隠れ優良企業を見つけるにはどうする?探し方や注目ポイントを解説!

このページのまとめ

  • 隠れ優良企業とは経営や環境がいいのに知名度が低い企業のこと
  • 隠れ優良企業は法人相手に事業を行うBtoB企業に多い
  • 隠れ優良企業を見つけるためには離職率や平均勤続年数をチェックする

隠れ優良企業を見つけるにはどうする?探し方や注目ポイントを解説!のイメージ

「隠れ優良企業ってどんな企業?」「どこに注目したら見分けられる?」などと考える就活生もいるでしょう。優良企業は大手企業や有名企業に多く、就活生が集まるので内定獲得は大変です。隠れ優良企業を発見できれば、内定も獲得しやすくなるでしょう。

この記事では、隠れ優良企業の特徴や探し方、見分けるポイントなどを解説しています。

自分にあった企業を見つけるために、ぜひ参考にしてください。

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目 次

隠れ優良企業とは?特徴を解説

隠れ優良企業とは、業績がいいものの知名度が低く、隠れがちな優良企業のことです。法人を相手に取引を行うBtoB企業に多く、企業が営業や商品の製造を行うために欠かせない役割を果たしているケースもあります。

ここでは、隠れ優良企業の特徴を3つ解説するので、どのような特徴があるか確認してみましょう。

経営が安定している

隠れ優良企業には、経営が安定しており、従業者が働きやすい環境が備わっています。ホワイト企業をイメージするとわかりやすいでしょう。

経営が安定しているかどうかを判断する基準には、「自己資本比率」があります。自己資本比率は、「純資産÷総資産×100%」で算出でき、40%以上ある会社は優良企業やホワイト企業と呼ばれるので覚えておきましょう。総資産については、「負債+純資産」で計算してください。

ただし、業界や業種によって、優良企業の基準は異なるので注意しましょう。業界研究を行い、自分が志望する業界の自己資本率の平均を確かめておくのがおすすめです。

業界研究を行う際には、「業界研究のやり方とポイントを詳しく解説!自分に合った仕事を見つけよう」を参考にしてください。

また、会社の総資産や純資産を調べるには、「賃貸貸借表」をチェックしましょう。会社のWebサイトで「経営情報」「IR情報」などの項目を探し、そのなかの「財務諸表」を確認すればOKです。

他企業に負けない主力商品がある

隠れ優良企業やホワイト企業を判断するために、主力商品のシェア率を確認してみましょう。主力商品が業界内で高いシェアを持つ場合は、安定している会社だといえます。

また、主力とされる商品は、消費者に届くような「食品」「サービス」だけではありません。機械に使う「ネジ」などの部品や「鉄」「木材」などの材料も商品です。

隠れ優良企業の場合、ネジや鉄などのように、消費者に届ける商品を作っていないので、知名度が低いケースがよくあります。隠れ優良企業を探すためには、BtoCだけではなく、BtoBの企業も意識して探してみてください。

労働環境をよくする努力をしている

労働環境に力を入れている企業も、ホワイト企業になりやすいといえます。次のような基準から、会社の労働環境を調べてみましょう。

・年間休日日数
・残業時間
・3年後の離職率
・各種手当

たとえば、年間休日日数は、120日あればホワイト企業といっても問題ありません。105日以下になると要注意です。

また、残業時間についても確認しておきましょう。労働基準法では、労働時間は「1日8時間、1週間で40時間」と定められています。この労働時間を超えた時間は残業時間であり、残業時間が少ないほどホワイト企業といえるでしょう。

ほかにも、「入社3年後の離職率が30%以下である」「住宅手当や扶養手当がある」なども隠れ優良企業やホワイト企業を見つける基準になります。厚生労働省が、「安全衛生優良企業」を公表しているので、どのような項目が見られているか、どのような企業が認定されているかなどもチェックしてみてください。

参照元
厚生労働省
安全衛生優良企業公表制度

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「隠れ優良企業」を探す方法

隠れ優良企業やホワイト企業を見つけるためには、大企業や有名企業だけではなく、視野を広げるのが大切です。中小企業を見たり、四季報を見たりなど、情報収集を行いましょう。

ここでは、隠れ優良企業を探すために実施できる、8つの方法を紹介します。

BtoB企業から探す

隠れ優良企業を見つけるために、BtoB企業に目を向けてみましょう。BtoB企業とは、法人(会社)を相手に取引やビジネスを行う企業です。

たとえば、「薬品を入れるボトルのラベル」「食品トレイ」のように、消費者では気づかないような製品を扱っています。BtoB企業の扱うものは安定した需要が見込みやすく、売上が流行に左右されにくい点が特徴です。そのため、安定した利益が出しやすい傾向にあります。

また、BtoB企業は電子商取引でも売上を伸ばしている状況です。

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、2019年度の日本国内における電子商取引の場合、BtoB-EC(Electrical Commerce = 電子商取引)の市場規模は353兆円、BtoC-ECでは19.4兆円でした。BtoCよりもBtoBの方が売上を出している状態です。

さらに、就活の場面で考えてみると、BtoC企業は知名度も高く、志望する就活生も増加します。知名度の低いBtoB企業の方が隠れ優良企業のケースが多く、狙い目になるでしょう。

参照元
経済産業省
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

大企業の子会社から探す

大企業や有名企業ではなく、その子会社に目を向けてみましょう。大企業の子会社は認知度が低い割に、条件面は大企業に近いケースがあるからです。

就活生の多くは、子会社ではなく、親会社の大企業に集まる傾向があります。競争率が低くなるので、内定を狙いやすくなるでしょう。

中小企業から探す

中小企業に目を向け、就活を行うのもおすすめです。就活生は有名企業や大企業を志望しやすいので、競争率が下がるでしょう。

中小企業のなかにも、業界トップのシェアを持っていたり、経営が安定したりしている会社があります。「自分が知っている企業だけにエントリーする!」と考えている方は、視野を広げて探してみるのがおすすめです。

中小企業についてあまり知らない場合は、「中小企業と大企業の違いやメリット・デメリットを知ろう」の記事を参考にしてください。

インターンシップに参加する

インターンシップに参加して、企業環境や働き方をチェックしてみましょう。実際の雰囲気を体験すれば、ホワイト企業かどうかが判断しやすくなります。

また、インターンシップに参加すれば、業務が自分にあうかどうかもわかります。労働環境が整備されていても、仕事があわなければ、就活生にとっての優良企業にはなりません。

インターンシップについては、「インターンシップとは何か?特徴や選び方などをご紹介!」で解説しています。インターンシップの参加者のみの選考に応募できたり、選考の一部が免除されたりする会社もあるので、積極的に参加しましょう。

OB・OG訪問を利用する

OBやOGに話を聞き、判断するのもおすすめです。OB・OG訪問を行って、実際に働く方の情報を手に入れましょう。

企業のWebサイトや会社説明会だけでは、実際の環境がどのようになっているかはわかりにくいといえます。リアルな話を聞ければ、会社選びの参考になるでしょう。「残業時間はどれくらいか」「離職率はどれくらいか」などのように、会社説明会では聞きにくい質問をしてみるのもおすすめします。

OB・OG訪問の実施方法については、「OB・OG訪問のやり方とは?流れやマナー、注意点を知ろう」の記事で解説しているので、参考にしてください。

逆求人サイトを利用する

企業が就活生に対してスカウトを行う、逆求人サイトも活用してみましょう。あまり採用活動を行っていない会社から、スカウトをもらえる場合があるからです。

また、逆求人サイトは会社側からスカウトが来るので、自分で探さなくていい点もメリットになります。自分の興味のなかった業界や、見つけられなかった企業と接点を持てる場合もあるでしょう。

逆求人サイトを活用した体験談を「視野を広げるために逆求人サイトを利用|元地方就活生に聞く就活体験談【第3回】」で紹介しています。まだ利用していない人は、活用するのもおすすめです。

企業のIR情報を見る

IR情報とは、「Investor Relations(インベスター・リレーションズ)」の略であり、会社が株主や消費者に会社自身を知ってもらうための情報を指します。決算報告や業績予想などの情報を出し、自社の状況を公表します。

IR情報からは、会社の将来性や成長性が確認できるので、調べるようにしましょう。将来性や成長性があり、経営も安定している企業であれば、優良企業の確率が高まります。

就職四季報を見る

就職四季報を読み、会社のあらゆるデータをチェックしてみましょう。就職四季報には、「平均残業時間」「有給取得率」「3年後離職率」などのデータが掲載されています。

優良企業やホワイト企業を見つけるためには、待遇面のチェックも欠かせません。採用人数や採用スケジュールなども記載されているので、就活を行ううえでも役立つでしょう。

就職四季報については、「就活のよくある質問は『就職四季報』で解決できる。悩み別見るべきポイントを紹介」で詳しく解説しています。就活生には欠かせない本なので、読むのをおすすめします。

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「隠れ優良企業」を見分けるポイント

隠れ優良企業を探すためには、離職率や福利厚生などに注目するのがおすすめです。ここでは、隠れ優良企業を探すために、チェックしたいポイントを解説します。

離職率が低い

隠れ優良企業を見つけるために、離職率に注目してみましょう。離職率が低い企業は、従業員が働きやすく、長く続けている企業だといえます。

従業員が働きやすい環境であれば、モチベーションも上がりやすく、ストレスも溜まりにくいでしょう。安定して長く働きやすい企業になるので、就活生におすすめです。

福利厚生が充実している

住宅手当や家賃補助など、手当が充実しているかどうかも見てみましょう。福利厚生が充実している企業は従業員のことを考えている企業であり、福利厚生が準備できるほど経営が安定している企業でもあります。

福利厚生の例には、次のようなものがあるので知っておきましょう。

・住宅手当
・家賃補助
・通勤手当
・健康診断
・社員食堂
・育児手当
・資格取得手当

また、ほかの企業とは違った、ユニークな福利厚生を準備しているケースもあります。詳しくは、「独特な制度もある!ベンチャー企業の福利厚生事情とは」の記事で解説しているので参考にしてください。

有給休暇の取得率が高い

有給休暇が取得できているかどうかも確かめておきましょう。有給休暇の制度があっても、取得できなければ効果を実感できません。

たとえば、有給休暇の制度はあっても、忙しくて取得できない場合もあります。また、企業の雰囲気的に、有給休暇を取得しにくい場合もあるでしょう。

有給休暇を必要なときに取得しやすい環境かどうかは、チェックしておくのがおすすめです。

研修が充実している

働きやすい会社の場合、研修が充実しています。積極的に人材を育成し、スキルアップを目指すためです。

研修を行うにも、研修費や人件費などのコストが必要になります。研修制度が整っている会社は、研修にまでコストを使える企業ともいえるでしょう。研修制度について紹介している企業もあるので、確認してみてください。

平均勤続年数が長い

従業員がどのくらい長く働いているかも確認しておきましょう。平均勤続年数が長い企業は、離職率が低いともいえます。

ただし、勤続年数を確認する場合は、企業の設立年数も確認しましょう。設立年数が短い場合、勤続年数も短くなるからです。

また、性別ごとの勤続年数も確認しておきましょう。性別で差があると、働きやすさが違うかもしれません。

年間休日が120日以上ある

年間休日日数は、120日を目安に選ぶといいでしょう。土曜日や日曜日に、祝日や振替休日を足すと大体120日になるからです。企業によっては、夏季休暇や年末年始休暇などもあるので、さらに増える場合があります。

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査(p3)」によると、1企業当たりの年間休日の平均は107日でした。年間休日が120日を超える企業については、全体の31.2%になっています。休日日数は企業や業界ごとによって違うので、必ず確認しておきましょう。

業界研究の方法については、「【21卒 就活お悩み相談室 #5】業界研究ってどう進めればいいの?」の記事を参考にしてください。

企業研究の進め方については、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」で解説しているので読んでおきましょう。

参照元
厚生労働省
令和4年就労条件総合調査

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自分なりの隠れ優良企業の探し方

ここでは、隠れ優良企業を探す方法を解説します。就活生にごとに就活の軸は違うので、自分なりの優良企業を見つけましょう。

1.条件をリストアップして優先順位を決める

まずは就活で大事にしている条件を考えます。条件がリストアップできたら、優先順位を決めてください。

条件については、次のようなものから考えてみましょう。

・給与水準
・年間休日数
・勤務地
・離職率
・業界
・業種
・業務内容

優先順位をつけると、自分が就活で何を基準に選んでいるかがわかります。仕事内容なのか、職場環境なのかなどが明確になれば、企業を選びやすくなるでしょう。

2.興味のある業界や企業をチェックする

リストアップした条件とは別に、業界や企業について考えましょう。この際、視野を広げてチェックするのがポイントです。有名企業や大企業に偏らないようにしましょう。

リストアップをする前に、業界研究をしておくのもおすすめです。業界についてあまり知らない場合は、「就活での業界一覧と概要を解説!自分にあった企業を選ぶコツを学ぼう!」も参考にしてください。

3.リストアップした条件に合う企業を選定する

業界や企業をピックアップできたら、最初の条件にあてはまるか考えてみましょう。条件があうほど、自分の理想とする企業になります。

ただし、自分の希望条件とまったく一緒の企業が見つかるとは限りません。条件は取捨選択が重要になるので覚えておきましょう。

また、ブラック企業にあてはまりそうな企業は、避けるようにしてください。「年間休日が105日以下」「残業時間が多い」「3年後離職率が高い」などの企業には要注意です。

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隠れ優良企業の内定を獲得するためのポイント

優良企業に就職するために、意識したいポイントを解説します。どの就活生にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

自己分析で強みを明確にする

企業にアピールできるように、強みを明らかにしておきましょう。自己分析を行い、自分のスキルや能力を整理しておいてください。

企業に評価してもらうためには、自己PRが重要です。自分の強みがわからなければ、企業にもアピールできないでしょう。

自己分析の方法については、「【就活生向け】自己分析のやり方を解説!内定に近づく活用方法とは」で解説しているので、参考にしてください。

入社後の目標やビジョンを明確にする

企業に入社して、自分がどのように活躍したいか考えるようにしましょう。目標やビジョンが明確であれば、採用担当者も就活生の活躍をイメージできます。

条件を基準に就活してしまうと、「隠れ優良企業に入社する」が目標になってしまうので注意してください。「入社して実現したいことは何か」「どのような成果を目標にしているか」などは考えておきましょう。

就活の軸に沿って志望企業を決める

企業を選ぶ際は、就活の軸を大事にしてください。就活の軸とは、「企業選びで大切になる自分なりの基準」です。

就活の軸から外れてしまうと、入社後に後悔したり、ミスマッチが起きたりなどの問題につながります。就活でどのような部分を大切にしているか、まずは整理してみましょう。

就活の軸をこれから考える場合は、「就活の軸とは?例文付きで見つけ方や回答のコツを紹介!」の記事を参考にしてください。就活が本格化する前に、軸を考えるのをおすすめします。

条件面以外の志望理由を持つ

志望動機を伝える際に、条件面だけが理由になるのはNGです。採用担当者へのアピールが足りず、内定まで届かなくなるでしょう。

たとえば、「給料がいいから」「休みが多いから」などの志望動機では、採用担当者は評価できません。「△△会社の方が給与が高いけど」「条件が変わったら辞めてしまうだろう」などと考えてしまいます。

志望動機を伝える際は、業務への興味や理念への共感、実現したい目標などを伝えるのが重要です。給与や福利厚生などを志望動機で伝えるのはやめましょう。

志望動機のコツについては、「履歴書の志望動機を書くコツとは?魅力的に仕上げるポイントを解説!」で解説しているので、参考にしてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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