就活の作文はどう書く?担当者がチェックするポイントや書き方のコツを解説

このページのまとめ

  • 就活の作文では、仕事に対する姿勢や人柄、価値観などを見られている
  • 就活の作文は、文字数制限を守って文体を統一し、丁寧な字で書くことが重要
  • 本や新聞を読んだりよい文章を書き写したりすることで、よい作文が書けるようになる

就活の作文はどう書く?担当者がチェックするポイントや書き方のコツを解説のイメージ

就活では選考の一環として特定のテーマについて作文をしたり、エントリーシートで「学生時代頑張ったこと」「入社してからやってみたいこと」などをテーマに作文したりと、文章を書く機会が多いです。

しかし作文が苦手な方は多く、「どうすればよいかわからない」と感じている方もたくさんいます。そこでこの記事では、そもそもなぜ企業は作文を書かせるのか、どんな風に書けばよいのか、文章力を磨くコツは何かなどを解説します。

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目 次

就活の作文でチェックされていること

就活ではエントリーシートなどに文章を書いたり、作文試験を課せられることがあります。企業が、作文によってあなたの何を知りたいのかは、設定された「作文のテーマ」を見るとだいたい分かるでしょう。作文のテーマは「仕事に関するもの」と「自分自身の経験に関するもの」の2種類に大別でき、それぞれ以下のような意図があります。

仕事に対する姿勢

仕事に関するテーマでは、「仕事に対しての意欲を測る」「将来のビジョンを知るため」といった意図があります。よくあるテーマとしては以下のようなものです。

・10年後の自分
・入社後にチャレンジしたいこと
・将来の夢
・働くとは

企業は、仕事に対する姿勢を見ることで、「入社後のビジョンを明確に持っているか」や「あなたが入社後にどのように活躍してくれそうか」を判断しています。

ビジョンについてどう書けばいいかもっと知りたい方は、「就活のビジョンはどう答える?企業が質問する意図やおすすめの考え方を解説」をご覧ください。

人柄や価値観

自身の経験に関するテーマでは、「性格や人となりを見極める」「価値観や考え方を測る」といった意図があります。よくあるテーマとしては以下のようなものです。

・これまでに頑張ったこと
・これまでの生活で一番感動したこと
・学生生活で得たこと
・学生生活で苦労したこと

企業は、あなたの人柄や価値観を見ることで、「社風に合う性格かどうか」や「価値観が企業に合致するか」を判断しています。

企業理念や社風と合致するかどうか

企業は、入社後のミスマッチを避けたいものです。そのために、あなたの意欲や姿勢、人柄、価値観を作文選考で見極めます。企業研究を入念にし、企業理念や社風をしっかり理解して、回答を考えることが重要になるでしょう。

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就活の作文の書き方のコツ

就活時に作文試験を受ける際は、以下のコツを押さえておくと、読みやすくまとまった文章が書けるようになります。

最初に内容を箇条書きする

試験が始まったら、まずはテーマに沿ってどのような内容を書くか箇条書きしましょう。試験開始後にいきなり文章を書き始めると、「途中まで書いたけど何を伝えたいのか分からなくなってしまった…」といった問題が起こりかねません。

作文の回答欄には文字数制限があるので、質問の意図から内容がズレたり冗長的になったりするのは避けるべき。作文を通してアピールしたいことや、伝えたいエピソード、自分の考えなどを書き出し、それらを基に文章構成を考えると、書きやすくなります。

文字数指定に対して8割以上を埋める内容を意識する

作文に限らず、就活の書類は指定された文字数の8割を埋めるのが基本です。

作文の場合は「400文字程度」など曖昧な指定も多いですが、この場合は320字以上が目安。企業は、指定文字数で内容を端的に表現できるかを確認しています。そのため、内容に書く要素をしっかり見極め、無駄のない文章を書く必要があるでしょう。

その企業が「なぜこの設問を挙げたのか」を考える

設問に対し、「何を書けばいいのか。自分のどんな部分を伝えればいいのか」と悩んでしまう場合もあります。どんなことを書けば良いか分からないと思ったら、その企業が「なぜこの設問を挙げたのか」という背景を考えてみましょう。

企業理念をはじめ、企業文化や求める人物像、活躍している人材など、企業研究で理解したことを踏まえた上で、自分なりに「どういう人材を求めているのか」を想定してみることがポイントです。

チームの中で協調性をもって取り組む人材を求めている企業もあれば、真面目で勤勉な人材を求めている企業や、積極的に周りを巻き込む人材が活躍している企業もあります。活躍するイメージにつながるように書くといいでしょう。

「結論」と「根拠となるエピソード」をセットで伝える

作文をする際には、結論から述べる書き方を意識しましょう。最初に結論を明確にすることで、何を伝えたいのかがわかりやすくなります。「志望動機」などを問う設問で、結論を1つに絞れない場合は、「志望動機は3点ある」などと最初に述べてから、それぞれについて書くといいでしょう。

また、結論に対し、根拠となるエピソードをセットにして伝えることもポイントです。その結論を出した理由や背景について説得力を増すためには、根拠となる具体的なエピソードをしっかり書くことが大事です。

嘘や「盛り」は避ける

作文でより高い評価を得るために、自分を大きくみせようと嘘を書いてしまったり、脚色してしまったりする就活生もいます。あなたも悪意はなくとも、ついこういったことをしてしまうかもしれません。

しかし、エントリーシートや試験の作文の内容はその後の選考で面接を受けた時に、「▲▲と書いていましたが、具体的に教えてください」など深堀される可能性があります。その時に嘘や脚色がバレてしまうと、一気にマイナス評価になってしまいます。

就活では、大きな成功体験や壮大な夢などは必要ありません。ありのままを伝え、それを通じて自分が得たものや感じたことなどを素直に表現しましょう。就活での嘘については、「就活で嘘をつくのはNG?人事にバレる理由とリスク」でも解説しています。

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作文の基本構成

作文は、「序論」「本論」「結論」という流れで書きます。それぞれの項目についてポイントを確認しましょう。

序論

序論では、作文で伝えたいことの概要を記述します。冒頭で話の結論を言い切ってしまってもOKです。

読み手の興味・関心を引くためには最初の一文が重要だといわれているので、読み手が「この先を読んでみたい」と思えるような文章になるよう工夫しましょう。

本論

本論では、序論で述べた内容について詳しく説明します。序論で結論を述べている場合はその根拠を詳しく、具体的なエピソードと自分の意見を織り交ぜて書きましょう。

結論

本論で述べた内容をまとめて、結論を出します。序論で結論を述べた場合は、本論の内容を踏まえて改めて再掲示しましょう。テーマに対する自分の回答を述べて結論づけるようにすると、まとまりやすくなります。

構成については、「自己PRは構成が大事!企業に評価される書き方やポイントを紹介!」もあわせてご覧ください。

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就活の作文の例文

ここでは、「あなたが学生時代に力を入れたこと」をテーマにした作文の例をご紹介します。もっと例文を読みたい方は、「大学生必見!自己PRの書き方を経験別の例文と合わせて解説」をご覧ください。

TOEICの点数を半年間で400点上げたこと

私が学生時代に頑張ったことは、TOEICの点数を半年間で400点上げたことです。それは、大学1年生の時に、英語の理解を深め海外に行った際に英語に困りたくないと考えたためです。

はじめはそこまで問題なく点数が伸びていましたが、勉強をしているなかで、点数が伸び悩む時期がありました。その課題として、苦手分野の点数を上げるために時間を割けていないこと・実践的な英語を使えていないことだと考えました。課題の原因として2つあり、自分自身の得意になっている部分も勉強していることと、学校以外の交流がかなり少ないことが挙げられました。

2つの課題を解決するために、時間配分を変更して苦手分野を重点的に勉強をすることと、留学生を受け入れてくれるインターンへの参加を実行しました。インターンでは、学校終わりに週3で4時間程度活動しました。

そうしたところ、点数が伸び、1ヶ月50点しか伸びなかった点数が2倍取れるようになり、さらに学校の人が話す英語よりネイティブな英語も話せる・聞けるようになりました。このことから、限られた時間の中で何を優先すべきかを考え、計画することが大切だと学びました。

三年間続けた居酒屋のアルバイト

私が学生時代に頑張ったことは、三年間続けた居酒屋のアルバイトでお客様アンケート1位を獲得したことです。もともとアルバイトを始めたときからお客様アンケートで1位を獲得したいと思い、目標にしていました。1位になるためには、課題として、アンケートの回答する数が少ないこと、また回答していてもスタッフの名前がないことがあげられました。

その課題に対して、2つ原因があると考えました。1つ目に、アンケートは机に置いてあるだけで答えてもらう行動をしていないこと。2つ目に、アンケートに答えてもらうために名前を覚えてもらうような接客ができていないこと。なのでこの2つを解決するために、主に2つの行動をしました。1つ目に、お客様が着席したあと、メニューと一緒にアンケートを渡して声掛けとチェックを徹底しました。お会計時にもお客さまへの声掛けを必ずしました。2つ目に、お客さまが着席した段階で自己紹介をしたり、料理を運ぶ際に、長く会話ができるものは名前を名乗ったりするようにしました。

その結果、施策後はアンケートの回答率が約3倍になり、見事店舗で1位を獲得できました。この経験を通して「相手の言動を考えて、準備をしっかりすることの重要性」を学びました。

この作文では、エピソードを書く際に、「以前はこうだったが、自分がこんな行動をしたことで、こう変化した」など、前後の状況を比較することで、事実として結果を出していることが伝わりやすくなっています。また、「施策後はアンケート回答率が約3倍になった」というように、具体的な数字で客観的な成果を伝えているので、より説得力が増すでしょう。

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就活の作文を書くときの注意点

就活の作文試験では、内容だけではなく、基本的なルールを守って記述できているかもチェックされるでしょう。魅力的な内容を書けていたとしても、ルールが守られていなければ評価が下がってしまう可能性もあります。

エントリーシートや作文試験でより良い評価を得るためにも、下記にご紹介する基本のルールを確認しましょう。

文字数制限を守る

「1000字以内」といったように文字数制限がある場合は、その文字数を超えないように書くのがルールです。「1000字程度」であれば1000字を超えても問題ありません。

時間配分にも気を付ける

履歴書やエントリーシートではなく試験として作文を書く場合、最後まで書ききることを優先させましょう。多少、内容や表現が稚拙になってしまっても、書き終わっていない作文より書き終わっている作文の方が評価される傾向です。

作文の課題が出たらまずは文字数と制限時間を確認し、何分で構成を練って、何分で本文を書き、何分で推敲するかを決めて、その時間を守るようにしてください。

仕事やキャリアにつながる内容にする

作文のテーマが「仕事について」など直球であればよいのですが、「10年後の理想の姿」「大事にしたい価値観」といった場合もあります。この時、仕事とは全く関係ないことだけを書くのは不適切なのでやめましょう。

例えば「10年後の理想の姿」であれば、「▲▲という業務を通じて▲▲などのスキルを身につけ、▲▲のポジションについて▲▲の事業に携わりたい」といったように、自分の仕事やキャリアに繋がるよう心がけてください。

読みやすさを意識する

作文は相手が読むことを前提としているため、読みやすさを意識しましょう。例えば文体は、文体を指定されていなければ「です・ます調」と「である・だ調」のどちらでも良いとされています。ただし、文章内では必ずどちらかに統一するようにしましょう。

また、段落を適切に分けたり一文をなるべく短くしたりと、冗長的にならないような工夫も大切です。

誤字脱字に注意する

誤字脱字が多いと、「注意力が足りない」「仕事でもミスが多いのでは」と悪い印象を与えかねません。書き終わった後は必ず見直しをして、ケアレスミスをなくしましょう。作文だけでなく、履歴書やエントリーシートでも誤字脱字には要注意です。

主語と述語のねじれに注意する

読み直してみて分かりにくい文章は、主語と述語の関係がおかしい「ねじれ文」である可能性があります。たとえば、「私の目標は、本を毎日読みます」という表現は、「目標は」という主語に対して「読みます」という述語が続き、意味が通らなくなる「ねじれ文」です。正しくは、「私の目標は、本を毎日読むことです」となります。

「ねじれ文」は、長い文章で起こりやすいので、一文を短くする、見直しをするといったことを心がけましょう。

5W1Hを明確にする

「いつ(when)」「どこで(where)」「だれが(who)」「何を(what)」「なぜ(why)」「どのように(how)」という5つのポイントを抑えると、誰が読んでもわかりやすい文章になります。書き手が「これは書かなくてもわかる」と無意識に思っていることも、読み手からすればわかりません。

5W1Hを意識することで、すべての要素が明確になります。特に具体的なエピソードを書くときには、意識しましょう。

推敲する

作文は、書ききって終わりではありません。むしろそこからが本番だともいえます。最初に書いた文章は勢いがあるものの、誤字脱字があったり、構成がわかりにくくなっていたりと、完成度が低いです。どんな文章でも一度書ききってから読み直し、おかしなところを直したり、より良い表現に変えたりする必要があります。

文章は直す回数が多いほど、洗練されていくものです。試験として書く作文では難しいですが、エントリーシートの作成など時間に余裕があれば、一晩おいてからチェックしてみると、すぐには気づかなかったミスを見つけられることもあります。

もっと詳しく知りたい方は、「就活での小論文の書き方は?必要な準備やポイントを解説」もご一読ください。

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作文力をつける方法

作文が苦手な人、作文試験を重視する業界を志望する人は、志望企業の過去問やよく出るテーマで練習することをおすすめします。その他の作文力を身につける方法は下記の通りです。

本や新聞を読む

本や新聞を継続的に読むことにより、語彙や表現を増やせるでしょう。電車の移動時間などを有効活用し、積極的に文章に触れてください。また、社会問題をテーマにする企業もあります。時事問題を新聞で読み、自分の意見をまとめておくと、試験の際に役立つでしょう。

第三者に添削してもらう

家族や友人、大学のキャリアサポートセンターの人などの第三者に読んでもらい、添削をお願いしましょう。自分では気づけなかった改善点が見つかることがあります。

よい文章を書き写す

優れた文章を書き写すと、それだけで自分の文章力アップにつながります。これは、文章の構成やリズムをつかめるようになるためです。

結論から始まり具体的なエピソードがあり、また結論で締めるといった流れは、何度も書いているうちに理解できるようになります。また、一文の長さや言葉の使い方なども書き写しを通して身に付きます。

書き写す文章は、カジュアルすぎなければどんな内容でも構いません。自分の好きな方が書いたエッセイや、興味のある分野の新書など、途中で飽きずに書けるものを選びましょう。

練習として何度も書く

作文は書けば書くほどうまくなります。書いているうちに自分がどこでつまづくのかがわかるようになりますし、自分なりのリズムも身に付きます。

時間のある時に、「就活の作文では何を見られている?」で紹介した項目について書いてみてください。また、企業によっては過去問がわかることもあるため、志望企業が過去に課したテーマについて書いてみるのもおすすめです。

担当者にアピールできる文章の書き方については、「【人事のホンネ #1】わかりにくいと落とされる?伝わるESを書こう」をご一読ください。

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就活の作文が上手く書けずお悩みのあなたへ

もともと文章に対して苦手意識があると、「作文があると上手くいかない」「自分で文章を書けない」「書き方がわからない」など、悩んでしまうものです。しかも文章力は一朝一夕に伸びるものではないため、選考で苦戦してしまう方もいるでしょう。エントリーシートなど前もって準備できるものならまだしも、試験として限られた時間で作文をするのは、簡単ではありません。

だからこそ、ぜひキャリアチケットをご利用ください。就活について知識のあるスタッフが、あなたの作文を読んでどんな風にすればもっと良くなるかを具体的にアドバイスします。また、就活でよくある作文のテーマもたくさん知っているので、練習テーマを教えてほしい方もサポートできます。これから作文の書き方を学び文章力を伸ばしたい方はぜひご相談ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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