博士課程の就活で失敗しないために!求人探しや成功のコツなどを解説

このページのまとめ

  • 博士課程の就活が難しいといわれるのは、スケジュールが決まっていないから
  • 博士課程の就活は情報が少ないので、自分から情報を集めに行くのが大事
  • 研究内容をわかりやすく伝えるのが、博士課程の就活を成功させるポイント

博士課程の就活で失敗しないために!求人探しや成功のコツなどを解説のイメージ

「博士課程の就活は難しい?」「学部卒よりも厳しいって本当?」などと不安に思う学生もいるでしょう。博士課程の就活は学部卒とは違い、就活のスケジュールが定まっていません。また、求人数も少ないことから、難しいといわれる傾向にあります。

この記事では、博士の就活における求人の探し方や、成功するための具体的な準備やコツなどを解説。博士課程の就活を成功させ、自分らしいキャリアを築きたい方は参考にしてください。

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目 次

博士課程の就活スケジュールとは

博士課程の就活は、厳密な開始時期が決まっていません。博士課程の採用を求めるため、卒業前年度の秋から採用活動を始める企業もあるなど就活の早期化も進んでいます。

たとえば、製薬系や化学メーカーの場合、博士課程2年の9月ごろから早期採用を始める企業もあるようです。また、11月ごろからプレエントリーを受け付け始める企業も増えています。

学部生の場合は、就活が本格化する時期は大学3年生の3月です。内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)」の2024年12月調査によると、企業説明会やセミナーなどに参加し始めた時期は、大学3年生の3月が約30%と多い結果でした。

企業説明会やセミナーなどに参加し始めた時期のイメージ

引用:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)(2p)

一方で、博士の場合、学部生と同様に3月になってから就活を始めると出遅れてしまう恐れもあります。3月には「もう博士課程の学生の採用は締め切っていた」という事態になりかねません。早めの動き出しを心がけ、気になる企業の選考時期は個別に調べておくのが大切です。

学部生の就活スケジュールについては、「就活はいつから?大学3年生が始めた平均時期や26卒スケジュールを紹介」の記事で解説しています。就活時期は違うものの、やるべきことと基本的な流れは同じなので、博士の就活がどのような流れで行われるか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

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博士課程修了と学部卒・院卒での就活の違い

博士課程の学生が就活を成功させるためには、学部生や院生との違いを理解しておくことが大切です。ここでは、博士課程の学生が就活で求められるスキルや求人について解説します。

1.学ぶ内容と学位

博士課程修了と学部卒・院卒は、学ぶ内容と得られる学位が異なります。理系・文系問わず、大学の4年間で必要な単位を取得し、論文を提出すると「学士」を獲得可能です。

その後、2年間の大学院修士課程を修了すると「修士」の学位を獲得でき、さらに3年間(医学系は4年間)の博士課程を修了すると「博士」が獲得できます。

なお、「院卒」とは「大学院の課程を修了したこと」を指すため、修士課程・博士課程は問いません。修士課程を修了していて博士課程に進んでいなくても「院卒」です。

文部科学省の「修士課程・博士課程の関係について 日本の大学院教育(2p)」によると、博士課程の目的は「広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うこと」とされています。

そのため、修士課程の2年間と博士課程の3年間は、すべての期間で研究を行うのが一般的です。就活に備える場合、社会に出て即戦力として使える専門的な知識を学ばなければなりません。また、論理的思考力や問題解決能力を身につけながら、研究で高い成果を残すことも求められます。

参照元
文部科学省
大学院部会(第45回) 配付資料

2.就活で求められるスキル

博士課程の就活では、論理的思考力と問題解決能力が特に重視されます。学部卒や修士卒に比べ、博士はより長い時間をかけて研究・論文執筆に取り組んでいるため、企業側はその分高いスキルを期待しているといえるでしょう。

たとえば、未知のテーマに対して自ら課題を設定し、論理的に仮説を立てて検証・発表してきた経験は、研究開発や企画立案に直結する力として評価されます。

さらに、博士課程で培った「専門知識」や「研究成果」も、就活では重要なアピールポイントです。面接では「どんな研究をしたのか?」「その研究で得られた成果は何か?」といった質問がよく行われます。

そのため、研究概要を専門外の人にも分かるように整理しておき、自分の強みとして伝えられるように準備しておくことが大切です。博士就活では「何を研究したか」以上に、「どう考えて、どう成果を出したか」が評価されます。

3.求人の数

博士就活では、学部卒や修士卒と比べて求人数が圧倒的に少ないのが現実です。そもそも博士課程に在籍している学生数が少ないため、企業側も「博士卒限定」で募集をかけるケースが限られています。

また、企業が博士人材を募集するのは、専門性の高いポジションや研究開発職が中心であり、求人自体がピンポイントなケースが多くなるでしょう。たとえば、バイオ・化学・材料・情報系などの分野ではニーズがありますが、全体的な枠数は限定的です。そのため、博士学生は「どこでも応募できる」のではなく、「どこなら自分の専門性を活かせるか」を戦略的に考える必要があります。

求人が少ないからこそ、自分の研究成果やスキルを活かせる分野や企業を見極め、ピンポイントで刺さる応募書類や面接対策をすることがカギです。

4.給与

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況(10) 新規学卒者の学歴別にみた賃金」によると、初任給の平均は、学部卒が24万8,300円、大学院卒が28万7,400円で、約4万円の差があります。博士課程の初任給に関するデータはありませんが、大学院卒と同等あるいはそれ以上になると考えて良いでしょう。

基本的には、高い学位を取得したほうが初任給も上がる傾向にあります。これは、博士課程を修了して就職する大きなメリットです。

初任給の平均額については、「初任給の平均額はどれくらい?手取り収入や給与事情を解説」も参考にしてください。

参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況

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博士の就活が難しいといわれる4つの理由

博士の就活は、新卒時の年齢が高く、就活スケジュールが定まっていないなどの理由から、難しいといわれる場合があります。ここでは、博士の就活が難しいといわれる理由をまとめました。

新卒時の年齢が高くなるから

博士課程修了で就活を行う場合、就活時の年齢が27歳と学部卒に比べて高くなります。浪人や留年をしていなくても、学部卒が23歳で就職することを考えると4歳差です。

長く働いてもらうことを前提に採用している企業も多く、その場合は年齢が若い人が優先的に採用されます。そのため、若い人を積極的に採用している企業では、年齢が高い博士は採用されにくい可能性も。

また、27歳で入社すると、上司が自分より年下になる可能性もあります。学部卒で新卒入社している同い年の人とのキャリアの差に悩むこともあるでしょう。

就活スケジュールが定まっていないから

明確な就活スケジュールが決まっていない点も、博士課程修了が就活を行う難しさの一つです。博士課程の就活は、学部卒のように「3月に情報解禁、6月から面接、10月に内定」といった明確な指針がありません。そのため、自分で企業の採用スケジュールを調べてエントリーする必要があります。

個別に企業のWebサイトを確認したり、大学のキャリアセンターに相談したりするのは、労力も時間もかかるでしょう。学部卒の就活生の就活開始時期に動き出すと、博士課程の学生の採用はすでに締め切っていることも。博士課程の就活生は早めの行動を意識して、卒業年度の前年度の秋から動き出しましょう。

博士課程修了を対象とする求人が少ないから

学部卒と比べると、博士課程修了を対象とする求人は少ない傾向にあります。多くの企業では、博士卒が身につけているほどの専門知識が求められていないからです。

そのため、企業はより若くてポテンシャルのある学士や修士を積極的に採用する傾向があります。仕事に必要な知識は入社後に学べるため、長く働いてもらえる人材を採用したほうが良いと考える企業が多いからです。

また、博士課程修了に見合った給料を設定したり、年齢に合わせた対応をしたりするのが難しいのも、求人が少ない要因。博士課程の就活は、少ない枠で競い合うことになるでしょう。

求人の幅を広げるには、逆求人サイトを使う方法もあります。登録をしておけば、自分の情報をみた企業から連絡が届く形式のサイトです。

逆求人サイトを利用して就活を行った学生の体験談を「視野を広げるために逆求人サイトを利用|元地方就活生に聞く就活体験談【第3回】」の記事で紹介しているので、こちらもぜひ読んでみてください。

ハイレベルなスキルを求められるから

ハイレベルなスキルが求められるのも、博士課程の就活が難しいと言われる理由です。企業は、博士課程の学生には専門的なスキルや高い思考力があって当然だと考えています。また、博士課程修了者を採用した場合には、研究職や重要なポジションの即戦力になってほしいという企業の意図もあるでしょう。

そのため、同じ分野でよりハイレベルな研究や論文制作を行った人がいた場合には、その人が採用されてしまいます。人柄やポテンシャルが重視される学部卒の就活と違い、たしかなスキルや実力が重視されるのが博士課程の就活が難しい一つの理由です。

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博士就活についてのキャリアアドバイザーのアドバイス

博士課程における就活では、新卒扱いとなるのか、中途扱いとなるのかを必ず確認しましょう。

博士課程修了の場合、年齢は27~28歳になっており、大学新卒で入社した場合に換算すると社会人5~6年目に該当します。一般的に第二新卒枠でも卒業後社会人3年目までと設定されている企業が多く、博士課程に進んだ場合は年齢がそれよりも高くなるため、企業によっては中途採用枠と同等扱いになることも。

企業により「博士課程は新卒か中途か」の設定は異なり、それによって就活方法も変わってくるので要注意です。

また、博士課程の場合は研究や論文で忙しく、アルバイトやサークル活動の経験が持てないこともあるでしょう。博士課程でアルバイトやサークル経験がなかったとしても、下記のエピソードとポイントをもとに話せないか整理してみるのがおすすめです。

・研究のなかで共同研究先や共同研究者とどのように協働しているか
・協働する際に意識、工夫したことはなにか
・ティーチングアシスタントや非常勤講師を務めている場合、指導や育成において心がけていたことはなにか

自己PRやガクチカ、中途採用における志望動機などで活用できるはずです。

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博士が就活をする4つのメリット

博士課程まで進み就活を行えば、専門知識や能力を評価してもらいやすくなります。ここでは、博士課程で就活を行うメリットを4つまとめました。

専門知識や研究能力があると評価される

博士課程の学生は、専門知識と研究能力の高さが企業から高く評価されます。長期間にわたり一つのテーマに集中し、深い学問的探究と実践的な研究を積み重ねてきたことがその理由です。

博士課程では、研究の計画立案からデータ分析、論文執筆、学会発表までを一人でやり遂げる力が求められます。これは、企業が必要とする課題設定能力や自走力に直結しているともいえるでしょう。

現場では、理論だけでなく応用力も求められるため、実験計画や仮説検証を重ねてきた博士の経験は貴重です。博士課程の人材は、特定の分野での研究開発や技術革新に貢献したり、専門知識を活かした難易度の高い仕事で活躍したりすることが期待されています。

論理的思考力や問題解決能力を評価される

博士課程の学生は、論理的思考力や問題解決能力が高く評価されます。企業や研究機関が博士人材に期待するのは、「自ら課題を見つけ、考え抜き、解決まで導ける力」です。

博士課程では長期間にわたって一つのテーマに取り組み、自ら研究計画を立てて進めることが求められます。そこで自然と、筋道を立てて物事を考える「論理的思考力」や、壁にぶつかったときに自分で突破口を見つける「問題解決力」が鍛えられていくでしょう。

たとえば、新しい技術の開発や既存製品の改善など、正解のない課題に取り組む場面で、博士のように考えて動ける人材は重宝されます。結果を出すプロセスに説得力があるため、社内でも信頼されやすく、昇進やプロジェクトリーダーへの抜擢につながるケースも多い傾向です。

論理的に考えて自ら動ける力は、博士人材ならではの強みであり、企業はその能力に大きな価値を感じています。

ライバルとなる就活生が少ない

博士就活では、同じステージで競うライバルが圧倒的に少ないのが大きなメリット。博士課程に進学する学生は全体の一部に限られており、就活市場における競争相手も少数です。

特に、ニッチな分野や専門性の高い領域では、企業側も「博士レベルの人材を探しているが、応募がほとんどない」という状況が起こりがち。そのため、ポジションによっては倍率が低く、大手企業や研究職に採用されやすいチャンスが広がっています。

実際に、大手メーカーや医薬・化学・情報系の企業では、「博士限定」の採用枠を設けていることもあり、修士や学部生よりも優先的に書類選考を通過できるケースもあるでしょう。

ライバルが少ないからこそ、博士就活は戦略的に動けばスムーズに内定獲得が狙える市場です。専門性を活かして、ニーズの高いポジションを確実に掴みにいきましょう。

学部卒では難しい仕事にもつける

博士課程修了者は、学部卒では就きにくい研究職や技術職に就けるメリットがあります。多くの企業では、研究職に関しては大学院卒以上を採用基準としており、特に博士レベルの専門知識や研究実績が求められるためです。

たとえば、医療・化学・ITといった高度技術分野では、急速な技術進化に対応するため、基礎から応用まで幅広い知識を持つ博士人材を積極的に採用する傾向が強まっています。学部卒の知識や経験だけではカバーしきれない課題も多いため、企業は博士課程で培った高度な専門性や問題解決力を評価し、重要なポジションを任せるケースが増えているのです。

博士就活では、専門性を活かして学部卒には難しい仕事に挑戦できる大きなチャンスが広がっているといえるでしょう。

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博士が就活で応募できる求人は分野によって変わる

博士卒が応募できる求人の傾向は、理系か文系かによって変わります。ここでは、博士卒の就活の傾向を紹介するのでチェックしておきましょう。

文系は理系と比べて求人が少ない

博士課程の場合、文系よりも理系のほうが選択肢は多い傾向です。

理系の学生の就職先として挙げられる研究職は専門知識が求められるため博士卒を募集している企業数が多く、ITや化学、薬学、物理学などの大きな分野の枠に加え、研究内容によってかなり細分化された分類で募集されています。

文系の学生が就職を目指す場合、就職先として挙げられるのは民間企業ならコンサルタントやシンクタンクなどです。民間企業以外であれば、大学教員や独立行政法、官公庁の研究所などが候補に挙がりますが募集人数は少ないでしょう。

理系は研究職の求人が多い

理系の場合、研究経験や専門知識が身についているため博士卒で研究職を募集している企業が多い傾向にあります。製薬や化学メーカーなどで募集しているので、調べておくと良いでしょう。

研究職は専門知識が必要となり、学部卒の理系の知識では対応できない場面が多くあります。博士課程修了者は求められる知識のレベルは高くなりますが、そのぶん活躍できる場所も多い傾向。

理系が就職を目指す場合は、自分の研究分野にマッチした企業を選ぶのがポイントです。自身が研究してきた内容とかけ離れた分野では評価されにくく、就職できたとしてもミスマッチが起きやすいので注意しましょう。

研究職を狙っている方は、「研究職になるには?働くメリットや向いている人物像をご紹介」を参考に就活をしてみてください。職種ならではの就活のコツやアピールポイントをおさえておくと、就活を有利に進められます。

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博士の就活で検討されやすい企業4選

博士号を取得した学生は、「大学教員」や「研究職」「海外企業」などに勤めることが多いようです。どのような就職先があるかを紹介するので、博士課程の学生は就職活動を行う際の参考にしてください。

大学教員

文部科学省の「2040年を見据えた大学院教育のあるべき姿~社会を先導する人材の育成に向けた体質改善の方策~」によると、博士課程修了者の多くが大学教員を選んでいます。大学教員として採用された人は、まず助手や助教として働くケースが一般的です。

博士後期課程修了者の進路の確保とキャリアパスの多様化のイメージ

引用:文部科学省「(6)博士後期課程修了者の進路の確保とキャリアパスの多様化(112p)

その後、研究成果を出すなど優秀な場合には、講師や准教授、教授へと階級が上がる流れです。しかし、博士号を取得し大学教員になっても、教授になるまでには多くの時間がかかります。

参照元
文部科学省
大学院部会(第92回)会議資料

製薬会社などの研究職

博士号取得者は、製薬会社をはじめとする民間の研究職に就くこともあります。研究開発者として採用されるのは、博士の専門知識への期待があるからです。

民間企業の場合、企業が求める製品や内容に応じた研究を行うのが一般的。場合によっては、自分が研究したものが製品になり、市場に出回る場合もあります。

公的機関の研究職

博士からの就職先として、国や官公庁などが管理する研究所で働くことも可能です。たとえば、次のような研究機関に所属します。

・農林や水産に関する研究機関
・人口に関する研究機関
・国土に関する研究機関
・気象に関する研究機関
・警察関連の研究機関

ただし、公的機関の研究職に就職する場合は、公務員試験への合格が必要です。国が運営や管理している機関なら国家公務員試験、地方団体の場合は地方公務員試験に受かる必要があるので覚えておきましょう。

公務員試験については、「公務員に資格は必要?職種の違いや採用までの流れを解説」の記事で解説しています。民間企業で行われるような選考とは試験内容が異なるので、十分に勉強しておくのがおすすめです。

海外の企業

博士号を取得した人は、海外企業に就職する場合もあります。海外では、博士を取得した人材の専門的知識が高く評価される傾向にあるからです。

海外の企業については、「日系にないメリットがある?外資系とはどのような企業か」の記事で解説しています。就職先の選択肢を広げられるので、視野に入れておくのがおすすめです。

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博士課程の就活における求人の探し方

博士課程の求人は、大学生と比べると少ない傾向にあります。どのような方法で求人を探せるかを解説するので、ぜひ参考にしてください。

就活サイトの利用

博士課程の求人も就活サイトで探せるため、まずはここから情報収集を始めるのがおすすめ。就活サイトには多くの企業求人が集まっており、一度に幅広い選択肢を比較できるのが大きなメリットです。

また、情報収集からエントリー、選考結果の確認まで、すべてオンライン上で完結できるため、忙しい博士学生にとって使いやすい環境が整っています。

文系・理系を問わず幅広く利用できるため、専門分野を超えた多様な求人にもアクセス可能です。多くの求人を効率的に探したい場合には、手軽で効果的な方法といえます。

まずは大手の就活サイトに登録し、博士向けの求人情報をこまめにチェックすることから始めましょう。

企業Webサイトの利用

志望企業が明確なら、企業の公式Webサイトを必ずチェックしましょう。企業によっては、自社のWebサイトだけで求人を掲載している場合があるため、就活サイトに求人がないときでもあきらめずに調べる価値があります。

たとえば、大手メーカーや研究開発型の企業は、自社サイトにしか載せていない求人を出すこともあるため、志望先のサイトをこまめに確認しておくと良いでしょう。企業Webサイトを活用することで、ほかの就活生より一歩リードできるチャンスが広がります。

キャリアセンターの紹介

博士課程の就活では、大学のキャリアセンターを活用することが大きな強みになります。なぜなら、キャリアセンターには大学限定の求人情報があり、一般には公開されていない企業からの求人も紹介してもらえるからです。

たとえば、理系分野に強い企業や研究機関が、特定の大学にだけ求人を出すケースもあり、こうした情報はキャリアセンターを通じてしか得られません。

さらに、多くの大学では一定の条件を満たす学生に対し、企業への推薦をしてくれる制度があります。推薦を受けると、書類選考をスムーズに通過しやすくなり、内定獲得の可能性が高まるのがメリットです。

まずはキャリアセンターに足を運び、どのような求人があるか相談してみましょう。推薦制度についても詳しく聞いて、活用できるか確認することをおすすめします。

大学教授の紹介

博士課程の就活で効果的なのが、大学教授からの企業紹介や推薦を受ける方法です。教授は企業とのパイプ役を持っていることが多く、特に理系や工学部では教授経由の推薦求人が数多くあります。

たとえば、自動車メーカーや機械メーカーなどの技術系大手企業は、教授からの推薦で博士人材を採用することが多い傾向です。これは企業にとっても信頼できる候補者を確保できるメリットがあります。

教授推薦については、「教授推薦とは?理系就活で利用する際のメリット・デメリットを解説」の記事で解説しているので参考にしてください。

就活エージェントの紹介

求人を探す際には、就活エージェントの活用もおすすめです。求人紹介だけではなく、面接対策やエントリーシートの添削など、選考対策を受けられるメリットがあります。

膨大な情報のなかから、希望の条件や自分に合う企業を見つけるのは大変です。就活エージェントのサポートを受けることで、企業選びを効率的に行えるでしょう。

博士課程の就活でおすすめなのが、就職エージェントのキャリアチケットです。文系理系問わず、博士課程の就活生をサポートいたします。内定獲得に向けてマンツーマンでアドバイスしますので、就活を成功させたい方はぜひご相談ください。

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博士の就活で必要な8つの準備

博士課程の就活でも、学部卒同様に自己分析や選考対策が重要です。入念に準備を行い、内定獲得を目指しましょう。ここでは、博士課程の就活で必要な8つの準備を解説します。

1.自己分析

まずは自己分析を行い、自分の強みやスキル、考え方や価値観を整理します。エントリーシートや面接で自分の強みをアピールするには、自己理解を深めることが欠かせません。

また、自己分析を行うことは、自分に合う企業選びにもつながります。自分の価値観やビジョンに合う企業でなければ、入社後にミスマッチを起こしてしまうでしょう。

2.業界研究

博士課程の就活では、業界研究も大切です。それぞれの業界の特徴を理解してどの業界を目指すのか考え、志望業界を絞りましょう。博士過程の就活では、専門分野に特化した求人情報を収集する必要があります。

業界研究の詳しいやり方は、「業界研究のやり方は?効率的に進めるコツや行う目的を解説」の記事を参考にしてください。

3.企業研究

自分に合った就職先を見つけるために、企業研究も行いましょう。各企業や研究機関の「研究」や「事業内容」「価値観」「採用方針」などを調査し、自身の志向との相性を考えます。

これまで自身が研究してきた内容に合致する就職先を見つけたからといって、それだけですべてを判断するのは危険です。研究内容や事業内容だけでなく、そのほかの部分についてもしっかりと調査してから判断しましょう。

企業研究の進め方については、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事で詳しく解説しています。

4.エントリーシート・履歴書対策

書類選考に向けて、エントリーシートと履歴書の対策をしましょう。聞かれる内容はある程度傾向があるので、どのように回答するかは事前に準備しておくのが基本です。

たとえば、エントリーシートでは「自己PR」や「長所・短所」「ガクチカ」などが聞かれる傾向にあります。また、企業独自の質問をされやすいのもエントリーシートの特徴です。

履歴書の場合、氏名や住所などの基本情報に加えて、学歴や志望動機が聞かれます。市販の履歴書を使用する場面も多いので、どのような内容が聞かれるかは履歴書を見て確認するのもよいでしょう。

エントリーシートの書き方は「就活のエントリーシートの書き方を一から解説!落ちないための注意点」の記事で紹介しています。

5.SPIなどの適性検査

SPIや玉手箱など、適性検査対策も実施しておきましょう。企業によって実施する適性検査は違うので、どの検査が行われるかを確認してから勉強するのが大切です。

勉強方法としては、問題集を一冊購入し、繰り返し解くのがおすすめ。問題の形式や出題傾向はある程度決まっているので、解き方さえ覚えておけば安心です。

適性検査の対策方法は、「就活の適性検査とは?検査の種類や特徴、受ける際のポイントをご紹介!」も参考にしてください。

6.面接対策

面接本番に緊張せずに話せるように、面接対策も行いましょう。答える内容が決まっていても、緊張でうまく答えられないケースはよくあります。

面接対策を行う場合は、模擬面接を行うのがおすすめです。面接官役がいるため、緊張感をもって練習できるでしょう。また、面接官役の人からフィードバックをもらえるのもメリットです。

模擬面接は、「就活セミナーで面接練習は受けられる?開催場所や受講するメリットを解説」を参考に実践してみましょう。

7.キャリアプランの整理

入社後にどのようなキャリアを目指すのか、あらかじめ整理しておきましょう。自分が目指す分野や将来の目標が明確になれば、入社後にどのように活躍したいかをアピールしやすくなります。

キャリアプランは、エントリーシートや面接で聞かれる場合も。キャリアプランの答え方は、「キャリアプランの例文18選!面接での答え方や思いつかないときの考え方」の記事を参考にしてみてください。

8.研究内容や論文の整理

博士課程の就活では研究内容や論文について聞かれる場面もあるので、答えられるように準備しておきましょう。これまでの成果をまとめ、知識のない採用担当者にも分かりやすく伝えられるように整理しておきます。

博士課程の場合、自身の成果がそのままアピールポイントになります。ほかの学生と差をつけるためにも、あらかじめまとめておきましょう。

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博士の就活で失敗しやすい4つのポイント

博士が就活を行うにあたって、失敗しやすいポイントを4つ解説します。つまづきやすいところを事前に分かっていれば、対策を講じられるでしょう。

就活のスタート時期に遅れる

博士の就活でよくある失敗が、就活のスタート時期に遅れてしまうことです。博士の就活はスタート時期が明確に決まっておらず、油断すると周囲がすでに始めているケースはよくあります。

遅く始めてしまうと、興味のある企業の採用活動が終わっていたり、応募できる企業の選択肢が減っていたりするでしょう。

また、論文など学業を優先しており就活のスタートが遅れてしまうケースもあります。学業も大切ですが、就活と同時並行ができるようにスケジュールを考えておきましょう。いつから就職活動を始めるかを明確にし、計画的に準備を進めるのが大切です。

選考対策を行う時間がとれない

学業やアルバイトで時間を取れず、対策ができないケースがあります。対策不十分のまま選考に参加しても、内定は難しいので気をつけましょう。

「博士は研究内容で評価される」「博士という学歴があれば大丈夫」などの考えは、就活では通用しません。博士過程であっても、自己PRや志望動機、面接でのコミュニケーション能力などが評価されます。

研究内容だけでは、内定まではたどり着けません。どれだけ忙しくても、選考対策は必ず行いましょう。

業界や分野へのこだわりが強い

志望する業界や分野は、幅広く考えるのがおすすめです。博士の就活はそもそもの選択肢が少ないため、業界や分野にこだわると選択肢がなくなってしまいます。

就職活動で企業を探すコツは、最初は選択肢を広く持ち、徐々に狭めていくことです。最初から選択肢を狭くしてしまうと、あとから広げるのは難しくなります。「選考を受けてみたけど、この分野は合わなそうだ」と感じた場合、また一から就職活動を始めなければなりません。

企業を選ぶ際の業界や分野は、2つか3つほど選択肢を用意しておきましょう。就活を進めながら徐々に絞っていくのがおすすめです。

自分一人で就活を乗り越えようとする

自分の力だけで就活を乗り越えるのは大変です。友人や大学のキャリアセンター、就活エージェントなどのサポートを受けるようにしましょう。

博士の就活は情報が少なく、自分で調べるのは大変なこともあります。また、学業との両立には時間も足りないでしょう。

忙しいながらも就活を成功させるには、効率的に動く必要があります。多くの人の力を借りることで、就活成功に近づくはずです。

就活でおすすめの相談先については、「就活相談先のおすすめ15選!悩み別の聞くこと一覧や相手選びのコツも解説」の記事で解説しています。就職エージェントのキャリアチケットでも相談に乗りますので、就活成功に向けてサポートが欲しい場合はぜひご相談ください。

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博士学生が就活を成功させる4つのコツ

博士課程の学生が就活を行う際は、自ら積極的に情報収集や行動を起こすことが大切です。また、博士課程の就活情報は少ないため、就活をよく知る人に相談するのも忘れないでください。

ここでは、博士学生が就活を成功させる4つのコツを解説します。

求人情報を自ら確認する

どのような求人があるか、自分から積極的に調べましょう。博士課程の就活はスケジュールが定まっていないため、自分の志望企業の情報は個別に確認する必要があります。

博士課程用の就活サイトもありますが、学部卒と比べると数や規模は小さくなる傾向です。情報を待っているだけでは遅れてしまうので、自分で積極的に探しましょう。

OB・OG訪問でリアルな情報を得る

博士の就活で失敗したくないなら、OB・OG訪問を行いましょう。実際に企業で働く博士修了者から話を聞くことで、「自分がその企業で働く姿」をより具体的にイメージできるようになります。

たとえば、企業での研究の進め方や、博士としての評価ポイント、アカデミアとの違いなど、ネットや募集要項では得られない生きた情報を得られるでしょう。特に、同じ分野の博士出身者であれば、就活の進め方や苦労した点など、自分に重ねて考えられるため参考になります。

面接での説得力ある受け答えにもつながるため、OB・OG訪問は積極的に活用しましょう。

博士学生向けインターンシップに参加する

博士課程の就活において、インターンシップは企業を知るだけでなく、自分を知ってもらう絶好の機会です。企業によっては博士学生向けの研究職インターンを実施しており、実際の業務に近い環境で働ける貴重な体験ができます。

実際に社員と一緒に仕事をすることで、会社の雰囲気や価値観、自分の研究がどのように社会とつながるかを実感できるのもメリットの一つです。これは志望動機にも深みを持たせる材料になるでしょう。

さらに、インターン選考を通じて本番の面接に近い練習ができるため、実戦経験を積むことにもつながります。面接本番での緊張を和らげ、準備の質を高めるには良い機会です。

就活と学業のバランスを意識する

就活だけではなく、研究などの学業に費やす時間も確保しましょう。就活に集中し過ぎて、単位を落としてしまっては意味がありません。

博士課程は学部生に比べると、研究や勉強に費やす時間は多くなります。就活と両立できるように、時間管理を意識してみてください。

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博士課程を卒業して就活を成功させたいあなたへ

博士課程の就活は、学部卒と就活スケジュールが異なります。学部生と比べると情報も少ないので、積極的に自分から動くことが大切です。興味のある企業については個別に調べて、「いつ採用活動が開始されるのか」「選考のタイミングはいつか」などを把握しておきましょう。

また、博士課程の学生が就活を成功させるには、就活エージェントのようなプロに頼るのも大事です。研究や勉強で忙しい博士課程だからこそ、プロのアドバイスを受けて効率的に就活を進める必要があります。

博士課程の就活で悩む場合は、キャリアチケットをご活用ください。キャリアチケットでは、エントリーシートや面接などの選考対策も実施し、就活に関するあらゆる悩みを無料でサポートいたします。就活準備は早いほどよいので、すぐに登録して動き出しましょう。

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