このページのまとめ
- 大学院就職は不利ではなく、修士の就職率は78.2%と学部卒と同等以上
- 大学院生の就職活動は、研究と就職活動をバランスよく進めることが重要
- 大学院か就職かで迷うなら、就職エージェントに相談するのも手
学部での就活がうまくいかず、「大学院進学と就職どっちが良いか」「大学卒は就職で不利になるのでは」と不安を感じる人もいるでしょう。大学院卒だからといって就職で不利になることはありませんが、進学理由や目的意識によっては就職活動に影響が出る場合があります。
この記事では、大学院卒の就活傾向やメリット・デメリットを解説。また、大学院卒か就職かで迷ったときの考え方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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- 大学院卒は就職で不利?就活事情を解説
- 専攻を活かせる分野での就活は有利になりやすい
- 専攻と無関係な分野では学部卒と同条件になりやすい
- 文系より理系のほうが研究を就職に活かせる傾向はある
- 大学院卒で就職する4つのメリット
- 1.専門職や研究職では学んだことを活かして働ける
- 2.研究で培った思考力や分析力をアピールできる
- 3.学校推薦をもらいやすい
- 4.学部卒よりも賃金が高い
- 大学院卒で就職する4つのデメリット
- 1.社会に出るのが遅れる
- 2.学校推薦は断れない場合もある
- 3.研究が忙しく就活を進めるのが大変
- 4.専攻分野に関わる仕事に就けるとは限らない
- 大学院進学と就職で進路に迷う場合の考え方
- 大学院でやりたいことが叶えられるか考える
- 「就職先がない」という消極的な理由でないか考える
- リサーチや第三者の意見を取り入れて客観的に判断する
- 大学院生の就職活動はいつから?基本スケジュールを解説
- 修士課程の場合は1年目の春から
- 博士課程の場合は2年目の夏から
- 大学院生向け!内定につながる就職活動のコツ3選
- 1.研究で忙しくても早めに就職活動の準備をする
- 2.専攻分野にとらわれず幅広い業界に応募する
- 3.大学院で学んだことを前面に出してアピールする
- 大学院生が意識するべき就職活動における3つの注意点
- 1.「大学院卒は有利」という思い込みは危険
- 2.専門用語ばかり使って説明するのはNG
- 3.研究が忙しくても就職活動を後回しにしない
- 大学院進学後の就職活動に不安を感じる学生へ
- 大学院進学か就職か悩む方に向けたFAQ
- Q.大学院卒は就職できないって聞いて不安です…
- Q.大学院進学と就職、どっちが楽ですか?
- Q.大学院生の就職率はどのくらい?
大学院卒は就職で不利?就活事情を解説
大学院卒であること自体が、就職活動で不利になるわけではありません。文部科学省が公表した「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)」によると、学部卒業生の就職率が77.0%であるのに対し、大学院修士課程修了者の就職率は78.2%と、学部卒と同等以上の高い水準となっています。
| 学部卒業生 | 77.0% |
|---|---|
| 修士課程修了 | 78.2% |
| 博士課程修了者 | 70.0% |
参照:文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します 2.大学(学部)卒業者(p.6)」「3.修士課程修了者(p.7)」「4.博士課程修了者(p.8)」
修士課程においては学部卒以上の就職率となっており、大学院卒であることが一概に不利に働くわけではないといえるでしょう。
一方で、博士課程修了者の就職率は70.0%と修士より8.2%低くなっています。ただしこれは「就職に失敗している」という意味ではなく、ポスドクや研究員としての着任、あるいは海外研究機関への移動など、高い専門性を活かした独自の進路を選択する人が多いためと考えられるでしょう。
ここからは、専攻を活かせるケースと活かしにくいケースに分けて、大学院卒の就職における傾向を解説します。就職活動を控え、大学院進学か就活か悩んでいる学生は参考にしてください。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和7年度 結果の概要-
専攻を活かせる分野での就活は有利になりやすい
研究職や開発職など、専攻分野の知識をそのまま活かせる仕事では、大学院卒が学部卒より高く評価される傾向にあります。
研究職や開発職の場合、採用条件に「修士課程修了以上の学歴がある人」という条件が課せられているケースも少なくありません。専攻分野で培った専門知識をそのまま活かせる仕事を目指す学生にとって、大学院での学びは就職先の幅を広げる材料になるでしょう。
また、研究室によっては学校推薦を受けられるケースもあり、優位に就職活動を進められる点もメリットです。 ただし、自由応募できる大手企業には、専攻を活かしたい大学院生が数多く集まるため、倍率が上がりやすくなります。大学院卒という経歴だけで、大企業へ就職しやすくなるわけではない点に注意しましょう。
理系の大学院生における就活攻略のポイントを知りたい学生は「理系院生が無い内定になるのはなぜ?NNTの原因と時期別の挽回方法を解説」もあわせてご確認ください。
専攻と無関係な分野では学部卒と同条件になりやすい
専攻分野と直接関係のない仕事を目指す場合は、大学院卒であることが評価に直結するとは限りません。専攻を問わないポテンシャル採用の職種では、学部卒と同じ評価基準で選考されるのが一般的です。
専攻分野の知識をそのまま業務に活かしにくい仕事を志望する場合、大学院での研究内容そのものよりも、研究を通じて培った論理的思考力や課題解決力といった汎用的なスキルをどう仕事に結びつけるかが評価のポイントになります。
また、大学院卒は学部卒よりも社会に出る年齢が上がるため、同期との年齢バランスを考慮する企業も。専攻外の仕事を目指す際は、「なぜその分野なのか」という就活の軸を明確にしたうえで選考に臨むことが大切です。
文系より理系のほうが研究を就職に活かせる傾向はある
専攻を活かせるかどうかは理系・文系を問いませんが、一般的には理系のほうが専攻を仕事につなげやすい傾向があります。
理系の大学院で学ぶ内容は、メーカーの研究開発職や技術職、IT業界の専門職など、専門知識をそのまま活かせる仕事に直結しやすいためです。研究職・開発職の求人自体も理系の専攻を条件にしているケースが多く、大学院で得た知識をキャリアに直結させる選択肢が比較的豊富にあります。
一方、文系の大学院で学ぶ内容は、専門知識そのものよりも、研究を通じて培った論理的思考力や情報収集力といった汎用的なスキルとして評価される場面が多く、専攻分野と業務が直結しにくい傾向にあるでしょう。
文系だからといって就職で不利になるわけではありませんが、専攻を仕事に直結させたい場合は、理系に比べて就職実績や主な進路などを確認することが必要になります。
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大学院卒で就職する4つのメリット
大学院生ならではの強みを正しく理解し、選考で評価されるポイントを把握しておくことが重要です。ここでは、大学院卒で就職する4つのメリットについて詳しく解説します。理系・文系大学院への進学か就職かを悩んでいる学生は、ぜひ参考にしてください。
1.専門職や研究職では学んだことを活かして働ける
理系・文系大学院で得た専門的な知識を活かして仕事ができる点は、大学院卒の大きなメリットです。特に大学院での研究経験が評価されやすい具体的な職種には、以下のようなものがあります。
| 理系 | 文系 |
|---|---|
| 研究開発職 | 公務員 |
| 技術職 | 調査・企画系 |
| IT・データ分析系の職種 など | シンクタンク・コンサルタント など |
大学院では、学部卒業後に修士課程(標準2年間)や博士課程(修士を含め通算5年間)の研究活動を通して、専門知識とスキルを深められます。 大学院で身につけた専門的知識は、就職活動における強力なアピールポイントになるでしょう。
また、研究を通して論理的思考力や問題解決能力といった、多くの企業が評価するスキルが身につく点も大学院で学びを深めるメリットです。さらに、学会や研究会での発表機会は、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上にもつながります。
特に、開発職や研究職などでは、応募条件を「大学院卒以上」としている企業も多いため、選択肢やキャリアの可能性を広げるという意味でも、大学院進学の意義は大きいといえるでしょう。
2.研究で培った思考力や分析力をアピールできる
大学院での研究活動を通じて身につく「仮説を立てて検証し、結果を考察して次に活かす」という一連のプロセスを回す力は、専攻分野を問わず評価されやすいポータブルスキルです。
面接では、研究内容そのものよりも、課題にどう向き合い、どのように解決してきたかという思考のプロセスを伝えることで、専攻と直接関係のない職種でも自分の強みを示せます。特に、この仮説検証力やデータを扱う力は、コンサルティング職や企画職、マーケティング職など、論理的思考力が求められる仕事で高く評価されるでしょう。
3.学校推薦をもらいやすい
大学院卒で就職するメリットとして、学校推薦を利用しやすい点が挙げられます。
学校推薦とは文字通り、大学や教授が推薦する優秀な学生として、企業の選考を受けられる制度です。学校推薦を受ける主なメリットは以下のとおりです。
学校推薦を受ける主なメリット
- 自由応募に比べて、優先的に選考を進められる
- 選考ステップが免除/短縮され、早期に内定を得やすい
- 研究分野とマッチした企業にアプローチしやすい
研究している分野によって異なりますが、大学院生向けの推薦制度を設けている大学・研究室は少なくありません。
ただし、学校推薦は募集時期が限られていたり、採用枠(推薦枠)が限られていたりするため、事前の情報収集が不可欠です。利用できるチャンスを逃さないためにも、早めに大学のキャリアセンターや担当教授に相談しておきましょう。
なお、学校推薦の詳細については「教授推薦とは?理系就活で利用する際のメリット・デメリットを解説」の記事でも解説しているので、あわせてご確認ください。
4.学部卒よりも賃金が高い
大学院卒の場合、学部卒よりも賃金が高い傾向があります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査の概況(p.16)」によると、令和7年における新規学卒者の賃金(男女計)は、大学卒が26万2,300円、大学院卒が29万9,000円です 。
また、同調査における学歴別の賃金データをみると、大学院卒の給与は男女ともに、学部卒を含むほかの学歴区分の賃金を上回っていることが分かります。

引用:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況(10) 新規学卒者の学歴別にみた賃金(p.8)」
初任給や月額賃金の高さから、大学院卒は学部卒に比べて、社会に出る時期が2年長くても、遅くなるものの、長期的にみれば生涯年収も高くなる傾向があるといえます。
新卒の初任給が気になる方は、「初任給の平均額はどれくらい?手取り収入や給与事情を解説」の記事をご覧ください。
参照元
厚生労働省
令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
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大学院卒で就職する4つのデメリット
大学院への進学は専門性を高められる一方、就職活動においていくつか注意すべき点が存在します。あらかじめデメリットを把握しておくことで、適切な対策を立てやすくなるでしょう。
以下で、理系・文系ともに大学院卒で就職する4つのデメリットを紹介するのでチェックしてみてください。
1.社会に出るのが遅れる
同年齢の人と比べて、社会人としてのスタートが遅れる点は、大学院に進むデメリットといえるでしょう。
大学院生は学部卒の大学生と比較して、2年分の社会人経験を学業や研究に費やすことになります。同年齢の学部卒は社会人3年目となり、業務経験を積んで中堅ポジションに移行し始めるなか、自分だけが新人という状況に劣等感を抱いてしまうケースは少なくありません。
また、職場の同期や先輩に年下の学部卒が多い場合、疎外感やコミュニケーションの難しさを感じることもあります。こうした実務経験の遅れやギャップを埋めるためにも、大学院生は在学中に、社会に出てから即戦力として活躍できる知識やスキルを身につけておくことが大切です。
就職活動においても、企業側は「2年の時間をかけて大学院で何を得たか」を重視します。卒業後の進路や実務への応用を見据えて、学びを深めましょう。
2.学校推薦は断れない場合もある
大学院に進学して学校推薦を利用すれば選考プロセスを優位に進められる一方で、内定が出た場合には辞退できないという厳格なルールが設けられているケースが多くみられます。自分にとって第一志望ではない企業であっても、辞退が認められない事態になりかねません。
推薦を利用する際は、本当にその企業で働く覚悟があるのかを慎重に見極める必要があります。安易に応募してしまうと、後から辞退できずに後悔するリスクが生じるので注意しましょう。
失敗しない企業選びの方法については「企業の選び方の基準13選!就活で失敗しないコツや面接での回答例文も紹介」の記事で解説しているので、あわせてご確認ください。
3.研究が忙しく就活を進めるのが大変
大学院卒で就職するデメリットの一つとして、研究が忙しく、就職活動に時間を割きにくい点が挙げられるでしょう。大学院生は自分の研究に加えて教授のサポートなども行うため、こなすべきタスクが多岐にわたります。
そのため、「研究が忙しくて就職活動に手が回らない」と悩む学生も少なくありません。これから大学院への進学を考えている場合は、研究だけに没頭するのではなく、早期から就職活動とのバランスを意識することが大切です。
4.専攻分野に関わる仕事に就けるとは限らない
大学院で専攻した分野を直接活かせる仕事に、必ず就けるとは限らない点もデメリットの一つです。研究職や専門職は募集人数が限られており、専攻分野によっては求人自体が少ないケースもあります。
特に、専攻分野の知識が特定の業界・職種でしか使えない場合、就職活動の選択肢が狭まりやすくなるでしょう。専攻を活かせる仕事にこだわり過ぎると、内定が出にくくなる可能性もあるため注意が必要です。
そのため、専攻分野だけにこだわらず、研究を通じて培った汎用的なスキルを軸に、幅広い業界・職種を視野に入れて就職活動を進めるようにしてください。
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大学院進学と就職で進路に迷う場合の考え方
大学院への進学か就職かという選択は、今後のキャリアを左右する大きな岐路となります。進路に悩んだ際は、自分の将来像を明確にしたうえで慎重に検討することが大切です。
ここからは、大学院への進学と就職、どちらを選択すべきか迷っている学生に向けて、進路を決める際の考え方を紹介します。将来的に後悔しない進路を選ぶためにも、「就職するか」「進学するか」で迷っている学生は参考にしてください。

大学院でやりたいことが叶えられるか考える
将来的に就きたい職業が決まっており、就職に必要な知識やスキル、資格を身につけたい人は、大学院へ進学するのがおすすめです。
もちろん、志望する業界や企業の採用方針にもよりますが、大学院で培ったスキルや知識は就職活動でも高評価につながる傾向があります。特に、採用条件に修士卒が必要なケースも多い研究職や技術開発職を目指す学生は、進学を視野に入れましょう。
また、研究したい分野がある場合も大学院への進学が有効ですが、最終的な着地点は考えておくべきです。「研究を続けた先にどのような就職先があるのか」「自分のビジョンを叶えるために大学院への進学は本当に必要か」を精査し、後悔のない進路を選択しましょう。
進路を考える際は、次の2点を自問してみてください。
・より突き詰めたい専門分野があるか
・専門職や開発職など、専門性を活かせる職業があるか
なお、大学院への進学を現実的に考える場合、学費に関しても無視はできません。大学院へ進学するには、国立大修士課程(2年間)で135万円程度、私大修士課程(2年間)で150万〜300万円程度(※分野により異なる)の学費がかかります。かかる学費や生活費を考慮したうえで、本当に進学する価値があるかという点を冷静に判断しましょう。
「就職先がない」という消極的な理由でないか考える
「学部卒で就職先が見つからないから」という消極的な理由で大学院へ進学するのは、おすすめしません。なぜなら、研究意欲がないのに大学院に進学しても、時間と学費を無駄にしてしまう可能性が高いからです。
大学院では、研究を進めながら就職活動も行わなければならないため、学部卒の就職活動より体力的にもスケジュール的にもハードになります。高いモチベーションがないと、研究と就職活動を両立させ、希望する結果を出すのは困難でしょう。
加えて、選考では、目的意識をもって高い成果を上げている優秀な大学院生と同じ枠で比較されます。つまり、就職から逃げる形で進学しても、より厳しい状況で就職活動に挑むことになるのです。。
したがって、就職活動がうまくいかない場合の選択肢として大学院に進学するつもりであれば、止めておいた方が無難です。場合によっては、中退や留年などの状況に陥る可能性もあるため、大学院への進学は慎重に決断しましょう。
就職できないと、「人生終了なのでは?」と考えてしまう学生も多いようです。人生には、就職以外にも選択肢が多いため、「終わりだ」と考える必要はありません。卒業後の選択肢について「就職できなかったらどうする?今後の選択肢と内定を得るための対策」の記事で解説しているので、あわせてご確認ください。
大学院を中退してしまうと既卒扱いになる
大学院を中退してしまうと、基本的には「新卒」ではなく「既卒」扱いとなります。企業によっては既卒者は新卒採用枠に応募できない場合もあるため、就職活動における選択肢が狭まるのは事実です。
ただし、既卒だからといって選択肢が完全になくなるわけではありません。近年は「既卒者も卒業後3年以内なら新卒枠に応募可能」とする企業もあり、大手企業から将来性のある中小企業・ベンチャー企業まで応募できる可能性はあります。
既卒の就活事情は、「【就活生向け】既卒の就活とは?新卒より厳しい理由や内定獲得の対策を解説」の記事をご覧ください。
リサーチや第三者の意見を取り入れて客観的に判断する
大学院に進学するか就職するかで迷ったときは、自分だけで考え込まず、第三者からの情報や意見を取り入れて客観的に判断することも大切です。
実際に大学院に進学した先輩やOB・OGの話、研究室の雰囲気、志望する業界での大学院卒の就職実績など、外部の情報を集めることで、自分の考えだけではみえていなかった判断材料が見つかることもあります。
先輩やOB・OGに話を聞く
実際に大学院へ進学した先輩や大学院卒として就職したOB・OGに話を聞くと、進学後の生活や就職活動との両立の実態がイメージしやすくなります。特に、同じ研究室や学科の先輩であれば、志望する分野に近いリアルな情報を得られるでしょう。
研究室を訪問する
進学を検討している研究室を訪問し、教授や在籍する学生に直接話を聞くのもおすすめです。研究内容や指導方針、修了後の進路実績などを確認することで、進学後のミスマッチを防ぎやすくなります。
志望する業界の大学院就職実績を調べる
志望する業界・企業が、大学院卒をどの程度採用しているかを調べておくことも判断材料になります。大学が公表している就職実績や、企業の採用ページなどを確認し、専攻分野を活かせる求人がどの程度あるかを具体的に把握しておきましょう。
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大学院生の就職活動はいつから?基本スケジュールを解説
大学院生が納得のいく内定を獲得するためには、早期からスケジュールを把握して行動することが欠かせません。学部卒の場合、大学3年生の3月からエントリーが開始し、大学4年生の10月に開催される内定式に向けて、就職活動に取り組むケースが一般的です。
ただし、大学3年生6月あたりからサマーインターンのエントリーが始まるため、春ごろから就活準備に取りかかるケースが多くなっています。
一方で、大学院生の場合は研究との両立が必要となるほか、特に博士課程では一般的な就活ルールとは異なるスケジュールで選考が進むことも少なくありません。
以下で、修士課程と博士課程それぞれの就職活動スケジュールについて解説しますので、就職活動準備を効率的に進めるための参考にしてみてください。
修士課程の場合は1年目の春から
学部卒業後、最短で2年間大学に通うことになる「修士課程(博士前期課程)」の場合、修士1年生の春から就職活動準備を始めるのが一般的です。
修士課程の基本的な就職活動スケジュールは、以下のようになります。
| 修士1年生の6月ごろ~ | インターンシップのエントリー開始 |
|---|---|
| 修士1年生の3月ごろ~ | ・就職活動の情報解禁 ・エントリー開始 |
| 修士2年生の6月ごろ~ | 企業の選考活動が本格化 |
| 修士2年生の10月ごろ | 内定式 |
上記の通り、修士課程の就職活動スケジュール自体は、学部卒の一般的な流れと基本的に同じです。しかし、修士1年生は学部3年生と同じ位置付けになるため、進学直後からすぐに就職活動準備を始める必要がある点が大きな特徴といえます。
そのため、夏季インターンシップの募集が始まる修士1年生の6月ごろまでには、自己分析や業界研究などの基礎的な就職活動準備に着手しておきましょう。「修士1年生の4〜6月は自己分析や業界研究を進める時期」「7〜9月は夏季インターンシップに参加する時期」「10月〜2月は秋冬インターンシップや筆記試験対策を進める時期」というように、月単位で目安をもっておくと、研究との両立がしやすくなります。
なお、修士1年生の就職活動の進め方や人気の就職先について知りたい学生は「修士1年生でも内定はもらえる?就活成功へのポイントや人気の就職先を紹介」の記事もあわせてご確認ください。
博士課程の場合は2年目の夏から
博士課程の場合は、博士2年生の夏ごろから就職活動をスタートするのが一般的です。
なお、博士課程(博士後期課程)の場合、修士課程(博士前期課程)の2年間に加え、最低3年間大学に通う必要があります。つまり、学部卒業後、最低でも合計5年間大学院に在籍することになり、修了の1年前である「博士2年生」は、卒業の1年前である「学部3年生」と同じような位置付けになります。
3年間の博士課程を選択した学生の具体的なスケジュールは、以下のとおりです。
| 博士2年生の6月ごろ~ | インターンシップのエントリー開始 |
|---|---|
| 博士2年生の3月ごろ~ | ・就職活動の情報解禁 ・エントリー開始 |
| 博士3年生の6月ごろ~ | 企業の選考活動が本格化 |
| 博士3年生の10月ごろ | 内定式 |
なかには、4年制の博士課程もありますが、考え方は同じです。4年制の場合は、修了1年前にあたる博士3年生と同等の位置付けとなる博士3年時の夏ごろが就職活動開始時期の目安になります。
ただし、近年は就活の早期化が進んでおり、上記スケジュールより早期から本選考を進める企業が増えています。早いところでは博士2年生の秋(10月ごろ)から選考が始まる場合もあるため、標準的なスケジュールに囚われず、できるだけ早めに就活準備を進めておくことが大切です。
一般的な学部生の就活スケジュールは、「就活とは?いつから何をやる?基本の流れと今からできる準備を解説!」の記事を参考にしてみてください。
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大学院生向け!内定につながる就職活動のコツ3選
大学院生が希望する企業から内定を獲得するためには、特有の環境を考慮した戦い方が必要です。学部生とは異なる強みやスケジュール感を理解して進めることが成功のカギとなります。
ここでは、就活を控える大学院生に向けて、志望企業からの内定につながる3つのコツを紹介するので参考にしてみてください。
1.研究で忙しくても早めに就職活動の準備をする
大学院生の就職活動では、どれだけ研究が忙しくても、早めに就活準備を始めることが重要です。日々の研究や学会の準備などの学業に加えて、選考書類の作成やインターンシップへの参加といった就活も進める必要があるため、大学院生の就活スケジュールは学部生に比べて厳しいものになります。
研究の発表や就活解禁日から逆算して効率的に準備を進めておかないと、どちらの活動も中途半端な結果になってしまいかねません。準備が整わない状況で選考を受けることになれば、ほかの学生と比較してマイナスイメージを与えてしまう可能性があります。インターンシップが本格化する前にはしっかりと準備を終えられるよう、計画的なスケジュール管理を心掛けましょう。
2.専攻分野にとらわれず幅広い業界に応募する
企業に応募する際は、大学で学んだ専攻分野に絞らず、幅広い業界の企業に応募しましょう。
応募する業界や企業を絞り過ぎると、ほかの学生と比較して就職活動の経験値が蓄積されません。その結果、面接でうまくアピールできず、内定獲得の確率が下がってしまうケースもあります。一方、複数の企業の説明会や面接を受けることで、仕事への理解が深まったり、面接に慣れてきたりするメリットがあります。
また、専攻分野に関わらず、大学で学んだスキルや知識が別業界で評価されるケースは少なくありません。早い段階で他業界から内定を獲得できれば、心理的に余裕をもった状態で第一志望の選考に臨めます。
自分の良さを存分にアピールできる状況を作るためにも、幅広い業界や企業にエントリーし、就職活動の経験値を蓄積していきましょう。
なお、応募する業界や企業を選ぶ際には、業界・企業研究が必要不可欠です。業界研究では、大学院で学んだ知識や習得したスキルを活かせる業界が見つかるでしょう。
業界研究について詳しく知りたい方は、「業界研究のやり方3ステップ!コツや志望動機への活かし方も解説」の記事もあわせてご確認ください。
3.大学院で学んだことを前面に出してアピールする
大学院で得た専門的な知識や研究成果は、面接官に前面に出してアピールしましょう。
なかには、大学院生に対して「社会人になりたくないから、明確な目的をもたずに進学したのでは」と疑問に思う面接官もいます。 そのような疑問を払拭するためにも、大学院でどのようなことを身につけ、どのように企業へ貢献できるのかを明確に伝えることが重要です。
単に大学院卒という経歴を語るだけでは、専門的な知識を活かせる根拠として不十分です。自己PRや志望動機を作成する際は、これまで学んできた具体的な内容や研究プロセスを、企業の業務内容としっかり結びつけるよう心掛けましょう。
なお、自己PRや志望動機の作り方について詳しく知りたい学生は「就活に役立つ自己PR例文27選!書き方や高評価につながるコツも解説」の記事もあわせてご確認ください。
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大学院生が意識するべき就職活動における3つの注意点
大学院生が就職活動を成功させるためには、事前に留意すべきポイントを押さえておく必要があります。学部卒とは異なる立場だからこそ、評価のされ方や陥りやすい罠が存在するためです。
ここでは、就職活動を進めるうえで、大学院生が特に意識するべき3つの注意点について解説するので確認してみてください。
1.「大学院卒は有利」という思い込みは危険
大学院生には専門的な知識がありますが、必ずしも就活において有利に働くとは限りません。たとえ専門的な知識をもっていても、応募先の企業と関係がなければ、企業へのアピールポイントにはならないためです。
また、理系の場合は大学院卒の学生が多いため、単に「大学院卒」という学歴や経歴だけでは周りと差別化できません。「大学院生だから就活対策はしなくても大丈夫」と考えていると、採用を逃してしまう可能性もあります。
大学院生の就活では、経歴や実績、スキルの内容も大切ですが、「どのようにアピールするか」も非常に重要です。素晴らしい経歴をもっていても、伝え方がイマイチでは採用担当者に伝わらない可能性があるため、相手目線のアピールを心掛けましょう。
2.専門用語ばかり使って説明するのはNG
面接官に研究内容を説明するときは、専門用語はできるだけ避け、誰が聞いても分かるような説明を心がけてください。必ずしも面接官が自分の専門分野に詳しいとは限らないためです。
専門用語が多い説明は研究内容や成果が分かりやすく伝わらず、アピールにつながらないため評価されにくいでしょう。むしろ、面接官が分からない言葉を使って説明を続けてしまうと、「コミュニケーション能力がない」「客観性が欠けている」という評価につながる可能性もあります。
また、面接だけでなく、エントリーシートや履歴書でも同様に専門用語を多用したアピールは好ましくありません。採用担当者からのマイナス評価を避けるためにも、誰が聞いても分かるように研究内容を説明しましょう。
3.研究が忙しくても就職活動を後回しにしない
大学での研究が忙しいからといって、就活を後回しにするのは避けてください。研究が落ち着いてから就活を始めようとすると周囲の就活の波に乗り遅れ、すでに募集枠の多くが埋まっており、受けられる企業の選択肢が狭まる可能性があるためです。
通学時間にスマートフォンを使って企業のWebサイトをみたり、自己分析をしたりするなど、隙間時間を有効活用して少しずつ就活を進めておきましょう。
また、どうしても時間を作れない場合は、同期の学生にどのように就活準備を進めているか聞いてみるのもおすすめです。同じ状況のなか、効率的に就活を進めている学生の話を聞ければ、学業と両立するためのヒントを得られるかもしれません。忙しいから後回しにするのではなく、どうしたら両立できるのかを考え、具体的な解決策を模索しましょう。
就活を成功させるためのポイントは、「就活のやり方と流れを解説!準備から内定までのポイントと相談先も紹介」の記事を参考にしてみてください。
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大学院進学後の就職活動に不安を感じる学生へ
大学院卒業後に就職を目指す場合は、研究で忙しくても早めに就活の準備を行い、得意な分野に絞らず幅広い業界に応募することが大切です。また、大学院で学んだことを前面に出してアピールするために、自己分析や企業研究をしっかりと行いましょう。
一方で、理系・文系大学院への進学を考えている学生のなかには「就職先が見つかるか不安」「大学院卒の就活において、どのようなアピールが効果的か分からない」と悩んでいる人も多いようです。
そのような学生は、キャリアチケット就職エージェントにご相談ください。キャリアチケット就職エージェントでは、理系・文系大学院生を含む新卒学生の就活を成功に導く総合的なサポートを提供しています。
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研究と就活を両立し、志望する企業からの内定をスムーズに獲得したい学生は、お気軽にご相談ください。
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大学院進学か就職か悩む方に向けたFAQ
ここでは、大学院進学か就職かで悩む方によくある疑問をQ&A形式で回答します。
大学院卒は就職できないって聞いて不安です…
大学院卒だからといって、就職できないとは限りません。自分の専攻分野を活かせる仕事であれば、学部卒より専門性が評価されて有利になりやすいケースがあるためです。
一方、専攻と直接関係のない業界を目指す場合も、大学院で培った論理的思考力や研究を通じた課題解決能力は大きな強みになります。もし不安な場合は、早めに就職活動準備を始め、専門性にこだわり過ぎず視野を広げて業界研究を進めることが大切です。
大学院進学と就職、どっちが楽ですか?
「楽さ」だけで比較すると、就職活動だけに集中できる学部卒に比べ、研究と就活を両立する必要がある大学院進学のほうが負担は大きくなりやすいといえます。
ただし、進学するかどうかは楽さではなく、大学院でやりたい研究があるか、専攻分野を活かした職業に就きたいかで判断するのがおすすめです。就職を先延ばしにする目的での進学は、かえって厳しい状況を招く可能性があるため注意しましょう。
大学院生の就職率はどのくらい?
文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します 3.修士課程修了者(p.7)」と「4.博士課程修了者(p.8)」によると、大学院修士課程修了者の就職率は78.2%、博士課程修了者の就職率は70.0%でした。
修士・博士とも半数以上が就職しており、大学院卒だから就職が難しいというわけではありません。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和7年度 結果の概要-
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。