テレビ業界の研究をしよう!知っておくべき現状や今後の動向について紹介

このページのまとめ

  • テレビ局には、「公共放送」「キー局」「準キー局」「地方局」などがある
  • テレビ業界で働く人は、主に「制作スタッフ」と「技術スタッフ」に分けられる
  • 10代や20代の若年層において、テレビ離れの傾向が強く表れている
  • テレビ業界では、ネット配信の強化や4K8K放送の推進が行われている
  • テレビ業界の仕事は、ADから始まり最終的にプロデューサーになる場合が多い

テレビ業界への就職を目指す就活生の多くは、「自分が目指すべき業界かどうか分からない」と悩んでいるのではないでしょうか。その悩みは、テレビ業界の実態を把握することで解消されるはず。このコラムでは、テレビ業界の現状や課題、今後の動向などについてご紹介しています。テレビ業界の概要や実態を知り、自分が目指すべき業界かどうかしっかりと見極めてみましょう。



 

テレビ業界の基礎知識

この項目では、テレビ局の種類や主な職種について解説します。テレビ業界への就職を考えるにあたって、まずは業界の基本的な知識を押さえておきましょう。

テレビ局の種類と特徴

公共放送

公共放送とは、公共の福祉のために行う放送のこと。国家の統制から自立し、営利を目的としていないのが特徴です。
基本的に、受信料によって運営されており、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的としています。

キー局

キー局とは、自社制作の番組を、各地方のネットワーク系列局に送り出す放送局のこと。全国で同じ番組が放送できるのは、キー局が地方局に番組を発し、それが各地で放映されるからです。
日本においては、東京の各テレビ局がキー局になることから、在京キー局とも呼ばれます。

準キー局

準キー局とは、関西圏をメインに放映している放送局のこと。
具体的な放送区域は、大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山の関西2府4県です。
準キー局は、関西版のキー局ともいわれ、一般の地方局よりも影響力が大きいとされています。

地方局

地方局とは、一定の地域を放送エリアに持つ放送局のこと。ローカル局とも呼ばれます。
地方局の特徴は、地域密着型のネットワーク体制が構築されていることです。
基本的には、キー局が発信した番組を放送しますが、ニュースや天気予報、情報番組などの自社番組も放送します。

主な職種

テレビ業界で働く人は、大きく「制作スタッフ」と「技術スタッフ」の2種類に分けられます。
制作スタッフの主な職種は、プロデューサーやディレクター、アシスタントディレクター(AD)など。技術スタッフの主な職種は、カメラマンや映像編集などです。
また、放送に不可欠な音声や照明などの各分野に専門スタッフが配置されており、さまざまな分野のスタッフが一丸となってテレビ業界を支えています。

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テレビ業界の平均月収

厚生労働省発表の「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況(産業別)」によると、情報通信業の平均月収は、男性が約40万円、女性が約31万円とされています。
年代別だと、20代前半は、男性が約23万円、女性が約19万円。30代に入ると、男性が約32万円、女性が約29万円となります。
月収が一番高い年代は、男性が50代後半で約51万円、女性が50代前半で約40万円です。
男性の月収は、50代後半まで上昇傾向、その後下降傾向となります。女性は、40代後半ごろまでは上昇傾向。その後下降傾向となり、70代以降に再び上昇します。

参照元
厚生労働省
令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況 産業別

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テレビ業界の実態

この項目では、テレビ業界の現状や課題、今後の動向について解説します。テレビ業界が今どのような状態にあり、今後どのように変化していくかを知り、自分が参入すべき業界かどうか考えてみましょう。

市場規模はわずかに増加傾向

総務省の「令和2年情報通信白書のポイント」によると、2018年度の放送事業者売上高は3兆9,418億円で、前年度比0.2%増です。
売上高の内訳は、地上系が2兆3,396億円(前年度比0.3%減)、衛星系が3,169億円(前年度比2.1%減)、ケーブルテレビが5,030億円(前年度比0.8%)、日本放送協会が7,373億円(前年度比2.7%増)。
また、2018年の民間放送事業者の営業損益は、地上系が6.0%、衛星系が8.4%、ケーブルテレビが10.6%と、いずれも黒字を確保しています。

参照元
総務省
令和2年情報通信白書のポイント 第5章「ICT分野の基本データ」図表5-1-8-1「 放送産業の市場規模(売上高集計)の推移と内訳」

事業者数は地上系が増加傾向

総務省の「令和2年情報通信白書のポイント」によると、2019年度末における民間の放送事業者数は、地上系が533社、衛星系が41社とされており、地上系は前年より増加しています。
また、2018年度末のケーブルテレビ事業者数は492社。ケーブルテレビでは、地上放送や衛星放送の再放送および自社放送チャンネルなど、多チャンネルの放送が行われています。

参照元
総務省
令和2年情報通信白書のポイント 第5章「ICT分野の基本データ」図表5-1-8-5 「民間放送事業者数の推移」

テレビの視聴時間

総務省の「令和2年情報通信白書のポイント」によると、2019年度のテレビ(リアルタイム)視聴の行為者率は81.6%で、ラジオや新聞、雑誌よりも高いパーセンテージを維持しています。
2017年ごろまでは、調査媒体の中で最も高いパーセンテージを維持していましたが、2018年に入ってからは、インターネット利用の行為者率を下回るように。

年代別に見ると、最もテレビ(リアルタイム)視聴の行為者率が高いのは平日・休日ともに60代で、その値は平日が93.6%、休日が94.5%です。
一方、最もテレビ(リアルタイム)視聴の行為者率が低いのは平日・休日ともに10代で、その値は平日が61.6%、休日が52.8%。
テレビ離れの傾向は、10代や20代の若年層に強く表れていますが、世代交代などによって、今度ほかの年代にも拡大していくと考えられています。

参照元
総務省
令和2年情報通信白書のポイント 第5章「ICT分野の基本データ」図表5-2-5-1「主なメディアの平均利用時間と行為者率」

ネット配信の強化

テレビ(リアルタイム)視聴率の低下に対しては、主にネット配信を強化する策が取られています。
具体的な対策例は、動画配信サービスを提供する事業者への出資やコンテンツの提供、自らプラットフォームを構築してVOD(動画定額配信サービス)を提供することなどです。

放送番組のネット配信サービスは、視聴時間の拡大をもたらすと期待されているため、今後もさらに展開していくことが重要といえます。

4Kおよび8K放送の推進

現在、放送サービス高度化の一環として行われているのが、4K・8K放送の推進です。
4Kは、現行ハイビジョンの4倍の画素数、8Kは16倍の画素数を有しています。4K・8K放送によって、超高精細な映像の視聴が可能に。
日本においては、2018年12月から、4K・8Kの実用放送が開始されました。

総務省の「令和2年情報通信白書のポイント」によると、2020年3月期の4K対応テレビ出荷台数は約889万台で、3月期におけるテレビ出荷台数の51.9%を占めています。
放送事業者や受信器メーカーなどの各組織が、それぞれの強みを活かして連携し、4K・8Kの推進に取り組んでいるのが現状です。

今後の課題は、より多くの方に4K・8Kの映像を楽しんでもらえるよう、魅力や視聴方法などを伝えていくことだとされています。

参照元
総務省
令和2年情報通信白書のポイント 第6章「ICT政策の動向」第4節「放送政策の展開」

安全性や信頼性の確保

総務省の「令和2年情報通信白書のポイント」によると、2018年度の放送停止事故の発生件数は624件。その内、設備に起因する重大事故は49件で、全体の約8%とされています。重大事故の件数は2016年から増加傾向です。

放送は、国民に必要な情報を漏れなく提供することで高い公共性を有する目的があり、社会基盤の1つとされています。そのため、放送業務の支障を可能な限り防ぐことが、今後の課題といえるでしょう。

参照元
総務省
令和2年情報通信白書のポイント 第5章「ICT分野の基本データ」図表5-1-8-12「 重大事故件数の推移」



 

テレビ業界に就職するためにやっておいた方が良いこと

テレビ業界へ就職するためには、具体的にどのような準備をしておけば良いのでしょうか。この項目では、テレビ業界に就職するためのポイントをいくつかご紹介します。

4年制大学を卒業する

テレビ業界に就職するにあたって、4年制大学を卒業することは重要だといえます。なぜなら、テレビ局は、基本的に「4年制大学卒業」を応募条件としているからです。
番組制作会社などでは学歴不問の企業もあるようなので、一概にはいえませんが、4年制の大学を卒業しておけば選択の幅が広がるでしょう。

テレビ局主催のイベントに参加

テレビ局が主催するイベントに、アルバイトとして参加しておくと、就活に役立つでしょう。
テレビ局でアルバイトをすると、業務経験が身につくのはもちろんのこと、社員の方から就活のアドバイスをもらえることも。
テレビ局でのアルバイトは、Webサイト上では分からない業界の実態を知れる大きなチャンスです。募集があったら、積極的に応募してみましょう。

テレビ業界で役立つスキルを身につける

テレビ業界に就職するためには、ほかの就活生に負けない強みが必要といえます。テレビ業界は基本的に倍率が高いとされているため、ありきたりな強みでは、興味を持ってもらえない可能性が高いでしょう。
テレビ業界に就職するときのアピール要素としては、「業界や番組について徹底的に研究しており、知識量なら誰にも負けない」「あらゆる分野の最新技術や流行を認識している」などが挙げられます。
「これだけは誰にも負けない」という強みを1つでも持っておくと、ほかの就活生と差別化できるはずです。

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テレビ業界の一般的なキャリアパス 

テレビ業界に入社したら、どのようにキャリアアップしていくのが一般的なのでしょうか。この項目で、キャリアパスの一例を見てみましょう。

アシスタントディレクター

入社後は、アシスタントディレクター(AD)として業務に携わるのが一般的。アシスタントディレクターとして現場をサポートしながら、仕事の流れや業務スキルを身につけます。

チーフアシスタントディレクター

アシスタントディレクターとしての実績が認められれば、チーフアシスタントディレクターに昇格できます。アシスタントディレクターとしての経験を踏まえて、制作のより深い分野に携わるのがチーフアシスタントディレクターの役割。
具体的には、日々の撮影スケジュールを組んだり、撮影の予定表を作成したりします。

ディレクター

基本的には、入社後3年から5年ほどでディレクターになれるとされています。
ディレクターは、プロデューサーの決定に従い、カメラや音響、照明などの各専門スタッフをまとめながら番組を制作・演出するのが主な役割です。
仕事内容は番組によって異なりますが、取材や構成、台本まですべて1人で担当する場合もあります。

プロデューサー

ディレクターとして経験を積んだあとは、最終的にプロデューサーとなる場合が多いようです。
プロデューサーは、番組の最高責任者として、現場をまとめるのが主な役割。具体的には、番組の企画立案やスポンサーおよび出演者との交渉、制作予算の管理などを行います。



 

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