内定辞退の理由を聞かれたら?伝え方のポイントや例文を解説

このページのまとめ

  • 内定辞退の理由は「一身上の都合」として基本的に伝える必要はない
  • 内定辞退を伝える際にはまず電話をかけ、担当者不在の場合にはメールを送る
  • 内定辞退の理由としてネガティブな理由や内定先の会社名を伝えるのは避ける

内定辞退の理由を聞かれたら?伝え方のポイントや例文を解説のイメージ

「内定辞退の理由は何を伝えればいいの?」「どのように伝えれば良いかポイントを知りたい」などと悩む就活生もいるでしょう。人事の方に納得してもらうためにも、内定辞退の理由は正直に、明確に伝えるのがポイントです。

この記事では、内定辞退でよくある理由や、辞退の伝え方、例文などを解説しています。最後まで読めば、誠意が伝わる内定辞退ができるようになるので参考にしてください。

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目 次

内定辞退の理由を詳しく伝える必要はない

内定辞退を伝える際に、自分からあえて辞退理由を話す必要はありません。理由は「一身上の都合」と伝えれば良いでしょう。

ただし、人事部の人から「なぜ内定を辞退するのか」と聞かれた場合には、内定辞退の理由を伝える必要があります。その場合には、嘘をつかずに誠実に話をしましょう。

理由によっては、内定辞退を伝えにくく感じる人もいるかもしれません。しかし、企業側は内定辞退者にあわせて追加で採用を進めたり、採用戦略にあわせた対応をしたりする必要があります。

内定承諾か辞退か分からない状態は企業に対して迷惑になってしまうので、内定を辞退する場合には必ず相手企業に伝えましょう。

内定辞退の連絡方法やマナーについては、「内定辞退はメールで伝えても大丈夫?送る内容や送信時のマナーについて解説」の記事で解説しているので参考にしてください。

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内定辞退の理由を聞かれたら?就活でよくある辞退理由を紹介

内定辞退を行うと、辞退理由を詳しく聞かれる場合があります。どのような辞退理由を伝えるのか、先に考えておきましょう。ここでは、内定辞退でよく使われる理由を8つ紹介します。

他社の内定を受けるから

内定辞退の理由で多いものが、「他社の内定をもらったから」です。シンプルで分かりやすい理由のため、使う就活生が多くいます。

他社の内定を辞退理由にする場合は、「しっかりと比較した結果、他社を選ぶことにした」と伝えましょう。「第一志望の会社に行くことにした」のように伝えると、失礼な印象を与えるので気をつけてください。

希望職種ではなかったから

「内定をもらった職種が、希望する職種ではなかった」も辞退理由として使われる内容です。就活では内定をもらえたとしても、希望する職種や業務内容とは違う職種で内定する場合もあります。

希望しない職種で入社しても、入社後にギャップを感じたり、モチベーションがあがらずに退職したりとお互いにとってマイナスです。自分が目指していた職種と異なる場合は、正直に伝えると良いでしょう。

志望業界が変わったから

就活を進めるなかで志望業界が変わり、内定自体を考える場合もあるでしょう。エントリーしたころは第一志望の企業でも、ほかの企業を受けたり、企業や業界の情報を集めたりした結果、考えが変わる就活生もいます。

この場合は、「就活を行うなかで考え方が変わり、志望業界が変わった」と素直に伝えましょう。自分の就きたい仕事は、内定をもらった企業ではできないことを伝えるのが辞退のポイントです。

自分の適性と合わないと感じたから

「自分の適性や性格と合わない」も辞退理由の一つです。内定をもらっても、「社風が合わなさそう」「仕事で活躍できなさそう」などと何か違うと感じる場合もあるでしょう。

企業と合わないと感じて辞退する場合、どのような部分が合わないか伝えるのがポイントです。なんとなく自分と合わないと感じたと伝えても、納得感がなく、引き止められる可能性もあるので気をつけてください。

地元で働きたいから

地元企業で働くために、内定を辞退する就活生もいます。都市部と地元の両方で就活を行い、どちらにするか考えているケースもよくある話です。

地元で働くことを辞退理由にする場合、なぜ地元で働きたいのか考えておきましょう。内定先ではできないことを実現するために辞退すると伝えるのも一つです。

公務員に就職するから

公務員と民間企業を併願し、公務員を選ぶケースもあります。この場合は、「公務員になることにした」と正直に伝えてください。

ただし、公務員を目指しているのであれば、選考段階から伝えておくのがポイントです。公務員試験の結果は夏から秋に出るケースがあり、内定承諾から辞退まで時間が空くケースもあります。

あとから「公務員試験に合格したので辞退します」と伝えた場合、担当者が不快に感じ、トラブルになる可能性もあるでしょう。事前に公務員試験も受けていることを伝え、辞退する可能性を知ってもらっていた方が、トラブルは避けやすくなります。

大学院に進学するから

就職ではなく、大学院に進学するケースもあります。進学と就職で悩み、両方を進めていた人もいるでしょう。

注意点は、大学院受験に失敗した場合に備えて、就活を行っていたケースです。「大学院に受からない場合に備えて就活していた」と伝えれば、当然ですが印象は悪くなります。しっかりと悩んだ結果、大学院に行くことにしたと伝えてください。

留年で卒業できなくなったから

留年が確定して卒業できず、内定を辞退せざるを得ない場合もあります。この場合、速やかに留年したことを伝えるようにしてください。

企業によっては卒業まで入社を待ってもらえるケースもありますが、基本的には内定取り消しになります。自分の確認不足で内定を承諾できないことを謝罪し、単位取得に力を入れましょう。

留年してしまった場合の就活の進め方については、「留年したら就職できないって本当?内定獲得に向けた対策や注意点を解説」の記事で解説しています。留年は企業に迷惑をかけるだけでなく、内定辞退や取り消しにつながってしまうので、単位取得は確実に進めておきましょう。

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内定辞退の理由を伝える際のマナー

内定辞退を伝える際に、連絡が遅くなってしまったり、内定保留期間が長すぎるのは失礼に当たります。内定を辞退を伝える際には、以下のマナーを覚えておいてください。

内定辞退の連絡は早く行う

企業は内定辞退者が出ると、新たな学生を採用したり、新入社員の人員配置を考え直したりするなど仕事が増えてしまいます。そのため、内定辞退の連絡はできるだけ早く行いましょう。

内定辞退の連絡が遅くなればなるほど企業に迷惑がかかると考え、内定辞退の連絡はできるだけ早めにしてください。

内定保留の期間は1週間程度が目安になる

どこの会社に入社するか決まらず内定を辞退するかも決まらない場合には、内定の保留をすることが可能です。内定通知をもらってから内定承諾書を提出するまでの期間は、企業によって異なりますが、1週間程度が一般的だとされています。

しかし、複数企業に応募しており、第一希望の企業から返事がもらえていないために、すぐに内定承諾を決められない場合もあるでしょう。すぐに内定承諾を決められないと判断した場合は、企業へ保留したい旨を伝えます。承諾するのかどうかの最終的な回答期限については時期や企業によって違うので、保留を伝える際に確認すると良いでしょう。

内定保留については、「内定を保留したいときは企業にどう伝える?適切な対応方法や例文をご紹介」も参考にしてください。

まずは電話で伝える

内定辞退を伝える際は、メールよりも先に電話で連絡しましょう。メールの場合は送信ミスやエラーで届かなかったり、担当者の確認が遅くなってしまったりするためです。

また、内定辞退は企業に迷惑をかける行為になるので、文面ではなく声で謝罪の意を伝えることも大切になります。内定辞退は話しにくい内容ではありますが、まず電話で連絡し、担当者が不在の場合はメールで連絡するようにしましょう。

営業時間内に連絡する

内定辞退の連絡は、営業時間内に行ってください。担当者が忙しくなる時間帯や休憩時間も外すのがマナーになります。

たとえば、始業直後や就業間際は対応すべき仕事が多く、忙しい時間帯です。午前の仕事が落ち着き始める11時以降や、午後の仕事が落ち着く14時以降を目安に連絡すると良いでしょう。人事の都合も考えて、迷惑をかけないように連絡するのも大切です。

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好印象を与えられる内定辞退理由の伝え方

ここでは、内定辞退の理由を伝える際のテンプレートを紹介します。内容を分かりやすく伝えられるように、どのような順番で内容を伝えるか考えておきましょう。

1.大学名と氏名を名乗る

まずは誰からの連絡か分かるように、大学名と氏名を名乗ってください。「お世話になっております。△△大学の△△と申します」と伝えます。

その後、「人事部(採用担当者)の△△様はいらっしゃいますか?」と確認しましょう。

2.内定のお礼と辞退を伝える

採用担当者に電話を代わってもらったら、まずは内定に対するお礼を伝えます。「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。」のように伝えてください。

その後、「大変勝手ではありますが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました」のように、内定辞退の旨を伝えます。「恐縮ですが」「申し訳ございませんが」のように、謝罪と主に内定辞退を述べてください。

3.辞退理由を伝える

辞退理由を聞かれた場合は、なぜ辞退するのかを伝えます。もし、聞かれなかった場合は、自分から伝える必要はありません。

採用担当者が辞退理由を聞くケースには、「今後の選考に活かしたい場合」「内定辞退を引き止めたい場合」の大きく分けて2つがあります。あいまいな辞退理由の場合、内定辞退の引き留めにあう可能性も考えられるので、採用担当者が納得できる理由を準備しておいてください。

4.再度お礼を伝える

最後に、内定を出してもらったことや、これまで選考に関わっていただいたことへのお礼を伝えましょう。「△△様には選考から大変お世話になりました」「御社には大変お世話になり、ありがとうございました」のように伝えます。

内定辞退を電話で連絡する場合のポイントは、「内定辞退の電話は怖い?伝え方のポイントや例文を解説」の記事も参考にしてください。これまで対応してくださったことも含めて、誠意をもって最後まで対応しましょう。

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内定辞退の理由を述べる際の注意点

内定辞退の理由を伝える際は、正直に、自分の意志で決めたことを伝えるのがポイントです。嘘をついたりごまかしたりしてしまうと、引き留めに合う可能性もあります。

ここでは、内定辞退の理由を伝える際の注意点を4つ解説するので、参考にしてください。

内定先の会社名は言わない

他社の内定を受ける際に、辞退をする企業には内定先の企業名は伏せるのがマナー。内定先の企業と辞退をする企業に関わりがある可能性もあり、場合によってはトラブルに発展する恐れがあるためです。

内定辞退を伝えた際に、どこの会社に入社するのか詳しく聞かれた場合には、「申し訳ありませんが、お答えすることができません」と伝えて問題ありません。

ネガティブな理由は避ける

内定辞退を伝える際には、「御社より待遇の良い企業に内定した」「御社がブラック企業という情報を見た」など、辞退先の企業を批判するような言い方は避けましょう。

本当はネガティブな理由での辞退だとしても、採用に時間をかけ内定を出してくれた会社には感謝の姿勢を見せることが基本です。相手が不快にならないように、内定辞退の理由には配慮しましょう。

嘘はつかない

内定辞退の理由を伝える際に、嘘はつかないようにしましょう。

適当な嘘は、多くの学生と接してきた人事部の人には伝わるものです。内定辞退は仕方がないことですが、嘘をつくことで相手を不快にさせてしまいます。

また、今後関わることがない会社だと思っていても、他社に入社後に取引先として関わる可能性もあります。内定辞退の理由は、嘘をつかず誠実に伝えましょう。

就活で嘘をつく問題点やリスクについては、「就活で嘘をつくのはNG?人事にバレる理由とリスク」の記事も参考にしてください。

自分の意思で決める

内定を辞退するかどうかは、自分の意思で決めて伝えましょう。「周囲に言われたから」を辞退理由にしてしまうと、内定を引き止められた際に、答えに困ってしまうからです。

家族などに反対されたと伝えた場合、人事から、「家族の意見は分かったけど、自分の意思はどうなの?」「ご家族が納得できるように、私から説明するよ」と言われてしまう可能性もあります。辞退を伝えたかったのに、受け入れてもらえないかもしれません。

辞退理由を納得してもらうためには、自分の意思で決めたことを伝える必要があります。周囲のせいにせず、自分で責任を持って辞退を決めるようにしてください。

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内定辞退の理由を伝える際の例文

ここでは、内定辞退の理由を伝える際の例文を紹介します。電話とメール、それぞれの例文を紹介するので、参考にしてください。

電話で伝える場合の例文

お世話になっております。△△大学の△△と申します。
お忙しいところ恐縮ですが、人事部の△△様はいらっしゃいますでしょうか。

(担当者にかわる)

お世話になっております。△△大学の△△と申します。
今、お時間少しよろしいでしょうか。

先日は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。大変申し上げにくいのですが、検討の結果、御社よりいただきました内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

貴重なお時間をいただきながら、御社には大変な迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。何卒よろしくお願い申し上げます。

採用担当者によっては、内定辞退の理由を聞かれたり、内定辞退の引き止めにあったりする場合もあります。スムーズに内定辞退できるケースばかりではないので、辞退理由を聞かれた場合など、どのように答えるか準備しておきましょう。

メールで伝える場合の例文

【件名】
内定辞退のご連絡(△△大学 △△学科 △△△△)

【本文】
△△株式会社 人事部
△△様

お世話になっております、△△大学の△△△△です。
この度は、内定の通知をいただきありがとうございました。

このような嬉しいお知らせをいただきながら誠に恐縮なのですが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。

△△様にはお忙しいなか面接をしていただいたにも関わらず、このようなご連絡になってしまい誠に申し訳なく思っております。

末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

メールで内定辞退を伝える際は、分かりやすく、簡潔に伝えるようにしましょう。件名から、何についての内容なのか、明確に伝えておいてください。

内定辞退をメールで伝える場合のポイントは、「逆お祈りメールとは?内定辞退メールの書き方を例文ありで解説」の記事で解説しています。マナーを守って、失礼のないように連絡してください。

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内定辞退で起こりうるトラブルと対処法

内定辞退に際して、まれにトラブルが発生する可能性があります。以下で解説する、内定辞退で起こりうる2つのトラブルと対処法をあらかじめ把握しておいてください。

「御社が第一志望」と伝えているのに辞退する場合

就活の際には、面接で「御社が第一志望」と伝えたのにも関わらず、内定を辞退することになる場合もあるでしょう。

人事部の採用担当者は、自分の会社を第一志望にしてくれる熱量の高い学生に期待して内定を出しているので、内定を辞退されることは想定していません。

そのため、「御社が第一志望」と伝えているのに内定を辞退する場合には、面接の時点で第一志望だったことは事実だと伝えたうえで、素直に謝ってください。

そして、内定辞退の理由として選考を重ねるなかでほかの企業や職種、業界に興味が沸いたことや、より自分の適性に合う会社が見つかったことを伝えると良いでしょう。

受け入れてもらえず引き止めに合う場合

内定辞退を伝えても受け入れてもらえず、引き止めやオワハラにあう場合もあります。内定辞退を決めている場合は、引き止めに合っても辞退できるように、どのように辞退を伝えるか考えておきましょう。

内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)」によると、オワハラを受けたと答えた就活生は9.4%でした。約1割がオワハラにあっており、珍しいこととはいえません。

そのなかでも、内々定辞退を伝えた際に、引き止めるために何度も説明を受けたり、拘束を受けたりした就活生は11.1%います。内定を承諾するまで、話を終えられないケースもあることは知っておいてください。

「どうしても入社できないのか」と言われても、内定への感謝を伝えたうえで、辞退することを伝えましょう。自分の意思を受け入れてもらえない企業では、入社後にも意見を聞いてもらえず、苦労する可能性があります。

オワハラについては、「知っておきたい!オワハラの意味と実態」の記事でも解説しているので参考にしてください。もし、トラブルに巻き込まれてしまった場合には、家族や就活エージェントなど、信頼できる相手に相談することも大切です。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

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