公務員試験の自己PR例文12選!書き方のコツや評価につながる強みを解説

このページのまとめ

  • 公務員試験の自己PRでは、「協調性」「傾聴力」「責任感」などが評価される
  • 公務員試験の自己PRは、何度も添削したり一貫性を持たせたりして仕上げる必要がある
  • 公務員試験では、仕事で求められる能力に合わせて自己PRの内容を変えるとよい

公務員試験の自己PR例文12選!書き方のコツや評価につながる強みを解説のイメージ

「公務員試験の自己PRはどのように書けば良いのか」と悩んでいる就活生も多いでしょう。効果的に自己アピールするためには、「結論・エピソード・仕事への活かし方」の順番で構成するのがポイントです。

この記事では、公務員試験の自己PRを書くコツや、評価につながりやすい強みを解説します。公務員の種類別・強み別の例文もまとめているので、公務員試験の対策に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

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目 次

公務員試験において自己PRが重要な理由

公務員試験では、人柄や面接が重視される傾向にあります。以下で、公務員試験における自己PRの重要性を解説するので、ぜひ参考にしてください。

人柄が重視されているから

公務員試験で自己PRが重要なのは、人柄を重視して採用する自治体が増加しているからです。

特に、地方公務員の採用試験においては、旧方式から新方式に切り替える傾向が強くなっています。専門知識を問う試験問題を活用していた旧方式と比べて、新方式は面接やプレゼンテーションといった試験内容が中心になりました。

自治体は、専門知識の有無だけではなく、就活生の人間性が公務員という職種に合っているかどうかを見極めているといえるでしょう。

面接の重要度が増しているから

公務員試験において面接の重要性が増している点も、自己PRの作成に力を入れるべき理由です。面接で自己アピールするためには、採用担当者に好印象を与えられる自己PRを作成する必要があります。

面接では、「どのような強みを持っているのか」「過去にどのようなエピソードがあったのか」など、採用担当者に自分のアピールポイントを直接伝えられる貴重な機会です。また、採用する側は、自己PRのエピソードを通じて就活生の考え方や行動パターンを見極められます。

なお、面接のように限られた時間で人柄をアピールするためには、自己PRの内容を充実させ、自分がどのような人物なのかをイメージしてもらいましょう

公務員試験の面接カードにも必要だから

自己PRは、公務員試験の面接カード作成時にも必要になります。面接カードとは、公務員試験の面接で使用する応募者の基本情報を記載した書類のことです。面接カードには自己PRを記入する欄が設けられているので、書き方次第で効果的に自分をアピールできます。

公務員試験における面接カードは、民間企業で言うエントリーシートのような役割があり、合格に近づくためには自己PRを充実させるのがポイントです。

公務員の面接カードやエントリーシートの書き方については、「公務員のエントリーシートの書き方を解説!志望動機や自己PRの例文を確認しよう」の記事を参考にしてください。

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公務員試験と民間企業の選考における自己PRの違い

公務員と民間企業の自己PRでは、評価されるポイントが異なります。公務員は国や地域の住民を支える役割を担う一方で、民間企業は自社の利益追及や売上拡大を主な目的としているためです。

公務員には、法律や規程に基づく的確かつ統一的な仕事が求められます。一方で、民間企業は結果を求められる傾向にあり、企業が提供するサービスや職種によって必要なスキルは違うでしょう。

そのため、公務員の自己PRを作成する際は、利益拡大を目的とした内容より、社会全体に対してどう奉仕できるかをアピールするのがポイントです。公務員と民間企業を両方志望しても問題ありませんが、就活を成功させるためにはそれぞれの違いを理解し、対策が必要になることを念頭におきましょう。

公務員の仕事内容については、「公務員の仕事内容とは?種類と職種別でご紹介!」の記事で詳しく解説しています。仕事内容によって活かせる強みが変わるので、自己PR作成に向けて確認しておきましょう。

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公務員試験で自己PRを伝える書き方3ステップ

公務員試験の自己PRをアピールにつなげるためには、分かりやすく伝える構成を意識することが大切です。自己PRの基本的な書き方を解説するので、ぜひ3つのステップに沿って文章を考えてみてください。

1.アピールしたい強みを述べる

公務員試験の自己PRでは、まず「私の強みは△△です」のように、冒頭で自分の強みを伝えましょう。自己PRは、就活生の強みを把握するための質問です。そのため、結論から伝えるとどのような内容についてアピールしようとしているのかを明確にできます。

公務員試験の自己PRでは、シンプルに伝えることを心掛けましょう。文章を長くしてしまうと、伝えたい強みが分かりづらくなり、採用担当者は「結局何が言いたいのだろう」といった感想を持ちます。

2.強みを発揮したエピソードを伝える

次に、アピールしたい強みを発揮したエピソードを伝えましょう。エピソードを交えることで情景がイメージしやすくなり、強みがより明確に伝わります。

具体的なエピソードがあると、自己PRの説得力が増す点もメリットです。たとえ強みを伝えても、根拠がなければ信憑性は薄くなるでしょう。

エピソードを伝える際は、「どのような場面であったか」「どのように強みを発揮したか」「どのような結果を出せたか」といった内容を伝えるのが効果的です。結果よりも過程を重視してアピールすると、強みの内容が伝わりやすくなります。

3.強みを仕事でどう活かせるかアピールする

最後に、アピールした強みを仕事でどのように活かせるかを伝えましょう。強みと仕事内容がマッチしている場合に、採用担当者は活躍を期待して採用したいと考えます。

たとえば、コミュニケーション能力をアピールする場合、「窓口まで相談に来た方に寄り添って話ができる」のように活かせる場面を具体的に伝えられると良いでしょう。公務員試験の自己PRで伝える強みを選ぶ際は、仕事で活かせるかどうかを基準に選ぶのがポイントです。

自己PRの構成については、「自己アピールの効果的な書き方4ステップ!7つの注意点と例文8選も紹介」の記事も参考にしてください。

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公務員試験の自己PRで評価につながる強み10選

ここでは、公務員試験でアピールしやすい10の強みをまとめました。自分の性格にあてはまる特徴があれば、自己PRで積極的にアピールしましょう。

1.協調性

公務員の仕事では、同僚と協力して仕事を進めたり、市民の声に耳を傾けたりする協調性が求められます。

そのため、個人の利益を重視して自分のやり方で仕事を進める人は、公務員としてはあまり評価されません。公務員試験の自己PRでは、協調性を持ってチームワークを大切にしながら目標に向かって努力できることをアピールするのが効果的です。

2.打たれ強さ

公務員の仕事を進めるうえでは、打たれ強い忍耐力も必要です。市役所などの窓口業務ではクレームを受けることもあり、頻繁に落ち込んでいては仕事ができなくなる可能性があります。

公務員試験の自己PRでは、学生時代に強いストレスに耐えた経験や、厳しい状況にも臆せず努力した経験などを伝えられると良いでしょう。また、「メンタルの強さ」「切り替えの早さ」のように言い換えて伝える方法もあります。

3.冷静さ

公正な判断や規程に基づく行動ができる冷静さも、公務員として重要な要素です。特に、市民と対応する機会の多い職種では、冷静さが評価につながります。

市民の要望や意見に対してすぐに感情的になってしまう職員には、窓口対応を任せにくいでしょう。まずは、自分が冷静になって相手を落ち着かせる対応が必要です。公務員の仕事ではどのような状況でも慌てずに行動できる冷静さが求められます。

自己PRで冷静さをアピールするコツは、「自己PRで冷静さは強みになる?面接対策に悩める新卒向けに書き方をご紹介」の記事を参考にしてください。

4.継続力

公務員には業務の幅を広げるための勉強や、結果を出すための努力を続けられる継続力も大切です。公務員試験の自己PRで継続力を強みとして伝えると、真面目さも同時にアピールできます。

部活動やサークルの練習、趣味など、長く続けていることのエピソードを伝えみましょう。

継続力のアピール方法については、「継続力を自己PR材料にするコツは?アルバイト経験や部活を使った例文」の記事で詳しく解説しています。

5.責任感

公務員の仕事では、個人情報を含めて機密性が高い情報を取り扱うケースもあります。時間や期限の厳守はもちろん、責任をもって配属された部署で与えられた業務をやり遂げる力が求められます

また、ときには市民の行動や生活を制限するような責任を伴う業務を行う場合も。そのため、学生時代に一つのことを最後までやり遂げた経験や、責任のある役割を担った経験はアピールにつながるでしょう。

責任感をアピールするコツは、「自己PRで責任感の強さをアピールするときのポイントを例文とともにご紹介」の記事を参考にしてください。

6.傾聴力

窓口業務や市民対応の仕事では、傾聴力も求められます。自治体に支援を求めたり、行政サービスに対する不満を抱えたりする人に対し、相手の話をしっかりと聞く必要があるからです。

公務員の業務は、法律に基づく統一的な対応が求められるため、来庁者の声に耳を傾けられる人は活躍できるでしょう。自己PRでは、アルバイトやボランティアなどのエピソードを交えながら、傾聴力をアピールすると効果的です。

傾聴力をアピールするコツは、「自己PRで傾聴力をアピールするには?エピソードのポイントや例文を紹介」の記事で解説しています。

7.調整力

公務員試験の自己PRでは、調整力もアピールできます。公務員の仕事には、他部署や他省庁との連絡調整が欠かせません。部署や省庁を横断した取り組みも多く、スケジュールや内容の調整をする機会が多いのも、公務員の仕事ならではです。

友人との旅行や部活動の合宿など、調整力が発揮されたエピソードがあれば積極的にアピールしましょう。調整力をアピールする際は、「自己PRで『調整力』をアピールする大事なポイント・例文紹介」の記事もご覧ください。

8.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、公務員の仕事において需要が高い特性の一つです。公務員の仕事では、同僚に限らず、社内外の人と関わる機会も多くあります。来庁する市民とのやりとりはもちろん、他庁との連絡調整も重要な業務です。

状況に応じて適切な対応ができるコミュニケーション能力をアピールできれば、高い評価を得られるでしょう。

9.論理的思考

公務員として働く場合、根拠に基づいて業務を遂行するための論理的思考力も求められます。業務内容によっては、論理的思考力を活かして物事の筋道を立てて考えたり、法律や規程などを正しく読み解いたりする機会が多くなるでしょう。

公務員試験では小論文が出題されることも多く、一次試験から論理的思考力が備わっているかを判断されます。論理的思考力をアピールできるエピソードがある人は、自己PRに盛り込むと良いでしょう。

10.事務処理能力

役所によっては膨大な業務量を抱えており、公務員として働くうえでは事務処理能力も重宝されます。要領良くテキパキと仕事ができる人は評価されやすいでしょう。

事務処理能力をアピールする場合は、正確性や計画性、効率の良さなども合わせて伝えるのがおすすめです。「正確に事務処理できる」「計画的に仕事をこなし、効率良く業務を進められるようにサポートする」のように具体的に述べると良いでしょう。

なお、事務作業のアルバイト経験があれば、自己PRのエピソードとしてアピールできます。

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公務員試験の自己PRで伝える強みの見つけ方

公務員試験の自己PRでどのような強みを伝えるべきか悩んだら、過去のエピソードを振り返り、求める人物像に合うアピールポイントを見つけましょう。自己PRでアピールする強みの見つけ方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

過去のエピソードを振り返る

公務員試験の自己PRで伝える強みを探すために、まずは過去を振り返って印象に残っているエピソードを書き出します。思いつくエピソードは悩まずにすべてを挙げてみましょう。

振り返るべき期間に決まりはありませんが、可能であれば幼少期から考えるのがおすすめです。「小学校」「中学校」「高校」「大学」と、時期に分けてエピソードを思い出してみましょう。

書き出した出来事から強みを探す

次に、書き出したエピソードを振り返り、それぞれのエピソードで発揮した強みを探します。「コミュニケーション能力を発揮した」「協調性を学んだ」などのように、強みやスキルを書き出しましょう。

強みを書き出したら、よく似た強みをグループにしてまとめます。特定のスキルが多ければ多いほど、再現性のある強みのアピールとして効果的です。

志望する自治体や省庁の求める人物像を確認する

公務員試験の自己PRでアピールする強みは、志望する自治体で活かせるかどうかが重要です。自治体や省庁の求める人物像を確認し、十分に理解しておきましょう

求める人物像は、採用ページやWebサイトに記載されていることがあります。また、「事務職には正確性が求められる」「窓口業務はコミュニケーション能力が必要になる」のように、職種や仕事内容から評価につながりやすい強みをイメージするのもおすすめです。

求める人物像を理解するための方法は、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事で解説しています。

求める人物像に合う強みを選ぶ

最後に、自分の強みのなかから、自治体が求める人物像に合うものを選びましょう。素晴らしい強みがあっても、仕事と関係が薄く必要とされなければ評価にはつながりません。

たとえば、窓口業務が多い自治体で「一人でコツコツと努力できます」とアピールしても、来客対応が得意なイメージは湧かないでしょう。この場合、「接客業で身についた傾聴力を武器に、市民の方の話を聞きます」とアピールしたほうが、評価は高くなると考えられます。

自己PRでは、採用担当者に「仕事で活躍できそう」とイメージしてもらうことが大切です。志望する仕事や職種内容をもとに、アピールする強みを選びましょう。

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公務員試験の自己PRを魅力的に仕上げるコツ

公務員試験の自己PRは、アピールポイントを1つに絞って伝えたり、強みをキャッチフレーズで表してみたりすると完成度が高まります。公務員試験の自己PRを魅力的に仕上げるコツを解説するので、ぜひ参考にしてください。

公務員に求められるスキルや特徴をアピールする

自己PRでは、公務員に求められるスキルや特徴をアピールします。公務員の仕事と関係ない強みをアピールしても、ミスマッチと判断されて評価にはつながりません。

公務員には、周囲と協力しながら仕事を進めるための協調性や調整力が求められます。また、仕事をやり遂げる責任感や、市民対応における誠実さなども必要なスキルや特徴です。

ただし、志望する部署や配属先によって求められるスキルは異なります。どのようなスキルが必要かあらかじめ確認し、自己PRを完成させましょう。

アピールポイントを1つに絞る

公務員試験の自己PRでは、伝えるアピールポイントを1つに絞ることが大切です。1つのエピソードに絞って詳しく説明することで、アピールポイントを分かりやすく伝えられるほか、自己PRの説得力も増します。

また、自己PRのアピールポイントが分かりやすくまとまっていると、自己分析がしっかりできているといった印象を与えられるでしょう。採用担当者に好印象を与えるためにも、自己PRで伝えるアピールポイントは1つに絞ることが効果的です。

強みをキャッチフレーズで表してみる

自己PRで印象的なアピールをするために、強みをキャッチフレーズで表す方法もあります。強みをそのまま伝えた場合、ほかの就活生と被ってアピールにならない可能性があるためです。

たとえば、「協調性がある」「まじめ」などは公務員で評価されやすい強みですが、周囲と同じような内容だとアピールは難しいでしょう。

キャッチフレーズを使うことで、同じ強みでも違う印象を与えられます。また、採用担当者の目に留まりやすく、「△△の就活生」のようにキャッチフレーズで覚えてもらえる可能性もあるのでおすすめです。

キャッチフレーズの考え方や作り方については、「自己PRで使えるキャッチコピー71選!作り方とコツ・注意点も解説」の記事で解説しています。

短所もあわせて書く

公務員試験の自己PRでは、長所ばかりを強調するのではなく、短所をあわせて書くのも効果的な方法の一つです。長所と短所は表裏一体であり、自分の短所を自覚している場合、同時に強みを把握できていることを意味します。

たとえば、強みを発揮したエピソードを伝える際に、自分の短所を克服した経験などを盛り込むと、ポジティブな印象をアピールできるでしょう。

待遇や安定性のみをアピールしない

自己PRでは、公務員の仕事における待遇の良さに言及しないのがポイントです。待遇や安定性だけをアピールしてしまうと、採用担当者に「条件面の魅力だけで公務員を志望しているのでは」と思われる可能性があります。

就活生のなかには、安定性に魅力を感じて公務員を目指している人もいるでしょう。条件で就職先を選ぶのも間違いではありませんが、自己PRや志望動機でアピールする必要はないといえます。公務員は社会に大きく貢献できる仕事である点を忘れないようにしましょう。

志望する役所や省庁の特色を盛り込む

公務員試験の自己PRでは、どの役所や省庁にもあてはまりそうなアピールポイントや内容は避ける必要があります。「まじめ」「努力家」などの特徴をアピールする就活生は多く、インパクトとしては不十分でしょう。

また、広く公務員に共通する強みの場合、志望する役所や省庁を選んだ理由が弱くなります。ありきたりな自己PRの場合、企業研究をしっかりと行っていないと思われかねません。

なお、地方公務員と国家公務員でも、求められる素質は異なります。それぞれの特徴を理解し、求められる強みやスキルをアピールしましょう。

何度も添削する

自己PRは何度も添削し、アップデートを重ねて完成させましょう。読み返すことで分かりにくい表現に気づいたり、より良いアピール方法が見つかったりします。

また、家族や友人などから客観的なアドバイスをもらうのもおすすめです。第三者に自己PRを添削してもらうと、新しい視点や気づきを得られるほか、誤字や脱字をなくして完成度が高まります

また、大学のキャリアセンターや就活エージェントなどに添削を依頼すると、プロの視点から自己PRの書き方についてアドバイスをもらえるでしょう。

自己PRの添削サービスに関しては、「自己PRの添削は誰にしてもらう?依頼先の選び方と自分で見直すポイント」で詳しく解説しています。

履歴書やエントリーシート全体で一貫性を持たせる

公務員試験の自己PRと志望動機は、関連性を持たせることが大切です。同じ内容は避けるべきですが、似た強みやスキルがアピールできるように準備しておきましょう。

面接官は、自己PRを単体で見るのではなく、書類全体の内容を踏まえて応募者の人柄や適性を判断します。履歴書やエントリーシート全体で一貫性があると、あなたがどのような人物なのかをよりイメージしやすくなるのです。

質問内容で矛盾があると、「なぜ自己PRと志望動機で言っていることが違うのか」と疑問を持たれるケースもあります。質問で深掘りされて困らないように、自己PRとほかの質問項目との一貫性も意識してみましょう。

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公務員の種類別!自己PRで意識すべきポイント

ここでは、地方公務員と国家公務員に求められるスキルと自己PRで意識すべきポイントについて解説します。

地方公務員の場合

地方公務員は自治体や都道府県の職員として働くため、地域性を絡めたアピールが欠かせません。特に、地元の市町村や都道府県以外の職員を志望する際は、志望動機との関連性、自治体で実現したい事柄などのアピールが重要です。

総務省の「地方公務員行政に関する自治体アンケートの結果について」では、地方公務員に求められる能力には、「時間効率を意識して働くこと」「主体的な課題整理、解決策の導出」などが挙げられていました。

地方公務員に求められる能力のイメージ

引用元:総務省「地方公務員行政に関する自治体アンケートの結果について(3p)

地方公務員を目指す場合は、実際の現場で求められる能力と関係性のある強みをアピールするのがポイントです。

市役所職員の場合は、自治体で勤務するスペシャリストとして業務を遂行する点が特徴です。また、都道府県職員の場合は、市町村の取りまとめや国と自治体との連絡調整、マクロな視点の業務遂行など、ゼネラリストとしての活躍が期待されます。

参照元
総務省
ポスト・コロナ期の地方公務員のあり方に関する研究会(第4回)

国家公務員の場合

国家公務員の場合は、国の出先機関に勤務するのが一般的です。法務局や税関、検察庁、国税庁などの縦割りで組織運営されています。そのため、地域性というよりも、各省庁が行っている仕事への理解と業務を適切に遂行するためのスキルをアピールすることが大切です。

民間企業を選ぶ感覚に近いといえるかもしれませんが、国家公務員の場合は省庁によって扱う業務や働き方が異なるので、それぞれに適した自己PRが欠かせません

公務員の職種については、「公務員の種類とは?主な職種や試験の難易度を一覧で分かりやすく解説」の記事を参考にしてください。

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強み別|公務員試験の自己PR例文7選

ここでは、公務員試験の自己PRを作る際の参考になる例文を強み別に7つ紹介します。

1.協調性をアピールする例文

私の強みは、仲間と協力して物事を進められる協調性です。アパレル店のアルバイトでは同僚の仕事を支えることで、チーム全体の目標達成に貢献しました。

私が働いているアルバイト先では、店舗ごとに毎月の売上目標が決まっています。ある月、月末まで1週間の状況で、売上目標の5割までしか達成できていない状況に直面しました。このままではいけないと思った私は、売上を出すのに苦戦しているメンバーの販売をサポートしたり、時間があるときには接客の練習に付き合ったりしました。

積極的に周囲をサポートした結果、残りの1週間で売上目標の40%を達成できました。月間目標には10%届きませんでしたが、目標に向かって店舗全体で協力する大切さを学びました。

貴社のプロジェクトでも私の強みである協調性を活かし、チーム全体で協力して成果を出せるように貢献していきたいと考えています。

2.打たれ強さをアピールする例文

私の強みは、打たれ強さです。小学生のころに小柄な体格をからかわれた経験から、自分を変えようと中学では練習が厳しい野球部に入りました。

入部当初から朝や放課後の練習時には常に走り回り、自身の練習のほかに先輩のサポートも行います。休む暇もない練習量に、次第に辞めていく部員が出てきました。

しかし、私は諦めずに練習に取り組み、自宅でもトレーニングをして体力づくりを行いました。そのおかげで、日々の練習メニューも余裕をもってこなせるようになり、3年生ではレギュラーとして大会に参加できるまで成長しています。

この経験を通して、つらいことも乗り越えれば自身の力になることを学びました。貴市役所でも打たれ強く、諦めない心で業務に貢献したいです。

3.継続力をアピールする例文

私の強みは、継続して努力できることです。

大学で所属していたサークルの部室はほかの部と共同で使用しており、汚れていることが多々ありました。そこで、私は1年生の春から引退するまで、部室を使用する日は毎回掃除しゴミを捨てて帰るようにしました。

私が掃除するようになってから部室は汚れにくくなり、管理者の先生からもお褒めの言葉をいただきました。貴庁でも毎日コツコツと努力し、縁の下の力持ちとして業務に貢献したいと考えています。

4.責任感をアピールする例文

私の強みは、仕事を最後までやり遂げる責任感です。

私は学生時代にポスティングのアルバイトをしていました。初めのころは該当の地区を回るのに2時間もかかる状況で、先輩にカバーしてもらっていました。そこで、私は該当エリアの回り方を工夫したり、移動する自転車の停める位置の最適化を考えたりして、時間に余裕を持ってポスティングを終えられるようになりました。
貴市役所でも、時間というコストを意識して与えられた業務を遂行するのはもちろん、部署の課題にも責任を持って対応していきたいと考えています。

5.傾聴力をアピールする例文

私の強みは、さまざまな意見を聞いて共感する傾聴力です。

私は大学時代にバドミントン部の副部長を任され、部長のバックアップや部員のフォローなどに奔走した経験があります。30名ほどの部員が所属しており、部内で意見が割れ雰囲気が悪くなってしまうこともありました。そこで、私は部員に直接声をかけ、不満に感じていることなどに耳を傾けました。

部員から直接聞いた声をもとに部長と話し合い、練習の進め方を改善した結果、部全体の雰囲気が明るくなり、練習の参加率も上がりました。

自身の傾聴力を活かして市民の方の声を丁寧に聞き、適切な行政サービスを提供できるよう努力いたします。

6.調整力をアピールする例文

私の強みは、現状を踏まえて行動を適切にコントロールできるところです。

所属していたダンスサークルでは、新入生歓迎会の参加者を50人集めるという目標が設定されたものの、達成に向けたアクションプランがあいまいな状況でした。そこで私はメンバーを集め、目標達成に必要なステップを洗い出しました。

チラシの完成時期と配布期限の設定、SNSアカウントの開設、運用担当者の割り振りなど、すべて逆算して行動を具体化し、分担して作業を進めました。その結果、新歓当日には70人もの参加者を集め、多くのメンバーがサークルに加入してくれました。

貴庁の職員として、業務の確実な遂行や他庁との連絡調整などに自身の調整力を活かし、貢献いたします。

7.コミュニケーション能力をアピールする例文

私の強みは、誰とでもすぐに仲良くなれるコミュニケーション能力です。

私は一人旅が好きで、宿泊先はゲストハウスを利用するようにしています。さまざまな境遇・環境を過ごした方と出会える経験は、その旅でしか出会えない貴重なものであり、多様な価値観に触れられる機会です。

私は初対面でも物怖じしない性格で、相手に興味を持って質問しながら会話を楽しむと、10分ほどで仲良くなれます。

自身のコミュニケーション能力を活かし、来庁者さまに質の高い行政サービスを提供するのはもちろん、職場内のスムーズな業務遂行に貢献したいと考えています。

なお、自己PRは長所と区別して伝える必要があります。「自己PRと長所は何が違う?アピール時のコツや伝え方を例文含めて解説」で両者の違いを解説しているので、あわせてご覧ください。

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種類別|公務員試験の自己PR例文2選

公務員試験の自己PRでは、志望する種類別にポイントを押さえてアピールすることが大切です。地方公務員と国家公務員を志望する場合の自己PR例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.地方公務員志望の自己PR例文

私の強みは、筋道を立てて問題を整理できる論理的思考力です。

私は大学時代、地域活動のボランティアに参加しさまざまな背景を持つ方と協力して地域の課題解決に取り組んできました。少子高齢化が進むなか、高齢者の生活の質を高めることが地域の活性化につながると感じ、地域住民を巻き込んでレクリエーションの充実を図りました。

私はこの経験を活かし、地方公務員として△△市の住民がより満足度高く暮らせるよう貢献したいと考えています。

2.国家公務員志望の自己PR例文

私の強みは、海外の就業経験で培ったグローバルな視点です。

大学3年生のときに海外インターンシップに参加し、アメリカのNGO団体で環境保護に関するキャンペーン活動に携わりました。多国籍なメンバーと協働するなかで、それぞれの価値観や課題への向き合い方の違いを理解しながら、柔軟に対応する力が身につきました。

私は国家公務員としてグローバルな視点を活かし、国際的な課題や日本が直面する諸問題を解決するための取り組みに貢献していきたいと考えています。

地方公務員と国家公務員は仕事内容が大きく異なるため、それぞれで自己PRの内容を変えるのが基本です。公務員になりたい理由を言語化するポイントについては、「公務員になりたい理由に使える6例文を紹介!考え方のポイントや手順を解説」の記事も参考にしてください。

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公務員試験における自己PRのNG例文3選

ここでは、公務員試験における自己PRのNG例文を3パターン紹介します。NG例とあわせて改善ポイントを押さえておくと、自己PRの完成度を高められるでしょう。

NG例文1.評価されにくい強みをアピールしている

私は幼少期から絵を描くことが好きで、独創性やアート感覚に優れている点が強みです。

小学生のころから図工・美術の授業が好きで、中学生になると美術部に入部して毎日絵を書いていました。高校生のころには美術コンクールで入賞した経験もあり、今でも時間の許す限りアートに触れています。絵を書いている時間はすべてを忘れられ、制作に没頭できるのも魅力の一つです。

今まで培った独創性やアート感覚を活かし、都市計画や市の広報などで貢献したいと考えています。

改善のポイント

デザインやクリエイティブ枠の採用を除き、通常の公務員の業務では「美的センス」はあまり求められていません。業務で重視されにくい部分をアピールしても、入社後の活躍イメージがしづらいため、採用を見送られてしまう可能性があります

また、公務員は配属先が多く、希望の仕事が行えるとは限りません。特定の仕事に絞ってアピールせず、ほかの業務を任せられると感じてもらえるような強みを伝えることが大切です。

NG例文2.公務員の仕事を下に見ている

私の強みは、リーダーシップがあるところです。

メンバーを巻き込んで結果を求めるのが好きで、大学では学校祭の実行委員に所属し、3年生のときには委員長を担いました。今までにやったことのないことに挑戦したいと思い、有名人の招待や他大学との連携などを推進した結果、学祭の来場者数は過去最高を記録しました。

企画の立案から作業の割り振り、スケジュールの調整など、学祭の準備と当日の進行が滞りなく進むよう手配でき、大きな達成感も得られました。

私のリーダーシップ能力であれば、日々の事務処理から窓口対応まで、どのような仕事でも対応できる自信があります。

改善のポイント

どのような業務にも対応できる自信があるのは良いことです。しかし、公務員の業務を下に見るような書き方はやめましょう。「でも」という言葉は印象が良くないので、面接での使用は避けたほうが無難です。

何事にも意欲的に取り組める姿勢や、成果を求めて努力できることをアピールすると良いでしょう。

NG例文3.民間企業との違いを意識できていない

私の強みは積極性です。誰よりも行動し、成果を出せる自信があります。

大学では柔道部に所属し、誰よりも練習をしていました。「やろうと決めたらすぐにやる」をモットーに、試合や練習でうまくいかないことはすぐに改善に向けて挑戦するようにしています。

貴庁でも積極性を活かして行動し、同期でトップの成績を残して業務に貢献したいと思います。

改善のポイント

公務員は民間企業とは異なり、利益の追求は求められません。あくまでも、公共性を意識した仕事であることを意識しましょう。

「1番を目指す」といった考え方をしていると、自分の利益を優先していると考えられてしまいます。公務員と民間企業の立ち位置を整理し、どのような役割が求められているかを考えることが大切です。

自己PRのアピール方法で失敗したくない方は、「自己PRのダメな例は?悪い例文から考える就活で失敗しないアピール方法」の記事で紹介している自己PRのNG例も参考にしてください。

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公務員試験の面接で自己PRを伝える際のポイント

公務員試験の面接で自己PRを伝える際は、ゆっくりと話すことを意識したり、質問の回答を用意したりするのがポイントです。公務員試験の面接で自己PRを伝える際に意識したいポイントを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ゆっくりと抑揚をつけて話す

公務員試験の面接で自己PRを伝えるときは、ゆっくりと抑揚を意識して話しましょう。早口になってしまうと内容を聞き取りにくく、アピールポイントが伝わりません。

抑揚がないとやる気が伝わらず、印象が悪くなる場合もあります。重要な部分が伝わるように、強弱も意識すると良いでしょう。

なお、本番の面接における過度な緊張を防ぐためにも、模擬面接で抑揚や強弱を意識した話し方を練習しておくこともおすすめです。模擬面接について詳しく知りたい方は、「面接対策セミナーとは?学べる内容や申し込みできる場所を解説!」の記事も参考にしてください。

明るく元気に話す

公務員試験の面接における印象を良くするためには、明るく元気に話すことも大切です。表情や声のトーンが暗いと、面接官に自信のない印象を与えてしまいます。そのため、話し方はもちろん、表情も意識して面接に臨むようにしてください。

採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらうためにも、明るさを伝えて印象を良くしましょう。

深掘りに対応できるように準備する

公務員試験の面接で自己PRを伝える場合、面接官からの深掘りに対応できるよう準備しておくことが大切です。

深掘りの質問に答えられないと、「自己分析が十分にできていない」「自分を客観視できていない」というマイナス評価につながってしまう可能性も考えられます。自己PRの内容に対して、「なぜそう思うのか」を考えて回答を準備しておくのがポイントです

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公務員試験で効果的に自己PRをしたいあなたへ

公務員試験では、自己PRの重要度が増しています。人柄を見る自治体も増えており、学問的な試験を突破するだけでは十分な評価を得られないでしょう。

公務員試験の自己アピールするためには、自分の強みを理解し、面接官に分かりやすく伝えることが大切です。まずは自己分析を行い、強みをアピールできるエピソードを探してみましょう。

公務員の自己PRで悩んでいる就活生は、就活エージェントへの相談もおすすめです。就活エージェントであるキャリアチケットでは、自己PRの作成はもちろん、面接対策や履歴書の書き方指導など、公務員試験全体のアドバイスを行っています。

ほかの就活生と差別化を図り、自己PRの完成度を高めたい方は、ぜひキャリアチケットにご相談ください。

自己PRの作成方法を相談したい

   

本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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