商社の仕事内容や動向は?基本的な知識から年収まで詳しく解説!

このページのまとめ

  • 商社とは、輸出入貿易や国内の物資販売を中心に行う「商業を営む会社」のこと
  • 商社には、幅広い商材を扱う「総合商社」と特定の分野に特化した「専門商社」がある
  • 総合商社には「五大商社」と「七大商社」と呼ばれる代表的な企業がある
  • 商社の事業内容は、「トレーディング」と「事業投資」の2つが中心
  • 職種には営業や貿易事務などがあり、いずれも専門知識や語学スキルが求められる

商社の仕事内容や動向は?基本的な知識から年収まで詳しく解説!のイメージ

商社は「海外で活躍できる」「年収が高い」などのイメージから、学生に人気がある業界の一つ。一方で、事業領域があまりにも広いため、「何をしている会社なのかよくわからない」という人も多いようです。
このコラムでは、商社の基本的な知識や仕事内容をわかりやすく説明します。また、業界の動向や気になる年収も紹介。さらに、商社でよく使われる専門用語の解説もしているので、ぜひ参考にして就活に役立ててください。



 

商社とは

商社は、輸出入貿易や国内の物資販売を中心に行う「商業を営む会社」です。需要者と供給者をマッチングさせ、取引仲介をするビジネスコーディネーターとして、商材の選定や調達、物流網の展開、販売ルートの開拓など、取引に関する流れ全般を構築します。物流や金融、情報、事業投資など、幅広い事業を展開しているのが特徴です。

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商社の事業内容

商社の事業内容は、「トレーディング」と「事業投資」の2つが中心です。それぞれの事業内容について、詳しく見ていきましょう。

トレーディング

「トレーディング」は、仲介業者として売り買いの相手を結び付けるビジネスモデルです。「売り手の販売チャンス拡大」と「買い手が必要とする商材の調達」の双方のニーズに応えることで利益を得ています。海外から輸入した原料や製品を国内のメーカーや小売業へ販売したり、国内のメーカーから仕入れた製品を海外へ輸出したりするのが、主な事業内容です。

事業投資

トレーディングから発展して確立されたビジネスが、現在多くの総合商社がメインで行っている「事業投資」です。資金を必要としている企業や発展している分野に、出資や融資などの投資を行います。
かつてはトレーディングが「商社の伝統的なビジネスモデル」と呼ばれ、商社の中心事業でした。しかし、メーカーが商社を経由せずに自社で原料調達・売買を行う機会が増えたため、トレーディング収益は徐々に縮小傾向に。そこで、商社は仲介取引にマーケティングや商品企画などの独自機能を付加。顧客にプラスアルファの価値を提供するようになりました。
事業投資では、原料の調達や加工、販売といった一連の事業に価値を提供し、バリューチェーンを構築。取引の仲介のみに留まらず、人材や情報、資金、経営ノウハウなどの経営資源を投入することで、出資先の事業経営を長期的にサポートし、出資先の企業価値向上を図っています。

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商社の種類

商社には「総合商社」と「専門商社」の2種類があります。それぞれの特徴や得意分野について、詳しく見ていきましょう。

総合商社

「総合商社」は、エネルギーや鉄鋼、食料、金融など、さまざまな商品やサービスを取り扱う商社です。扱っている商材の幅広さから、総合商社のビジネスを「ラーメンからロケットまで」というフレーズで例えることもあります。扱う品目が多様なので、自由度の高いビジネスを実現できるのが強みです。
総合商社の大きな特徴としては、豊富な資金力によるビジネスサポートや高度なリスクマネジメントを行っていること、国内のみならず海外に事業展開している企業が多いことなどが挙げられます。

専門商社

食料品や医療など、特定の分野に特化した商社を「専門商社」と呼びます。繊維商社や食品商社、鉄鋼商社など、特定の事業分野に精通しているのが特徴です。
総合商社と比べて事業規模の小さい企業が多い傾向にありますが、特定の分野に秀でているため、「業界の動向を掴みやすい」「顧客と密接な関係が築ける」「会社独自のノウハウを持っている」といった強みを持っています。

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総合商社の代表的な企業

総合商社には「五大商社」「七大商社」と呼ばれる代表的な企業があります。商社への就職を考えている人は、各企業について把握しておくと良いでしょう。

五大商社

「五大商社」とは、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の5つの企業のことを指します。各企業の特徴を見ていきましょう。

三菱商事

三菱商事は、財閥系である三菱グループの一つ。電力や自動車、食品産業、複合都市都市開発など、幅広くバランスの良い事業経営を行っているのが特徴です。近年は、強みである金属資源事業のほか、非資源分野への事業拡大や、経営人材の育成にも注力。ビジネスを遂行するうえで、利益とともに倫理感を強く意識する社風で、社員には人間的魅力やバランス感覚も求められます。

三井物産

三井物産は、三井財閥の流れを汲む日本初の商社です。金属やエネルギーなど、資源分野に強みを持つ一方で、非資源領域にも進出し、食品や消費財の製造・販売、医療・ヘルスケア関連の事業を擁する生活産業事業にも力を入れています。企業内では部署間の連携を推進しており、一つの会社で幅広い分野に携われるのが魅力の一つでしょう。

住友商事

住友商事は、財閥グループの一つである住友に源流をおく商社で、関西圏に強い地盤を持つのが特徴です。金属事業をはじめ、輸送機や建機のリース業、資源化学品、不動産、インフラなどの幅広い事業展開を強みとしています。近年は、メディア・デジタル領域にも注力しており、国内のスタートアップ企業への投資にも積極的。堅実な社風で、ほかの財閥系商社に比べて穏やかで落ち着きがある社員が多いようです。

伊藤忠商事

伊藤忠商事は、麻布の行商からスタートした商社。そのため、強みとするのは繊維や食料品といった非資源領域です。財閥系の商社と比べて愚直でエネルギッシュな社風で、民間初となる人工衛星の打ち上げや小売業態へのいち早い進出など、スピード感のあるビジネス展開が特徴。また、海外展開も活発で、中国・アジア地域の市場開拓を足がかりとして、海外の有力企業と業務・資本提携を行っています。

丸紅

丸紅は、元々は伊藤忠商事と同じ会社でしたが、戦後の財閥解体の際に分割、設立された商社です。
電力や穀物領域に強みとし、電力のノウハウを活用して、世界の非電化地域の問題解消に向けたビジネスを手掛けるほか、飼料や肥料のビジネスでも高い収益を上げています。若手でも海外駐在の可能性があるなど、チャレンジする機会を積極的に与える社風が、ほかの商社と異なる大きな特徴でしょう。

七大商社

「五大商社」に双日、豊田通商を加えたのが「七大商社」です。五大商社と分けられる理由は、ビジネス規模の大きさ。五大商社と比較すると双日、豊田通商はビジネス規模は小さいですが、日本を牽引する商社であることに変わりありません。以下で、各企業の特徴を紹介します。

双日

双日は、かつて十大商社の一つと呼ばれたニチメン株式会社と日商岩井株式会社が合併してできた商社です。自動車産業をメインに国内外で事業展開をしていましたが、近年は宇宙関連事業にも注力。また、エネルギーや医療、機械といったインフラ事業も幅広く展開しています。そのほか、土地開発分野でも力を発揮するなど、新規事業にも積極的にチャレンジする点が特徴。社員にも若手のうちから任せられる裁量が大きく、チャレンジ精神が求められる社風です。

豊田通商

豊田通商はトヨタグループの商社です。自動車産業の関連分野を強みとするほか、化学品やインフラ、食品といった分野にも事業を拡大し、成長を続けています。また、アフリカ全土のインフラ整備や医療分野などの海外事業も精力的に展開。世界中の現場で現地の人々とともに挑戦することを大切にし、若いうちから活躍するチャンスを与えられる機会が多いのが特徴です。

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商社の動向

総合商社は転換期を迎えている一方で、専門商社は分野により浮き沈みはあるものの比較的安定傾向にあります。景気や社会情勢に合わせて、変化しつつある商社の動向を確認しておきましょう。

総合商社は転換期

総合商社は、転換期を迎えようとしています。長年業界を支えてきた原油や鋼材などの資源ビジネスが、近年は世界的に不振なのが原因の一つです。そのため、総合商社業界は、非資源分野へとビジネスを移行しながら、新たな市場を開拓していくことが求められています。
ビジネスのポートフォリオ(企業が手掛けるビジネスの一覧)を変化させ、社会情勢に対してビジネスの形態を柔軟に合わせていくことが、今後の業界発展のカギと言えるでしょう。

専門商社は比較的安定

専門商社は特定分野の商品に特化して貿易を行っているため、業界全体としては比較的安定しています。しかし、扱う分野によっては業績に浮き沈みがあるようです。また、国内の人口が減少しているため、将来的に大きな成長は望みにくい状況だといわれています。今後は、海外進出によって売り上げの拡大を目指す企業が増加していくでしょう。

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商社の年収は?

五大商社をはじめとする代表的な総合商社の平均年収はいずれも1,000万円、専門商社でも800万円を超えると言われており、他業種と比べ高い傾向にあります。
総合商社では、幅広い分野で多様なビジネスを行っているため、一つの分野の業績が落ち込んでもほかの分野でカバーできる点が大きな強みです。この強みにより、経営が安定傾向にあり、高い給与水準が期待できます。



 

商社の職種と仕事内容

商社には、営業や営業事務、貿易事務など数多くの職種があります。グローバルなビジネス現場が多い業界なので、どの職種も「語学力」が重要視されているようです。就活の際は自分に合った職種を選択しましょう。

営業

企業同士を結びつける「営業」の仕事は、取引先との契約交渉や顧客への商品説明など、他社の担当者と関わりながら進めていく業務が中心です。
「顧客の要望をメーカーに伝える」「メーカーの商品を顧客に売る」「メーカーの担当者と新しい商品を考える」など、企画力だけではなく高いコミュニケーションスキルが求められます。また、自社製品を開発している商社の場合は、メーカーの営業と同様に、ほかの企業へ自社製品を売り込むのも大切な仕事です。

営業事務

「営業事務」は、電話応対や書類作成など、事務作業を通して営業職のサポートを行う職種です。見積書や契約書、発注書、請求書、納品書など、数多くの書類を扱います。他業界の営業事務と大きく異なるのは、問い合わせや来客応対の際に、外国語対応が必要となることが多い点です。

貿易事務

「貿易事務」は、輸出入に関する書類の作成や、税関を通す業務に必要な手続きを担当し、社員をサポートする職種です。
海外企業との取引は、国内企業との取引と比べて多くのリスクがつきもの。言語や商文化の違いにより、スムーズな代金のやり取りができなかったり、長距離輸送中に事故が発生したりするなど、さまざまなトラブルが発生する可能性が考えられます。そのような貿易の最前線において、円滑な取引を実現するために書類作成や手続きを行うのが、貿易事務の役目です。専門知識や語学力はもちろん、臨機応変に対応する力も求められます。

プロダクトマネージャー

取り扱う商品の市場調査やビジネス戦略の立案など、マーケティング全般を担当するのが「プロダクトマネージャー」です。
顧客の動向をキャッチして広報プランや販売戦略を立案したり、類似商品・競合他社製品の調査をしたりするなど、業務内容は多岐にわたります。ウェブサイトやカタログ作成のサポート、各種メディアへの手配もプロダクトマネージャーの仕事です。

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商社の業界用語もチェックしておこう

この項目では、商社で使われることが多い業界用語やビジネス用語を紹介します。商社に興味がある学生は、理解しておくと業界研究や就活で役立つはずです。

コーポレート・ガバナンス

日本語訳は「企業統治」。企業を統制することで、収益力の向上と不正行為の防止をはかる仕組みのことです。企業が法令を遵守し、効率的に業務を執行できるように監視・コントロールするシステム全般を指します。

CSR

「企業の社会的責任」を意味するcorporate social responsibilityの略です。経営者が負う従業員や顧客、取引先などの利益を実現する責任のことを指します。

ドラフト

書類の下書きのこと。企画書の前段階であるたたき台や、契約締結前の契約書、上司に内容を確認してもらうために作成した書類の草案など、下書き全般を表す言葉です。メールの下書きもドラフトと呼ばれることがあります。書類を作成するときは、ドラフトを作って上司や担当部署の承認を得てから、正式な書類を完成させるというのが一般的な流れです。



 

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