このページのまとめ
- 専門商社とは、特定の商品やサービスに特化した取引を行う会社
- 一口に専門商社といっても、営業・事務・技術職など仕事内容は多岐にわたる
- コミュニケーション能力や分析力に自信のある人は専門商社に向いている
「専門商社とはどんな会社?」「総合商社とは何が違うの?」と疑問に感じている就活生も多いでしょう。幅広い分野を担う総合商社とは異なり、専門商社は特定の商品やサービスに特化しているのが特徴です。
この記事では、専門商社の分野や仕事内容について解説します。専門商社のメリットや向いている人なども紹介するため、「専門商社について知りたい」「業界理解を深めたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
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- 専門商社とは?総合商社との違いを解説
- 商社の仕事内容
- 専門商社の事業分野
- 専門商社と総合商社の違い
- 専門商社の種類
- メーカー系専門商社
- 総合商社系専門商社
- 独立系専門商社
- 代表的な専門商社の分野
- 食品
- 医薬品・化学製品
- 繊維
- 燃料・エネルギー
- 機械・電子
- 金属・鉄鋼
- 専門商社の職種
- 1.営業
- 2.営業事務
- 3.貿易事務
- 4.事業企画
- 5.技術職
- 6.情報システム職
- 7.カスタマーサポート
- 専門商社をめぐる現状
- 専門商社の強み
- 1.専門分野に特化している
- 2.取引先との関係が深い
- 3.業界の動向を予測できる
- 4.企業規模が小さく迅速な顧客対応ができる
- 専門商社に向いている人
- コミュニケーション能力がある
- チャレンジ精神がある
- 分析力がある
- 英語が得意
- 専門商社で働くメリット
- 総合商社よりも内定を獲得しやすい
- 内定後の配属リスクが低い
- 裁量権のある仕事を任せてもらえる
- 専門性を身につけられる
- 海外経験を積める可能性が高い
- 専門商社で働くデメリット
- 激務である可能性が高い
- 総合商社に比べると年収が低い
- 扱う商品の幅が狭
- 景気の影響を受けやすい
- 専門商社で内定を獲得するためのポイント
- 自己分析をする
- 業界研究・企業分析を行う
- OB訪問を行う
- ESを繰り返し書く
- 筆記試験対策を行う
- 面接練習を何回も行う
- 専門商社の就活に悩んでいるあなたへ
専門商社とは?総合商社との違いを解説
専門商社とは、特定の商品やサービスに特化した取引を行う会社です。総合商社が幅広い商品やサービスを扱うのに対し、専門商社は特定の分野において深い専門知識を有し、特定の市場や商品に対する独自のネットワークを築いています。
専門商社の強みは、特定の分野における専門性と深い業界理解にあるといえるでしょう。
商社の仕事内容
総合商社も専門商社も、業務内容に大きな違いはありません。ビジネスモデルとしては、主に2つの収益の柱があります。
トレーディング
トレーディングとは、売り手と買い手の間に入り、取引をスムーズに行うことをサポートし、対価として手数料を受け取るビジネスモデルのことです。
売り手には、商社に任せれば自分が何もしなくても販路が拡大されるメリットがある一方、買い手からすれば、商社の責任で一定水準以上の商品を安定的に購入できるメリットが。
専門商社の場合、繊維、医薬品、エネルギーなど特定の商品やカテゴリーに特化し、このトレーディングを行っています。総合商社よりもより特定の商品や業界についての知識があるため、より細かい販路の調整や、時機を見た取引ができるのが強みです。
事業投資
事業投資とは、新たな市場や技術への投資を通じて、そこから新たな利益を生むビジネスのことです。もともと、商社の利益の多くはトレーディング事業によるものが多かったようですが、近年は事業投資による利益が大きい会社も多数あります。
専門商社でも事業投資を手掛ける部門を持っている会社もあるため、選考に参加する際は会社の事業内容をよく確認しておきましょう。
専門商社の事業分野
専門商社のある事業分野は、幅広く存在しています。一般的には、以下のような分野に専門商社が多い傾向です。
・薬品、化粧品
・金属、鉄鋼
・半導体、電子部品
・繊維
・日用品
・資源エネルギー
もちろん、これらの事業分野以外にも専門商社はあります。自分が興味を持てる分野でビジネスをしている専門商社がないか、事前にリサーチしておきましょう。
会社ごとの事業分野を理解するには、企業研究を積み重ねる必要があります。企業研究の進め方を知りたい方は、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事を参考にしてください。
専門商社と総合商社の違い
専門商社と総合商社の主な違いは、取り扱う商品やサービスの範囲です。総合商社は幅広い業種にまたがる商品を扱うのに対し、専門商社は特定の分野に特化しています。
専門商社はその分野における深い知識と専門性を持っているため、その市場の細やかな動きや最新の動向を押さえ、迅速な対応ができるのが強みです。一方、総合商社は幅広い商材を扱っている分さまざまな市場に進出しやすく、より多くのビジネスチャンスを獲得できるでしょう。
商社についてより詳しく学びたい方は、「商社とは?仕事内容や事業など就活生が知るべきポイントをわかりやすく解説」も参考にしてください。向いている人の特徴や活かせる仕事についても解説しています。
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専門商社の種類
一口に「専門商社」といっても、商材やその成り立ちからさまざまな会社があります。ここでは、どのような種類の専門商社があるのかを見ていきましょう。
メーカー系専門商社
メーカー系専門商社は、商品を製造するメーカーの販売部門が独立、または軸として設立した専門商社です。メーカーの商品を販売し、利益を得ているのが特徴。取り扱える商品が限られていますが、経営が安定しやすいメリットがあります。
総合商社系専門商社
総合商社の特定分野を軸に設立されています。総合商社の子会社として、事業投資を受けて発足することもあるようです。総合商社には扱いにくい小規模な案件や、市場規模の小さな商品を担当することが多い傾向にあります。
独立系専門商社
総合商社やメーカーに属さず、単独で事業を行っている専門商社です。仕入れる商品や営業先などの自由度が高いことが特徴で、独自のコネクションや歴史を持っていることが多い傾向にあります。
また、会社によって事業内容が大きく異なります。たとえば、医薬品の専門商社が薬局を運営したり、メーカーに対して保有する専門的な情報やノウハウを活用し、新商品の開発を支援したりすることも。専門性を活かして他分野に進出する商社は、増加傾向にあるようです。
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代表的な専門商社の分野
専門商社と一口にいっても、その取り扱い分野は多岐にわたります。また、同じ分野の中でも、取り扱う製品の種類や業務の範囲、関わる相手先によって仕事内容が大きく異なるのも特徴です。
ここでは、専門商社の代表的な分野について紹介します。
食品
食品分野の専門商社は、私たちの食卓に並ぶさまざまな製品を流通させる重要な役割を担っています。調味料や冷凍食品、酒類といった加工食品の原料を扱うだけでなく、スーパーや飲食店など小売・外食産業への供給も行っているのが特徴です。商社ごとに取り扱う食品ジャンルが絞られていることも多く、専門性が高い傾向にあります。
また、単に仕入れと販売を仲介するだけでなく、メーカーと連携して新商品の企画に関わったり、小売業者と協力して販促キャンペーンを立案したりと、業務の幅が年々広がっています。
なかには、独自ブランドを立ち上げて商品開発から販売まで一貫して手掛ける商社もあり、提案力やマーケティング力も問われる分野です。食のトレンドに敏感であることが求められ、消費者ニーズを見極めながら柔軟に対応していく力が必要とされます。
医薬品・化学製品
医薬品や化学製品を取り扱う専門商社は、医療や産業の現場を支える重要な存在です。医薬品分野では、病院や診療所向けに供給される「医療用医薬品」と、一般消費者がドラッグストアなどで購入する「一般用医薬品」の両方に対応しており、特に医療機関向けの流通が主な業務となっています。
一方、化学製品の専門商社は、化学メーカーが製造したさまざまな化成品を、家電や自動車、日用品などの製造業者に届ける役割を担っている会社です。取り扱う製品は、接着剤やプラスチック素材、塗料、洗浄剤などがあり、その用途は広範囲におよびます。素材の特性や法規制に関する知識も求められるため、専門商社としてのノウハウと提案力が問われる分野です。
繊維
繊維分野の専門商社は、衣料品に使われる素材をはじめ、多様な用途に対応する繊維製品を取り扱っています。綿やウールといった天然素材から、ポリエステルやアクリルといった化学繊維まで、その種類は実に幅広く、アパレル業界を中心に建材、自動車、医療などさまざまな産業と関わっているのが特徴です。
また、繊維の専門商社は単なる中間流通だけでなく、自社で企画開発を行ったり、OEM(受託生産)として製造にも携わるケースもあります。アパレル業界では、海外の生産拠点へ直接出向いて現地との調整を行うほか、展示会の開催や販売促進の企画など、マーケティング業務まで幅広く関与することも。国際取引の機会も多く、グローバルな視野と市場動向を読む力が求められる分野です。
繊維商社に興味がある方は、「繊維商社とはどんな会社?業種の特徴や求められるスキルを解説」の記事をぜひご覧ください。
燃料・エネルギー
燃料・エネルギー分野を専門とする商社は、社会インフラの根幹を支える役割を担っています。石油や天然ガスといった化石燃料の輸入・販売をはじめ、精製や加工を経た燃料製品の供給までを手掛ける企業も多く、国内外のエネルギー需要に応じた幅広い事業を展開しているのが特徴です。
さらに、近年では再生可能エネルギーへの転換が加速しており、風力や太陽光、地熱、水力などのクリーンエネルギーを取り扱う商社の存在感も高まっています。脱炭素社会を目指す流れの中で、バイオ燃料や水素エネルギーの開発支援、カーボンニュートラルに向けた新技術の導入といった取り組みも進んでおり、環境への配慮が今後のビジネス展開において重要なポイントです。
機械・電子
機械・電子分野を専門とする商社は、日本の製造業を根底から支える存在です。工作機械や生産ラインに必要な大型設備、精密機器などを取り扱っており、メーカーとユーザー企業の橋渡し役として重要な役割を担います。導入後のメンテナンスやトラブル対応まで一貫して手掛ける商社も多く、単なる販売にとどまらず、技術サポートやカスタマイズ提案まで対応できる体制が整っているのが特徴です。
一方、電子部品を専門に扱う商社では、電機メーカーが製品を製造する際に必要な抵抗器やコンデンサ、ICチップなどを取りまとめて供給します。電子製品は部品点数が多く、製品ごとに求められる性能も異なるため、部品の選定や調達は高度な専門知識が求められる分野です。商社が間に入ることで調達業務が効率化され、開発スピードの向上にもつながります。
金属・鉄鋼
金属・鉄鋼分野の専門商社は、鉄やアルミニウム、銅といった基礎素材の流通を担い、インフラや産業を支える重要な役割を果たしています。特に鉄鋼製品は、ビルや橋といった建築物、さらには自動車、電車、造船、航空機の構造部材としても不可欠であり、需要の幅広さが特徴です。そのため、商社は国内取引にとどまらず、アジアや欧州など世界各国と活発なビジネスを展開しています。
近年では、単なる仲介だけでなく、顧客ニーズに応じた加工を施したり、資源調達から製品化までのサプライチェーン全体に関与したりするなど、より高度なサービスを提供する動きが強まっているのが特徴です。
また、鉄鉱石や石炭といった原料資源の採掘事業への出資や、持続可能な素材開発への取り組みを通じて、環境問題への配慮も進められています。
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専門商社の職種
専門商社を含む商社には、さまざまな職種があります。ここでは、代表的な7つの職種を見ていきましょう。
1.営業
営業職は商社の代表的な仕事です。一般的な営業職では、特定の顧客に対応します。しかし、商社の営業担当は企業同士をつなぐパイプ役も担っており、幅広い企業の担当者と関わりながら業務を遂行するのが特徴です。
デスクワークよりも外回りの仕事が比較的多く、基本的に体力勝負の仕事だと考えておきましょう。また、取引先を訪問して契約交渉をしなければならないので、コミュニケーション能力や調整力も求められます。
営業職は会社の利益に直結する仕事のため、専門商社に限らず多くの業界に存在します。そのぶん、「自己PRや志望動機が書きにくい」「ほかの人と差別化するにはどうしたらいいんだろう」と悩む人もいるでしょう。
営業職の自己PRの書き方について知りたい方は、「営業の自己PRはどうやって書く?求められるポイントや例文をご紹介」を参考にしてください。
2.営業事務
営業事務は、営業担当のサポートを中心に行う仕事です。電話対応や書類整理、契約書の作成などデスクワーク全般を行います。
商社の営業事務の場合、海外の会社と取引を行うことも多いのが特徴です。会社によっては、ビジネス会話レベルの語学力が求められることもあります。
3.貿易事務
貿易事務は、貿易に関する幅広い業務を行う事務です。たとえば、以下のような業務に携わります。
・貿易書類の作成
・貿易書類の確認
・輸送管理
・通関手続き
商社は原料や製品の輸出入を行う機会が多く、貿易事務の役割が重要です。海外の会社とのやり取りが多いため、外国語の読み書きや通関手続きの知識が求められます。
4.事業企画
事業企画は、取引先の選別を行ったり、新しい事業を立ち上げたりする際にリサーチや企画立案などを担当する職種です。
また、経営の課題を解決するために計画を立てたり、戦略を考えたりとコンサルティング業務にも携わることがあります。マーケティング的な役割を担い、プロダクトマネージャーとしてキャリアを積むことも可能です。
5.技術職
規模の大きい商社の場合、製品の技術サポートなどを担当する技術職を採用している場合があります。自社向けのシステム開発を担うエンジニアなどを自社で雇うケースもあり、技術職が活躍できる部署も多く存在するのが特徴です。
6.情報システム職
専門商社では、業務効率化や取引の円滑化を図るために、情報システムを担当する職種を設けているケースがあります。こうした職種では、社内の基幹システムや受発注システムの設計・開発・保守を担い、商材の流通や在庫管理、売上分析などを支えるシステムの運用が主な役割です。
たとえば、商社が展開するオンライン注文システムにおいては、エンジニアがユーザーの利便性を考慮した設計を行い、不具合の修正や機能改善なども随時対応します。技術と業務知識の両面が求められるポジションであり、ITの力で商社のビジネスを支えるやりがいのある仕事です。
7.カスタマーサポート
カスタマーサポートは、専門商社における顧客対応の最前線を担う職種です。主な業務は、取引先や顧客からの問い合わせ、注文内容の確認、納期や商品情報に関する案内、さらにはクレーム対応まで多岐にわたります。
企業によっては、営業部門や事務職が兼任することもありますが、顧客対応が多くなる大手商社では、専任のサポート部門が設置されているケースが多いようです。迅速かつ丁寧な対応が求められ、企業の信頼を左右する重要なポジションといえます。顧客の声を直接聞く立場だからこそ、商品改善やサービス向上へのフィードバックに貢献できる役割も担っています。
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専門商社をめぐる現状
就活で専門商社を受ける際は、専門商社が置かれている現状についても認識しておきましょう。
近年はECが発達し、メーカーと顧客が直接つながれるようになりました。このような状況は、専門商社がトレーディングを行う売り手と買い手の間にも生じており、徐々に専門商社の存在感は低下していると言わざるを得ません。生き残りをかけたM&Aも活発に行われ、業界再編が進んでいます。
一方、市場規模の大きい鉄鋼や資源、医療などの分野で活躍する専門商社は比較的安定感があります。新規参入が難しいうえに、国際経済や国の規制など不確定要素が多く、専門的な知識や経験をもとにしたトレーディングに価値があるためです。
業界についての現状や課題を探るためには、業界研究が欠かせません。具体的な方法を知りたい方は、「業界研究のやり方は?効率的に進めるコツや行う目的を解説」を参考にしてください。
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専門商社の強み
総合商社と比較した場合、専門商社には専門商社ならではの強みがあります。ここでは、主な4つの強みを見ていきましょう。
1.専門分野に特化している
専門商社の強みの1つが、専門分野に特化できていることです。特定の分野に特化しているので、総合商社よりも深い知識や専門性をもつ傾向にあります。
また、特定の分野に対するネットワークやノウハウを持っている点も強みです。これまで培ってきたノウハウなどを活かし、取引成立に向けて動き出せる強みがあります。
2.取引先との関係が深い
特定の分野に特化しているため、取引先との関係が深くなりやすい点も強みです。何度も何度も取引を重ねることで、信頼を深められます。
関係性が深くなれば連絡も取りやすく、やり取りや取引をスムーズに進められます。「今すぐ材料が必要」といった困りごとがあっても、助けてもらいやすいでしょう。
3.業界の動向を予測できる
扱う業界の動向に詳しい点も、専門商社のメリットです。これまでのノウハウや実績をもとに、どのように業界が変わっていくかを推測できます。
また、業界での人脈が深いため、新しい情報を得やすい点も強みです。取引先などから話を聞き、業界の変化を予想することもできるでしょう。
4.企業規模が小さく迅速な顧客対応ができる
専門商社は総合商社と比べると会社の規模が小さいため、フットワークが軽い傾向にあります。顧客のニーズや要望に対して、素早く応えられるでしょう。
また、専門知識をもつことから、難しい依頼や変わった依頼に対応しやすい点も強みです。特定の分野に特化しているからこそ、柔軟に動ける強さがあります。
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専門商社に向いている人
専門商社にどのような人が向いているのかを知ることは、内定を獲得するうえで重要なことです。ここでは、主な4つの性質について紹介します。
コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力は、専門商社で重視される要素の1つです。
専門商社の業務は、企業や顧客など多くの人と関わります。人と近い距離で接しながら、信頼を得ることで成り立つ業務であるため、コミュニケーション能力は必須です。相手に合わせた接し方ができ、年代が異なる人とも話せる方は適性があるかもしれません。
コミュニケーション能力は、どのような会社でも評価されやすい能力の1つです。コミュニケーション能力をアピールする就活生は多いため、差別化をはかることが重要といえます。
コミュニケーション能力をアピールするコツは、「コミュニケーション能力をアピール!面接での伝え方とは」の記事を参考にしてみてください。
チャレンジ精神がある
専門商社の仕事では、決まった枠にとどまらず、自ら課題を見つけて挑戦していける人が求められます。既存の取引や商品を扱うだけでなく、市場の変化を敏感に察知し、新たな取引先や商材を開拓する場面が多いため、「次は何ができるか」を考えて動くスキルが必要です。
また、国際情勢や業界の最新情報にアンテナを張り、自ら調べて吸収していく姿勢も必要になります。ただ情報を集めるだけでなく、それを活かして新たな提案やビジネスモデルにつなげられる人は、商社の中でも特に活躍の場が広がるでしょう。
リスクを恐れず、未知の分野にも前向きに取り組めるチャレンジ精神のある人材は、変化の激しいビジネス環境において大きな武器になります。「ルーチン業務だけでは物足りない」「自分のアイデアを仕事に活かしたい」という人にとっては、専門商社はうってつけの職種といえるでしょう。
分析力がある
分析力があることも、専門商社の仕事で役立つスキルです。市場を分析し、将来性を定めたうえで行動する際に分析力を発揮できます。現状のデータを整理・分析することで今度の動向を予測できれば、優秀な人材として活躍できるでしょう。
英語が得意
商社によっては海外と取引をする機会もあり、英語力が必要なこともあります。海外で取引をする商社では海外出張や外国に駐在する可能性もあるため、英語力が評価されやすいでしょう。
学生時代に留学経験があったり、TOEICで高得点のスコアを持っていたりする方は、積極的にアピールしてみてください。
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専門商社で働くメリット
専門商社で働くメリットを5つまとめました。自分にとってメリットと感じられるかを確認してみましょう。
総合商社よりも内定を獲得しやすい
専門商社は、総合商社よりも比較的内定を取りやすいことがメリットです。総合商社は知名度が高く学生からの人気もあるため、内定を獲得するのが難しい傾向にあります。
一方で、知名度に劣る専門商社は就活生が集まりにくいため、総合商社と比べると選考を通過しやすいようです。総合・専門にこだわらず、商社への就職を希望している学生にとっては大きなメリットといえるでしょう。
内定後の配属リスクが低い
専門商社は、取り扱う商材や市場がある程度決まっているため、配属リスクが低いというメリットがあります。
総合商社では、扱う商材が多岐にわたるため、自分が扱ってみたい商材を担当する部署に配属に至らないこともあるようです。配属リスクが低いのは、長く働けることにも繋がるため利点であるといえるでしょう。
裁量権のある仕事を任せてもらえる
専門商社では、若手社員であっても早い段階から大きな仕事を任される環境があります。企業の規模が比較的コンパクトである場合が多く、一人の担当範囲が広いため、自然と責任あるポジションや業務を担うことになるのが特徴です。
年次に関係なく、実力や意欲があればチャンスが与えられるため、スピーディに成長したい人にとっては理想的な職場環境といえるでしょう。裁量があるということは、自らの意思で判断・行動できる場面が多く、やりがいが大きくなります。ルーティンワークよりも自分のアイデアや決断で仕事を進めたい人には、専門商社というフィールドが魅力的に映るかもしれません。
専門性を身につけられる
専門商社は専門分野に特化した事業を展開しているため、専門的な知識やノウハウを身につけられます。興味のある商材がある方や、専門性を身につけてキャリアを築きたいと考えている方にとっては、メリットといえるでしょう。
専門性を身につけるにあたって、意識しておきたいものの1つがキャリアパスです。キャリアパスについて詳しく知りたい方は「キャリアパスってどういう意味?メリットはあるの?」を参考にしてください。
海外経験を積める可能性が高い
グローバルな事業展開をしている専門商社では、海外との取引が日常的に発生するため、自然と国際的な業務に関わる機会が多くなります。海外出張はもちろん、現地の企業と直接やり取りをしたり、場合によっては現地駐在員として海外勤務を任されることもあるでしょう。
特に海外との取引先が多い分野の商社では、入社数年で英語を使っての商談や契約交渉を担当するようになったり、外国人スタッフとチームを組んで仕事を進めたりと、日常業務の中でグローバルな経験が積めるのが特徴です。
現地での業務経験は、視野の広がりや多文化理解、語学力の向上にもつながり、商社パーソンとしての市場価値を高められます。「海外で挑戦してみたい」「国際的なキャリアを築きたい」という方には、専門商社での経験は大きなステップになるでしょう。
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専門商社で働くデメリット
専門商社で働くメリットがある一方で、デメリットがあることも忘れてはいけません。専門商社における4つのデメリットを紹介するので、就活の参考にしてください。
激務である可能性が高い
専門商社の業務は、激務である可能性が高いでしょう。商社は顧客とメーカーの間に入って業務を進めるため、急な仕事が舞い込んでくる状況があります。
また、海外出張や残業もあるため、プライベートな時間の確保が難しい場合もあります。仕事とプライベートを両立させたいと考えている方には、商社業界はおすすめできません。
総合商社に比べると年収が低い
総合商社と比較し、年収が低いこともデメリットに挙げられます。商社業界は仕事が大変な場合が多く、給与が低いと感じればモチベーションを下げる可能性もあるでしょう。
ただし、総合商社と比べると年収が低いからといって、新卒全体と比較すれば低いとも限りません。新卒の年収の中央値については、「新卒の年収の中央値はどれくらい?学歴や業種別でもご紹介!」の記事で紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
扱う商品の幅が狭い
専門商社は特定の分野に特化しているため、総合商社と比べると扱う商品の幅が狭くなります。多くの商品を扱いたいと考えている就活生にはデメリットでしょう。
また、特定の分野に知識が偏ってしまい、将来のキャリアに活かしにくい点も懸念されます。転職でのキャリアアップを考えている場合は、不利になる可能性があるかもしれません。
景気の影響を受けやすい
専門商社は特定の業界に特化しているため、景気の影響を直接受けやすいというデメリットがあります。商社が扱う商材やサービスが景気に敏感な場合、その業界全体の不況が商社にも波及することになるでしょう。
たとえば、製造業向けの機械や素材を取り扱っている商社の場合、製造業の需要が低下すると、商社の業績にも悪影響が出る可能性があります。また、景気が悪化すると取引先の企業の支払いが遅延したり、契約がキャンセルされたりするリスクも高まるでしょう。こうした影響を受けると専門商社は経営が厳しくなり、従業員にも影響が及ぶことも。
そのため、就職・転職を考える際は、商社が関わる業界の景気動向をしっかりと把握しておくことが重要です。
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専門商社で内定を獲得するためのポイント
専門商社で内定を獲得するためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。ここで紹介するポイントを押さえ、納得のいくまで就活対策を進めましょう。
自己分析をする
内定を獲得するための第一歩は、自己分析を行うことです。自分の強み、弱み、興味や適性を理解し、それをどのように専門商社での仕事に活かせるかを考えることが重要だからです。
過去の経験や体験を洗い出し、強みや弱みを語る際のエピソードとして話せるように用意しておければ、採用担当者により好印象を与えられるでしょう。
自己分析は就活対策の基本です。自己分析のやり方が分からない場合は、「自己分析とは?おすすめのやり方8選や実施時の注意点を紹介」の記事を参考に行ってみてください。
業界研究・企業分析を行う
特定の専門商社に応募する前に、その業界や企業に関する綿密な研究を行うことも重要です。業界の動向や企業のビジネスモデル、競合他社との比較など、詳細な情報を収集しましょう。
特に、専門商社の場合は会社によって事業内容が大きく異なる可能性があるため、会社の情報を詳細までリサーチしてください。
就活において調べる工程が大事な理由は、「業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」で解説しています。「調べるのってめんどくさい」「時間がかかりそうで気が重い」などと考えている方はぜひご覧ください。
OB訪問を行う
企業への理解を深めるためにも、OB訪問を行いましょう。OB訪問は、企業や業界への理解が深まるだけではなく、実際に商社で働く人から有益な情報を得られる可能性もあります。
また、実際にその会社の選考を通過しているので、どのようにして選考を受けたかアドバイスをもらうのも効果的。OB訪問の内容を自己PRや面接に反映できる点でも実施がおすすめです。
ESを繰り返し書く
エントリーシート(ES)の完成度を高めるために、何度も書き直しを行いましょう。商社は人気の業界であり、印象に残るエントリーシートでなければほかの就活生に埋もれてしまうからです。
一旦書きあげたときには「完璧だ」と思ったESでも、時間を空けて読み返すと分かりづらい部分や誤字脱字を見つけられることがあります。また、周囲の人に添削を頼み、自分のESの問題点を指摘してもらうのも有効です。
筆記試験対策を行う
専門商社の選考過程では、筆記試験やWebテストが重要なステップとなるため、早期に対策を始めることが内定獲得への近道です。商社業界では、一般的に使用されるSPI(総合適性検査)に加えて、GAB(グループ・アセスメント・バッテリー)が行われることがあります。GABの非言語問題は特殊な形式で出題されることが多いため、早めに対策をしておくことが重要です。
また、近年では多くの専門商社が選考の初期段階でWebテストを実施しており、これをクリアしないと本選考に進めません。そのため、Webテスト対策も計画的に進める必要があります。試験やテストの準備は時間がかかるため、選考が本格化する前に十分な対策をとるのがおすすめです。
履歴書の作成や面接対策に追われる前に筆記試験の準備を行い、全体のスケジュールを組み立てましょう。
面接練習を何回も行う
面接練習は一度ではなく、何度も繰り返し行いましょう。練習を繰り返すことで、自信を持って受け答えができるようになっていきます。
面接練習を行う際は、模擬面接を行いましょう。就職エージェントや大学のキャリアセンターなどで客観的に見てもらうことで、自分の改善点が分かります。
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専門商社の就活に悩んでいるあなたへ
志望企業から内定をもらうには、自己分析を徹底して自分の適性を確認したり、その企業に合わせた自己PR作成や面接対策をしたりすることが大切です。
就職エージェントのキャリアチケットでは、応募書類の添削はもちろん、自己分析の深掘りや企業分析などもしっかりとサポートします。また、あなたの価値観に合った企業を厳選して紹介することも可能です。専門商社への就活に不安を感じたら、ぜひご相談ください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。