このページのまとめ
- 地方上級公務員とは、大学卒業レベルの公務員試験に合格した職員のこと
- 地方上級公務員は、将来の幹部候補として待遇や昇進スピードで優遇される場合がある
- 民間企業と地方上級公務員で迷ったら、就職エージェントに相談するのがおすすめ

「地方上級公務員とは何?」と気になる就活生も多いでしょう。地方上級公務員とは、大学卒業レベルの公務員試験に合格し、都道府県・政令指定都市に採用された職員のことです。試験の難易度が高い分、幹部候補としてキャリアを積めます。
この記事では、地方上級公務員の仕事内容や職種、なり方を解説します。試験の概要や合格するためのポイント、民間企業の就活と両立するコツもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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- 地方上級公務員とは大卒程度の試験に合格した職員のこと
- 地方初級・地方中級公務員との違い
- 市役所職員との違い
- 国家公務員との違い
- 地方上級公務員の特徴3選
- 1.幹部候補として中核的役割を担う
- 2.地域の活性化に深く携わる
- 3.中級・初級の地方公務員と同じ仕事もする
- 地方上級公務員の職種
- 行政系
- 心理系
- 福祉系
- 技術系
- 公安系
- 資格免許系
- 地方上級公務員の平均年収
- 地方上級公務員のキャリアパス
- 地方上級公務員試験の概要
- 受験資格
- 受験日程
- 試験科目
- 難易度
- 【科目別】地方上級公務員試験の対策方法
- 教養試験
- 専門試験
- 論文・面接
- 地方上級公務員試験のポイント3選
- 1.計画的にスケジュールを立てる
- 2.勉強時間を確保する
- 3.公務員試験対策の予備校に通う
- 地方上級公務員と並行して民間企業を目指すコツ
- それぞれの就活スケジュールを把握する
- スキマ時間を活用する
- 就職エージェントに相談する
- 地方上級公務員と民間企業でお悩みのあなたへ
- 地方上級公務員に関するよくある質問
- Q.地方上級公務員の試験は難しすぎるって本当?
- Q.地方上級公務員になるための勉強時間はどのくらい?
- Q.地方上級公務員を目指すべきか悩む…
地方上級公務員とは大卒程度の試験に合格した職員のこと
「地方上級」とは、大卒程度の学力レベルを必要とする都道府県・政令指定都市・特別区の職員採用試験の総称です。「地方上級公務員」とは、地方上級に区分される公務員試験に合格した自治体の職員を意味します。
短大卒程度の学力レベルは「地方中級」、高卒程度は「地方初級」と表現されますが、これらは公務員試験の際に使われる業界用語です。採用後に、上級公務員や中級公務員と分けて呼ばれることはありません。
初級・中級・上級は、特定の職種や仕事内容を表すのではなく、地方公務員試験を試験の難易度別に分けたものといえるでしょう。
地方初級・地方中級公務員との違い
都道府県・政令指定都市・特別区における地方公務員は、試験の難易度によって地方上級公務員・地方中級公務員・地方初級公務員に分けられます。
それぞれの主な違いは、以下のとおりです。
| 区分 | 詳細 |
| 地方上級公務員 | ・「Ⅰ類」「1種」「A」とも呼ばれる ・大卒程度の学力が求められる ・将来の幹部候補として期待される |
| 地方中級公務員 | ・「Ⅱ類」「2種」「B」とも呼ばれる ・短大卒程度の学力が求められる ・将来の管理職候補として期待される ※自治体によっては「中級」試験を設けていないケースもある |
| 地方初級公務員 | ・「Ⅲ類」「3種」「C」とも呼ばれる ・高卒程度の学力が求められる ・上級や中級と比べて管理職になりづらい |
年齢制限をはじめとする受験資格さえクリアしていれば、高卒の人が地方上級公務員試験を受けられる場合もあります。あくまで大卒程度の学力が求められているだけなので、必ずしも学歴は関係ありません。
地方公務員を目指す場合は、どのような仕事をしたいのか明確にしたうえで、自分がどの公務員試験を受験すべきか把握しておくことが大切です。
市役所職員との違い
地方上級公務員が、大卒程度の試験に合格した都道府県や政令指定都市の職員を指すのに対し、「市役所職員(市町村職員)」は市役所や町村役場の職員を意味します。
主な違いは、業務の範囲と転勤の有無です。都道府県などの地方上級公務員は、複数の市町村にまたがる広域的な行政や、国と市町村の橋渡し的な業務を担います。一方で市役所職員は、住民票の発行や福祉サービスの受付など、より住民の生活に密着した対人サービスが中心です。
地方上級公務員は管轄する地域が広いため、引っ越しを伴う転勤が発生するケースも少なくありません。市役所職員の場合は、勤務地がその市内に限定されるため、生活拠点を固定しやすいでしょう。
市役所の試験のなかにも大卒程度の学力が求められるものはありますが、一般的には地方上級公務員とは呼ばれないことが多いようです。
国家公務員との違い
国家公務員の場合、外務省や厚生労働省などの各省庁で働くケースが一般的です。地方上級公務員は地方で働くため、勤務地の時点で異なっています。
また、国家公務員の場合、省庁ごとの専門分野に特化して業務を行うのが基本です。地方上級公務員の場合は、幅広い業務を担当し、複数の分野に対応できるようにキャリアを積む人が多いでしょう。
公務員の種類について詳しく知りたい方は、「公務員の種類とは?職種別の仕事内容や難易度を一覧で分かりやすく紹介」の記事もご確認ください。
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地方上級公務員の特徴3選
地方公務員は、都道府県や政令指定都市、市町村といった全国の自治体に所属し、公共の利益のために働きます。なかでも、地方上級公務員は幅広い業務を担当するため、やりがいを強く感じられるでしょう。以下で、地方上級公務員の仕事の特徴を3つ解説するので、公務員を目指している就活生の方はぜひご一読ください。
1.幹部候補として中核的役割を担う
地方上級公務員の特徴の一つは、幹部候補として中核的役割を担うことです。入社後は、3〜5年程度でジョブローテーションしながら、幹部に必要とされる経験を積みます。
地方上級公務員は、中級・初級試験に合格した職員と比べて、早い段階から幅広い業務を任されます。地域の包括的な発展に寄与することが求められるポジションといえるでしょう。子育て支援や福祉などのさまざまな社会課題に対し、組織の中心となって働く必要があります。
2.地域の活性化に深く携わる
地域の活性化に深く携われるのも、地方上級公務員の特徴です。地域の魅力を引き出すためのイベントの計画・実施や民間企業との連携など、地域の活性化を直接的に推進するような仕事も多いでしょう。
また、各種政策や都市計画を立案する際には、説明会などを通じて住民の声を直接聞く機会もあります。地域の連携を深めるためにも、立場や世代の異なる多くの人と積極的に関わり、合意形成を図る姿勢が求められます。
3.中級・初級の地方公務員と同じ仕事もする
地方上級公務員として採用されたからといって、中級・初級の地方公務員とすべての仕事内容が異なるわけではありません。将来的に組織を牽引するリーダーとなるためにも、若手のうちは現場での実務を幅広く経験します。
窓口業務や事務処理など、中級・初級で採用された職員と同じ現場に配属され、ともに働く場面も多いでしょう。こうした現場での実務経験を積み、住民のニーズを肌で感じることが、将来的なキャリアアップに向けた準備になります。
地方公務員の仕事について詳しくは、「公務員の仕事内容とは?種類と職種別でご紹介!」の記事を確認してみてください。
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地方上級公務員の職種
ひと口に地方上級公務員といっても、職種や仕事内容はさまざまです。以下では、地方上級公務員の各職種の担当業務や勤務先について解説します。地方公務員の仕事を理解するための参考にしてみてください。
行政系
行政系の地方上級公務員は、「一般事務」や「行政事務」とも呼ばれ、本庁や出先機関などに勤務します。具体的な仕事内容は、配属される部署によってさまざまです。
地方初級公務員が主に定型的な事務処理を担当する一方で、地方上級公務員は部署間の連携を必要とする仕事を中心に、あらゆる業務を担当します。
行政系の地方上級公務員が担当する業務の例は、以下のとおりです。
・政策の企画および立案
・予算の編成や執行管理
・地方税の賦課や徴収
・都市計画の策定や推進
・住民への広報や情報発信
・環境保全に関する施策の実施 など
ほかに、公立学校に勤務する「学校事務」や、警察署などに勤務する「警察事務」も行政系の地方上級公務員の仕事の一つです。
学校事務は、各市町村立の小・中学校や都道府県立の高校に勤務し、会計や備品管理、学校行事の準備などを行います。警察事務の場合は、遺失物届の受理や犯罪情報の収集・分析などの、警察独自の業務があるのが特徴です。
心理系
地方公務員として心理学の知識を活かせるのが、心理系の職種です。心理系の地方上級公務員は、児童心理司や心理判定員として児童相談所や病院、こども家庭センターなどで、以下の業務を担当します。
・心理検査や診断
・カウンセリング
・心理学的助言や援助
・関係機関との連絡調整 など
心理系の地方上級公務員の役割は、問題を抱える個人や家族の心身の健康をサポートすることです。自治体によっては、受験資格に公認心理師や臨床心理士などの資格要件、あるいは大学での専攻を設けているケースがあります。
福祉系
福祉系とは、主に都道府県や政令指定都市が運営する福祉事務所や児童相談所で、相談やケースワークに関わる職種です。また、県庁や市役所などで、社会福祉系の専門業務を担う場合もあります。
国家公務員と比べて、地方公務員としての採用が多いのが福祉系の職種です。福祉系の地方上級公務員になるには、「福祉職」や「社会福祉」といった区分の試験に合格する必要があります。なお、多くの自治体が社会福祉士や児童指導員などの資格要件を定めているため、事前に確認しておきましょう。
技術系
技術系の地方公務員は、公共施設やインフラの整備・保全を支える各分野のスペシャリストです。技術系は専門性の高い仕事を中心に担いますが、地方上級公務員の場合は、幹部候補として統括や企画、他部署との連携を図る業務にも加わります。
| 専門分野 | 配属先 | 仕事内容 |
| 土木 | 土木課、道路課、河川課、公園課、水道局など | 道路や河川、公園、上下水道、都市計画に関わり、地域のまちづくりを担う |
| 建築 | 建築課、営繕課、都市整備局など | 建築物の検査申請を扱う窓口や検査業務を担う |
| 電気 | 環境施設課、清掃事務所、水道局、交通局など | 自治体が管理する街灯やごみ焼却施設、上下水道の施設における電気系統の維持・管理を担う |
ほかにも、機械、化学、農業、林業といった分野があり、それぞれ大学で履修した専門的な知識やスキルが求められます。
公安系
警察官や消防士など、社会の安全と平和を守る仕事を担うのが公安系の地方公務員です。公安系の職種は、地域の治安維持に努めるほか、犯罪や火災を予防するための教育活動も行います。大卒程度の試験に合格した場合、将来の幹部候補としての活躍が期待されるでしょう。
警察官は各都道府県警察に所属し、交番勤務や交通取締、刑事業務など、配属先によって異なる業務を担います。消防士は、各自治体が実施する採用試験に合格したあと、消防学校での訓練を経て各市町村の消防署などに配属されます。いずれも受験資格として、年齢制限に加えて身長・体重・視力などの身体基準が設けられているのが特徴です。
資格免許系
地方上級公務員には、資格や免許を持っていなければ従事できない職種もあります。たとえば、看護師や保健師、保育士などは、国家資格を取得したうえで公務員試験に合格しなければなりません。
資格免許系の地方公務員は、専門的な資格を活かして医療や教育の分野で働きます。看護師の場合、各自治体が運営する公立病院をはじめ、保健所や保健センター、公立の保育所が主な勤務先です。また、保育士は公立の保育園や認定こども園などに配属されます。
資格免許系の公務員試験では、各分野の専門知識を問われる専門試験や口述試験が課されます。民間施設に勤務する同職種と異なり、身分は地方公務員となるため、福利厚生や給与体系は自治体の規定にもとづくのが特徴です。
地方上級公務員を目指している方は、「業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」の記事を参考に職種研究も進めてみてください。地方上級公務員のなかから、自分の適性に合うものを見つけましょう。
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地方上級公務員の平均年収
地方上級公務員の年収は、勤務する自治体の給与規定や地域手当によって異なります。一般的には、初級・中級公務員と比較すると高い水準にあるでしょう。
総務省の「地方公務員の給料表の仕組み」によると、地方公務員は、「号」と「級」の組み合わせで給料が決まります。たとえば、「上級で採用された職員は1級15号から」「中級で採用された職員は1級10号から」など、採用区分によって初任給も異なるのが一般的です。
また、同省の「令和6年地方公務員給与の実態」によると、一般行政職の公務員の平均給料月額は以下のとおりでした。
| 大学卒 | 短大卒 | 高校卒 | |
| 1年未満 | 200,048円 | 181,792円 | 169,762円 |
| 1年以上2年未満 | 205,456円 | 187,654円 | 174,059円 |
| 2年以上3年未満 | 211,382円 | 194,604円 | 179,328円 |
| 3年以上5年未満 | 221,390円 | 205,123円 | 189,004円 |
| 5年以上7年未満 | 235,248円 | 217,384円 | 203,322円 |
| 7年以上10年未満 | 253,527円 | 233,385円 | 218,926円 |
| 10年以上15年未満 | 283,654円 | 259,872円 | 246,170円 |
| 15年以上20年未満 | 327,521円 | 296,406円 | 282,553円 |
| 20年以上25年未満 | 366,910円 | 339,774円 | 325,520円 |
| 25年以上30年未満 | 391,492円 | 370,076円 | 360,002円 |
| 30年以上35年未満 | 408,909円 | 386,836円 | 381,290円 |
| 35年以上 | 396,993円 | 384,805円 | 385,329円 |
参照:総務省「令和6年地方公務員給与の実態」
上記は、手当を含まない月ごとの給料(基本給)です。年収で計算する際は、これに地域手当や扶養手当などの諸手当とボーナスが加算されます。上級公務員と中級・初級公務員の実際の年収差は表の数字以上に大きいといえるでしょう。
ただし、上表はあくまで学歴別の平均給与をまとめたものです。試験区分で分けられたものではないので、参考程度にご覧ください。
地方公務員は、若いうちは民間企業と大きな差がないことも多いですが、勤務年数によって着実に昇給していくのが特徴。キャリアアップして管理職に昇進すると、年収が1,000万円を超えるケースもあります。特に、東京や大阪などの都市部では地域手当が加算されるため、地方の自治体と比較して年収が高くなる傾向にあるでしょう。
公務員の昇給については、「公務員の給料事情とは?年齢別の違いや職種の違いによる差を詳しく解説!」も参考にしてみてください。
参照元
総務省
令和6年地方公務員給与の実態
給与・定員等の制度概要
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地方上級公務員のキャリアパス
前述したように、地方上級公務員として採用された職員は、将来の幹部候補として期待されています。数年ごとの異動を通じて、幅広い業務を経験するジェネラリストとしてのキャリアを歩むのが一般的です。
採用されたばかりの地方上級公務員は、複数の部署を経験し、行政実務の基礎を学びます。数年の経験を経て業務に慣れてくると、実務のリーダーとして、担当業務のとりまとめや後輩を指導。その後、課長級以上の管理職として、組織のマネジメントや政策の意思決定に関わり、最終的には組織全体の運営を担う経営層としての役割が期待されるようになるでしょう。
地方上級公務員の場合、初級や中級と比較して昇進のスピードが速く、より高い役職まで昇り詰める可能性が高いのが特徴です。3〜5年周期の定期的な人事異動によって、福祉や教育、産業振興、防災など、自治体のあらゆる分野に精通した人材へと成長していきます。
なお、昇任や昇級に関しては、筆記や面接による独自の昇任試験を課す自治体もあれば、勤務成績や経験年数にもとづき選考を行う自治体もあるなど、その方針はさまざまです。
地方上級公務員のキャリアプランについて検討したい方は、「キャリアプランの例文18選!面接での答え方や思いつかないときの考え方」の記事を参考にしてみてください。
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地方上級公務員試験の概要
以下では、地方上級公務員試験の試験の概要を解説します。受験資格や科目、難易度について知りたい方は、ぜひご一読ください。
受験資格
地方上級公務員試験は、学歴を問わず受験できるものがほとんどです。ただし、多くの自治体では年齢制限が設けられています。一般的には22〜30歳前後に設定されており、35歳まで受験が認められている自治体もあるでしょう。
また、「地方公務員法第16条」によると、以下の条件に当てはまる人は公務員試験を受験することができません。
・拘禁刑以上の刑を受け、執行が終わっていない人
・受験する自治体で過去2年以内に懲戒免職になった人
・人事委員会や公平委員会の委員として特定の罪で刑を受けた人
・憲法や政府を暴力で壊そうとする団体に属している人
職種によっては、受験にあたって資格が必要な場合もあります。自治体によって条件は異なるので、事前に採用情報を確認しましょう。公務員試験での資格の必要性については、「公務員に資格は必要?職種の違いや採用までの流れを解説」の記事も参考にしてみてください。
参照元
e-Gov 法令検索
地方公務員法
受験日程
地方上級公務員試験の日程は自治体により異なりますが、例年5〜6月の週末を中心に1次試験日が設定されます。2〜5月にその年の試験案内が自治体のホームページに公表され、3〜4月に申込受付が始まるスケジュールです。
近年では、全国的に多くの自治体がインターネット経由で受験の申し込みを受け付けています。なお、1次試験日が重なっていなければ、併願をしても問題ありません。年度によってスケジュールが変わる場合もあるため、計画的に準備をしましょう。
試験科目
地方上級公務員の1次試験では、教養試験や専門試験、論文が課されます。2次試験になると、面接や集団討論といった試験を実施する自治体が多いでしょう。
特に、教養試験や専門試験の出題範囲は広く、しっかりと対策する必要があります。教養試験の主な出題内容は下記のとおりです。
・数的処理
・文章理解
・人文科学
・自然科学
・社会科学
・時事問題
なお、各科目すべて出題される場合もあれば、選択式を採用している・一部の科目のみを出題範囲としている自治体もあります。問題数を含め、試験範囲は自治体や職種によって異なるため、自分が受験する自治体の出題傾向に合わせて対策することが大切です。
難易度
地方公務員試験のなかで難易度が高いとされる地方上級公務員試験ですが、競争倍率は自治体によって異なります。総務省の「地方公務員の職員採用方法の多様化について(5p)」によると、2016年から2020年の5年間における地方上級公務員試験の競争倍率は、全国平均で6倍~7倍ほどでした。
また、同省の「地方公務員における働き方改革に係る状況」で公表された、過去10年間の地方公務員試験における受験者数、合格者数、競争率の推移は以下のとおりです。

引用:総務省「地方公務員における働き方改革に係る状況」
2016年から2020年の5年間の競争率は6~6.5倍ほどであることを考えると、ほかの区分と比較しても地方上級公務員は競争率が高いことが推測できます。しかし、地方公務員試験の競争倍率は年々低下傾向にあるため、地方上級の公務員試験においても、倍率が低下している可能性があるでしょう。
自治体の多くは、公式サイトや採用ページで試験実施状況を公表しています。希望の地域や職種が決まったら一度確認してみるのがおすすめです。
参照元
総務省
勤務条件・採用試験等
地方公務員における働き方改革に係る状況
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【科目別】地方上級公務員試験の対策方法
地方上級公務員試験は、公務員試験のなかでも比較的難易度が高いので、合格するためにはしっかりとした対策が必要です。ここでは、試験科目ごとにどのような対策をとるべきかを解説します。公務員を目指している就活生の方は、ぜひ参考にしてください。
教養試験
教養試験は、大きく「一般知能」と「一般知識」に分けられます。さまざまな分野から出題されるのが特徴です。なかでも、重要なのが一般知能に分類される数的処理だといわれています。多くの自治体の公務員試験で出題されるうえに、出題数も多い科目です。
なお、数的処理はこれまで学習した数学とは毛色が全く違うため、苦手意識をもつ学生も少なくありません。地方上級公務員試験の勉強を始めたら、一般知能の対策を優先して取り組むのがおすすめです。
専門試験
専門試験は職種によって試験科目が異なります。
| 職種区分 | 科目 | 内容 |
| 行政系職種 | 法律系科目 | 憲法、民法、行政法、労働法、刑法、商法など |
| 経済系科目 | 経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)、財政学、経営学、会計学、統計学など | |
| 行政系科目 | 政治学、行政学、社会学、国際関係論など | |
| 心理・福祉系職種 | 心理・福祉系科目 | 心理学、社会学、教育学、社会福祉、社会調査など |
| 技術系職種 | 技術系科目 | 土木、工学、建築、機械、電気など |
採用数が多い行政系の対策を例に挙げると、法律系の憲法や民法、行政法、そして経済系の経済原論などが試験範囲となります。専門試験に関しては、それぞれの科目の問題数や配点によって、重点的に取り組むポイントを絞って対策すると効果的です。
論文・面接
公務員試験では、論文や面接の対策も欠かせません。教養試験や専門試験の勉強に追われていると、論文や面接対策が疎かになりがちです。しかし、地方公務員試験では論文や面接を重視する自治体も多く、内容次第で合否が決まるケースもあるでしょう。
論文の書き方や面接マナーは短期間で身につけるのが難しいため、なるべく早めに対策するのがポイントです。論文であれば、制限時間内に字数を守って書き上げられるように何度も練習し、第三者に添削してもらうと良いでしょう。
面接対策を行う際は、面接官に納得してもらえるような志望動機の深掘りや、模擬面接で実践感覚を掴むのがおすすめです。公務員の志望動機の書き方については、「公務員になりたい理由に使える6例文を紹介!考え方のポイントや手順を解説」も参考にしてみてください。
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地方上級公務員試験のポイント3選
地方上級公務員試験に合格するためには、計画的にスケジュールを立て、勉強時間を確保することが大切です。場合によっては、公務員対策の予備校に通うことも検討できます。以下では、地方上級公務員の試験対策のポイントを解説するので、ぜひチェックしてみてください。
1.計画的にスケジュールを立てる
地方上級公務員試験の合格に向けて、まずは計画的にスケジュールを立てましょう。就活生のなかには、大学の授業で公務員試験対策の講座を取り、大学1年生のときから勉強を進める学生もいます。
ただし、あまり早くから勉強に取り組んでしまうと、中だるみしてしまう人もいるようです。また、試験まで期間が空いてしまい、勉強した内容を忘れてしまうこともあります。試験日から逆算し、自分に合った試験対策スケジュールを立てましょう。
2.勉強時間を確保する
地方上級公務員試験に合格するためにも、十分な勉強時間を確保しましょう。一般的に、公務員試験合格に必要な勉強時間は、1000時間以上とされています。公務員試験は出題範囲が広く、多様な知識を身につけるためには時間をかけてインプットが必要です。
大学生は授業や部活動・サークル活動、アルバイトと忙しく、勉強に費やす時間を確保するのを難しく感じる方もいるでしょう。平日の夜や休日を優先的に充てるといった工夫で、生活リズムのなかに学習を組み込むことが大切です。
特に配点の高い数的処理などの科目は、毎日少しずつでも触れ続けることで、知識の定着を図り、解答スピードを維持することができます。無理のない範囲で、学習を習慣化することが合格への近道です。
公務員試験に合格するための勉強時間については、「公務員試験の勉強時間は?合格するための試験対策のポイントも解説」の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
3.公務員試験対策の予備校に通う
自力での勉強が難しい場合には、地方公務員試験対策の予備校に通うのもおすすめです。予備校に通うメリットとして、全国の自治体ごとの出題傾向や試験に関する最新情報が得られたり、効率良く試験対策を行える講座を受けられたりする点が挙げられます。
予備校によっては、筆記試験だけでなく面接対策もサポートしてくれるため、2次試験への不安も減るでしょう。一方で、予備校に通うためには受講料を払う必要があるほか、講義を受ける時間も作らなければなりません。お金や時間、自分の試験対策の状況を考慮したうえで、予備校に通うかどうかを検討してみましょう。
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地方上級公務員と並行して民間企業を目指すコツ
就活生のなかには、公務員試験と並行して民間企業の選考を受ける方もいるでしょう。公務員と民間企業を併願する場合は、時間の使い方が大切です。以下では、公務員と民間企業を並行して目指す場合のコツを4つ解説します。
それぞれの就活スケジュールを把握する
公務員試験と民間企業を併願する際は、まずは両方の選考スケジュールを調べ、どのように動くかを考えておきましょう。スケジュールを把握しておかないと、試験日と選考が重なったり、準備の時間が足りなかったりするかもしれません。
公務員試験のスケジュールは志望する自治体によって異なるので、事前の確認が欠かせません。民間企業の就活スケジュールについては、3月にエントリーが解禁され、6月に選考が解禁されるのが一般的です。しかし、なかには早期選考を実施している企業もあります。
企業の早期選考と本選考、公務員試験の日程を確認し、スケジュールが被らないように調整を行いましょう。民間企業の就活スケジュールについては、「就活開始時期はいつ?26卒のスケジュールや具体的な流れを解説」の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
スキマ時間を活用する
公務員試験と民間企業を併願するなら、スキマ時間を活用することも重要です。講義やアルバイトの休憩時間、移動中などのスキマ時間を逃さないようにしましょう。30分あれば、公務員試験の勉強や、民間企業の選考に向けた自己PRや志望動機を考える時間に使えます。
民間企業もSPIなどの適性検査がありますが、公務員試験と比べると短期間で対策が可能です。そのため、公務員試験の勉強時間を優先的に確保しておき、空いた時間で民間企業の試験対策を行うとよいでしょう。
公務員試験と民間企業を並行する場合は忙しく、まとまった時間はなかなかとれません。少しの時間をコツコツと積み重ねて、ほかの就活生に負けないくらい就活対策を行うようにしましょう。
就職エージェントに相談する
公務員試験で民間企業の対策に時間がとれない場合は、就職エージェントに相談するのがおすすめです。就活のプロに相談することで、書類作成や面接対策に必要なサポートを受けられます。自分の希望に合う企業も紹介してもらえるため、企業選びや企業研究の時間も大幅に短縮できるでしょう。
就職エージェントは、限られた時間のなかで効率的に内定を獲得するための強力なパートナーとなります。多くのサポートを受けられるため、精神的なゆとりにもつながるでしょう。まずは一度面談に足を運び、公務員と併願している旨を伝えたうえで、自分に最適な就活プランを提案してもらうのがおすすめです。
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地方上級公務員と民間企業でお悩みのあなたへ
「地方上級公務員として地域に貢献したい」という思いがある一方で、「試験対策が間に合うか不安」「民間企業も魅力的で迷う」と、進路決定に悩んでいる方もいるでしょう。
実際、地方上級公務員試験に合格するためには、多くの勉強時間を確保する必要があります。民間企業と併願すると、公務員試験対策の時間と選考対策の両方を行わなければならなくなり、負担も大きくなりやすいでしょう。
「公務員試験の勉強に専念すべきか、民間企業の選考も受けるべきか」という進路選択で迷っているなら、一人で抱え込まずにキャリアチケット就職エージェントへご相談ください。
キャリアチケット就職エージェントは、就活にお悩みを抱える学生の支援に特化した、新卒向けのサービスです。多くの就活生をサポートしてきた経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの希望と適性にピッタリの企業を厳選してご紹介します。
企業研究や書類作成、面接対策、スケジュール管理など、就活を一貫してサポートするので、公務員試験に集中したい方も安心できるでしょう。就活に関するどのようなお悩みにも対応しているので、内定獲得後の進路についてもご相談いただけます。すべてのサービスが無料なので、まずはお気軽にキャリアチケット就職エージェントへお問い合わせください。
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地方上級公務員に関するよくある質問
ここでは、地方上級公務員に関するよくある質問をご紹介します。
Q.地方上級公務員の試験は難しすぎるって本当?
A.地方上級公務員の試験の難易度は大卒程度です。公務員試験のなかでも上位に位置しますが、決して手が届かないものではありません。独学での合格も十分に可能でしょう。倍率は自治体により異なりますが、おおむね6〜7倍程度が一般的です。
試験範囲は広いものの、頻出分野に絞って効率的に対策すれば、十分に合格を狙えます。また、近年の受験者数は減少傾向にあるため、以前よりも合格のチャンスは広がっているでしょう。
Q.地方上級公務員になるための勉強時間はどのくらい?
A.合格に必要な勉強時間の目安は、一般的に1000時間程度と言われています。これは、1日3時間の勉強を約1年間継続する計算です。試験科目は教養科目と専門科目を合わせて30科目近くに及ぶため、計画的な学習が欠かせません。
しかし、教養試験のみで受験できる自治体や特定の科目の配点が高い自治体など、志望先を絞って対策を最適化することで、より短期間で合格を目指せるでしょう。
Q.地方上級公務員を目指すべきか悩む…
A. 地方上級公務員は、転勤の範囲が一定の地域内に限定されつつも、大規模な施策や広域的な課題に関われるのが特徴です。給与水準も安定しており、生涯賃金や福利厚生の面でもメリットがあるでしょう。
一方で、責任の重い業務や多忙な部署もあります。地域社会の基盤を支えることにやりがいを感じ、安定した環境でキャリアを積みたいと考える人には、魅力的な選択肢となるでしょう。
自分の進路に悩む場合は、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事を参考にしつつ、地方上級公務員について調査してみてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。