけど、違う側面で見ると全く違った」というギャップは、就職後のミスマッチにつながる可能性もあります。

2.現在の視点しか考慮されていない

会社を選ぶ際は、現状のみを重視した回答にも注意が必要です。会社選びは現状だけではなく、未来についても考慮しましょう。企業選びは入社後、長期的に自分がどのように成長し、貢献していきたいかを考えるプロセスでもあります。

・会社や業界の将来性・成長性
・業界のトレンド
・企業のビジョン

今の話題性だけでなく、別の時間軸からの企業の行く末の見極めが重要です。就職後に実現したいキャリアを踏まえ、将来を見据えて会社を選んでいることが伝わるようにしましょう。

3.同業他社としか比べていない

会社を選ぶ際、同業他社だけで比較するのも避けたほうが無難です。

同業他社との比較は、企業の強みや特徴を言語化する際の参考になりますが、企業選びの視野が狭まってしまいます。その結果、自分にとって魅力的な成長環境や仕事内容、社風を持つ他業界の企業を見逃してしまう可能性がある点に注意が必要です

業界を固定せず、異なる業界の同じ職種や同程度の企業規模で比較するなど、さまざまな角度で比較検討するのがおすすめです。

成長機会を見逃さないためにも、幅広い視点で企業選びを進めて、説得力のある回答を心がけましょう。「就活での業界一覧と概要を解説!自分にあった企業を選ぶコツを学ぼう!」でさまざまな業界を解説しているので、参考にしてみてください。

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「会社選びのポイントは?」は面接やESでも質問される

会社選びのポイントは、就活のあらゆる場面で問われます。会社選びのポイントが明確になっていないと、自分に合わない企業にエントリーしてしまい、不採用が続く可能性があるため注意が必要です。

言い換えると、会社選びのポイントが明確であれば、就活の方向性も明確に定まります。会社選びのポイントは就職活動の軸ともいえるので、自分が就職してから大切にしたいことを言語化して、ぶれないようにしましょう。

内閣府の「令和6年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査調査結果 報告書(34p)」によると、就職先を決めるにあたって重要視しているのは、「企業の安定性」が6割以上と最も多い回答でした

令和6年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査調査結果のイメージ

引用元:内閣府「令和6年度学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査調査結果 報告書(34p)

「企業の安定性」以降で重視している旨の回答が多かったのは、以下の項目です。

・給与や賞与が高い/手当や社会保障が充実
・残業が少なく、休暇が取れるなどのワークライフバランス
・自分のやりたい仕事ができる、やりがいがある
・職場の雰囲気が良さそう

過去に調査した年度と比較しても「企業の安定性」は継続的に高い割合になっています。なお、「残業が少なく、休暇が取れるなどのワークライフバランス」と回答した割合が増え、「正社員として働ける」は減少傾向です。

「会社選びのポイントは?」以外の質問内容を知りたい方は、「面接でよく聞かれることは?頻出質問集とそれぞれの答え方を例文付きで解説」の記事も参考にしてください。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

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「会社選びのポイントは何ですか?」と企業が質問する理由

企業の採用担当者が就職活動のさまざまな場面で「企業選びのポイントは何ですか?」と質問するのには理由があります。
採用担当者が質問をする背景を理解すると、「会社選びのポイント」がなぜ重要なのかを知る手がかりになるため、ぜひ参考にしてください。

入社意欲があるか確認したいから

企業側は、学生の考える会社選びのポイント・基準から、自社への入社意欲をチェックしています。
会社選びのポイントや判断基準が明確な人は、仕事や就職後のビジョンや働き方に対して真剣に考えている可能性が高いと評価できるからです。

加えて、入社意欲の有無だけでなく、熱量も見られています。会社選びのポイントが具体的かつ明確な人ほど、企業理解はもちろん、自己理解も進んでいると判断できるでしょう。

自社にマッチする人材か確認したいから

入社意欲の有無だけでなく、会社選びのポイント・基準から、自社にマッチする人材かどうか判断しています。

会社選びのポイントには、学生の価値観や仕事を通じて実現したいことが反映されるため、企業が求める人物像に合っていれば内定の可能性が高くなるでしょう。また、求める人物像と一致していれば、入社後も高いモチベーションを持って活躍できると企業は考えます。

逆に、自社にマッチしていない場合、採用しても早期退職につながるケースも少なくありません。企業が求める人物像にマッチするか判断されているのだと考えて、会社選びのポイントは具体的かつ明確にしておきましょう。「業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」の記事もご覧ください。

長期間にわたって活躍してくれるか確認したいから

会社選びのポイント・基準から、自社で長く活躍してくれる人材かどうかも判断しています。

会社選びのポイントが明確な人ほど、入社後に何をしたいかがはっきりしており、ビジョンを実現できる企業を選んでいます。もし、ビジョンの実現に時間がかかるものであれば、自社で長期間活躍してくれると判断することが可能です。

新規採用者では基本的に伸び代・ポテンシャルを見られており、「コストをかけて育てる」という視点も強い傾向です。

会社選びの軸の見つけ方については、「就活の軸がない人へ|設定するメリットや見つけ方を解説」をご覧ください。

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会社選びのポイントを面接で答える際の3ステップ

ここでは会社選びのポイントを面接で答える際の方法を3ステップで解説します。型に当てはめればほかの質問にも対応できるので、ぜひ参考にしてください。

1.結論ファースト

会社選びのポイントを答える際は、最初に「私の会社選びのポイントは△△です」などの結論を提示しましょう。
結論から始めるだけで、回答の要点が分かりやすくなるからです。面接官は多くの学生に対して面接を行っており、話の要点を早く掴みたいと考えています。

文章構成には起承転結を使うイメージがあるかもしれませんが、面接やESなどで質問に答える際は結論を最初に伝えて、今から何を話すか明確にしましょう

2.具体的な根拠

会社選びのポイントである結論を伝えたら、その根拠となる実体験を説明して、説得力を出すようにしてください。成功体験や失敗体験として自己分析を通じて深く掘り下げた過去の経験を言語化し、結論とエピソードを結び付けましょう。

結論を補足する根拠とエピソードを交えると、自分の回答が説得力のあるものになるほか、会社選びのポイントを定めた背景が伝わるようになります。

3.企業との共通点

会社選びのポイントを伝える際のまとめとして、応募先企業がポイントをどのように満たしているかの合致点を解説しましょう。

企業研究で得た情報や説明会、OB・OG訪問で聞いた社員の話などから、合致点を明確にします。会社選びのポイントと企業が合致していれば、「自社を志望するのも当然だ」などと採用担当者に納得してもらえるはずです。

会社選びのポイントは結論だけを伝えるのではなく、自身の希望と会社のニーズがいかにマッチしているかをアピールする必要があります。

面接で就活の軸を答えるコツについては「就活の軸の回答例文12選!企業の質問に対する答え方のコツや注意点を解説」の記事を参考にしてください。

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会社選びのポイントで答えてはいけない項目

会社選びのポイントを明確にする必要はありますが、項目によっては面接やESで答えるとマイナス評価につながる場合があります。あらかじめ、注意する項目を把握しておくと、面接で役立つでしょう。

ここでは、「会社選びのポイントは何ですか?」という質問で答えてはいけない項目を3つ解説します。

待遇・福利厚生の充実度

会社選びのポイントを聞かれた際、ストレートに待遇や福利厚生の充実度を回答にするのは避けてください。採用担当者に以下のようなマイナスイメージを与えかねないからです。

・待遇目当てと思われかねない
・ほかに条件のよい会社あれば退職するのではと思われかねない
・仕事に対するやりがいがないと思われかねない

待遇や福利厚生を企業選びの基準に組み込むこと自体が悪いわけではありません。本音と建前を踏まえて、答え方には配慮しましょう。

どうしても待遇を重視していると答えたい場合は、「待遇が充実していることで自分がいかに貢献できるか」を具体的に説明するようにしてください。あくまで主軸は仕事内容や成長環境、社風などに置き、待遇は補足的な要素として伝えるのがおすすめです。

会社のブランドや知名度

会社選びのポイントとしてブランドや知名度を挙げると、マイナスの評価につながりかねません。会社のブランドや知名度は外形的で消費者目線な内容になってしまい、一社員として活躍するには視点にズレがあります。

誰もが知っている有名企業やブランドイメージの良い企業に魅力を感じるのは自然な感情ですが、伝えるべきは、ブランドや知名度を支えているものは何かという点です。

実際に働く以上、企業の経営状況や企業文化についてリサーチし、自身の価値観・会社選びの判断基準と合うかどうかを見極める必要があります。消費者目線ではなくビジネスパーソンとしての視点で企業を捉え、志願理由をアピールしましょう。「企業研究のやり方と就活に活かすコツを解説!効率的な進め方とは?」の記事も参考にしてください。

好き・興味があるという内容

会社のブランドや知名度に関連して、「その会社の商品・サービスが好き」「仕事に興味がある」という理由も、会社選びのポイントとしては不十分です。

自身の興味関心や好意的な感情に沿って会社を選ぶのがダメなわけではありません。しかし、採用担当者が知りたいのは、就活生の仕事に対する価値観やキャリアプランです。
好きといった感情を出発点として、自身の興味関心を深掘りしながら、やりがいや成長性といった項目に結びつけられないか考えてみましょう。

就職活動は、失敗を回避すれば内定に近づけます。「就活が終わらない学生が持つ7つの特徴とは?内定に向けた対処法も解説」を参考に、就職活動におけるNGな振る舞いを把握しておきましょう。

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5つの理由別!会社選びのポイントの回答例

面接やESにおいて、会社選びのポイントを聞かれた際の例文を解説します。
会社選びのポイントを面接で答える際の3ステップに沿って理由別の例文を紹介するので、書き方の参考にしてみてください。

1.社風

私の会社選びのポイントは、「チャレンジできる環境かどうか」です。大学の演劇部で脚本・演出を担当し、「進化する舞台」をモットーに活動してきました。お客さまに喜んでもらうには、既存の型にこだわらず、変化させる姿勢が必要です。

公演ごとに客層や反応を分析し、役者と積極的に意見交換を交わすことを心掛けています。公演ごとにセリフや演出を変え、アドリブも取り入れるなど、新しい試みを積極的に受け入れます。結果として、口コミのお客さまが増え乗員数が伸び、立ち見が出るほどになりました。

この経験から、仕事においても固定観念に捉われず、挑戦し続けたいと思うようになりました。

貴社の説明会に参加した際、「変化を恐れない人材を求めている」とお聞きしたことは、就活のポイントを見極めるきっかけになりました。手段を限定せずゴールを目指す企業であれば、私の強みである摩擦を恐れず対話する力を発揮できると考えています。

2.仕事内容

私の会社選びのポイントは、「マネジメント力を活かせる環境かどうか」です。私は、マネジメントの力量次第で、チームのパフォーマンスが大きく左右されると考えます。

私は大学生に進学してから中学生のリトルリーグのコーチを務めていました。40人以上のチームを統率する経験からマネジメント力について考えさせられ、実践形式で高められたと感じています。そして、マネジメント力によってチーム全体の士気が高まり、雰囲気がガラッと変わった経験は、大きな喜びとやりがいを抱いた瞬間でした。

この経験から、入社後もマネジメント力を活かした仕事を通じ、チームやクライアントの目標達成や成長に携わりたいと考えています。

貴社に入社できた際には、チームを引っ張っていけるようなマネージャーを目指して努力いたします。

3.安定性

私の会社選びのポイントは、「安心して長く働けるかどうか」です。なぜなら、一つの企業で長期間にわたって働くことで専門性を高め、会社や社会に対してより多くのものを還元できる人材になれると考えているからです。

私の父は公務員をしており、公共性のある仕事に誇りを持っている姿に憧れて育ちました。そこで私は、大学で専攻している土木工学を活かして社会インフラに関する仕事に携われたら、人々が安全で豊かな生活を送るために貢献できると考えました。

社会インフラに関する事業は長期間にわたって価値提供し続けられます。そのため、貴社はもちろん、社会貢献的な側面においても自身のやりがいにつながると自負しています。

貴社は長年にわたって社会インフラを構築する事業を続けており、私も貴社の一員として、社会に貢献していきたいです。

4.成長性

私の会社選びのポイントは、「世の中が変わっても、社会に必要とされる仕事かどうか」です。大学1年次には地元の川が氾濫し、自宅が床上浸水するという経験をしました。

避難所での不安な生活の中で、当たり前の日常がいかに尊いかを痛感しました。心身とともに支えられたのが、お湯や器がなくても食べられるレトルト食品や、手回しで充電できる充電器といった日本の防災用品です。

この経験から学んだことは、どれほど世の中が便利になっても、危機的状況からは逃げられないということです。そのため、救助を待つ前に自力で生活する知恵やアイテムが、世界規模で求められると思います。

貴社は、人々のニーズにあった防災グッズを展開し、時代に合わせて進化し続けています。安心と安全という普遍的なニーズに応える企業において、国内外問わず多くの人の心を支える仕事に貢献したいです。

5.社会貢献

私の会社選びのポイントは、「環境保全に貢献できるかどうか」です。高校生のころから自然環境保護に興味があり、大学ではボランティアサークルに所属しています。

特に力を入れたのが、地元の山が荒廃するのを防ぐため、市に掛け合って行った森林整備です。その結果、荒れていた山に道ができ、今では地域の子どもたちの遠足スポットに選ばれるまでになりました。

夏休みには、間伐材を使ったワークショップを企画し、子どもたちとアイデアを出し合いコースターやランプシェードを製作したことが楽しい思い出です。

これらの活動を通じて、新しいアイデアで環境保全に取り組み、若い世代に関心を持ってほしいと思うようになりました。

貴社は廃材を積極的に活用した製品開発や、「手入れをしながら長く使う」という価値観を提唱しています。環境への取り組みでリードしている企業において、これまでにないアプローチで環境に配慮したサービスを提案していきたいです。

面接での回答例文は「会社選びの軸を定めて納得のいく就活をしよう!面接での回答例文も紹介」も参考にしてください。

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会社選びに迷ったときの3つの対処法

会社選びに迷いが出るのは決して珍しいことではありません。真剣に自分の将来と向き合っているからこそ生じる悩みです。ここでは、会社選びに迷ったときの3つの対処法を紹介します。

1.第三者に聞いてみる

会社選びに迷ったときは、一人で悩むよりも、第三者に相談してみましょう。一人で悩み続けていると無意識のうちに視野が狭くなり、自分の考えや感情に固執してしまう可能性があります。

相談相手としておすすめなのは、大学のキャリアセンターの職員や信頼できる教授などです。また、就職エージェントを利用している場合は、キャリアアドバイザーに相談するのもよいでしょう。

キャリアアドバイザーは、就職市場の動向やさまざまな企業の内情に関する専門知識を持っています。自身の自己分析の結果や価値観を踏まえつつ、客観的なアドバイスを提供してくれるので、迷ったときには相談してみてください

2.追加で情報収集する

会社選びに迷っているときは、追加で情報収集するのもおすすめです。再度OB・OG訪問したり、業界研究・企業研究を深めたりして、判断材料を増やしましょう。

また、情報収集していると、各企業の良い点ばかりが目についてしまい、決め手に欠ける状況に陥りがちです。この場合は、自己分析で明確にした「会社選びのポイント」に立ち返って企業を比較検討してみてください。

自分が重視する項目を比較表として作成し、それぞれの企業を点数化してみるのも客観的な判断に役立ちます。さらなる企業の情報収集によって、これまで見えなかった各社の魅力を発見するきっかけになるでしょう。

3.5年後・10年後の自分の姿を想像する

会社選びに迷ったら、5年後・10年後の自分の姿を想像するのもおすすめです。どの選択が、自分を理想とする姿や目指すキャリアプランに近づけてくれるのかが見えてきます。
想像力を働かせ、それぞれの会社で働く「5年後、10年後の自分の姿」を具体的にイメージしたうえで、客観的に評価しましょう。

就活で立ち止まってしまった場合は、「就活がわからなくなってきたのはなぜ?対処法と大切にしたい考え方を解説」の記事をご覧ください。

応募先を選ぶ基準について相談する

   

会社選びのポイントをうまく答えられないあなたへ

会社選びのポイントを考える際は、「できること」「やりたいこと」「譲れない価値観」を軸にした自己分析から始めましょう。何に喜びを感じて、何がしたいかを言語化できると、会社選びのポイントは自然と明確になります。

また、会社選びに迷ったときは、一人で抱え込まず早めに対策を取りましょう。
会社選びのポイントに関してアドバイスが欲しい場合は、就職エージェントへの相談がおすすめです。就職エージェントであるキャリアチケットでは、会社選びや自己分析のサポートはもちろん、ESや履歴書の添削、面接対策なども行っています

一人で悩んでいるよりプロに相談すれば、就職活動を成功に導けるでしょう。就職活動の進め方に不安がある人も、気軽にお問い合わせください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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