このページのまとめ
- 志望動機は、志望理由→企業を選んだ理由→強みをどう活かすかの順で書くのがポイント
- 鉄道業界で求められる人物像は、ルールを守り責任感がある人
- 志望動機を書く際は、鉄道好きであることや地域活性化の話を盛り込んでみよう
「鉄道業界における志望動機はどのように書けばよいのか」「志望動機の効果的なアピール方法を知りたい」と考えている就活生もいるでしょう。志望動機は、志望理由→企業を選んだ理由→強みをどう活かすか、の順で書くのがコツです。効果的にアピールするためには、企業・業界研究が欠かせません。
この記事では、鉄道業界の基本情報や志望動機の書き方、例文を紹介しています。鉄道業界に就職したい方はぜひ参考にしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
- 鉄道業界とは?志望動機を作るための基本情報
- 鉄道業界の営業形態
- 鉄道業界の職種
- 鉄道業界の現状と動向
- 鉄道業界に就職する魅力
- 活躍できる場が幅広い
- 事業が安定している
- やりがいを感じられる場面が多い
- 鉄道業界で求められる人物像
- ルールを守る人
- 責任感が強い人
- コミュニケーション能力がある人
- 鉄道業界の志望動機で欠かせない業界・企業研究
- 鉄道業界の基本を押さえる
- グループ会社全体のビジネスモデルを知る
- コロナ以降の変化と今後の注力分野に注目する
- 鉄道業界の志望動機の書き方3ステップ
- 1.鉄道業界を志望した理由を簡潔に伝える
- 2.志望企業を選んだ理由を明確にする
- 3.入社後に貢献できることを伝える
- 選考通過につながる鉄道業界の志望動機の考え方3選
- 1.「鉄道好き」からエピソードを広げる
- 2.「まちづくり」「地域活性化」を絡める
- 3.「安全第一」で真面目な点をアピールする
- 鉄道業界の選考を通過する志望動機の例文6選
- 1.地域活性化を軸にした例文
- 2.社会貢献を軸にした例文
- 3.まちづくりを軸にした例文
- 4.鉄道整備に関する例文
- 5.サービス提供に関する例文
- 6.安全管理を軸にした例文
- 鉄道業界に提出する志望動機のNG例文4選
- NG例文1.ほかの企業にも当てはまる
- NG例文2.鉄道好きな気持ちだけをアピールしている
- NG例文3.安定性への憧れだけで志望している
- NG例文4.仕事内容への理解が浅い
- 鉄道業界の面接で志望動機を伝える際の注意点
- 鉄道業界の効果的な志望動機を作成したいあなたへ
鉄道業界とは?志望動機を作るための基本情報
鉄道業界とは、鉄道利用者や貨物の輸送を担う社会インフラの一つです。正確かつ安全な運行を実現するため、運行管理や設備の保守・点検といった業務が日々行われています。
さて、ここでは、志望動機作成に必要な鉄道業界の基本情報を理解しておきましょう。主な営業形態や職種、業界の現状などを解説するので、参考にしてください。
鉄道業界の営業形態
鉄道業界には、JRや私営鉄道などの営業形態が存在し、それぞれには異なる特徴があります。業界への理解を深めるために、営業形態ごとの特徴や違いを知っておきましょう。
JR
JRは、日本国有鉄道(国鉄)の民営化に伴い、事業を引き継ぐかたちで設立された鉄道会社です。JRとは「Japan Railways」略称であり、その名のとおり、日本を代表する鉄道会社として新幹線を含む旅客鉄道や貨物鉄道の運行を管理しています。
JRは複数の会社からなるグループで、以下の旅客鉄道会社6社と貨物鉄道会社などを中心とした組織です。
・火箸日本旅客鉄道
・東海旅客鉄道
・西日本旅客鉄道
・四国旅客鉄道
・九州旅客鉄道
ほかにも、鉄道の研究機関や情報システムの開発などさまざまな分野に事業を広げています。
私営鉄道
私営鉄道(私鉄)は、JRグループ以外の民間企業が運営している鉄道事業です。大手私鉄と呼ばれている経営規模の大きい代表的なものは、以下のとおりです。
・西武鉄道
・京成電鉄
・京王電鉄
・東京地下鉄(東京メトロ)
・名古屋鉄道
・近畿日本鉄道
・京阪電気鉄道 など
私鉄は、地域密着型のサービスを追求しているようです。沿線周辺の不動産開発を積極的に進めることで、近隣地域のまちづくりにも貢献しています。
公営鉄道
公営鉄道とは、地方自治体や地方公営企業が運営する鉄道です。人口の多い都市部で運行している市営地下鉄など、以下の路線があります。
・日暮里・舎人ライナー
・大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)
・横浜市営地下鉄
・名古屋市鉄道
・神戸市鉄道
・京都市鉄道
・福岡市鉄道 など
第三セクター鉄道
第三セクター鉄道は、国や地方自治体などの「第一セクター」と民間企業の「第二セクター」が共同で運営する鉄道です。具体的には、以下のような路線が第三セクター鉄道に該当します。
・横浜シーサイドライン
・大阪モノレール
・三陸鉄道
・わたらせ渓谷鐵道
・いすみ鉄道
・天竜浜名湖鉄道 など
第三セクター鉄道は、資金面では公的な支援を受けつつ、経営には民間企業のノウハウを取り入れているため、効率的な運営が可能です。
鉄道業界の職種
鉄道業界の仕事は旅客運送のみならず、サービス開発や不動産事業など、幅広い分野で事業を展開しています。鉄道会社によって、事業内容は異なるため、企業研究や業界研究が不可欠です。
ここでは、鉄道業界の代表的な職種を紹介します。志望する職種によって求められるスキルや強みは異なるため、事前に確認しておきましょう。
管理や整備などの技術職
鉄道業界の職種として、鉄道の管理や整備に関わる技術職があります。具体的な業務内容は以下のとおりです。
・線路や土木構造物保守や点検
・信号通信設備の監視
・車両整備計画の立案 など
主に、車両が安全に運行するための保守や点検業務を担当する職種です。そのため、几帳面さや管理能力など、確実に業務を遂行できる能力が求められるでしょう。
営業や販売促進
鉄道業界では、営業や販売促進も重要な職種の一つです。具体的には以下のような業務を通じて、鉄道の利便性や自社施設、店舗の魅力を発信します。
・宣伝
・PR活度
・誘致活動 など
広報や宣伝を担当するにあたって、業界や企業の知識はもちろん、コミュニケーション能力や発想力、マーケティングスキルも必要です。
サービス提供
鉄道会社におけるサービス提供とは、実際に鉄道を運行する業務を指します。具体的な業務内容は以下のとおりです。
・トラブル発生時の対応
・切符などの販売業務や管理
・鉄道関連の事務 など
車掌や運転士、乗務員などはサービス提供の職種です。事故や天災でダイヤが乱れた際には、冷静に状況を分析して適切な判断を下すことが求められます。そのため、論理的思考力や判断力が必要です。
また、ほかの部署や鉄道会社と連携を取ったり、利用客と接したりする機会が多いため、コミュニケーション能力も欠かせません。
サービス開発
鉄道会社におけるサービス開発を担当する職種では、駅直結のホテルや商業施設、レジャー施設などの企画および運営を行います。具体的な業務内容は以下のとおりです。
・利用者ニーズの調査
・エリア別の動向の把握
・決済サービスや商業施設における購買動向の分析
・改善案の提案
・施策の実行や運用 など
利用者のニーズを反映させ、より顧客満足度の高いサービスを開発するのが主な業務です。近年では、交通系ICと連携したキャッシュレス決済の導入・改善も注目されています。
物事を広い視野で捉える能力や柔軟性、分析力などが求められるでしょう。
不動産開発
不動産事業では、駅周辺の不動産開発に取り組み、住環境を向上させ、鉄道利用者の増加を目指しています。以下は具体的な業務内容です。
・マンション開発
・一戸建ての分譲 など
不動産関連の業務を通じて、まちづくりや地域活性化などスケールの大きい事業に携われます。
鉄道業界の現状と動向
総務省統計局の「『サービス産業動向調査』2024年(令和6年)12月分及び10~12月期(速報)」によると、2024年(令和6年)10~12月期の鉄道業の月間売上は「677,783(百万)=約6,778億円」でした。前年同月比で売上は4.5%上昇しています。
また、鉄道業における事業従事者数は前年同期比で0.0%と増減が見られませんでした。売上が回復傾向にある一方で人員増加は追いついておらず、人手不足が続いている現状が予想されます。
経済産業省の「アフターコロナの中で、どこまで回復したか -旅行・観光-」によると、鉄道業は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に大きく利用が落ち込みましたが、その後は緩やかな回復を続け、2023年にはコロナ禍前の水準に近づきつつあります。
引用元:経済産業省「アフターコロナの中で、どこまで回復したか -旅行・観光-」
ただし、航空旅客業が急速に回復しているのに対し、鉄道業はゆるやかで安定した回復傾向にとどまっているのが現状です。
鉄道業界は徐々に利用が戻りつつありますが、人手不足や回復スピードの差など、依然として課題も残されています。志望動機を考える際には、こうした現状を踏まえることも重要です。
鉄道業界について知りたい方は、「鉄道業界の現状と今後の動向について」の記事もご覧ください。
参照元
総務省統計局
サービス産業動向調査(月次調査)結果の概要
経済産業省
アフターコロナの中で、どこまで回復したか -旅行・観光-
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界に就職する魅力
鉄道業界に就職する魅力には、事業の安定さや活躍できる職種の多さが挙げられます。自分はどのような部分に魅力を感じるのか、言語化できるようにしましょう。
活躍できる場が幅広い
鉄道会社は職種が多く、幅広い分野で活躍できる魅力があります。以下のように、駅員や車掌などさまざまな職種があるので、知っておくと就職先の選択肢が広がるでしょう。
・車掌
・技術職
・営業
・マーケター
・不動産部門
鉄道会社の仕事は、電車を動かしたり駅の管理をしたりするだけではありません。経理・財務や人事など一般企業と共通する職種も多く、鉄道事業を支えるさまざまな役割があります。
専門職に限らず、多様な職種から自分に合った仕事を選べる点は魅力といえるでしょう。
事業が安定している
鉄道会社は人々に欠かせないインフラであり、事業が安定している点もメリットです。一般的な企業と比べて経済情勢に影響を受けにくく、急激に業績が悪化したり倒産したりすることは少ないでしょう。
鉄道事業は新規参入が難しく、競合他社が増えにくい傾向があります。安定した企業で長く働ける点は、鉄道会社の魅力です。
やりがいを感じられる場面が多い
やりがいを感じられる場面が多い点も、鉄道会社で働くメリットといえます。鉄道は多くの人々の日常生活や経済活動を支える社会インフラです。
通勤・通学・旅行などさまざまな場面で利用されており、自分の仕事が人々の移動を支えているといった実感をもちやすいでしょう。社会貢献している実感をもちながら働ける点は魅力といえます。
鉄道業界以外の各業界について詳しく知りたい方は、「就活生が知っておくべき業界を紹介!絞り方のコツや方法も解説」の記事もチェックしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界で求められる人物像
鉄道業界にはさまざま職種があり、業務内容により求められる人物像も異なります。ここでは、鉄道業界全体で共通して求められる資質や姿勢について紹介するので、志望動機を考える際の参考にしてください。
ルールを守る人
電車や新幹線には運行ダイヤがあり、事故や天候の変化などの特別な事情を除けば時間厳守で運行しなければなりません。そのほかにも、安全管理や業務手順など守らなければならない規則やルールが多数存在します。
たとえば、飲食店や接客業のアルバイトで「衛生管理ルール」「手洗い・消毒」「調理手順」などを日常的に遵守していた経験があれば、ルールを守る姿勢をアピールできます。
日ごろから規則やルールを当たり前のように守れる人材が、鉄道業界では求められているでしょう。
責任感が強い人
鉄道業界では責任感が強い人も求められます。乗客の命を守り、目的地まで安全に運行するうえで、強い責任意識は欠かせません。
運転士や車掌はもちろん、保守点検を担う技術者や駅係員なども一つひとつの判断に責任が伴います。わずかな油断が重大な事故につながる場合もあるため、安全に対する意識を高くもつことが重要です。
コミュニケーション能力がある人
鉄道業界では高いコミュニケーション能力も求められます。ダイヤどおりの運行を実現するためには、運転士や車掌といった複数の部署と円滑に連携する必要があるためです。
また、駅係員などの接客を担当する職種では、利用者への案内やトラブル対応など、対人対応の場面も頻繁にあるでしょう。状況を的確に伝えたり相手の意図を正確に汲み取ったりする力が重視されます。
コミュニケーション能力のアピール方法については、「コミュニケーション能力をアピール!面接での伝え方とは」の記事をチェックしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界の志望動機で欠かせない業界・企業研究
鉄道業界における志望動機を考える際には、業界と企業研究が欠かせません。どのような点を理解すべきか、以下で詳しく見ていきましょう。
鉄道業界の基本を押さえる
鉄道業界を志望するなら、まずは業界全体の基本構造を理解しておくことが重要です。鉄道業界には、全国に路線を持つJRグループと地域密着型の私鉄各社が存在しており、それぞれで事業や強みが異なります。
たとえば、JR各社は新幹線の運行や大規模な再開発を手掛ける一方、私鉄は地域の交通を支えるだけでなく、沿線の不動産開発や観光誘致に力を入れている企業もあります。
鉄道業界全体の構造を踏まえて、企業ごとの特色を理解しましょう。
グループ会社全体のビジネスモデルを知る
鉄道業界には主力の鉄道事業のほか、不動産業や小売業などがあります。業界全体の構造や主要事業を理解せずに志望動機を伝えても、表面的な印象を与え、説得力が欠けた内容になってしまうでしょう。
たとえば、東海旅客鉄道(JR東海)は、東海道新幹線の運行のほか、駅ビル開発や商業施設の運営、さらにはリニア中央新幹線の建設などにも取り組んでいます。また、JRのグループ会社は、ホテル運営や旅行業、IT事業なども展開しており、鉄道のみに限定されない多角的な経営が特徴です。
こうした事業展開を理解したうえで志望動機を落とし込めれば、企業研究の深さや志望度の高さをアピールできるでしょう。
コロナ以降の変化と今後の注力分野に注目する
鉄道業界を志望するなら、新型コロナウイルス感染症によって変化した事業構造や、今後の注力分野に注目することが重要です。感染拡大による外出制限で旅客や観光、商業などの収益が大幅に減少し、鉄道会社はこれまでの収益モデルの見直しを迫られました。
通勤利用者の減少が続く一方、観光客や訪日外国人は回復傾向にあります。多くの鉄道会社では、観光・レジャー関連施設の強化や沿線開発に加え、MaaS(Mobility as a Service)を活用したシームレスな移動サービスにも力を入れています。
コロナ禍後の変化を踏まえ、志望先がどの分野に注力しているのかを把握すれば、志望動機により説得力をもたせられるでしょう。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界の志望動機の書き方3ステップ
鉄道会社の志望動機で効果的にアピールする際は、内容を分かりやすく伝えることが重要です。ここでは志望動機の書き方を3ステップで紹介するので、実際に書く際にお役立てください。
1.鉄道業界を志望した理由を簡潔に伝える
まずは、なぜ鉄道業界を志望したのか理由を明確に伝えましょう。「人々の安全を守りたいと思い、鉄道を整備する技術職を志望しました」のように結論から伝えてください。先に結論を述べることで、面接官や採用担当者がどのような内容なのか想像しやすいためです。
要点が分かりにくい文章になってしまうと、結局何が言いたいのか伝わらず印象に残らない志望動機になる可能性があります。分かりやすい志望動機を作成するためにも、結論から伝えるようにしましょう。
志望動機は書き出しが重要です。詳しく知りたい方は、「志望動機は書き出しを意識しよう!好印象を与える書き方を解説します」の記事を参考にしてください。
2.志望企業を選んだ理由を明確にする
鉄道業界の志望理由を伝えたら、次は「なぜこの志望企業なのか」を伝えましょう。企業は、志望動機から自社への熱意や意欲の高さをチェックしています。
「どの鉄道会社にも当てはまるような内容になっている」と思われてしまうと、採用につながりにくくなるでしょう。たくさんの鉄道会社があるなかで、具体的にどのような点に魅力を感じたのかを明確に伝えてください。事前に企業研究に取り組み、競合他社との違いを整理しておくのが有効です。
3.入社後に貢献できることを伝える
最後に、入社後にどのように活躍できるか明確にアピールしましょう。アピールする際は、志望先の仕事内容を把握したうえで、自分の強みがどの業務でどう活きるかを具体的に伝えることが大切です。
たとえば、「強みである責任感を活かし、鉄道整備の技術職でお客さまの安全を守ります」といった表現が考えられます。志望動機では熱意を伝えるのも重要です。
志望動機の考え方については、「就活の志望動機はどう作る?基本的な構成や例文を解説」の記事を参考にしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
選考通過につながる鉄道業界の志望動機の考え方3選
鉄道業界を志望する場合は、現状を把握したうえでどのように事業に携わりたいか、具体的にすることが大切です。ここでは、志望動機を考える際に意識するべきポイントを3つ紹介します。
1.「鉄道好き」からエピソードを広げる
鉄道が好きで就職を志望する場合は、魅力を感じたきっかけやエピソードを交えると効果的です。好きなものについて語るときは、自然と熱意が伝わりやすくなります。
ただし、「鉄道が好き」だけでは不十分のため、好きになった経緯やその気持ちをどのように仕事に活かすかを伝えるようにしましょう。
鉄道が好きという気持ちを伝えるには、自己分析や就活の軸を見直して、「どうして鉄道会社でなくてはいけないのか」を明確にする必要があります。自分の原体験や学生時代に取り組んだ趣味や活動などを振り返り、志望動機に盛り込むことで、ほかの就活生と差がつく内容になるでしょう。
自己分析の方法を知りたい方は、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」の記事をチェックしてみてください。
2.「まちづくり」「地域活性化」を絡める
志望動機は、「まちづくり」や「地域活性化」を軸に考えてみるのも効果的です。鉄道会社のなかには、沿線の都市開発事業に力を入れている企業もあります。
特に、鉄道業界のなかでも、不動産開発や営業職を志望する場合、まちづくりや地域活性化に関連する業務に携わるケースもあるでしょう。都市開発に力を入れている鉄道会社を志望するのであれば、「まちづくりを通して地域社会に貢献したい」といった内容を伝えるのも有効です。
ただし、比較的定番な志望動機なので、意欲や熱意、強みをどのように貢献できるのかを具体的に伝え、ほかの就活生との差別化を図りましょう。
また、鉄道は単なる移動手段のみならず、観光事業の活性化にもつながります。志望動機のなかで、自身の旅行経験や観光業に対する興味や熱意を伝えるのも一つの方法です。
どちらの場合でも、具体的な事業内容に基づくアピールが必要なので、業界・企業研究を徹底しましょう。業界研究のやり方を知りたい方は、「業界分析とは?目的や正しい方法を解説!」の記事もご覧ください。
また、「業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」の記事では、業界研究や職種研究の必要性について解説しています。「企業についていろいろ調べるのは面倒くさそう…」と感じる方は、ぜひ参考にしてください。
3.「安全第一」で真面目な点をアピールする
鉄道の運行に関わる職種を志望する場合は、安全への意識や真面目に業務へ取り組む姿勢をアピールすると効果的です。鉄道運行は一歩間違えば重大な事故につながるリスクがあるため、常に冷静に対応し、正確に業務を遂行できる人物が求められています。
また、日本では電車の定時運行が当たり前とされており、時間の正確さに対する人々の信頼も高くなっています。安全意識をもった真面目な姿勢や時間・ルールを遵守するエピソードを交え、選考通過につながる志望動機を作成しましょう。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界の選考を通過する志望動機の例文6選
鉄道会社の書類選考を通過するための志望動機の例文を6つ紹介します。例文から基本的な文章構成や表現方法を学び、自分らしい志望動機づくりの参考にしてください。
1.地域活性化を軸にした例文
私は、鉄道を通じて地域活性化に貢献したいといった思いから鉄道業界を志望しております。そのなかでも、地域密着型の事業を幅広く展開する貴社に強く惹かれ、第一志望とさせて頂きました。
幼いころから鉄道に親しみ、地域の人々の暮らしに根ざした存在であることを実感してきました。大学では、交通インフラと地域経済の関係に関する研究に取り組み、地元の駅周辺開発がまちに与える経済的影響を調査しました。
鉄道が地域のにぎわい創出や交流の促進に大きく貢献していることを改めて認識しました。
貴社が掲げる「△△」といったビジョンや、「△△プロジェクト」などの地域と連携した開発実績に深く共感しています。
将来的には、鉄道を核としたまちづくりの一因として、地域の未来を築く仕事に携わりたいと考えております。大学での学びを活かし、地域社会に価値を提供できる存在を目指します。2.社会貢献を軸にした例文
私は、鉄道会社のサービス開発職として社会に貢献したいといった強い思いから、貴社を第一志望としています。
幼いころから鉄道に親しみ、電車の正確性と効率性には常に感銘を受けてきました。ある日、電車の遅延時に駅員の方が迅速かつ丁寧に対応していた姿を見て、鉄道は単なる移動手段ではなく、人々の暮らしを支える社会インフラだと強く実感しました。
大学では、鉄道サービス改善に関する研究に取り組み、利用者アンケートやヒアリングを通して課題を分析しました。混雑緩和やバリアフリー化の必要性に着目し、実現可能な改善案を提案した経験は、利用者視点を持った開発への関心を深めるきっかけとなりました。
貴社では、こうした学びや姿勢を活かし、利用者ニーズに即したサービスをかたちにしたいと考えています。鉄道がより多くの人にとって使いやすく、愛される存在となるよう貢献していきたいです。3.まちづくりを軸にした例文
私はまちづくりへの関心が強く、鉄道が地域社会の発展に果たす役割に魅力を感じ、鉄道業界を志望いたしました。特に、「まちの未来をデザインする」といった貴社の理念に共感し、地域の利便性向上と活性化に大きく貢献する不動産開発事業に惹かれ、第一志望とさせて頂きました。
大学では、地域活性化プロジェクトに参加し、駅周辺の再開発が地域経済や人々の生活に与える影響を調査しました。商業施設の集客力向上策や公共交通の利便性向上に取り組んだ経験から、駅の再開発が不動産価格の向上や住民の満足度につながることを実感しました。
この経験を通じて、鉄道がまちづくりに不可欠なインフラであると確信しています。貴社の不動産開発部門で、地域とともに暮らしを豊かにする取り組みに携わり、自身の地域と経験を活かして貢献したいと考えております。4.鉄道整備に関する例文
私は、鉄道を支える社会インフラの整備業務に携わりたいと考え、鉄道業界を志望しております。そのなかでも、「安全第一」の理念のもと、安定した運行を実現し続ける貴社に強く惹かれ、志望いたしました。
幼少期から鉄道に憧れ、高校では鉄道模型クラブに所属していました。模型の脱線や故障を防ぐために点検や整備を重ねるなかで、安全運行を支える整備の重要性を実感しました。この経験を通じて、人々の暮らしを支える仕事への関心が一層深まりました。
将来的には、期初の一員として高い安全基準の維持に尽力し、日々の点検・整備を通じて、安心と信頼のある鉄道運行を支えていきたいと考えております。真面目に取り組む姿勢を活かし、現場から社会に貢献する存在を目指します。5.サービス提供に関する例文
私は、幼少期から鉄道に魅了され、車掌や駅員として乗客と接しながらサービスを提供することに強く憧れてきました。なかでも、日々多くの人の暮らしを支える貴社の△△線で車掌として勤務したいと考え、志望いたしました。
高校時代には、ボランティアとして駅でホーム案内や切符販売に携わった経験があります。短い期間でしたが、乗客の安全を守り、無事に目的地へ送り届ける責任の重さを実感しました。また、笑顔で接客することで安心感を与えられる駅員の姿に、大きなやりがいを感じました。
この経験を通じて、貴社が掲げる「顧客第一主義」の理念に深く共感し、自らも現場で貢献したいといった思いが一層強まりました。鉄道に対する情熱と接客への意識を活かし、安心で快適なサービスを実現し、利用者の笑顔につなげていきたいと考えております。6.安全管理を軸にした例文
私は、社会インフラとしての鉄道において、安全管理が最も重要な役割の一つであると考え、鉄道業界を志望しております。そのなかでも、徹底した安全対策と事故ゼロを追求する姿勢に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。
大学では都市工学を専攻し、交通インフラにおける安全設計やリスクマネジメントについて学びました。特に、ゼミでは、公共交通機関におけるヒューマンエラーの防止策に関する研究を行い、安全性を高めるためのオペレーションの在り方について考察を重ねました。
この学びを活かし、貴社の安全管理業務に携わりたいと考えております。現場での状況判断やマニュアル整備などを通して、安全で信頼される鉄道運行の維持に貢献してまいります。志望動機の例文を参考にしたい人は、「就活の志望動機例文24選!準備や印象に残るアピールのコツなども解説」の記事をご覧ください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界に提出する志望動機のNG例文4選
鉄道会社に提出する志望動機では、ほかの企業にも当てはまるような内容や、「安定しているから」といった理由を書くのは控えましょう。採用担当者から「条件がそろっているならほかの企業でも良いのでは」と思われてしまいます。
ここでは、志望動機のNG例文を通して、避けるべき4つの表現を紹介します。実際に志望動機を書く際は、これらの表現を使わないようにしましょう。
NG例文1.ほかの企業にも当てはまる
私は、鉄道業界の最前線で活躍し、社会に貢献したいと考えております。交通インフラは、現代社会に欠かせない基盤です。その発展に携わることは、人々の暮らしを支え、より豊かな社会づくりに直結すると確信しています。
なかでも、貴社のもつ高い技術力と革新的なサービスには大きな魅力を感じ、志望いたしました。ほかの鉄道会社にも当てはまりそうな内容では、「自社ではなくても良いのでは」と思われ、採用につながりにくくなります。
また、志望企業を選んだ具体的な理由がないと、「企業研究が足りていない」「選考への熱意が感じられない」と受け取られる恐れがあります。他社との違いや独自の魅力を深掘りし、その企業ならではの要素を盛り込みましょう。
NG例文2.鉄道好きな気持ちだけをアピールしている
私は、幼いころから鉄道に強い関心があり、電車を眺めるのが何よりの楽しみでした。大学でも鉄道研究会に所属し、電車に関する講義を受講したり博物館に行ったりして、鉄道に関する知識を深めてきました。
こうした経験から、鉄道に関わる仕事を通して、自分の関心と熱意を社会に活かしたいと考えるようになりました。「鉄道が好き」といった思いだけでは、選考通過は困難です。企業は、仕事で成果を出し貢献してくれる人材を求めています。鉄道のファンであると伝えても、それだけでは評価されません。
志望度の高さを示すのは重要ですが、採用する価値がある人材かどうかが問われます。鉄道が好きな気持ちを、どのように企業への貢献につなげるかを具体的に伝えましょう。
NG例文3.安定性への憧れだけで志望している
鉄道業界は将来性があり、長期的に安定した収入も得られると思い、志望しました。鉄道はインフラとしての重要な役割を担っており、人々の生活に欠かせないものです。そのため、今後も需要が減るとは考えにくい業界です。
私自身、安定した職業を求めております。大学時代に野球部のキャプテンとしてチームをまとめてきた経験を活かし、貴社でも責任ある役割を担いたいと考えております。「業界が安定している」のように、自分本位の理を志望動機にするのは避けましょう。企業にとってのメリットが伝わらず、仕事への熱意が感じられない印象を与える恐れがあるからです。
安定性や給与は、職業選択において重要な条件です。しかし、採用担当者の立場になって考えてみれば、「安定しているから働きたい」と伝えられても採用したいとは思わないでしょう。
NG例文4.仕事内容への理解が浅い
運転士は基本的に乗客と関わる機会がないため、「人と関わる仕事がしたい」といった志望動機は職種とずれており、業務理解が浅い印象を与えてしまいます。
志望動機のNG例文をさらに知りたい方は、「志望動機のNG例文集!改善策や注意すべきワードも解説」の記事をチェックしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界の面接で志望動機を伝える際の注意点
志望動機は、エントリーシートや履歴書のみならず、面接でも聞かれる可能性が高い質問です。面接官は志望動機を通して、就活生の熱意や入社意欲の高さを判断しています。
面接では、所作や話し方からコミュニケーション能力や協調性なども評価されます。したがって、面接で志望動機を伝える際は以下のような点に注意してください。
・第一志望であると伝える
・志望動機を使いまわさない
・回答を掘り下げられても答えられるように業界や世間の動向をチェックする
・社会人として基本的なマナーをわきまえる
志望動機の内容を具体的なものにするのはもちろん、回答を深掘りされた場合に備えて、鉄道業界や世間の動向をリサーチしておきましょう。また、社会人としてふさわしい対応を意識して、面接に臨んでください。
志望動機以外にも、以下のような質問がよく聞かれます。
・短所
・学生時代に力を入れたこと
・困難を乗り越えたエピソード
・他社の選考状況 など
逆質問の時間に備え、企業に聞きたいことを事前に考えておきましょう。自己分析や業界研究を十分に進めておくと、説得力のある回答や質問ができるようになります。
面接でよく聞かれる質問については、「就活の面接で聞かれる質問集40選!答え方のポイントや回答例も解説」の記事を参考にしてください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
鉄道業界の効果的な志望動機を作成したいあなたへ
鉄道業界の志望動機に説得力をもたせるためには、企業や業界についての理解が欠かせません。まずは鉄道業界の基本情報を押さえ、グループ全体のビジネスモデルや今後の注力分野まで理解を深めましょう。
「志望動機の書き方が分からない」「企業研究のやり方が不安」など、1人で進めるのが難しいと感じる方には、就職エージェントの活用がおすすめです。就職エージェントのキャリアチケットでは、志望動機の書き方はもちろん、書類添削や面接対策など幅広くサポートしています。就活で悩んでいる方はぜひご相談ください。
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら