市役所の志望動機例文!アピールにつながる書き方のコツと構成を解説

このページのまとめ

  • 市役所の志望動機では、希望する地域でなければならない理由の明確化が重要
  • 地元以外の市役所の志望動機を書く際は、客観的な視点からまとめるのがポイント
  • 市役所の志望動機を書く際は、結論・具体的なエピソード・将来の展望の順にまとめる

市役所の志望動機例文!アピールにつながる書き方のコツと構成を解説のイメージ

「市役所の志望動機は、どのような内容を書けばよいのか」と悩む就活生も多いでしょう。市役所は行政機関のため、希望する地域でなければならない理由の明確化と、民間企業とは異なる切り口での書き方が重要です。

この記事では、市役所の志望動機の書き方のコツと構成を解説します。OK・NG例文も紹介するので、作成のヒントが知りたい就活生は、ぜひ参考にしてください。

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目 次

市役所の志望動機では希望する地域を選ぶ理由が大切

市役所の志望動機では、希望する地域・自治体でなければならない理由が重要です。市役所は全国に存在するため、なかには地元以外を志望する方も珍しくありません。

キャリアチケットの調査によると、25卒の学生で官公庁を志望する就活生は約4%でした。

25卒学生が就職したい業界。詳細は以下

引用元:キャリアチケット「【2023年10月実施】25卒学生の就活状況についての調査

数字だけ見ると、市役所職員を志望する就活生はほかの業界に比べて少ない印象があります。しかし、内定獲得には入社意欲や熱意をアピールできる志望動機が重要です。

ここでは、地元と地元以外の市役所を目指す場合に分けて、志望動機で押さえておきたいポイントを解説します。

地元の市役所を志望する場合

地元の市役所を希望する場合は、居住経験を活かして、自治体が抱える課題に対する深い理解を示しましょう。ほかの就活生と差別化を図るためには、より踏み込んだ政策を提案するのがポイントです

たとえば、地元出身の人は生まれ育った地域だからこそ分かる課題を把握しています。そのため、自治体の取り組みに対する意見や、課題を解決するために考えられることをアピールしましょう。

なかには、住み慣れた土地への愛着や感謝の気持ちから、地元の市役所を志望する人もいるでしょう。市役所職員に大切なのは、地域への貢献心です。長年暮らしていた街に貢献したい熱意は、志望理由として評価されます。

地元以外の市役所を志望する場合

地元以外の市役所を志望する場合は、地元出身ではないからこそ伝えられる、客観的な視点からの意見を盛り込んだ志望動機が効果的です。

自身が生まれ育った地元と志望する地域を比較できるのは、異なる街で暮らしていた就活生ならではの差別化ポイントになります。地元以外の地域を志望する際は、実際に訪問してコミュニティや街の雰囲気を体感すると良いでしょう。

志望動機を作成するためには、地域や市役所について詳しく知るのも重要です。「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」を参考に、地域の魅力や取り組みを深掘りしましょう。

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志望動機作成前に知っておきたい市役所の仕事内容

評価される志望動機を作成するためには、市役所職員の仕事内容を理解しておく必要があります。市役所職員の仕事内容を理解していなければ、強みの活かし方やキャリアプランの立て方が分からないためです。

ここでは、市役所の仕事内容を3つに分類して解説します。志望動機作成前に確認しておきましょう。

事務系

市役所職員の事務系の仕事は、一般的な窓口業務から事務作業、政策の立案まで業務内容は多岐にわたります。主な業務内容は以下のとおりです。

・保険、戸籍、住民票など、手続きに関する窓口業務
・市の行事の企画や運営など地域振興に関する業務
・ハザードマップ作成などの防災防犯に関する業務
・学校や高齢者施設、病院など地域の福祉や健康に関する業務

市役所の事務職では、3〜4年のペースで部署異動があり、幅広い業務に携わります。複数の業務を経験し、市政に関する知識を幅広く学んでいくのが一般的です

事務職を志望している場合は、「事務職の志望動機はどのように作る?作成のポイントや例文を解説します」の記事も参考にしてください。

技術系

技術系の市役所職員の仕事内容は、土木や建築、機械などの専門的な知識や技能を活かして働く業務が中心です。具体的には、以下の仕事があります。

・道路工事の設計、管理
・機械設備の計画、設計、維持管理
・都市計画のサポート
・環境保全のための企画、調査

技術系の市役所職員は、特定の分野を極めたプロフェッショナルです。大学や専門学校で得た幅広い知識が求められます。

専門職

専門職の市役所職員は、特定の資格を持つ人物が就職する職種です。代表的な専門職には、次の職種があります。

・教員
・保育士
・幼稚園教諭
・薬剤師
・獣医師
・看護師
・保健師
・臨床検査技師
・診療放射線技師
・栄養士、食品衛生監視員

たとえば、公立の学校で働く教員は公務員に該当します。また、市営バスの運転手や保健所で働く薬剤師なども市役所職員です。市役所の仕事内容は多岐にわたるため、違いを理解したうえで志望動機を書きましょう。

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市役所の志望動機を書くときの構成3ステップ

志望動機は構成を意識して考えることで、分かりやすい内容で作成できます。ここでは、市役所の志望動機を伝わりやすく書く構成のポイントを3つのステップで紹介するので、参考にしてください。

1.志望理由を伝える

市役所の志望動機を伝える際は、志望理由から伝えましょう。「私が貴所を志望する理由は、△△だからです」のように、最初に結論を伝えると続く内容を分かりやすく紹介できるためです

採用担当者は多くの就活生の志望動機をチェックしているため、何を伝えたいのか分かりにくい内容は流し読みされる可能性があります。

たとえば、先にエピソードを伝えてしまうと志望理由が曖昧になり、肝心な部分がアピールできません。なぜ希望する地域の市役所で働きたいのか、結論となる理由を始めに書くことが重要です。

志望動機の書き始めについては、「志望動機は書き出しを意識しよう!好印象を与える書き方を解説します」の記事でも紹介しています。目を通しておくと表現の幅が広がり、アピールがしやすくなります。

2.エピソードで志望理由を補足する

志望理由を伝えた次は、具体的なエピソードで内容を補足しましょう。志望理由を持ったきっかけや、問題意識などをアピールします。

エピソードは自分の経験にもとづいた、オリジナルの内容にするのがポイントです。ありきたりなエピソードはほかの就活生と差別化につながらず、内容が評価されません。特に、「どのように考えたか」「どのような行動をしたか」は自分にしかないエピソードです。結果よりも過程を中心にエピソードを伝えると、オリジナリティが生まれます。

3.取り組みたい仕事や将来の展望を伝える

最後の締め部分には、採用された場合に取り組みたい仕事や将来の展望を伝えましょう。取り組みたい仕事や将来の展望を書く理由は、採用担当者に入社後の具体的なイメージを持ってもらうためです。

志望動機では、どのように貢献できるかが求められています。具体的に実現したい内容を考え、市役所への貢献方法とあわせて、自分の強みをどのように活かせるかアピールできると、評価が高まるでしょう。

志望動機の書き方については、「志望動機の書き方のコツを例文付きで解説!企業に響くポイントを押さえよう」の記事もご覧ください。

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市役所(地方公務員)の志望動機|書き方のコツ8選

市役所の志望動機は、民間企業と異なるアピールが必要になります。ここでは、市役所の志望動機の書き方のコツを解説するので、熱意を伝えるポイントが知りたい方は参考にしてください。

1.市役所職員を志望するきっかけ・理由を書く

市役所職員の志望動機に欠かせないのが、志望するきっかけや理由です。志望のきっかけや理由は、市役所の採用担当者が最も知りたい内容になります

志望動機では具体性がポイントになるため、次のような内容を伝えるようにしましょう。

・子育て支援に関心があり、子育て世帯が生活しやすい環境を整えるための活動をしたい
・地域を活性化させるために、人々が生き生きと働ける環境整備に力を注ぎたい
・あらゆる世代が心地良く暮らせるコンパクトシティの実現のために都市計画に携わりたい

市役所職員へは地域内外を問わず毎年多数の応募があり、志望動機の差別化は必須です。志望動機を書く際は希望する地域の公務員として、市役所で働きたいと感じた理由やエピソードを丁寧に振り返りましょう。

2.地域や住民に貢献する思いを盛り込む

市役所の志望動機には、地域や住民に貢献する思いを盛り込むのがポイントです。公務員は、地域の発展やライフライン確保などを目的とした社会貢献の追求が仕事の目的になります。なかでも、市役所職員は市民や地域のために働くのがメインです。

ただし、「市民や地域のために働く」だけでは抽象的なため、どのように働いていきたいのか具体化しておくと良いでしょう。志望動機を書く際は、地域や市民への思いを明確にアプローチすると、採用担当者に熱意が伝わります。

3.就職後に解決したい地域の課題を挙げる

市役所の志望動機を書く際は、就職後に解決したい地域の課題について触れましょう。積極的に課題に向き合う姿勢をアピールすることで、希望の地域に対してどのような思いを持っているか伝えられます。

具体的な課題は、以下のとおりです。

・実際に自分がその街に住んで感じた課題
・市の取り組みに参加して感じた課題
・ほかの自治体と比較して見つかった課題

志望動機のなかで「△△の取り組みに参加し、継続するのが大切だと感じた」「△△の取り組みに参加したが、△△の部分を改善できると考えた」などをアピールできると、説得力が増します。地域の課題にも目を向けておくのが、志望動機の書き方のコツです。

4.取り組みたい仕事内容をアピールする

市役所の志望動機を書く際は、地域が抱える課題を伝えるとともに、自分が市役所職員になったときに取り組みたい仕事内容を盛り込むのがポイントです。理想の仕事内容を伝えられると、志望する熱意が伝えられます。

ただ、アピールするときにこだわりが強過ぎると、定期的な異動がある市役所の体制にマッチしないと判断される可能性があるでしょう。アピール時には課題に対するアプローチとして取り組みたい仕事に触れつつ、どのような業務も目的意識を持って遂行する内容を盛り込むと、説得力が増します。

5.仕事に活かせる自分の強みを含む

市役所の志望動機には、希望する仕事や職種に対して、自分の強みがどのように活かせるかも盛り込みましょう。地域が抱える課題や解決策、やってみたい業務などを伝えたうえで、仕事に役立つ強みをアピールできると訴求力が増します。

自分の強みをアピールする際は、以下のように仕事との関連性を意識するのがポイントです。

・コミュニケーション能力や傾聴力を活かし、窓口業務の際に住人の話に耳を傾け問題を解決したい
・専門学校で学んだ機械設備の知識を活かし、ライフラインを整備して地域に貢献していきたい

自分の強みが分からない就活生は、「「強み」ってどうやって見つければ良いの?簡単にできる「強み」の発見法」を参考に探してみてください。

6.市役所職員として求められるスキルを理解しておく

志望動機を書くときは、その地域でなければならない理由とあわせて求められるスキルをアピールしましょう。スキルを盛り込む場合は、具体性が増すようエピソードも入れるのがコツです。

市役所職員として求められるスキルには、次のものがあります。

・他者貢献
・責任感
・コミュニケーションスキル

地域の魅力や課題から、自分のスキルをどのように活かせるのか具体的に盛り込み、熱意をアピールするのが大切です。

7.民間企業との違いを意識する

市役所職員を志望する場合は、民間企業と違う点を意識してアピールしましょう。民間企業でも実現できる内容を市役所の志望動機で伝えても評価されません

民間企業と市役所職員となる公務員の仕事の意味や目的の違いは、以下のとおりです。

・民間企業:社会貢献を通じた利益の追求がメイン
・公務員:地域の発展やライフライン確保などを目的とした公益の追求がメイン

志望動機で評価されるためには、公務員でなければならない理由が必要になります。市役所でしかできない仕事が何かを考え、志望動機でアピールするのがポイントです。

公務員と民間企業の違いについては、「民間企業と公務員の違いは何?特徴や仕事内容をご紹介!」の記事で解説しているので参考にしてください。

8.完成したら添削を受けてみる

評価される魅力的な志望動機にするには、第三者からの添削を受けるのがおすすめです。客観的な意見は自分では気づきにくい内容となるため、評価につながる志望動機が作成できます。

志望動機の添削を依頼する場合、次のような人や機関にお願いしてみましょう。

・友人
・家族
・先輩
・大学のキャリアセンター
・就活イベント
・就活セミナー
・就活エージェント

就活イベントやセミナーでは就活のプロから添削してもらえるだけでなく、無料で参加できるイベントも多いため、積極的に参加してみてください。

また、就活全体のサポートを受けたい場合は、就活エージェントを活用しましょう。就活エージェントでは志望動機だけではなく、履歴書やエントリーシートの添削、面接対策など総合的にアドバイスをもらえます。

就職エージェントのキャリアチケットでも志望動機の添削を実施しているので、評価される志望動機を作りたい方はぜひご相談ください。

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市役所の志望動機のOK例文8選

ここでは、市役所の志望動機の例文を8つ解説します。パターン別に例文を紹介するので、自分が該当するものを参考にしてみましょう。

1.地元の市役所を受ける場合の志望動機の例文

私が貴所を志望する理由は、防災支援を行い、地域を守りたいと考えたからです。

私は5年前、大地震で被災した△△市へのボランティア活動に参加しました。その際、災害時の支援や災害からいち早く立ち直るためには、市役所職員の仕事が不可欠だと感じました。

この経験から、大学では防災知識について学びました。現在も被災地や災害地でのボランティア活動を定期的に続けており、自然災害への減災技術や復興支援の経験を積んでいます。

△△市では防災に対する取り組みとして△△に力を入れていることを、長年居住するなかで実感しています。採用された際には、生まれ育った△△市で防災知識を広め地域に貢献したいと考えております。

2.地元以外の市役所を受ける場合の志望動機の例文

私は△△市の農業の活性化に関わりたいと思い、貴市役所を志望いたしました。

祖父母が△△市で農業を行っていたため、休みの日はよく手伝いに来ていました。そのため、小さいころから農業に興味があり、大学でも農学について学んでいました。

△△市は農業従事者の高齢化と後継者不足が問題になっていると聞きます。大学では△△に関する研究をしていたこともあり、△△市の農政に関心を持つようになりました。

入職しましたら、現在進んでいる政策やその実行計画に関する勉強を行ったうえで、△△市の農業を盛り上げ、地域に貢献をしたいと思っております。

3.子育て支援に関する志望動機の例文

私は、△△市の子育て環境の整備に関わりたいと思い、貴市役所を志望しました。

子育て支援に興味を持ったのは、学生時代に子ども支援のボランティアに参加したのがきっかけです。そこで、支援を必要とする人の多さや、働きながら子育てをすることの難しさを目の当たりにし、子育て支援を行うことへの重要性を学びました。

貴市は保育士施設の充実など先進的な取り組みを行っているため、自身の強みである「チャレンジ精神」を活かし、誰もが安心して子育てできる街づくりに貢献したいです。

4.まちづくりに関する志望動機の例文

私はまちづくりを通して、△△市の地域の方々の生活を支えたいと考えて貴所を志望いたしました。△△市は発展の最中であり、住宅地や商業施設などのまちづくりが課題です。今後発展するために、大学で学んだ経済の知識が生かせると考えています。

現在、△△市の人口は増加傾向にありますが、住宅の設備はまだ十分とはいえない状況です。また、駅前の発展も課題であり、住みやすい地域にするためにも、今後の発展が求められます。

貴所では私の強みである「傾聴力」を活かし、地域の方々の話を聞きながら、△△市の抱える課題解決に向け行動いたします。具体的には、商業施設の誘致や住宅施設の増加に携わり、△△市に貢献したいと考えています。

5.観光に関する志望動機の例文

私は、△△市の観光・産業振興に関わりたいと思い、貴市役所を志望しました。

貴市は自然や文化など多彩な資源があるため、魅力発信の可能性を感じています。地域の観光資源を活用して、△△市の魅力を多くの人に伝えて地域活性化に貢献したいと考えています。

学生時代には、地元の祭りの企画に携わった経験から、観光が地域経済や雇用に影響を与えることを実感しました。これまでの経験をもとに、まちの活性化に向けて、積極的な情報発信や新たな施策に取り組みたいと考えています。

6.高齢者福祉に関する志望動機の例文

私は、△△市の高齢者福祉に関わりたいと思い、貴市役所を志望しました。

△△市に住む祖母の家を訪れた際、介護サービスの充実さに驚いたことが市の高齢者福祉に興味を持ったきっかけです。高齢化が進む日本において、高齢者の支援が課題だと感じています。

私は住民の声を聞き、行政に反映できる市役所職員になりたいと考えるようになりました。学生生活ではボランティアのため、月に1回介護施設を訪れ、実際に現場を見ています。これまでの経験をもとに、△△市に貢献していきたいと思っています。

7.建設・土木に関する志望動機の例文

私は、△△市に住む市民の暮らしを守る仕事に関わりたいと思い、貴市役所の職員を志望します。

大学3年生のインターンシップで、市民のライフラインを守るために働く職員の方々の姿が印象に残り、憧れるようになりました。また、インターンシップにより、インフラ整備が地域の安心や安全に直結していることを実感しました。

△△市は、老朽化したインフラ整備した道路の維持修繕が課題です。入職後は、土木工学科で得た知識を磨き、△△市のインフラを支えられるよう貢献したいと考えています。

8.企画・広報に関する志望動機の例文

私は、△△市の魅力を多くの市民に伝え、好きになってほしいと思い、貴市役所の職員を志望します。

私は幼少期から△△市に住んでおり、市の魅力や取り組みが書かれている広報を見ることが好きでした。大学時代には地域の広報活動にボランティアとして参加し、制作に携わり、市民のための活動ができる市役所の職員は魅力的だと感じました。

ボランティアの活動を活かして、今度は私がサービスを企画する側となり、市民に市の取り組みを利用してほしいと考えています。私は大学で社会学科に所属し、社会の仕組みや課題について学んできた知識が活かせると思っています。

入職後はこれまでの知識を活かし、市民に寄り添った企画立案をし、△△市の発展に貢献したいと考えています。

市役所の志望動機を考える際は、例文を参考に表現の仕方や構成をチェックしましょう。志望動機を書くコツについては、「新卒の学生が履歴書に志望動機を書くコツは?職種別の例文も紹介」をご覧ください。

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市役所の志望動機のNG例文4選

ここでは、市役所の志望動機のNG例文を4つ紹介します。作成した志望動機を見直し、該当していないか確認してみましょう。また、改善のポイントも合わせて解説するので、参考にしてください。

1.特定業務へのこだわりが強過ぎる

私は、△△市の職員として、地域の皆様に信頼される窓口業務を行いたいです。

大学進学時に一人暮らしを始めた際、提出する書類がよく分からず悩んでいたところ、職員の方がとても丁寧に対応してくださったことをとても覚えています。不明点を質問するとすべて親切に答えて頂き、無事に転入の届出ができて安心しました。

地域の皆様が安心して暮らせる環境づくりは、職員の使命の一つだと考えています。△△市に入職できた暁には、窓口業務を通じて高品質な行政サービスを提供したいです。

市役所職員を目指したきっかけを紹介するのは問題ありませんが、1つの業務に固執し過ぎた内容になっています。そのため、視野の広さや地域に広く貢献する意欲が伝わるまとめ方に変更するのがポイントです。

2.安定性を求めた内容になっている

貴所を志望した理由は、安定した環境で働きたいと思ったからです。

新型コロナウイルスに伴う労働環境の目まぐるしい変化や目下の経済状況を踏まえて、安定した組織で着実に成果を出して働きたいと考えるようになりました。

公務員であれば組織としての安定性が非常に高く、地域の皆様に質の高い行政サービスを提供し続けられると思っています。

市役所という恵まれた環境のなかで、公共の利益のために貢献したいと考え、貴所を志望いたしました。

例文のように、給与や雇用など、組織の安定性を前面に押し出す内容は控えましょう。市役所に限らず、公務員の志望動機で安定性を理由にしても、プラスの印象を持たれるケースはほとんどありません。

自治体について入念に調べて、興味のある取り組みを探しましょう。志望動機のベースになるのは、仕事内容や地域ならではの魅力・特色に対する興味関心です。

3.具体性がなく説得力に欠けている

私が貴所を志望した理由は、地域に貢献できる仕事がしたいからです。

私は大学のゼミで「地域活性化」をテーマに研究しており、卒業後も地域活性化に関わる仕事をしたいと考えています。

市役所の業務は地域に根差した仕事の根幹をなすもので、私が学んできた知識や経験を活かせると思っています。貴所に就職できた際は、地域の方々の声に耳を傾け、地域活性化に貢献していきたいです。

地域活性化へのこだわりが強く、志望動機として筋が通っているように見えますが、具体的なエピソードがありません。大学で学んだ内容と希望する地域で貢献する理由が結びつかず、ほかの自治体でも使い回せる内容になっています。

エピソードを交えて具体性を追加すると、志望動機のクオリティはさらに上がるでしょう。

4.地元愛だけが伝わるアピールになっている

私が貴所を志望したのは、地元である△△市が好きだからです。好きな△△市で仕事ができれば良いと考えています。

私は生まれてから現在まで、この△△市に住んでいます。長く住んできた私だからこそ、この街をより良くできると思っています。

貴所に採用された場合には、地元愛で地域の方々に貢献したいと考えています。

地元愛だけでは、採用担当者から評価されるのは難しいといえます。市役所は地元出身のライバルも多く、同様の理由で働きたいと考える方が多いためです。

また、地元が好きな気持ちだけでは仕事はできません。街の課題解決や発展のために、自分のどのような特徴をどんな場面で活かせるのか伝えるのがポイントです

公務員の志望動機例文については、「公務員になりたい理由に使える6例文を紹介!考え方のポイントや手順を解説」の記事でも紹介しています。

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市役所の志望動機を書く3つの注意点

ここでは、市役所の志望動機を書くときの注意点を3つ解説します。熱意を伝えようとして逆効果にならないよう、書くときに意識しておくポイントをまとめたので、参考にしてください。

1.特定の業務だけを志望しないようにする

市役所の志望動機を伝える際に、特定の業務だけを希望する書き方は控えましょう。市役所は部署が多く、希望がそのまま通るとは限りません。また、部署異動も多く、数年かけて複数の仕事を経験するケースが一般的です。

特定の部署を希望していると、「希望職種ではない配属先になった際、モチベーションが下がるのでは」といった点を懸念される可能性があります。こだわりの強さはネガティブな印象を持たれる場合もあるため、表現には注意が必要です。

2.安定や地元愛などこだわりの強い理由は避ける

公務員を志望する理由として、「安定しているから」は評価を下げてしまいます。「給料が良い」「雇用が安定している」などの待遇は、自分の待遇や利益しか考えていないと思われるでしょう

給料や待遇をメインにアピールする就活生は、仕事への意欲が低いと捉えられます。意欲の低い就活生より、意欲の高い就活生のほうが採用されやすいので気をつけてください。

地元が好きなことを志望理由にする場合も、評価は上がりません。地元が好きなだけでは、仕事で成果を出せる根拠にならないためです。

また、地元で働きたいのであれば必ずしも市役所である必要もありません。地元の民間企業で働いても、目的は達成できます。地元への情熱も大切ですが、別のアピール内容と組み合わせたほうが評価してもらえるでしょう。

3.ほかの公務員と差別化を図る

志望動機を書く際は、ほかの公務員との違いを理解したうえで市役所を選んだ理由を的確に回答する必要があります。ほかの公務員と差別化を図る回答は、市役所に対する入社意欲の高さをアピールできるためです。

市役所の職員だからできる仕事をアピールできない場合、「公務員であればどこで働いても良いのでは」と思われかねません。市役所の職員とほかの公務員との違いは、志望動機を書くときに注意したいポイントです。

公務員の種類については、「公務員の種類とは?主な職種や試験の難易度を一覧で分かりやすく解説」をご覧ください。

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市役所の志望動機を作成する際に参考となる情報源

志望する市役所ならではの特色を理解したうえで、志望動機を考えましょう。市役所の志望動機を考える際は、市のWebサイトや地方紙などの情報源を参考にするのがおすすめです。ここでは、志望動機作成の参考になる情報源を5つ紹介します。

市役所のWebサイト

志望する市役所のWebサイトには、自治体の情報が集約されています。市役所のWebサイトは志望動機作成やほかの市町村との比較に役立つため、必ず確認しましょう

市役所によっては、市民からの声を載せている場合もあります。市役所の課題や良い点などリアルな情報が入手できるため、よく読んでおきましょう。

また、Webサイトが見やすいかどうかも確認しておきたいポイントです。Webサイトが使いにくい場合、情報伝達に大きな課題を抱えている地域の可能性も考えられます。

「△△が市民に伝わっていない」「△△の情報を市民は必要としている」などの改善に向け、自分は何ができるのか考えるのもおすすめです。

志望する市役所以外の地方自治体のWebサイト

志望する地域の市役所だけでなく、ほかの市区町村のWebサイトも閲覧しましょう。企業研究と同じ感覚で、自治体同士を比較すると自分が志望する市役所の強みや弱みを発見できます。

志望動機の差別化には、希望地域でなければならない理由が欠かせません。特に、地元以外の市役所を志望する就活生の場合は、地元と志望先の比較がポイントです。

地方紙・ローカルニュース

地方紙やローカルニュースからは、地域の取り組みやイベントが確認できます。市役所以外が主催するイベントもあり、市役所のWebサイトから得られなかった地域の活動もチェック可能です

各種イベントや町おこしのなかには、成功だけでなく失敗したものもあります。過去のイベントの実施状況や結果を分析して自分の意見に含めると、より説得力のある志望動機になるでしょう。

OB・OG訪問

情報集めには、市役所で働く大学やサークルのOB・OGに話を聞くのもおすすめです。OB・OG訪問では、市役所のWebサイトからでは入手できないリアルな情報を教えてもらえます。OB・OGが就活で苦労した点や志望動機で気をつけたポイントなども、自身の就活に活かせるでしょう。

OB・OGの知り合いがいない場合は、大学のキャリアセンターに相談してみると、卒業生を紹介してもらえるケースがあります。OB・OG訪問の方法については、「OB訪問ってどうやるの?アポ取りから進め方まで徹底解説!」を参考にしてください。

市役所の広報担当が発信するSNS

市役所によっては、広報担当者がSNSで地域の魅力を発信しています。SNSはテキストや画像、動画などから市の魅力をアピールしているため、Webサイトでは得られない情報を得られる点がメリットです。

イベント情報についても確認可能で、現地を訪れたい場合にも適しています。SNSではリアルタイムで情報を得られるため、ほかの情報源では得られない地域の魅力を見つけられるでしょう。

市役所が開催する説明会

市役所が開催する説明会では、仕事内容について理解を深められます。内容や日程は地域によって異なりますが、なかには定期的に開催している市役所も少なくありません。

質問や相談を職員が答えてくれる市役所もあるため、志望動機を書く情報を集めるのにおすすめです。説明会の開催日は、市のWebサイトからチェックできます。ほかの自治体との比較や雰囲気を知るきっかけとなるため、志望動機に活かせるでしょう。

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市役所の志望動機を面接で魅力的に伝えるコツ

志望動機はエントリーシートだけでなく、面接でも聞かれる場合が多いため、答え方を準備しておきましょう。面接は履歴書やエントリーシートの文章とは異なる評価ポイントがあります。ここでは、市役所の志望動機を面接で伝える際の4つのコツを紹介するので、参考にしてください。

熱意が伝わる話し方をする

面接で志望動機を伝える際は、熱意や意欲が伝わるよう、声の大きさやトーンなどに気をつけましょう。同じ内容でも声の大きさやトーンによって与える印象が変わるため、面接では話し方にも注意が必要です

たとえば、声の大小に気を配ったり抑揚をつけたりすると、熱意が伝わりやすくなります。抑揚のない話し方をしてしまうと、元気ややる気がなさそうに見えてしまうため、面接での印象が悪くなってしまいがちです。面接練習の際は、熱意が伝わる話し方を意識してみてください。

内容の深掘りに対応できるようにする

面接官からの深掘りには、答えられるよう準備しておきましょう。面接では、履歴書やエントリーシートの内容をさらに深掘りした質問をされるケースが一般的です。

深掘りされた際に答えられないと、自己分析や企業研究ができていないと思われる可能性があります。志望理由をさらに掘り下げて、説得力のある回答ができるよう準備しましょう。

結論から伝える

面接で志望動機を伝える際は、エントリーシートや履歴書と同様に結論から伝えるのがポイントです。伝わりやすい回答にするためには、なぜ志望しているのか理由が分かるようにする必要があります。

面接では、分かりやすく伝える能力があるかもチェックされている点に注意が必要です。いきなりエピソードを伝えるのではなく、まずは志望理由の結論から伝えるのが基本になります。

簡潔に伝える

志望動機は長々と離さず、簡潔にまとめましょう。話が長くなってしまうと、要点が伝わらず、何をアピールしたいのか伝わりません

面接の練習をするときは事前に話す内容を決めて、時間を計っておくのがおすすめです。1分から2分程度にまとめておくと、内容が薄くならずに伝えられるでしょう。

志望動機を面接で話す際のポイントは、「志望動機を面接で伝えるには?アピールのコツや注意点を解説」も参考にしてください。

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市役所の志望動機が思いつかないときの対処法

ここでは、市役所の志望動機が思いつかないときの対処法を解説します。志望動機に行き詰っている方は、対処法を実践してみましょう。

自己分析を行う

志望動機が思いつかない場合は、自己分析で自分の考えを整理しましょう。自己分析では、就活の軸や目標を明確にできるため、市役所で働きたい理由を洗い出せます

たとえば、過去の出来事を振り返ってみると市役所を志望しようと考えたきっかけを思い出せるでしょう。自分史を作ったり自己分析ツールを使ったりして、なぜ市役所でなければならないのか明確にすると魅力的な志望動機のひらめきにつながります。

自己分析の進め方については、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

市役所の業務内容を調べる

志望動機が思いつかないときは、市役所の業務内容を調べて、興味を持てる部分を探すのがおすすめです。業務内容を見ると、興味関心が湧く場合もあるでしょう。

同じ市役所でも、市が変わると取り組む内容が異なります。地域ごとの施策が違うため、調べていくうちに自分のやりたいことが出てくるでしょう。事前に業務内容を調べ、やりたいことを考えてみるのも志望動機作成には必要です。

市役所が行っている具体的な取り組みを調べる

志望動機が思いつかないときは、市役所が行う取り組みを調べましょう。市役所のWebサイトの構成は、大別すると以下のとおりです。

・市政情報:その地域の課題や問題
・組織、人口、財政:その地域の特徴や経済的な強さ
・産業、観光、文化:地域の強みや魅力

たとえば、全国的に問題になっているのが少子高齢化や人口減少です。国が主導する施策に対して、市町村ではどのような対策を施しているのか、該当するページから深掘りしてみましょう。

子育て支援や空き家対策、地域活性化といったテーマも、今後の市町村の発展や街としての機能を維持するために重視されるものの一つです。

何か興味のあるテーマを軸に、志望する自治体がどのような取り組みをしているか、自分が担当者だと思って調べてみましょう。

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魅力的な市役所の志望動機で熱意を伝えたいあなたへ

市役所を志望しているものの、志望動機が思いつかずに悩む方もいるでしょう。伝えたいことがあっても、うまく文章にできないのはよくある悩みです。

志望動機の作成に悩む場合は、就活のプロに相談してみましょう。一人ひとりに寄り添ったサポートが受けたい場合は、就職エージェントの利用がおすすめです。

キャリアチケットでは、就活に詳しいキャリアアドバイザーがマンツーマンで志望動機の作成をサポートします。志望動機の書き方はもちろん、書く内容が思いつかない場合もお任せください。内定獲得に向けて、キャリアチケットと一緒に準備を進めて市役所職員を目指しましょう。

志望動機の書き方を相談する

   

本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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