大学卒業後の留学は新卒扱いになる?就活への影響や経験の活かし方を解説

このページのまとめ

  • 大学卒業後に留学した場合でも、卒業から3年以内であれば新卒扱いになる
  • 大学卒業後に留学する場合、語学力以外の強みも見つけておくのが大事
  • 大学卒業後に留学した場合、空白期間と思われないように気を付ける

大学卒業後の留学は新卒扱いになる?就活への影響や経験の活かし方を解説のイメージ

「大学卒業後に留学した場合、新卒扱いになるのだろうか」と疑問に思う学生もいるでしょう。一般的には、大学卒業から3年以内であれば、新卒扱いしてもらえます。留学から帰国後に、どのような就職活動を行うかイメージしておきましょう。

ここでは、留学経験が帰国後の就職活動に与える影響を解説しています。留学経験を就職活動で活かす方法も解説しているので参考にしてください。

就活には悩みがつきものです。就活終盤の悩みの解消法について知りたい方は「就活をやり直したいときはどうする?就活終盤の悩みの解消方法まとめ」も参考にしてください。

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目 次

卒業後に海外留学に行っても卒業後3年以内は新卒扱いになる

卒業後に海外留学に行った場合、卒業から3年以内であれば新卒として扱われます。従来は既卒扱いでしたが、2010年に厚生労働省が「青少年雇用機会確保指針」を改正した結果、新卒扱いとなりました。

かつては既卒だと大企業の採用試験が受けられないケースもあり、留学した求職者には厳しい状況でした。現在は卒業から3年以内なら、帰国後に新卒採用でエントリーできる企業が増えています。

そのため、「卒業後の海外留学によって新卒入社できない」ということは原則ありません。しかし、実際に卒業後3年以内の人材を新卒扱いで入社させるかは各事業者によるところが多いので、事前に前例があるかどうかを確認しておきましょう。

参照元
厚生労働省
青少年雇用機会確保指針

留学経験が不利にならないと感じた就活生は約6割

内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)(p12)」によると、留学した求職者に配慮されていると感じた就活生は58.8%でした。「多くの企業で配慮されていた」と答えた学生が24.6%、「ある程度の企業で配慮されていた」と感じた学生が34.2%です。

たとえば、「留学経験者向けのスケジュールを示す」「面接日程を調整する」などの配慮があったと回答がされています。すべての企業ではありませんが、企業側の配慮がされていることも知っておくといいでしょう。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)(p12)

新卒と既卒の違い

帰国後に就活を行うにあたって、新卒と既卒の違いを覚えておきましょう。就活では新卒と既卒で応募枠が変わるケースがあります。

まず、新卒とは、高校や大学などを年度末に卒業する学生のことです。新卒採用は、在学中に就職活動を行う学生が募集対象となります。

既卒とは、高校や大学をすでに卒業した人のことです。既卒でも卒業後3年以内は新卒枠で就職活動が可能ですが、3年以上経っている場合は既卒採用での応募となります。

日本の就活の傾向は、新卒一括採用です。そのため、既卒で就活を行う場合、転職者と枠を争うことが多くなります。新卒と比べるとライバルのレベルが高くなり、就活の難易度が上がってしまうでしょう。

既卒での就活については、「”就職浪人とは?”知っておくべき就活の選択肢について」の記事を参考にしてください。

新卒と第二新卒の違い

第二新卒とは、新卒枠で採用され企業での就職経験がある、かつ、学校を卒業してから3年以内の人を指します。新卒で採用されたものの、なんらかの理由で退職した人が該当する場合がほとんどです。

新卒との違いは、すでに新卒枠で一度採用されていること。既卒と同じように、転職者と採用枠を争うケースが一般的です。

ただし、近年は第二新卒を積極的に採用する企業も増加しています。「若い社員を雇いたい企業が多い」「すでに社会人教育を受けている状態であり、新卒と比べて即戦力になる」などの理由から、採用する企業も多い状況です。

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卒業後の留学が新卒扱いになるか気になる就活生に向けてキャリアアドバイザーのアドバイス

留学経験を就活で活かすには、下記のポイントで経験を整理してみてください。
企業選び、応募書類や面接でのPR内容に生かしやすいですよ。

・留学に行こうと思ったきっかけ
・留学を行動に移す決断力
・未経験で果敢に挑戦したこと、細かに計画したり動いたりしたプロセス
・留学中に直面した初めての困難に対しどのように乗り越えたのか?
・そこから何を学んだのか?この経験を通じて自分がどのように成長したのか?
・それを通じてどんな将来像に繋がるのか?今後にどう生かしたいのか?

留学経験を選考で伝えれば、必ずといっていいほど「留学のきっかけ」や「留学中の経験」について聞かれます。このとき、「なんとなく」「周囲に言われて」など自発的ではない理由を述べてしまうと仕事に対しても消極的な印象を持たれてしまうことに。

また、「行ってみたかった」など遊びが目的と思われやすい回答も、目的意識がないと判断されてしまうので注意しましょう。

企業は、「留学したこと」そのものではなく、「留学から得た経験や考え」を知りたいと考えています。質問の意図や本質をしっかり見極めて、回答を準備してくださいね。

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大学卒業後の留学を就活に活かすためのポイント

大学卒業後の留学経験を就活で活かすには、アピールする内容を考えておくのが大切です。そのために、帰国する前から就活への活かし方を意識しておきましょう。

ここでは、留学経験を就活で活かすポイントについて解説します。

留学の目的を明確に決めておく

留学する前から、留学の目的を決めておきましょう。面接で留学の目的を聞かれるケースが多いからです。

企業は「なぜ留学をしたのか」「留学を通して何を学んだか」を知りたいと考えています。明確な目的があり、達成できていれば、高評価を得られるでしょう。

語学力を鍛える

企業は留学経験者に語学力を期待しています。ビジネスで使えるレベルの語学力は、身につけておくのがおすすめです。

企業が留学経験者を採用する目的を、「語学力を使って仕事をしてもらうため」と決めているケースもあります。ほかの求職者より、アピールできるように練習しておきましょう。

語学力をアピールしたい方は、「就活に必要な英語レベルは?評価される職種やアピールのコツを解説!」の記事も参考にしてください。

語学力以外の強みも見つける

語学力以外の強みを身につけ、アピールに使ってください。語学力だけのアピールでは、ほかの留学経験者との差別化につながりません。

たとえば、「海外の文化を通して、積極性が身についた」などのアピールができます。また、コミュニケーション能力をアピールするのもいいでしょう。

留学を就活に活かす方法についてより詳しく知りたい方は「自己PRで留学経験をアピールするには?評価される強みや構成を解説」を参考にしてください。

TOEICで英語力を証明できるようにする

TOEICを受けて、自分の英語力をアピールするのもおすすめです。客観的な評価があれば、実力を証明しやすくなります。

「英語に自信があります」だけでは、客観的ではなく、説得力がありません。TOEICの点数を使って、具体的にアピールできるようにしておきましょう。

就活でアピールできるTOEICの点数については、「就活でアピールできるTOEICの点数&今からできる対策」の記事で詳しく解説しています。

留学経験を就活でのアピールに使う

選考でアピールする際は、留学先でのエピソードを使うようにしましょう。留学をしている人は少ないので、印象に残りやすくなります。

また、留学していることを伝えているのに、エピソードがなければ「学んだことが少ないのかな?」と思われる可能性も。留学でのエピソードは積極的に使い、アピールにつなげてください。

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大学卒業後に海外留学するメリット

大学卒業後に留学すれば、語学を学べるだけではなく、視野を広げることにもつながります。ここでは、留学のメリットを紹介するので参考にしてください。

語学力を伸ばせる

海外留学のメリットは、語学力を鍛えられる点です。海外では、英語や母国語での会話が基本となり、ネイティブな発音を身近で聞くことができます。

また、日本語が通じない環境だからこそ、日常会話から語学力をアップさせることが可能です。日本だけでは身に付けることが難しいスピーキング能力や、リスニング能力などを伸ばせるでしょう。

語学が堪能であれば、グローバルに事業を展開する企業に求められる人材になれるのでおすすめです。

日本以外を見ることで視野を広げられる

日本以外の土地を知ることで、視野を広げられます。文化や価値観、ライフスタイルなど、新しい発見があるでしょう。

視野が広がれば、あらゆる角度から物事を考えられる力や発想力が高まるのもポイント。多角的に考える能力は、仕事でも活かせます。

行動力や主体性を評価されやすい

留学をしようと考え、実行した行動力や主体性も、就活で評価されるポイントです。企業は採用にあたって、「自分で考え、行動できる人材がほしい」と考えています。

企業で評価されるには、自分から動くことが重要です。指示を待ち、素直に従うだけでは評価されません。

日本人は控えめな傾向もあり、積極性が見えない求職者も多くいます。留学で培った行動力や主体性をアピールすれば、評価されやすいでしょう。

行動力をアピールするコツについては、「行動力を自己PRで効果的に伝える方法とは?ポイントと例文をご紹介!」の記事を参考にしてください。

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大学卒業後に留学するデメリット

大学卒業後に留学をしても、評価されるとは限りません。帰国してからの就活で苦労するケースも予想されます。

ここでは、大学卒業後に留学をする場合のデメリットについて解説するので、参考にしてください。

留学経験が評価されるとは限らない

留学した経験が、必ず評価されるとは限りません。企業によって、評価ポイントが変わることは知っておきましょう。

企業によっては、留学が必須条件の場合もあります。ほかの求職者も留学経験者であれば、ただ留学しているからといって評価はされないでしょう。

また、語学力が関係ない仕事の場合でも、留学したからといって評価されるとは限りません。留学経験を通して何をアピールできるかが大事なので覚えておいてください。

留学を空白期間だと思われる場合がある

留学している期間を空白期間だと思われるケースに気を付けましょう。留学期間中は、現地で仕事をしていない人も多いからです。

特に、「遊びたかった」「まだ就職する気になれなかった」などの理由で海外留学を選んだ場合、就職活動で留学経験を強みにできません。一方で、明確な理由や目的があっての留学なら、前向きな印象に捉えられます。

留学経験が就職活動で不利な状況に陥らないためにも、目的・目標を持って取り組むことが重要です。

就活に乗り遅れる

卒業後に海外留学をすると、就活に遅れてしまいます。就職のタイミングがずれるので、就職後に同世代が自分の先輩や上司になる場合もあるので気を付けてください。

また、卒業から3年以上経過している場合は、新卒とは見なされません。新卒の状態でありながら職業経験者も応募する既卒採用枠でエントリーする必要があります。

既卒採用では即戦力が求められ、就業経験がない場合は苦労しやすいのがデメリットです。

在学中に留学しなかった理由を聞かれやすい

卒業後に留学した場合、「なぜ在学中に留学しなかったのか」と聞かれる場合があります。明確な理由を答えられるように準備しておきましょう。

卒業後に留学する理由が特にない場合は、在学中から留学の計画を立てておくのがおすすめです。実際に留学を行い、就職活動に役立てた事例を「【株式会社マーキュリー】自分の直感を信じて入社した会社で、控えめだった私が変われた理由」で紹介しているので、こちらも参考にしてください。

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大学卒業後に留学して帰国後に就活を行う際の進め方

帰国後に就活を行う際は、就職サイトや就活エージェントを活用しましょう。自分だけで就活に取り組もうとしても、「何から始めるのか」「どのように内定を目指すのか」を考えるのは難しいことです。

サポートを受けながら、志望企業の内定獲得を目指しましょう。

就職サイトに登録する

まずは就職サイトに登録し、募集している企業を探しましょう。業種や業界などで絞り、志望企業を探すところから始めます。

就職サイトによっては、「留学経験」「英語」などで検索できる場合も。留学経験を活かして働きたい場合は、キーワードで絞るのもおすすめです。

また、企業を選ぶ前に、就活の軸を確かめておきましょう。方向性を決めておくことで、ミスマッチ防止につながります。詳しくは、「就活の軸とは?見つけ方や伝える際のポイントを解説」も参考にしてください。

就活エージェントに相談する

就活エージェントに相談し、就職活動の進め方を学びましょう。大学卒業後に留学していても、どのように就職活動を行えばいいかを教えてもらえます。

また、留学経験を活かすために、どのように行動すればよいか教えてもらえるのもポイント。
企業に評価されるアピールができれば、内定獲得も近づきます。

就活エージェントを探しているなら、キャリアチケットがおすすめ。留学経験者の就職活動も、アドバイザーがマンツーマンでサポートします。実際に、留学経験を活かして内定を獲得した就活生もいるので、ぜひ相談してください。

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大学卒業後に留学する方法

大学卒業後に海外留学をする場合、「語学留学」「ワーキングホリデー」「専門留学」「大学・大学院留学」の4つが実施できます。それぞれの留学方法の特徴について紹介するので、参考にしてください。

語学留学

語学留学とは、私立または大学付属の語学学校に入学し、英語や現地の言葉を学ぶことです。1ヶ月から半年と短い留学もあれば、1年以上と長期間留学するケースもあります

語学留学は語学を集中的に勉強できるので、英語力にあまり自信がない人も上達しやすいのがポイント。ただし、語学学校の卒業歴は学歴として認められないケースが多いので注意しましょう。

ワーキングホリデー

ワーキングホリデーは、日本と協定を結ぶ国で一定期間働きながら休暇を過ごせる海外留学制度です。留学の期間は1〜2年と長期になります。

ワーキングホリデーを利用すれば、現地でアルバイトや就労も可能なのがメリット。現地で生活費を稼げるだけではなく、実務経験を積めるので就活のアピールに使えます。

ただし、計画性がないと、遊びやアルバイトばかりの留学生活で終わる可能性も。加えて、働くためには少なくともTOEIC600点以上の英語力が必要になる点はデメリットになります。

専門留学

専門留学とは、海外の専門学校に入学することです。専門学校なので、「料理」「ファッション」「アート」「スポーツ」「建築」など、専門的なスキルを身に付けることができます。

世界で通じるスキルが身に付き、専門職に就職したい人は即戦力として採用されやすいのがメリット。ただし、留学には専門分野を理解するだけの英語力が必要です。また、一般的な留学方法ではなく、企業側から理解されないケースもある点は気を付けてください。

大学・大学院留学

海外の大学や大学院に入り直す方法もあります。 日本の大学・大学院よりも高度な専門分野を極めることができ、就職に役立つ知識が身に付くこともあるでしょう。帰国して日本で就職するだけではなく、海外での就職を視野に入れたい人にもおすすめです。

また、大学・大学院に入り直すため、卒業後の就活では新卒扱いになりやすいメリットがあります。
日本では新卒採用を重視する傾向にあるので、新卒枠でエントリーできない不安を減らすことが可能です。

海外の大学や大学院に入学する場合、ギャップイヤーを活用する就活生もいます。就職活動に役立つケースもあるので覚えておきましょう。詳しくは、「就職活動に役立つギャップイヤーとはどのようなもの?」の記事を参考にしてください。

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大学卒業後に留学して新卒扱いで就活を行いたいあなたへ

大学卒業後に留学しても新卒枠としてエントリーできるか不安な方も多いでしょう。近年は留学に対する配慮を行う企業も増えていますが、すべての企業ではありません。そのため、卒業後の留学が就職活動にどのような影響を与えるか、知っておく必要があります。

海外留学の経験は日本では味わえない体験や経験ができ、人生を豊かにします。留学から得た経験や価値観は、就活でも役に立つ可能性があるでしょう。

しかし、具体的にどう活かせばいいのか、卒業後の留学がブランクと思われて不利にならないかなど、就活でさまざまな不安を感じる方は多いはずです。

キャリアチケットは、就職活動に不安を抱える就活生をサポート。留学経験を活かすための自己PRの方法や、どんな企業で働くと自分らしく活躍できるのかなどをアドバイスしています。

下記のボタンから登録し、ぜひご相談ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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