福祉業界の志望動機の例文は?わかりやすく伝える構成や必要な準備を解説

このページのまとめ

  • 福祉業界の志望動機では、勤務先や職種に応じてアピールを変えるのがコツ
  • 福祉業界の志望動機では、業界を選んだ理由を最初に伝えるのが大事
  • 福祉業界の志望動機では、他施設との比較を十分に行うようにする

福祉業界の志望動機の例文は?わかりやすく伝える構成や必要な準備を解説のイメージ

「福祉業界の志望動機はどうやって作ればいいの?」「評価されるのはどんな内容」などと気になる就活生も多いでしょう。福祉業界の勤務先や職種は幅広く、志望先をよく調べて内容を考えるのがポイントです。

この記事では、福祉業界の志望動機の例文を紹介しています。わかりやすく伝えるための構成やポイントも紹介しているので、参考にしてください。

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目 次

福祉業界とは?志望動機作成に向けて勤務先や職種を解説

福祉業界とは、高齢者などの支援が必要な人々に対して、適切なサービスを実施する業種です。老人ホームや介護施設などに加えて、幼稚園や保育園なども福祉業界に含まれる場合があります。

福祉業界は幅広く、志望動機を作るためには勤務先や職種ごとの違いを理解し、アピールを行うのが重要です。

ここでは、福祉業界の勤務先や職種について解説します。志望動機作成に向けて、参考にしてください。

福祉業界の勤務先

福祉業界の勤務先には、「介護施設」「福祉施設」などが挙げられます。それぞれの勤務先の特徴について解説します。

介護施設

介護施設とは、介護が受けられる施設全般です。「入所型」「在宅型」「通所型」などの種類があり、すべて介護施設に該当します。

介護施設の志望動機で多いのが、家族の介護が必要になり、介護施設にお世話になった経験です。自分の体験から介護の重要性を知り、福祉業界を目指す就活生が多くいます。

福祉施設

福祉施設とは、お年寄りや子どもなどに福祉サービスを提供する施設です。地域に密着している点が特徴で、施設の職員は、人々が能力を発揮できるように、日常生活の支援や技術指導などを行います。

福祉施設には、大きく分けて次の4つのタイプに分類することができます。

・高齢者向け施設
・乳幼児向け施設
・障害者向け施設
・婦人保護施設

福祉業界の職種

福祉業界の職種はさまざまありますが、代表的な職種と、それぞれの仕事内容の違いや特徴を紹介するので、参考にしてください。

介護福祉士

介護福祉士の仕事は、高齢者や障がいのある方に対して、食事や入浴、排泄など日常生活においての介助を行います。介護福祉士の勤務先は多岐にわたり、特別養護老人ホームや社会福祉施設、訪問介護事業所などがあります。医療機関で働く介護福祉士もいます。

介護福祉士の特徴は、介護に関する専門知識・技術があることを証明するための国家資格が必要な点です。資格取得には介護経験が3年以上必要になるので覚えておきましょう。

介護福祉士の資格を持つと、施設内の介護スタッフ育成のため指導を行うリーダーや、施設内全体のマネジメントを担う場合もあります。

社会福祉士

社会福祉士とは、心身に障がいのある方や高齢者など、日常生活において支援を必要とする方たちに助言をしたり、各福祉サービスの提案などをしたりするのがおもな仕事です。また、地域の福祉施設や医療機関との連携・調整を行う場合もあります。

介護福祉士の仕事は身体の介護・援助がメインですが、社会福祉士は生活に対する相談や指導を行います。

また、介護福祉士の介護対象は心身に障がいのある方や高齢者であるのに対し、社会福祉士は、生活を営むのに困難を有する方たちを含むので、支援対象が幅広いのが特徴です。

ホームヘルパー

ホームヘルパーは利用者の住宅を訪れ、生活を支援する仕事です。食事や入浴など、生活全般を支援する介護サービスと、買い物や食事の用意などを行う家事援助サービスの2種類があります。

訪問介護職員とも呼ばれるホームヘルパーは無資格でも目指すことができますが、利用者の身体に直接触れる介助は、介護の実務研修や介護福祉士の資格取得が必要になります。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは、要介護者や要支援者が必要なサービスを受けられるように、サービス計画の作成を行う仕事です。また、サービス提供に向けて、市町村やサービス事業者、施設などとの連絡調整も行います。

また、サービスを行う前に、介護計画書を作成するのも仕事です。要介護者(利用者)の状況や要望に合わせ、介護給付費などを含めた適切な提案します。

ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。

より評価される志望動機を作成するためには、業界について理解を深めておくのが重要です。「就活における業界研究のポイントや、情報源などをご紹介!」を参考に、福祉業界について調べておきましょう。

また、福祉業界と関連する業界に、介護業界があります。介護業界については、「介護業界の現状と今後の動向について」で解説しているので、違いを理解しておきましょう。

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福祉業界の志望動機を作る際の構成

ここでは、福祉業界の志望動機を考える際に必要な構成について解説します。

1.福祉業界を選んだ理由を伝える

まずは、なぜ福祉業界を選んだのか理由を伝えましょう。結論から伝えると、採用担当者に内容を理解してもらいやすくなります。

たとえば、「私が志望する理由は△△です」のように伝えましょう。簡潔にわかりやすく伝わるのでおすすめです。

福祉業界を選んだ理由が曖昧な場合は、自己分析を行い、自分の考えを整理しておきましょう。自己分析の進め方を「自己分析とは?おすすめのやり方と8つの注意点を解説」で解説しているので、参考にしてください。

2.志望企業や事業所を選んだ理由を説明する

次に、なぜ志望企業や事業所を選んだかを伝えます。その企業や事業所独自の特徴について述べるとよいでしょう。

たとえば、「介護職で働きたい」「福祉施設で利用者のサポートを行いたい」などのアピールでは、なぜ志望企業を選んだかが伝わりません。「ほかの企業でもいいのでは?」と思われてしまいます。

志望動機でアピールするには、Webサイトや求人情報などを確認し、企業や事業所ごとの違いを整理しておくのが大切です。企業説明会やOB・OG訪問で、話を聞いておいてもいいでしょう。

OB・OG訪問の流れや進め方のポイントについて知りたい人は「OB訪問ってどうやるの?アポ取りから進め方まで徹底解説!」の記事を参考にしてください。

3.志望理由のきっかけになったエピソードを伝える

志望理由を説明する際は、具体的なエピソードも交えましょう。ほかにはない自分なりのエピソードがあることで、説得力が増します。

たとえば、「家族がケアマネージャーにお世話になり、助けられた」のように、依頼した経験から福祉業界や介護職を目指した人もいるでしょう。どのようなきっかけが志望理由につながったのか、具体的に伝えてください。

4.入社後の目標を伝える

最後に、入社後のビジョンや目標を伝えましょう。自分の強みをどう仕事で活かすか、入社後どのようにキャリアアップしたいかなどを伝えることで、入社意欲をアピールできます。また、企業に自分が活躍する姿をイメージしてもらいやすくなります。

入社後の目標を決めるためには、いかに企業研究ができているかが重要になります。企業研究の方法については、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」で解説しているので、参考にしてください。

また、入社後にしたいことや入社後の目標の考え方については、「入社後にしたいことの例文11選!見つけ方や伝え方のコツと注意点も解説」で解説しているので、志望動機作成の参考にしてみてください。

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福祉業界の志望動機作成に向けて必要な準備

志望動機を作る前におすすめの準備を3つ紹介します。準備を万全にしておくと、志望動機の内容でアピールしやすくなるので参考にしてみてください。

自己分析を行い就活の軸を決める

まずは自己分析を行い、就活の軸を明確にしておきましょう。就活の軸とは、仕事を選ぶ際にゆずれない、自分なりの基準のことです。

志望動機では、「なぜ福祉業界なのか」「なぜその企業なのか」の2つをアピールするのが重要になります。就活の軸を決めておけば、仕事を選ぶ基準を明確にでき、アピールにつなげられるでしょう。

就活の軸については、「就活の軸とは?探し方のコツや具体的な方法を例文付きで解説」の記事や、
就活の軸がない人へ|設定するメリットや見つけ方を解説」の記事を参考にしてください。

自分の強みやスキルを明確にする

志望動機では、志望企業の業務上で活かせる強みやスキルをアピールすることが大切です。自分のアピールしたい強みと、企業の求める人材像が合わなければ、入社後のミスマッチにつながってしまいます。

企業からの高評価を得るには、志望理由と合わせて、企業にどのように貢献できるかを伝えることが大切です。

企業研究で他施設との違いを把握する

採用担当者は、応募者が企業研究をきちんと行ったかどうかも見ています。他の施設と比較し、どのような部分に惹かれたかを伝えてください。

たとえば、「雰囲気がいいから」「△△の仕事ができるから」のようにどのような企業にも当てはまる志望動機では、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことは難しいでしょう。企業研究をしっかりと行い、曖昧な志望理由ではなく、説得力のある内容にすることが重要です。

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福祉業界の志望動機を作る際のポイント

福祉業界の志望動機作成時のポイントを解説するので、参考にしてください。

具体的な表現でアピールする

志望動機を作る際は、具体的な表現でアピールするように心がけましょう。曖昧な表現は内容が伝わらず、評価されにくいからです。

たとえば、「家族がホームヘルパーにお世話になったので志望しました」では、具体的な理由が伝わりません。「どのような部分が印象に残ったのか」「自分も目指そうと思ったきっかけは何か」まで伝えれば、いい志望動機になります。

志望理由があいまいな場合は、自己を深掘りしてみましょう。自己分析がなかなかうまくできない人は、「自己分析が難しい・できないと思う人の特徴は?効率的な方法を紹介」の記事や、「自己分析を効率的に進める質問項目|例文と活用方法も解説!」の記事を読んでみてください。

また、自分史やモチベーショングラフを作成することにより、自己理解を深めることができます。自分史については、「自分史は就活の面接に役立つ!思い出せない時の書き出すやり方や見本も解説」の記事を、モチベーショングラフについては、「自己分析に役立つモチベーショングラフとは?作成のコツや活用方法を解説」を参考に実践してみましょう。

要点をわかりやすくまとめる

志望動機の文章は、わかりやすく簡潔にまとめることも大切です。

たとえば、「私は家族がお世話になった経験から介護職を志望しており、アパレルの接客経験を活かして利用者の方をサポートし、資格をとってスキルアップを目指したいです」という内容では、採用担当者に「一番伝えたい内容はどれだろう」と思われてしまうでしょう。

「私が介護職を志望したのは、祖母の介護でケアマネージャーに助けてもらい、自分も利用者の方を支援したいと考えたからです」「アパレルの接客経験を活かし、お客さまのニーズにあったサポートを心がけます」のようにすれば、わかりやすくまとめられます。

また、エピソードは複数ではなく、1つに絞るようにしましょう。あれもこれもと強みやエピソードを盛り込んでしまうと要点が分からず、相手に伝わりづらくなるからです。

給与や待遇は志望理由にしない

給与や休みなど、待遇面を志望理由にするのはNGです。仕事に対する意欲が低いと思われてしまいます。

給与や待遇で選ぶのは、企業選びの1つの方法です。ただし、志望動機で伝えても、自分の魅力やスキルのアピールにはなりません。逆に評価が下がりやすいので、志望動機には含めないようにしてください。

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福祉業界の志望動機の例文

ここでは、福祉業界の志望動機の例文を紹介します。

例文1

私が貴社を志望した理由は、貴社の経営方針や取り組みに共感したためです。利用者の方を第一に考え、楽しめるイベントに力を入れている点に魅力を感じました。

私は老人ホームにて、介護実習を行った経験があります。介護業務は大変な部分もありますが、利用者の方の笑顔を見ると、「やってよかった」とモチベーションになります。

イベントやレクリエーションに力を入れている貴社であれば、さらに利用者の方を笑顔にさせられるのではないかと考えました。

私はホテルでの接客経験があり、年代問わずさまざまな方とコミュニケーションをとってきました。アルバイト経験を活かして、利用者の方々といい関係性を築きながら、生活のサポートをしていきたいです。

例文2

地域に密着したサービスの徹底と、利用者一人ひとりとじっくり向き合うことを大切にしている貴施設の理念に深く共感し、志望させていただきました。

私の家族は祖父母と一緒に住んでいたため、高齢者と関わるのは日常的でした。心配することもありましたが、助けになれたときに、祖父母が喜んでくれる姿を見ることがうれしかったです。

将来は介護・福祉関係の仕事に就きたいと思うようになり、福祉の専門学校に入学し、専門知識を学んでいます。また、老人ホームの実習経験を通し、学んだ知識を活かしながらサービスを提供することに充実感を感じています。

利用者の視点に立つことを忘れず、かつ適切なサービスを提供することで、貴施設のスタッフにとって頼もしい存在となっていきたいです。

例文3

私は、祖母が老人ホーム施設に入所したことがきっかけで、福祉業界に興味を持ちました。その施設のスタッフの方々はとても親身になって祖母やほかの利用者さんに接していました。母と一緒に訪問するたびに、祖母が安心した顔でスタッフの方からサービスを受けているのが印象に残っています。

将来は、祖母のような人たちに安心を提供できる仕事に就きたいと思い、福祉学科のある大学に入学しました。大学の授業の一環で貴施設を訪問する機会があり、利用者さんだけでなく、スタッフ間とのコミュニケーションを密にしている様子に感銘を受けました。

将来は、介護福祉士の資格を取得し、貴施設の一員として、利用者さんとその家族に喜んでもらえる丁寧なサービスを提供していきたいと考えております。

例文4

軽度の知的障害のある妹の影響で、障がい者の方たちをサポートする仕事がしたい、と思うようになり、福祉業界に興味を持ちました。

妹の支援施設のスタッフの方たちは、利用者を一人の「人間」として接しており、障がいがあるからといって決して子ども扱いせず接し・指導していました。

貴施設の掲げる「障がいのある方が、個性を活かして働ける場を提供したい」というコンセプトに共感し、利用者さんに職業訓練を提供する事業に携わりたいと思い、志望させていただきました。障がいのある方が、生きづらさを感じずに生活できる社会づくりに貢献することが、将来の私の目標です。

志望動機が作れたら、面接でのアピールも準備しておきましょう。

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福祉業界の志望動機のNG例文

ここでは、福祉業界の志望動機のNG例文を紹介します。

私はボランティア活動での経験をきっかけに、貴社を志望しました。利用者の方からの「ありがとう」が忘れられず、より多くの方の助けになりたいと考えたからです。

しかし、私の経験はまだまだ少ないので、貴社で勉強させていただきたいと思います。大変な仕事だと思いますが、尽力いたします。

この志望動機がNGな理由は、具体性に欠けているからです。まず、どのようなボランティア経験であったのかが、曖昧で伝わりません。

また、「勉強させていただく」「学ばせていただく」のような表現も、避けるようにしましょう。仕事は学校と違い、勉強させてもらう場所ではありません。

さらに、「なぜこの会社なのか」がわからない点もマイナスです。利用者を助ける施設であれば、どこでもいい印象を受けてしまいます。

これらのNGはないように、志望動機を作成しましょう。「なぜ福祉業界なのか」「なぜこの会社なのか」の2つがわかれば、評価される志望動機になります。

志望動機にはNGワードもあるので気を付けるようにしましょう。「志望動機のNGワード使っていない?ダメな例文と改善例を解説」の記事で紹介しているので、参考にしてください。

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福祉業界の志望動機作成に悩むあなたへ

福祉業界の範囲は広く、業務や施設ごとに内容を考えるのがポイントです。また、介護業界が似ている業界なので、業界ごとの違いも意識しながら志望動機を作成しましょう。

志望動機の作成に悩んだら、就活エージェントであるキャリアチケットに相談するのがおすすめです。就活のプロがあなたの悩みに応じて、就活生一人ひとりに合わせたアドバイスを行います。

福祉業界の内定獲得を目指す方は、一人で悩まず、ぜひ相談してください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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